スナイパーの合同訓練が出禁になり狙撃トリガーがランク戦出禁になってからしばらくが経過した。
今まで狙撃手の練習に割いてた時間を射手の練習とランク戦に。そして息抜きにやる銃手のランク戦に充てている。
ちなみに現在の比率は射手の自己練5、射手ランク戦3、銃手の自己練1、銃手ランク戦1となっといる。
しかし銃手でランク戦に潜ると、俺の顔を相手が死神でも見たかのように怯えた表情をすることがたまにあるが何故だろう。
今日も今日とてランク戦だ。
あれからだいぶポイントが増えアステロイド『3834』となった。
しかしポイントが高くなってくると相対的にポイントの低い相手と戦う事になり、3500Pからはポイントの収穫がかなり渋くなった。
とりあえず数をこなさなければとランク戦室へ向かう
「なんでよおーー!」
と、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
アクアだ。しばらくここで見なかったがあいつ今度はボーダーでも何かやらかしたのか。
呆れながら声のする方。ランク戦室へと入っていくと地面に倒れ仰向けになり泣きじゃくるアクアの姿があった。
「なんだどうしたアクア?タンスの角に足の小指でもぶつけたか?」
「ちっがうわよ!この場所!この姿!私が理不尽に負けたのが分かるでしょ!?」
「全然」
要はこうだった。
最初の訓練で誉められまくって調子乗ってランク戦したら馬鹿みたいに勝ちまくったから余裕!って三日坊主になって来なくなったらしい。(学校で居残りなどもあったが)
というかあいつ、あの時宿題やらなかったのもしかしてランク戦のせいか?
それでしばらくして戻ってきたら射手にハメ殺され、銃手には距離の有利で負けまくったらしい。
そしたら初日で3000ポイントまで稼いだのが2400……スタート時の2500Pよりも低くなってしまったそうだ。
挙句負け分を取り戻そうとヤケになってさらにポイントを失い現在は2000Pまで落ちてしまったという。ギャンブルに負ける奴の思考回路かよ。
ちなみにカズマは知らないがC級隊員がここ最近強くなっているのだ。まあそこまで強くなったのはカズマのせいなのだが。
置弾に関心の無かった射手がカズマとの戦闘から、見よう見真似で稚拙ながらにも使い始めたり、カズマに散々やられた攻撃手や銃手がその経験から単純に強くなったりしたのだった。
「お前の自業自得じゃないか、お前がサボった分周りの連中が強くなった。それだけだろ?」
「うう、いつもは甘々のカズマさんがすごい厳しい……そうよ!そこまで言うなら勝負しなさいカズマ!」
「えー、めんどくさい。それにお前のトリガーじゃ十中八九負けるぞ」
「ふふん!ハッタリね!分かってるんだから。何年付き合ってると思ってるの」
その何十年俺と付き合ってるなんとかさんの目は節穴らしい。
「分かったわ!私に勝てないのが素直に言えないのね。しょうがないわね。まあ私が倒したサソリみたいなやつにだいしゅきホールドされて負けたカズマさんですもんね。プークスクス!今思い出しただけでもチョー笑えるんですけど」
だんだんとイライラしてきたカズマに対し火に油を注いでしまった。
「何だとこのアマァ!さっきからこっちが下手に出てたら調子乗りやがって。上等じゃねーか!やってやるよ!お前のポイントが0になるまでむしり取ってやる!」
そう言ってカズマはランク戦を始めた。
「ふふん、どっちが上か思い知らせてあげるわ。覚悟しなさい!」
アクアは一直線に駆け出し地面を蹴ってカズマとの距離を一気に詰めジャンプ斬りをする。
「はあ〜、アステロイド」
『戦闘体活動限界、ベイルアウト』
それを見て呆れたようにため息をつきながら低速弾を二人の間に展開する。それに触れたアクアは肉片となりベイルアウトした。
その後も射程の有利をとって一方的に攻撃したり、弾幕をわざと避けやすいように張り、弾幕を実力で切り抜けたつもりになって勝ちを確信していたアクアを側面から置弾で倒したりと技量や対人経験の差により勝利した。
たしかにアクアの身体能力は驚異的である。既にC級上位クラスの実力はあるだろう。それこそトリオン兵相手であれば十分通用する。
だが騙し読み合う対人戦では、これまでの戦闘経験や悪知恵の働くカズマの方が断然強かった。
その後も一方的な試合展開が繰り広げられ興味本位で試合を見ていた観戦者もドン引きして、あの騒動のを見ていた者達も僅かながらに同情の念が湧いてきた。
「ふっ、虚しいポイントだ」
「ううっ、ぐすっ、ひっく……かじゅまのバカァァァ!」
翌日
俺はとうとう3900ポイント台に突入し、B級昇格まで後少しとなった。
「あのー……カズマさん。大変申しにくいのですが」
「どうしたんだ、バカアさん?」
何か言いたい気持ちを必死に抑え顔を引き攣らせながらアクアは華麗な土下座を披露する。
「どうか、どうかこの私めにポイントをお恵みください!」
元入隊時期待度No. 1だったなんとかさんは恥も外聞もなくそう申し出てきた。
「えー、いやだよ。せっかくあと少しでB級に上がれるとこまで来たのに。それに俺には何らメリットがないじゃないか」
「メリットならあるわよ!」
「なんだよ」
「この私と一緒にB級に上がれ……」
「そっか、がんば!」
「待ってえええ!!!お願いよ。なんでも言うこと聞くから!もうアクシズ教の入信書もポストに入れないから!」
「あれお前だったのかよ!!」
カズマは損得勘定にはいる。
このあとB級に上がったら防衛任務を行うことで給料が手に入る。アクアの取り分の一部を寄越せと要求すればB級のまま半不労所得が入ってくるのではないか。
「しょうがねぇな。ただしなんでもだから?破ったら生身だろうがアステロイド撃ち込むからな?」
「分かった絶対守るわ!……やっぱカズマさんはなんだかんだで私には甘いわね」
(分かってるわよ。破ってもなんだかんだで許してくれるって)
「うっし、じゃあまずはアクア。それをやる前にやってもらうことがある」
そうしてカズマはメモに殴り書きで何かを書き出した。
「ここに書いてあるスコーピオン、レイガスト、孤月ってやつらどれかと戦って、そうだな。5勝……いや10勝してこい。そしたらポイント分けてやるよ」
「ガッテンでい!」
ピシッと敬礼をしてはウキウキでランク戦へと向かい出した。
流石に負けないよな?
一応あいつは初見でモールモッド倒せたわけだし。
数十分後、カズマの元にご機嫌で戻ってくるアクアの姿があった。
どうやら勝てたみたいだ。
銃手、射手とさえ当たらなければ勝てはするのだろう。
「よし、俺は101号室に入るからお前は102号室に入れ。俺が申請を送る」
「分かったわ!」
ポイントはくれてやろう。ただしアステロイド以外のな。
俺はトリガーチップを変え申請を送った。
1戦目
スコーピオン『1500』
孤月『2450』
二人は転送され試合が始まる。
互いの距離は5メートルほど離れている。
なるほど攻撃手同士だとここまで縮まるのか。
「そうだ、何点か言い忘れてたがアステロイドのポイントをやるつもりは無いし、タダでやられる気はないぞ?」
そう言ってカズマは右手にスコーピオンを出す。
「あっ、卑怯よ!ルール違反だわ!契約もムコーよムコー!」
「フフン、俺はポイントをやるとは言った。だが抵抗しないとは一言も言ってないぞ?」
「この……騙したわね!!」
アクアは怒りに任せて切り掛かってきた。
ふっ、太刀筋が見え見えだぜ。
俺はスコーピオンを両手で握り受けの姿勢をとる。
『戦闘体活動限界、ベイルアウト』
孤月が振り下ろされ、スコーピオンごとカズマを真っ二つにした。
「プークスクス!ウケるんですけど!!あそこまでカッコつけて呆気なくやられるなんてチョーウケるんですけど!」
うるさいのでミュートにして申請を送る。
X戦目
アクアの横薙ぎの一撃を避け、続け様に振り下ろされる一撃をスコーピオンで受け流してスコーピオンを振るう。
しかしそれを孤月で受け止められ返す刀で一刀両断される。
『戦闘体活動限界、ベイルアウト』
これまでの戦いでだいぶスコーピオンについて分かってきた。
どうやらこのトリガーは防御性能がかなり低く、マトモに攻撃を受けるとガラス細工のようにすぐ壊れてしまうらしい。やるとしたら先程のように軌道を逸らしたりと受け流すのが関の山だ。
これは相当攻撃にのみ特化しているようだ。しかし、重みがなく自由に振り回せ、様々な形に変形させたり体から生やたりすることができ、攻撃に工夫の幅がある。先程もククリナイフのような形状に変えて投げつけ片腕を斬り落とした。
これまでの戦いで倒しはしない。というより全力で戦っても倒せなかった。よくて手足の一本を斬り落とすのが限界だ。
まあ、もしここで勝ってしまえばこれまで与えた点以上に入ってくるに違いないのだろうが。
そうしてアクアのポイントの稼ぎが悪くなってきたので別のトリガーに切り替えるためチップの入ったケースを取り出す。
中には色々とチップが入っており、キヨシさんによる説明? らしきものが書かれている。
一部を抜粋する。
スコーピオン
攻撃特化の飴細工
孤月
万能といえば聞こえは良いがこれと言った特徴もない平々凡々トリガー
アステロイド
威力の高いシンプルな弾トリガー、攻撃手を一捻り!
バイパー
変幻自在!見よ無様な攻撃手の姿を!
ハウンド
どこまでも追尾し攻撃手を喰らう!
イーグレット
攻撃手の意識外からぶっ殺せ!
シールド
諸悪の根源。
レイガスト
レイガスト、お前は存在してはいけないトリガーだ。
とかなり私情の入った説明だ。
俺はその中からとりあえず孤月を選び申請を送る。
こうやって俺がトリガーの性質を覚えていく間にアクアもポイントが貯まるだろう。
X戦目
結果から言うと孤月対孤月の試合は一方的に負けた。使ってて分かった事(使う前から予想はしていた事)は工夫がし辛く個人の力の差がモロに出てしまうということだ。
相手の攻撃を受けたり逸らしたりするには便利だが、それ以外では俺は扱えそうにない。これは単純に技量だけを求められており剣術に覚えがあるものが使えば相当強いだろうが俺には無理だ。
孤月を片手で振るおうとしたが終始孤月に振り回されてしまった。両手で持っても少し振り回されてしまうのだが。
そして再びポイント移動が渋くなってきたので次はレイガストに変える。
存在してはいけないトリガーと書いてあったがどれほどの性能なのか試させてもらおう。
1戦目
自身の右手に得物をだす。
レイガストは重い剣という印象を受ける。形状もやや特殊だ。全く違うが思い当たる中で最も近い武器は薙刀だ。
アクアが迷う事なく突進をして来る。
それに対応するためこちらもレイガストを構え剣戟を交えようとする。
「重っ!!!」
『戦闘体活動限界、ベイルアウト』
レイガストをまともに振るう事なく倒された。
その後も2、3試合したが、孤月よりも重い癖に威力も低く何のために存在しているのか分からないトリガーだ。
存在価値がないという意味では存在してはいけないトリガーというキヨシさんの説明は合っている。
X戦目
このトリガーの特徴もだいぶ分かってきた。
レイガストは形を変形させシールドモードにすることができる。そうするとかなり耐久力が上がり、いくら攻撃を受け続けても壊れなかった。
なるほどこれは使われたら厄介だ。存在してはいけないとはこの事か。
他にもいろんな形に変形でき、盾をV字にして刺股のように拘束したりできた。
しかし盾で攻撃を受け続けているとアクアも攻めあぐねてイライラし出し攻撃が緩慢になってきている。
なかなか愉快な光景だ。
しかし盾だけで戦っていると、どこぞの英霊だの勇者だの某国のキャプテンだのを連想してしまう。
もしかしたらやれるか?
「せーのっ!」
一度距離をとって盾を薄い円形へと変形させそれをフリスビーを投げる感覚で勢いよく投げる。
アクアも咄嗟に反応し孤月で軌道を逸らすが、完全には流しきれず軌道がずれて右肩をスパッと切り裂き、腕が落ちる。
「おお、すげー本当にキャプテン・○メリカみてえだ」
Y戦目
先程の試合でも分かったが普段はライオットシールドのような見た目の大楯だが、シールドの大きさをある程度変えられるようだ。
俺はレイガストを円形のスモールシールドに変形させアクアの振り下ろした一撃を盾で受け弾き返す。
「ほい、パリィ」
「!!?」
アクアの大ぶりの一撃を弾くとアクアはのけぞり大きな隙をみせる。
それを見ると体が勝手に動き出しアクアの顔を勢いよく殴りつける。
「……あんた、いくらトリオン体だからってよくも女子にそんなことするわね。最低だわ……」
「すまん、お前ののけぞりを見たらつい致命の一撃をやりたくなった」
その後カズマはレイガストで攻撃を受け流すことにハマり一戦一戦がかなり長引いた。
アクアの攻撃をひたすら受け、隙があればダメージは与えられないがシールドバッシュをしたり、殴ったりとひたすらアクアにストレスを与え続けた。
そしてもうだいぶ俺の鬱憤が晴れる頃には、時間もだいぶ遅くなってきており俺たちは帰路に着いた。
◆◆◆
翌日
「……なんかわたし養殖される魚の気分なんですけど」
「バカアのくせに的確なこと言うじゃん。養殖か、確かにこの手法使えば誰だってB級に上がれるからな」
自分もそれやればよかったなと思ったが、すぐにそれを行うには付き合ってくれる友人が必要という事実に気付き、やっぱ自力でポイントを稼いだほうがいいという結論に達した。
そしてあの日からずっとカズマはアクアの養殖を続けていた。
一度銃手で戦ったら間違えて倒してしまい、30回戦してようやくアクアが得られるでおろうポイントを奪ってしまったので、仕方なくアステロイドでポイントを贈与してやった。
夏休みが始まる手前にアクアの養殖を終え、アクアは晴れてB級へと昇格した。
そして本日8月1日、カズマもB級へと昇格をする事となる。
ちなみに古寺は俺が出禁になった次の週にB級昇格を果たしていた。
他にも日浦ちゃんもその1週間後にB級へと昇格し那須隊へと加入したそうだ。B級昇格があまりにも嬉しすぎて大泣きしたらしい。
来馬先輩も俺やアクアよりだいぶ先にB級へと昇格していたようだ。
カズマ
アステロイド『4009』
まだ読者の妄想は待ってますので活動報告に皆様の妄想を吐き散らしてください。一つ既に来ていて読んだんですが凄かったです。流石に全部が全部使えるわけではないですが一部使いたいって物はありましたね。
キャプテン・○メリカをハメリカって呼んだ奴はきっと青藍島出身
ワートリの女性キャラがカズマにデレても良いか
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いいぞ、やれ!
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許さん(血涙)
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男性キャラと仲良くしろ!
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わ、分かんないッピ!