「ふふん~ふ~ん」
朝から上機嫌に廊下をスキップする女学生が1人
「あ、おはよう!灯華ちゃん!」
友人を見つけ、元気よく話しかける。
「おはよう。蓮華今日は朝から機嫌がいいね」
上機嫌にスキップし挨拶をしているのは蓮華。この春から転校してきた
その上機嫌な挨拶にいつも通りのテンションで返しているのは「春町灯華」
蓮華と同じクラスメイトである。
「ふふん!実は今日はね、給料日なの!」
「あぁ、だからそんなに機嫌がいいのね」
「そう!そうなの!こっちに来て初めてのお給料なので楽しみなのよ」
「欲しいものとかあるの?」
「えっとね~」
と、教室まで他愛ない話をしながら進む。
今日も一日が始まる
──────────
放課後。
蓮華はチャイムと同時に教室を出ていく。
それだけ楽しみだったのだろう。
銀行へ一直線にはし…るのは少し恥ずかしいと思ったのか途中からスピードを落とし、歩きつつ、裏路地へ入り道をショートカットしながら向かう。
その途中…
ドンッ
「きゃ!」
「おっと…」
楽しみすぎて注意散漫していたのか定かではないが人とぶつかってしまう
「す、すみません!」
「いえ、これぐらいは大丈夫です」
ぶつかった相手は上半身裸でジーパンだけの男だった
「ヒェッ」
「お怪我は?」
「あ、わ、私にはありません」
「良かった。私も怪我は無いので安心してください」
「あっはい」
上裸の男性が紳士のような仕草で怪我を確認する
これが上裸でなければ恋が始まるかもしれないが相手は上裸である。
つまり、何が言いたいかと言うと、傍から見てしまえばただの変質者に明らか高校生が言い寄られてるようにも見えなくもない。
だが、幸いにもここは路地裏だ人の気配どころか動物の気配もないような裏路地だ。蓮華の内心的には
(やばいやばいやばいやばい…)
となっているに違いない
「ところで君は…」
そう質問が投げられた時
「タカヤッ!」
太陽に照らされ(?)顔がはっきりと見えなくなるぐらい光沢を放っている頭
それを補強するかのようなメガネ…いや、関係はあまりない
その人物が少し影の中へはいってくることにより見えてくる顔。
いかにも怪しいって感じの服着てる不審者2号がやってくる
「 」
絶句する蓮華
それを知らずに話し始める不審者2名
「日中外出するならせめて上着来てくださいってあれほど…」
「いや、意外と暑いんですよ」
「そら年がら年中そんな格好やったら暑く感じるかもしれんけど世間様から見ると不審者扱いですよ」
安心しろ、お前も十分不審者だ…と、思った蓮華である
「それは見つからなければいいだけでしょう」
「いや、現にこうやって一般人に見られとるやないですか!」
「ヒェッ…」
急に指さしされてびっくりする蓮華。心做しか顔が青くなってきている気がする
「裏路地に迷い込んだのかはわからんけど、まだ見られる訳にはいかん!」
「ならこの子どうしましょうか…」
「え」
「そうやな…口封じでもしとったらええんとちゃいます?」
「そ、それだけはご勘弁をッ!」
綺麗に回れ右しながら猛ダッシュで表通りへ抜けていく蓮華
「あーあ、逃げられてもうたわ」
「まぁ、これだけやればもうここへは来ないでしょうし、我々のことも話さないでしょう」
「ほんまかいな…」
「ともかく我々のなすべきことをなしに行きましょう」
「そうやってカッコつけてもあきまへんからね」
こうして夜が来る…
ちなみに蓮華は銀行に寄るのも忘れて家路に着いたとさ