二番隊隊長は最強の自由人   作:褐色はいいよなぁ

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原作通二番隊の副隊長は大前田君です。
じゃあ砕蜂は?


お買い物

━━二番隊隊長補佐兼隊長代理・砕蜂

 

この者を特例措置としてこの役職に付けることを認可する。

現隊長、香釈鏑が機能しなかった場合にこの者を隊長として扱う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手にする一枚の紙。俺はそれをヒラヒラとたなびかせながら目を通していた。

二番隊のみに許された隊長代理の制度。

 

「……これもう砕蜂(アイツ)が隊長でよくね?」

 

思わず出た言葉。誰しも彼しもが思っていること。

我ながらなぜ未だに隊長の任を下ろされていないのか謎で仕方がない。

そんなことを思いつつ、手にしていたその書類を引き出しの中へ。

その時、

 

「はぁ…はぁ…戻って…きて…たんですね…はぁ…はぁ…」

 

扉が勢いよく開け放たれそこに立っていたのは。

 

「お!おつおつおー、シャオちゃん」

 

シャオちゃんこと砕蜂(そいふぉん)。我が隊長補佐兼隊長代理サマだ。

小柄で華奢な少女のような見た目、しかして、その実力は隊長でもおかしくないレベルのもの。

 

「シャオちゃん呼びはやめてください!まったく。それにしても珍しいですね。隊長が執務室に戻ってきていたとは……」

「うん?そりゃ戻るよー?ここ俺の部屋だし」

「……っ。はぁ…まあいいです。戻ってきたのならこのまま仕事しましょうか」

 

俺の言葉に若干のイラつきを感じつつそれを押えそう諭してくる。

でもゴメンな。

 

「いや、俺この後現世の方に買い出しだから」

「……は?」

「いやー、菓子も切れそうでさー。あっちの世界ってこっちとお金とか違うじゃん?それ取りに来たんよねー」

 

そんなことを言いつつ引き出しの中から黒の折り財布を取り出す。

中身は……バッチシ。さてと、おっ買い物〜♪おっ買い物〜♪

 

「いや、いやいやいやダメ!ダメですよ!?今日は仕事です!ダメです!」

「嫌もダメもじゃないの。わがままも大概にだよ」

「どっちがですか!?」

 

さてと、ワーワー騒ぐシャオちゃんを他所に体を伸ばす。

筋肉を解しいつでも駆け出せるように。

 

「━━そもそも無闇に現世の方には「そんじゃね、あとよろ」行かな…い…よう…に……」

 

走り出して直ぐに部屋から"たいちょぉぉぉお!"という叫びが聞こえてきた。わお、元気。その元気、仕事に活かして欲しいと思いました。

さて、義骸と地獄蝶を手に、いざ現世へ。

 

+++

 

あの人が隊長になってからどれだけ経ったのだろうか。

隊長、香車鏑が出ていった執務室にてそんなことを考える。

 

二番隊の前隊長がその身を忽然と消してから隊長の座へと着いたあの人。

その振る舞いは隊長とは程遠く、幾度となくその任を下ろす話も出ていた。

 

しかし、そこに毎度待ったを掛ける二番隊の私含めた"全隊員"。隊首会にて隊長代理で出る私がその意を伝え続け今のこの現状。

分かってる。傍から見てもあの人のどこにも隊長としての心構えがない。それでも断言する。あの人以外の隊長は考えられない、と。

 

十一番隊舎を花火で半壊。

あれは十一番隊隊長がしつこく二番隊の隊員に斬り合いを迫っているのを見兼ねた隊長が仕置きとばかりにやったことだし、十二番隊舎の件だってそう。二番隊隊員に対しての実験体への勧誘が執拗いと隊長が隊員に代わって嫌がらせしただけだ。

 

いつだってあの人はそう。

いつもふざけてるようで……いや、ふざけてるのだけど、でも誰かのために周りを気にせず思うままに行動する人。

それを間近で見てきた二番隊ならそんな男の背中に憧れるのは普通でしょう。

 

いつもは人として最低でもやる時はやってくれる誰よりも頼りになる男。実際私も何度も助けられた。

 

「はぁ……」

 

そんなことを考えつつため息を吐く。

 

そこで目に入ってきた隊長が先程まで座ってた椅子。

恐る恐ると座りつつ何度か座り直し位置を調整。

……隊長の温もりがまだ残ってた。

 

隊長はあのままでいい。でもやっぱり、

 

「もう少しちゃんとしてくれたら……かっこいいのに」

 

そんな呟きは執務室の天井へと消えていった。

 

+++

 

さて、

 

「やってきたぜ、現世」

 

早速お買い物へとレッツラゴー。

 

そんなことを思いつつも足は止めない。

車以上のスピードで人間の目には止まらない速度で駆け抜ける。

そうしてると見えてくるいつもの駄菓子屋。

 

ブレーキを掛けつつ店前へ。

そして、

 

「おばちゃーん、いるー?」

 

店内へ声をかける。

すると数秒後、

 

「あら、お久しぶりね」

「そう?」

 

最後に来たのは……ひと月前くらいか。人間感覚だと長い方か。

 

「いつものでしょう?いくつ買ってく?」

「あるだけ頼むよ」

「うんうんちょっと待っててね」

 

そう言って奥に消えるおばちゃん。

その間に財布からお札を取っておく。

 

そうして待ってると対して時間も経たずに大きな紙袋を手に戻ってきたおばちゃん。

 

「はいこれね」

「サンキュサンキュ。っとこれでいい?」

 

と手にしていたお札。1万円札を出す。

すると途端に気まずそうな顔をするおばちゃん。

 

「あー、ごめんねぇ。今お釣りがね…」

「……あー、マジで?」

 

釣りがないから1万円での会計は無理と。

なるほど。

 

「細かいのとかは無いのかい?」

「んー、あいにく大っきいのしかねーな」

 

これはどうするか。

このままだと買っていくことが出来ない。となるとどこかで崩していくか。

近くにコンビニはあったか?

 

「ちょいおばちゃん。俺、近くのコンビニで崩してくるわ。待っててくれ」

「ん?そうかい。それは助かるよ。気を付けていっておいで」

 

そんな言葉を耳にその場を後にする。

瞬歩を使いつつコンビニへ。

 

「……ん?」

 

とそこでとある気配を感じる。

これは、

 

(ホロウ)か」

 

せっかくだ。ついでに潰していこうか。

腰に差した木刀の柄を掴み、そして、

 

「……これでよし」

 

さて、駆除も済んだしさっさとコンビニコンビニ。

そうして俺はさらに速度を上げ、進んで行った。

 

+++

 

唐突だった。

目の前の先程まで戦っていた虚がどこから飛んできたか、赤黒紫の斬撃に一刀両断された。

一撃で脚と胴が泣き別れ。

 

その光景に呆然と立つ俺の横で"ルキア"はブツブツと何かを呟いていた。

 

「この攻撃は……!いや、まさか…いや、でも━━」

 

目を見開きいかにも驚いたような表情。

コイツのこんな表情は初めて見る。狼狽したような焦りと恐怖と困惑。それらが混ざったような顔。

 

「何がどうなってんだよ……」

 

たまらず出た言葉はルキアにも届かず澄み渡る青空へと消えた。




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