最近ハンターさんが釣りにハマったらしい。 作:kurono20
最近、ハンターさんが釣りにハマったらしい。
この前も大食いマグロを釣っていた。生きが良さそうに竿を動かすのがコツ、だそうだ。確かに、ここらで起きていた数多くの事件はハンターさんの活躍により解決し、人々の混乱も解けてきた。今のところはハンターさんが出る幕もないだろう。
…だが、だからといっていきなり何もしないというのもまずいのではないだろうか。いつもなにかしら動いていた人がそれをやめた途端怪我が増えたみたいな話も聞いたことがある。まあ、毎日のトレーニングはしているようだし、口を挟むのも筋違いかもだが。
しかし、心配だ。今日も釣りに行くと言うので、ついていってみる事にした。今日は、何を釣るのだろうか。
「んーっと…」
釣り場に着いてしばらくうろうろした後、位置を決めたのか座り込み、釣りの準備を始める。釣り餌は、近場のミミズやバッタ。低木をガサガサと漁ったり、湿った場所を掘り返したりで見つけた餌を容器にポイポイ入れていく。その手際はなんとも見事なものだ。容器の半分くらいを埋め、流石に取りすぎたと数匹木陰に逃がす。海に向かい、潰したバッタを適当に海に投げ入れて、ようやく釣りが始まるようだ。
釣り餌を針に引っ掛けて、一投。肉焼きセットにも使われる、Y字の棒に竿を立て掛け、これまた肉焼きセットの付属品である折り畳みイスに座る。
釣り糸を垂らして、しばらく経った。イスに座って、獲物が掛かるのを待つハンターさんの背中は、多くのクエストに駆けずり回っていた頃とはずっと違って見える。
…ハンターさんは今、何を思っているのだろうか。これまでの日々を思い返しているようにも見えるし、これからの日々の思索を巡らせているようにも、単に釣果を楽しみにしているようにも見える。ただ、ボーっとしているようにも。しかし、どれだけ考えたところで結局、ここからじゃあハンターさんの心情は分からない。
この前、こんな会話をした。釣りはいつからの趣味なのか、という話だ。
「ねえ、見てくれ。ほら、大食いマグロだぞ。今日釣ったんだ。すごいだろ?」
「…今日も釣りに?」
「ああ。いつかすごい奴釣ってやるんだ。楽しみにしていてくれ。」
「釣り、って…昔からしていたんですか?訓練生時代とか。」
「んーや、この前初めてやったよ。餌をつけて、糸を垂らす。魚が掛かるのを待って、釣り上げる。単純なことではあるんだけど、これが結構奥が深くてね。楽しいよ。」
「この前って言うと…」
「ああ。あのモンスターを倒してからだね。あれ以来、この辺のモンスターもめっきり減っちゃって。ここの為に何かやれることは無いかな、って考えてみて、でもモンスターを倒すくらいしか思いつかなかった。そんな時に、ボックスの中を整理してたら、釣り竿が出てきてさ。この際、色々やってみるか、と思って。で、それが大成功。みんなにお裾分けすると喜んでくれるし、こっちも楽しいし。そうそう、この前あったんだけど…」
…この後、鬼神乱舞のような怒涛のトークをされたことは、この際なかった事にして。…今のハンターさんに、何かの支えができた事に、正直安心している。元々、色々背負い込み過ぎる人だったから。ここに来てからこれまでのことに一段落がついて、何処か調子を崩してはいないかが、ずっと気がかりだったのだ。
…ん、釣り竿が反応しているようだ。ハンターさんが慌てて立ち上がり、釣り竿と格闘し始め、そしてすぐに魚は釣り上がった。あれは…サシミウオか。釣り針から外し、サシミウオは紐に括って釣り針には餌を付け直す。そして、もう一投。
…場所を変えながら数時間釣りを続け、結局今日は30匹とちょっとの釣果となった。大体サシミウオかキレアジ。黄金魚やハレツアロワナが数匹といった具合だ。ハンターさんも満足げに帰る支度を始めた。
元気そうなハンターさんの様子も見れたし、そろそろ潮時だろう。こちらも早めに退散することにする。…今度は、ハンターさんに言ってついていかせて貰おうか。そんな事を考えながら、拠点に帰る私なのでした。
!注意!こんな題材描いておきながら私は釣りはほぼ知りません!故に矛盾とか有り得ないこととかあると思います!あまりにも致命的な部分でなければモンハン世界すげーなー程度に受け止めて下さればと思います!一応主人公もハンターさんもほとんどド素人なんで…ね?