星系戦闘艦召喚   作:アルファ

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ヘラクレス級戦闘星系とどっちが良いかと思ったが、こっちの方が形は面白そうだったので。


第1話

ここからそう遠くない銀河。

その一角を一隻の船が航行している、光の秒速30万キロメートルなどというノロノロとした制限速度を軽々と超えてこの船はいく。

星系級戦闘艦…それがこの船の艦種。

全長30万キロメートル、高さ5万キロメートル、横幅8万キロメートル。

太陽の数百万倍のエネルギーを放つ巨大恒星を10万キロメートルにまで圧縮。

そこに直径1万5千km程度の巨大惑星を5つ、三千km程度の衛星戦闘艦を4次元工学によりくっつけた馬鹿げたまでに巨大な戦闘艦だ。

恒星のエネルギーを100%活用したダイソンスフィアを引火プラグにした戦闘艦はエンジンが一回鼓動するたびに超新星爆発のエネルギーをまき散らして進んでいく。

並みの恒星間文明では通りがかったエネルギー余剰放出だけで粉砕されてしまう。

その表面には小さな小さな虫たちが新しい世界を夢見て繭の中で眠りについていた。

彼らはクローン、安価でいくらでも替えが効く使い捨ての兵隊たち。

大きいものは小惑星サイズのエーテルドレイクから小さいものは100m程の群体級まで。

いぜ戦時ともなれば数億匹の宇宙怪獣達がこの星系戦闘艦から飛び立って艦の護衛任務につくだろう。

そんな戦闘艦が一つの銀河から数十億、数百億と光を放ってあちこちの銀河へと旅立っていく。

船が一隻、また一隻と完成するたびにその銀河からは恒星が一つ、また一つと消えていく。

さしずめ銀河レベルの恒星の民族大移動とでもいくべき光景だ。

やがてその銀河からは光がほとんど消えて後にはブラックホールと使い古しの恒星だけが残るだろう。

そうだ、たった差し渡し10万光年、銀河などというちっぽけな島宇宙に彼らは飽きてしまったのだ。

宇宙は大きい、だが生命はもっと大きい。

たった全長300m程度、波動エンジンなどという骨董品で動くちっぽけな艦ですら大陸を粉砕する威力がある。

ならばこの船が銀河を消し飛ばす程度造作もないのは当然だろう。

彼らは物質的には満たされきっていた、彼らの技術を持ってすれば一人一人が絵画のように整えられた美しい惑星で何一つ不自由することなく

彼らの神話の古代の神々も羨む贅沢な生活の限りを尽くせたというのに未知の新銀河へと踏み入れることにした。

より新しい知見、新しい刺激、

新しい銀河、新しい世界へと銀河間の虚無を渡り彼らは征服を続けるだろう。

必ずやこの宇宙のどこかには彼らの果てしない探究心を満たす何かが存在するはずだ。

そして必ずや見つけ出し、素晴らしいオメガの力へと至るのだ。

大きな成果を得るためには巨大な犠牲が必要だとしても。

何兆、何京の星を砕き、無尽蔵の命を使い潰そうとも種族の一匹がいたりさえすれば良い。

その時はこの宇宙を構成する26次元全てが彼らの永久支配下に入るのだ。

全ては偉大なるズィロンすら為し得なかった真の存在へと至るため。

 

 

その頃異世界

エモール王国。

第一文明圏に存在する列強国。

人口100万人程度、面積は四国程度。

国力は人口に比例して低い、もっとも”彼ら”のように極限まで自動化されていれば別だろうが。

にも関わらず列強国の一つとして数えられているのは、エモール王国の住人の「竜人族」が持つ魔力の高さ。

そして竜種と意思疎通をし、味方にすることが出来るために列強国に数えられている。

 

その反面気位が極めて高く傲慢、人間など低魔力種族を蔑視している。

また外交的には「用があるなら、自分の足で来た者以外は一切相手にしない」という尊大な純粋主義者的な面を持つ。

とはいえ異星人=駆除対象の浄化主義ほど狂信的排他主義者ではない。

そんな国の首都、ドラグスマキラの北部。

ウィルマンズ城の最北の別棟の一室にある薄暗いドーム状の部屋に、30人もの占い師達が集まっていた。

その周囲には竜王ワグドラーンを始めとした閣僚級が集まっている。

 

今日は年に一度行われる、「空間の占い」の日。

空間の占いは、エモール王国に影響があると思われる重要事項の有無を調べるために行われ。

もしあるならば早期にその問題を解決するために行われる。

その的中率は98%以上を誇り、極めて未来予知に近い。

 

空間の占い師 アレースルの両手に魔導師達から集まった魔力が集まり、淡い赤色の光を灯す。

そしてドーム状の天井にも、星のような物が映し出された。

 

「─空間の神々に許しを請い、これより未来を視る」

 

静かに告げられたアレースルの言葉に、一同は緊張に包まれる。

エモール王国に不幸がもたらされる事になるという結果が出るのならば、各人の死力を尽くして解決に当たる必要がある。

 

「これは!?な!!なんという事だ!!」

「何だ!?何が見えたのだアレースル!!」

 

アレースルの狼狽に、ワグドラーンも焦りを隠せない。

 

「魔帝!」

「何とっ!?」

「見間違いではないのか!?」

 

その場にいる全員の表情が一気に青くなった。

 

「見間違いではない…!そう遠くない未来、古の魔法帝国が、復活する!!」

「何という事だ!」

「時期はいつだ!?」

「読めぬ」

「では、復活する場所は何処だ?」

「空間相位に歪みが生じている、場所も見えぬ。

視えたのは、ラティストア大陸が復活するという未来のみである」

 

竜王を含め、全員が戦慄する。

遥か昔の神話の時代、古の魔法帝国ラヴァーナル帝国は

ヒトの上位種とされる「光翼人」という種族によって建国された。

他種とは隔絶した圧倒的な魔力と技術力で全世界を支配した歴史史上最強の帝国。

他国と比較して進み過ぎた文明と、光翼人特有の極端に傲慢な国民性によって驕り高ぶり、ついには神々に弓を引いたとされている。

怒れる神々は、ラヴァーナル帝国の本土であるラティストア大陸に巨大(笑)隕石を落とそうとした。

だが彼らは国全体に結界を張り、大陸ごと未来へ転移して隕石から逃れたと言われている。

 

そんな恐怖の帝国が、98%以上の確率で復活しようとしている事実に、彼らの冷や汗は止まらなかった。

 

「ま、待て!な、なんだというのだこれは!?

星が!?いや、そんな馬鹿な!星が消えていく?違う、隠れて?

こんな事はあり得ない!世界が闇に覆われていく!星が喰われていく!」

占い師 アレースルは国を、そして次には太陽をも飲み込み世界を覆う黒い影を幻視した。

更に先を占おうとする、意識と視線はこの国の先の先、更に天井へと向かっていく。

太陽!爛々と青く輝く太陽が目の前に見えてくる。

だがあり得ない、太陽がまるで囚人のように檻の中に閉じ込められている。

周りには世界と同等かあるいは更にそれよりも巨大な世界がまるで馬車の馬の様に繋がれている。

突如、意識がまるで何かに掴まれて攫われるように天空高く、遥かその先へと吹き飛ばされる。

まるで理解不能な光景に慄くが、視線は更に先へ、巨大な球状の物体の更に中へと入っていく。

不可解な世界の更に中へと入っていくとそこには巨大な宮殿があった。

まるで天高く、今までに見たどんな山よりも高い尖塔が剣山の如くびっしりと大地を埋め尽くすその先にあった宮殿はドーム型をしているが広さはオーストラリア大陸ほどもある宮殿はもはや一個の大陸といって良いだろう。

深さに至ってはどれほどなのか…恐らくは惑星のコアにまで続いているのだろう。

周辺は不可解な虹色に輝く紫の霧に覆われた不可思議な世界を進む。

宮殿の奥、更に奥へと進むと…あり得ない事だがあちらこちらから視線を感じる。

ヒソヒソと囁く様な、だがせせら笑う様な声すら聞こえてきそうだ。

曰く、「ほう、またガキがうろついているな。サイオニックとしては…まぁギリギリ及第点といったところか。面白そうだ、見ていよう。

さぁ進むがいい、心配するな。俺はあいつらとは裏表なく見知った関係だからな。そう、表裏無くな…」

占い師の精神は凄まじい圧力で引っ張られ、押し込まれる様に進んでいく。

占い師は後ろから急かされる様に霧に追われる様にドームの中枢、巨大な黄金宮殿へと進む。

宮殿に限らず彼らの兵器はほとんど全てが光子の構構体、触れることができる光である固形光子で構成されている。

占い師の精神が宮殿に踏み込むと途端に大音響の声が頭を割る様に響いてきた。

『不敬であるぞ小僧。童の戯れゆえ、我が寛大さゆえに一度は許すが次は無い』

その瞬間、紅い魔力はたちまち霧散し不可思議な虹色のような紫の強烈な色彩が部屋を満たす。

シュラウド…その不可思議な上位次元に住まう存在は超絶的な超能力を持つ種族のみがアクセスできる。

そうだ、シュラウドこそこの世の本質であり3次元世界はシュラウド の投影する影に過ぎないというのが現代科学の常識なのだ。

ならばシュラウドへとアクセスすることが可能となった存在はどのように表現されるべきだろうか?

「ああ、見えた。なんともまぁしょぼくれた星だな。

まぁ良い、観察日記くらいにはなるだろう。

調査船を一隻作ってあの小僧の精神体が来た星へ送れ」

司令官の命令を受けて船の造船所が静かに稼働する、数千分の一秒程の間に瞬きするほどの間にハードライトで覆われた全長1km程程の小型科学調査船が編み上がった。

「シュラウドか…あの小僧をここに寄越したのか?」

 

異世界の惑星の属する星系に巨大物体が光速の99.9%で接近しつつある。

この事実に気づいたのはJAXAで物体が日本上空を周回し始めたときであった。

その時には船はとっくに減速し日本上空500kmという目と鼻の先を掠めて日本の国会議事堂から全ての港湾施設、空港、道路まで詳細な地形図を作成した後だった。




こんな馬鹿みたいにでけーのアホみたいにジャカジャカ量産するから銀河使い尽くすんだぞ
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