二番隊隊長は最強の自由人 作:褐色はいいよなぁ
続くかな?
「……今日も空が青い」
そんな誰に聞かせるでもないセリフが口から零れつつ、包装されたチョコがコーティングされたビスケットのお菓子を口に運ぶ。
バリボリと口の中に音が響きわたり喉を鳴らしながら胃に落とす。
「うん、美味い」
人間の作るお菓子はなんと美味なことか。これを食えるというだけで人の世を守るに値する価値が大いにある。
そんな感慨深くうなづいていると、
「……見つけましたよ」
「見つけられちった」
背後からかかった女性の声。
足音も何も無く突然背後に現れた存在に驚くことなく、そちらに目を向けることなく手を振った。
「はぁ、仕事を放り出して何してるんです。そろそろお願いしますよ…」
「苦労してるんだね。だからといってイライラするのは良くない。カルシウムを取りなさい」
「誰のせいですか…!」
こちらの言葉にイラつきを乗せた言葉が返ってきた。
はて、俺は何かしたか。
「誰……シゲちゃん?」
「あなたですよ!」
「っ!ひゃー、そんな声を荒らげんでも」
冗談交じりで言ったというのに耳元まで口を近づけて叫ばれた。おそらく鼓膜はないなった。換えの鼓膜に付け替えねば。
「さ、とりあえず戻りますよ。書類の方が溜まってるんです」
「……」
彼女の言葉に机に積み上げられた紙の山が思い浮かんだ。
溜まった仕事……ふむ、面倒が臭いというやつだ。
となれば、
「あ」
そんな短い声とともに彼女の後方を指さす。
「え?」
それに咄嗟に反応し顔を後ろへと向ける彼女。
……素直がすぎる。お兄ちゃんちょっと心配になるよ。
そんなことを思いつつ腰を上げ"瞬歩"を使いその場を離脱。
「何も無いじゃな━━」
遠目から見てると顔を戻した彼女はそこにはもう俺がいないことを認識すると、膝を崩し拳を握りそれを地面に思いっきり叩きつけていた。
真面目でいい子なんだけどああいうとこはポンで可愛いよね。単純単純。
さて、今日は何をしようかな。
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━━隊首会
護廷十三隊の隊長たちが一堂に集まり会議を設ける場。
そんな張りつめる空気。数人の欠席を出しながらも始まった会議。
その議題とは、
「━━二番隊隊長、
髭の長い老人の重々しい口調から放たれた議題は第三者から見ればズッコケものだった。
だがこの場に集まる隊長達にとってこれは死活問題。早急に解決せねばいけない事案だった。
「「「「「………」」」」」
だがしかし、誰も彼もが何も案が浮かばない。
あの男の今までの行動。それを思い返してみて、どう足掻いても止められないほどの自由さという乗り越えられない壁があるのだ。
男がした行動、それは、
十一番隊舎にて花火約1万本を放ち建物を半壊。
十二番隊舎にて薬品をごちゃ混ぜにして遊び建物爆破。
三番隊舎に忍び込み隊長の顔に落書き。
五番隊隊長の執務室に墨汁入り水風船を投げつけ嫌がらせ。
九番隊隊長と顔を合わせる度に喧嘩が始まる。
それら全てで出た負傷者が全て四番隊へ。
等々、大規模な損害から個人的な嫌がらせまで幅広く行う二番隊隊長。
ほかの隊長面々は頭を抱えていた。
「━━ふむ、案は無しか……では」
髭の長い老人、総隊長がそう言葉を続けようとした時、
「し、失礼します!」
扉を開けて入ってくる一人の隊員。
「何用か?今は隊首会の━━」
「存じてます!ただ!二番隊隊長、香釈隊長が!」
その言葉に何が起きたのか即座に察する隊長たち。
彼らは同時にその手で頭を抱えた。