異世界転生ハーレムしようとしたらウマ娘世界だったので百合ハーレム作るわwwww 作:TSウマ娘っていいよねっていいよね
やだ、憧れのミスターシービーに俺のおしめを替えてもらうことになっちゃった。俺の性癖どうなっちゃうの!?
「このオムツ後ろに穴が空いてるけど不良品じゃない?」
「いや、これでいいんだよ。シービー」
「へー、そうなんだ」
「ウマ―ニ―マンは古くからウマ娘に特化したオムツだ。この意匠は伊達じゃなくてちゃんと機能性に優れたものなんだよ」
みんな、元気かな? 未来の百合ハーレム王のンニャラミタだよ。
実は俺がミスターシービーをみた時あまりの歓喜でうれションしちゃったんだ。それをパパ(まことに遺憾でありますがこの言い方にします)とミスターシービーに替えてもらっているところ。
憧れの人に尻拭いしてもらうって胸アツな展開だよね。このシチュエーションにもうれションしちゃいそう♪
……んな訳ないのよ。
こんなお尻拭きシートでお尻拭いてもらうんじゃなくてさ、ピンチの時に颯爽と助けてもらうような、自分の未熟さをカバーしてもらえるようなカッコイイところが見たいわけ!
いや、やっぱそれなら尻拭いしてもらってるか。
「ウマ娘の赤ちゃんは人間の赤ちゃんに比べて身体能力がすごく成長しやすい」
「それはそうだね」
「……ンヴァ」
ごろん、ごろん
「かつてインドに住んでいたウマタマ・ウマッダールタなんて生まれてすぐに7歩歩いて『唯一抜きんでて並ぶものなし』と発話したのなんてあまりにも有名だろ?」
「そのおとぎ話は流石に盛り過ぎてるとは思うけれど、アタシが1歳の時には公園で追いかけっこしてたってお母さん言ってたっけ」
「……ァ、ブゥ」
ごろん、ごろん。
「だからこそ、ウマ―ニ―マンは運動性に優れたパンツタイプなんだ」
「なるほど」
「ヴァビャ!?……ウブブ」
オムツ替えてもらう立場だから何も言えないけどさ。やっぱり驚いちゃうことがあるのよね。
このおしりの上あたりをキュッと締められる感触はなんとも言えないくすぐったさがすごいのよ。
「この空いている場所に尻尾を通すんだけど、その前にウマ―ニ―マンの袋に付属してる紙製品のリングを通してあげる」
「ふむふむ」
「こうすることで、撥水性を保ちつつ尻尾ムレがなくなって、赤ちゃんによくある“尻尾あせも”を予防できるんだよ! まさに企業努力の賜物だよね」
この男は自分で開発した訳でもないのに何ドヤ顔で解説してるん? キモ。
「ンブジビャビャララバ」
「いだだだ、ごめんごめんって。僕がテンション上がったのが悪かったから、僕の指を抓らないで!」
ついカッとなってやった。
でも、しょうがないよな。自分の趣味のことになると聞いてもないウンチク語る奴ってクソだもん。ウンチだけにね(超バカウケギャグ)。
「キャッッキャッ」
「うーん、また、人を小バカにするような薄気味悪い笑顔を浮かべてる。知性は感じるけど、品性は未発達って感じの笑顔だ」
「?……よくわかんないけど、これで終わりでいいのかな?」
「うん、さっき保湿したばっかりだからもう終わりだね」
「よし、ラミーちゃん」
「キャッッキャッ」
先ほどまでクソ男を低みの見物で笑っていたわけだが、シービーに抱きかかえてもらった瞬間俺の気持ちは急上昇。
そんな気分を体現するように、俺の目線はシービーと同じになった。
青みの強い碧眼は、海やターフのようで広くどこまで先があるような、そんな彼女自身を現した美しい瞳だと思った。
それこそ、じっと見つめてしまうくらいに。
「フフフ、じゃあ、君に新しい世界を見せてあげるね」
「ァ?」
その瞬間、体が浮いた。
「……ァッ……」
最後に聞こえた声は『高い高ーい♪』だった。
「ん、ンニャラミターーーーー!!!!!!」
上、天井が近い。ぶつかる、ぶつかれば死ぬ?
口の中がちょっとすっぱい。体が動かない。このまま、黙ってたら窒息して、死ぬ?
首、まだ据わってない。このまま抱きかかえられても、首の骨が折れて、死ぬ?
俺の人生はここまでだったみたいだ。
あっけないな。まだハーレム作れてないじゃん。
あーあ、やり残したことばっかりだよ。もっと貪欲にママのおっぱいしゃぶりつくしとけばよかったよ。
なんて、言う訳ないだろ! 俺はここじゃ死ねないんだよ!
まだ、この世界に立っていないんだ。終わってない、始まってすらいない! じゃあ最後の最後まであがくしかないだろ!
この未熟な体で泣く。
音で天井にぶつかるのを防ぐ。でたらめみたいな作戦だが、二度目の人生なんてでたらめな目にあってんのにそれぐらい出来なくてどうするんだよ!!!
それが、俺に出来るささやかで、最善の方法だ。
今はそれだけを考えろ、ンニャラミタ!!!
「スゥゥゥゥゥ……」
「……空気が変わった」
「ウチの子の命の危機だろ!!!!」
イメージするのは、空間を押し出す自分。
音の壁だ。音の壁と天井の反発で逆に落下する。そして拾ってもらう。
首が据わってないのは、アレだ。たぶん、上手いことキャッチしてもらえるはず。
だから、今は。
泣け、ンニャラミタ
「……グェェェェッップ」
……吸込みすぎちゃった、テヘ♪
「へー、体内から空気を押し出して天井にぶつからないようにした上で、身を軽くすることで落下時のダメージを減らすってことか」
「ど、どいてくれシービー! ちゃんとンニャラミタをキャッチしないと」
「安心して言ったでしょ、トレーナー」
命の危機を感じたせいか、体が強張ってしまう。受け身なんて取れるはずもないが、それでも心の準備をしたかった。それも出来ない。
「もう、ラミーちゃんはアタシの腕の中だからさ」
ふわりと柔らかく受け止められた。
足が落ちてしまわないように、シービーの右腕にぎゅっと抱きしめられる。
体が反ってしまわないように、シービーの左腕が俺の体感の全てを支えてくれる。
抱き方なんて知らないはずの彼女が、自然にそうやって、抱きしめてくれた。それは本能なんだと思う。
だからこそ、ダメだったんだ。
それじゃあ不完全なんだよ。
「シービー、早く、ンニャラミタの首を押さえつけてくれ!」
「なにを急に」
「早く!!!」
そう、そうなんだよ。
「その抱き方じゃ、首が曲がっちゃいけない方向に曲がっちゃうから!!!!」
首が重力に従ってぐにゃんぐにゃんに曲がる。
あ、窒息。
「?」
「シービー!!!!」
やっぱり、俺の人生はここまでだったみたいだ。
「?……でも、ちゃんと首が据わっているよ?」
なんて二度も出来るかよ。
「え?」
「ブゥ……」
あ、あぶねえ。マジでなんか知らんけど、気合で首を縦にしたらそのまま落ちずにすんだぜ。
「ほ、本当に? 死んでないよね?」
「ねえ、ラミーちゃん?」
「ア、ブ」
「本当に、首が据わってる」
パパが俺の首を触りながら、恐ろしいものをみるような目でそう言ってくる。
「さっきの目は、覚悟を決めた目だったよ。たぶん、ラミーちゃんは自分で自分の限界を超えたんだ」
なんだよ、その超理論はウマ娘だったらなんでも許されるって言うのかよ。
「ハッ、そう言えば聞いたことがある」
トンデモ理論に説得力強化パッチ当てるのやめない?
「ゴキブリは死の恐怖に直面した時に飛べることを思いだして、飛んで逃げるらしい。元々備わっていても休眠していて、追い詰められた時にその能力が発揮されると」
はー、なるほどね。
「やっぱり、世界って広いね」
二人はそのやり取りを最後に黙ってしまった。
考えこんでいる俺のパパと、なんだか真理を垣間見たような顔してるシービー。
ねえ、俺は聞きたいんだ。
その根拠、ゴキブリで例える必要あったかなあ?
「ていうことがあってね。今日はラミーちゃんの首が据わった記念日だよ。先輩」
「あらあら、そうなのね。すごいでちゅね~~ンニャラミタちゃん」
「ブゥぅ」
あの後、なんやかんやすごしていたらママがお仕事から帰ってきて、そのまま夕ご飯になった。
ミスターシービーも当然のように我が家で食卓を囲んでいる。
トレセン学園って全寮制じゃなかった?
「えっと、シービー。門限とかはどうなのかな?」
「安心してよ。お泊まりするって書き置きしてきたから」
「外出届は書いていないって言うことか。胃が痛いよ」
「まあ結局はシービーちゃんだからで落ち着くんでしょうね」
「そのしわ寄せは僕に来るんだよ~~」
「ンニャラミタちゃん、ミルクはおいちいでちゅか~~」
シービーもいるせいか我が家の会話はとんでもなくフリーダムだ。野放図と言っても差し支えない。
「キャッッキャッ……ケップ」
「うわ、すごく可愛い。あの薄気味悪い不快ないつものやつとは大違いだ」
この男、マジで理解らせてやる必要あるな。
「ねえ、ンニャラミタちゃん」
「ァゥ~~?」
「どこか体調が悪いの? あんなに立派なげっぷが今日は出ないなんて、お熱でもあるんじゃないかしら」
「ママ、落ち着いて。これが普通なんだよ」
「え~、アタシはお昼のあのくらい豪快な方が好きだけどね」
「なんだ、今だけなんでちゅね~。じゃあ大丈夫でちゅね~~」
体調が悪いわけではない。具合が悪いわけではない。
でも、軽率なげっぷで一般的なウマ娘の赤ちゃん像を汚してしまったかもしれないという罪悪感で、今の俺はバツが悪いよ。
「先輩は明日まで仕事だよね」
「ええ、そうね。明後日のお休みは一緒にお遊びちまちょうね~。ンニャラミタちゃん」
「トレーナー、明日はアタシがラミーちゃんの面倒を見るよ」
「……今日の件を踏まえて僕が君にンニャラミタのことを任せられるほどの信頼を得られていると思う?」
「あはは、でもそれを決めるのは、トレーナーじゃないでしょ」
そう言って、シービーはママの腕に抱かれている俺をじっと見つめてくる。
「ねえ、ラミーちゃん。明日はアタシと一緒に過ごそうか」
「ン”~~~~」
「あらあら。うれちいとたのちそうがありつつも、すごく恐怖しているようなぐずり方でちゅね~~」
「ウマンクの『叫び』みたいな悲壮感が漂っているように僕は見えるよ」
「あはは、ねえ、ラミーちゃん?」
そう言いながらシービーは俺から目を逸らさない。
「君に新しい世界を見せてあげるよ」
憧れの人物と言うのは自由で楽しそうなはずなのに、それでいて誰かを導いてあげるようなそんな風と大樹を思わせるような人物を俺は勝手に求めていた。
でも、実際はそうじゃないし。風というよりは暴風だし。大樹というよりは樹海だ。
正直、関わったらロクなことにならないという予感がヒシヒシと伝わってくる。
だっていうのに。
「君とアタシだけの世界。それはとっても楽しそうじゃない?」
どうして、このウマ娘の言葉は俺の心をここまでワクワクさせてくるんだろうか。
コイツと過ごしたら命の危機が何度だってやってくる。たぶん、辛いことの方が多いはずだ。
でも、なんだかすごく面白そうだと思えて仕方ない。
本当に、ズルいな。
「……アィ」
「決まりみたいだね♪」
「答弁が決まりきった会議なのに、さも本人に選ばせたような物言いするね、君」
「でも、これはラミーちゃんの意思だからさ」
「しっかりシービーお姉ちゃんの言うことを聞くんでちゅよ~、ンニャラミタちゃん」
「ま、ママ!?!? 正気?」
「やっぱり先輩は先輩だなあ」
みんな、元気かな? 未来の百合ハーレム王のンニャラミタだよ。
ハーレム作る前に、憧れの存在に愛されて殺されそうだよ。
この世界って、思ったより死が身近にあってびっくりしちゃった。
明日は俺の命日かもな。
そんなことを思いながら。俺はママに抱かれて眠った。
「ンギャアアアアアア(アヂイイイイイ)」
「あれれ、あんまりミルク飲んでくれないや」
「ちょ、ちょっと大丈夫かい。シービー」
おはよう、世界。
今日はシービーと嬉しはずかし一日お家デートの日だよ。
今はね、ミルクの時間。
たぶんね、このミルク沸騰したてなんだ。唇がヒリヒリするね。ウマ娘じゃなかったらヤケドしてたぞ♪
「えー、ちゃんと沸騰したお湯でミルク作ったんだけど」
「沸騰した後に! 人肌に冷ますの!!!」
「あー、赤ちゃんってそういうのいるんだ」
「……ママ、やっぱりこんなんじゃ、僕はおちおち家のことも出来ないよ」
「あはは、トレーナーさんって心配症だね」
なんだろうな。パパのこと今まで嫌ってきてたけど、手が離れてはじめて感じるありがたみって言うのかな。
「じゃあ、氷入れて冷やすから待っててね」
「氷を入れると! 冷え過ぎて! お腹をこわすから!!!!」
親って偉大だ。
「ンギャアアアアア!(やべえええええ)アアアアア!(寝みいいい)」
「どうしたのかな、ラミーちゃん。すごく大きな声上げているけど」
ミルクも終わり、朝寝の時間がやってきた。
パパは買い出しに行っているからここにいるのは俺とシービーだけだ。
この時間帯になると眠くなって意図せず大声が出ちまう。
ママやパパはちょっと前の時間くらいから、抱っこして寝かしつけてくれるが、シービーは俺が寝返りうったり、暇つぶしにガラガラのおもちゃで遊んでいるのじっと見るだけだった。
いやん、見られて恥ずかしい。
と言えるのは眠くなくて機嫌がいい時だけだ。今は眠くてイライラしてる。
「ンギャアアアアアア(抱っこして、寝かしつける準備してくれ~~)」
「ゴロゴロしてきた。んー、構ってほしいのかな?」
なんとなくアピールするためにシービーの周りをグルグル寝返りうっていると、フワフワとした感触があった。
「ンギャ……ア?」
「?……あ、尻尾かな」
シービーの尻尾だ。フワフワしてて柔らかい。
「ほらほら、こっちだよ~~」
頭の上でひらひらと揺れる尻尾に本能的に目移りしてしまい。眠くなるのを忘れていた。
「クシュン……あ、ごめん尻尾が当たっちゃった」
「ンギャアアアアアア(やっぱ無理だ~~)」
誰か俺を眠らせてくれ。自分じゃどうにもならねんだわ。
「ンア……」
気づけば、眠っていたみたいだった。
視界のクールタイムは終わっていない。でも、ぼんやりとした視界でもちょっと黒いシルエットが見える。
シービーは眠っている俺のことをじっと見つめているみたいだ。
「いやあ、赤ちゃんって大変だね。アタシの思い通りにはいかないや」
そうだよ。午前中だけでも、死ぬかと思ったもん。
「だから、楽しいね」
ふーん。
「アタシもこんなにちぎれそうなくらいムチムチした腕してたんだろうね」
あなた、俺のちぎりパン掴むの好きだね。
「アタシは結構自分のしたいことしかしない性格なんだよね」
あれれ、周りの人は俺の寝顔を見ながら自分語りする呪いにかかっているの? 俺は大変のウロだった?
「で、欲しいものがあったら手に入らないときがすまないんだ。だから、最初はラミーちゃんのことがあんまり好きじゃなかったんだよね」
生まれたてなのに、悪意持たれてたの? この人生ハードモードだった?
「アタシが好きにしてもいつも笑って見守ってくれる先輩もトレーナーも、2人とも君に夢中になっちゃったんだから」
あー
「なんだか面白くなくって、そんなに夢中になるものなのかって、興味本位で覗いてみたら、考えが変わった」
なんというか
「君ってすごいよ。2人が夢中になるわけだ、だって何するか分かんないもん。君を見るだけでアタシの中の世界が広がっていくのが分かるからさ」
うまく言葉に言えないけど、そもそも喋れないし。
でも、そうじゃなくて、俺もシービーにこの気持ちを伝えたいな。
「だから」
「ダ」
だから、動けよ。眠ってんなら動け。
「ぁ……ぁ……」
ハイハイくらいならできるだろ。ウマ娘なら訳ないって。
クールタイムがそろそろ終わる。
5、4、
「ゥ~ゥ~」
3、2、
「?」
1、
「ゥ~ゥ~!」
0。
「もしかして、アタシのこと?」
おはよう、世界。
「ゥ~ゥ~!」
「アタ、頬っぺた。ぺしってされた」
「ィヤ~~♪」
「プっ、あはは……君って本当に面白いや」
俺はこのウマ娘のおかげで世界が広がったんだ。
それだけはミスターシービーに伝えなきゃいけないってそう思ったよ。
「あんなに、ギャン泣きするし、豪快なげっぷするし」
その言葉を聞きながら俺の体は浮いていた。
あったかくて優しい親以外の温もりだった。
「正直、化け物とかモンスターって表現しちゃえるような大変さだけど」
しょうがないよ。
一般成人男性が混じったクリーチャーだもんな実際。
「笑ったら天使みたいだ」
そう言いながら俺の頭を撫でるミスターシービーの笑顔に俺は見惚れていた。
「ンニャア……(天使はどっちだよ)」
「ただいまー」
「キャッキャッ」
「あ、トレーナーおかえりなさい。そろそろお昼だね」
「あれ、すごく仲良くなってる?」
「まあね」
当然だよ。
「アタシとラミーちゃんだけの世界に居たんだからさ」