他にもコーナー回復とコーナー巧者、直線回復やハヤテ一文字 全身全霊 弧線のプロフェッサー シックスセンス コンセントレーション。
あまりウマ娘を知らないから、強いスキルを付け足したけど、実際はこれ以上の働きしてると思う。
ハルウララとのランニング中、道路の一部が岩で塞がれていた。
「どうしたのおじいちゃん?」
困った顔で佇む老人。道路にある大岩相手に、手を組み悩んでいた。ああとおじいさんは答えてくれた。
なんでも昨日の雨の所為かは知らないが、崖から大岩が転げ落ちてしまったようだ。
「運よくけが人とかは出なかったんだけども、こんな大岩が道路に有っちゃ、畑の仕事の邪魔になって仕方ないんだ」
削岩機なんてものがそう簡単にあるはずもなく、警察に届け出を出そうとしているが、こういうものは警察で良いのか悩んでいるところらしい。
「そうなんだ。ならわたしたちに任せてよっ♪」
その時、ハルウララは木刀を構えて、俺も木刀を取り出す。練習用に仕込んだ仕込み武器の一種だ。
首を傾げるおじいさんを前にして、ハルウララはぴよーんと大岩に乗り、静かに呼吸をする。
「ヒノカミ神楽っ♪」
碧羅の天ッ!!と叫び、岩を真っ二つに叩き斬るハルウララ。
「あれまあっ!?」
びっくりするおじいさん。切れた岩はズドンと音を立てて綺麗に二つになり、俺は片方、ハルウララが乗っていない欠片に向かって呼吸を放つ。
水の呼吸・
波紋が広がるように衝撃が内部で広がり、岩は粉々に砕け散り、おじいさんは驚愕している。
「うわあ~♪すっごいねトレーナー!よ~し」
ハルウララも飛び降りてから、紐の突いてる木刀を操り、素早くもう片方の欠片に向かって放つ。
「岩の呼吸・伍の型っ!?」
「これでもう大丈夫♪」
欠片の後片付けを手伝います。俺はそう言うとおじいさんは冷静に戻り、ありがとうと言ってくれる。
「最近のウマ娘はこんなこともできるんだねえ……」
そう言ってその日の翌日、理事長ちゃんに呼び出しを食らうのであった。
◇◆◇◆◇
「疑問ッ!!君はウマ娘と共になにをなそうとしているッ!?」
ご丁寧に疑問と言う文字を刻んだ扇子を持つ理事長ちゃんはそう聞いてくるので、しばらく悩んだ後、俺は答えた。
ウマ娘と共に、レースを楽しみ、悔いの無い結果を出して行きたいと思います。
「確認ッ!!それが君の育成方針か!?」
はい。
「ならば聞くが!!なぜトレーニングでここトレセンから地方まで足を運び、建物の壁を駆けあがると言う事をする!!?」
トレーニングだからです。
「驚愕!?君はあれをトレーニングと言い張るつもりか!?」
? はい? 現に俺もできますし、ハルウララは一息で五階まで駆け上がる事ができますよ。
「なぜだ!?」
できるからです。
「問い!!君はそんな事ができると思うのか!?」
と言う訳で理事長ちゃんの部屋から飛び降りてから駆け上がる様を見せたところ、駿川さんと共に口を開けていた。
「驚天動地ッ!?君はウマ娘か!?」
いいえ、ただのもうすぐおじさんです。
「疑心!?人とはかくも不可思議な生き物だったのか!?」
とりあえず大岩の件のお礼に地方のトレセンに電話が来た事について色々聞かれたが、その後は何も無く、退室する事ができた。
最後に頭を撫でたら憤慨、子ども扱いをするなと怒られる。
気のせいか笑顔の蟲柱様(シュ、シュと何かを殴る仕草の)が空に浮かんだ。化けてこないでください。そんな仲では無いでしょうに。
『私が言わないと誰も貴方の事を止めないからです。好きでやっていませんよ』
さいですか。
◇◆◇◆◇
トレーニングの成果で、ハルウララは無理をすれば中距離、万全な状態で挑み続ける事を考えるとマイルの試合に出られる資質まで高める事ができた。
「えっとねええっとねえ、トレーナーに言われた試合に出たいな。全部は無理でもちゃんと一着取るよっ」
そう言われたため、体調、骨や肺への負担。学業も含めて考えつつ、ハルウララと言う名バの活躍を願うファンの声に耳を傾けながら、出られる試合を絞り出す。
その中で新しく、ライスシャワーと言う子のウマ娘のトレーナーになり、彼女と会話を重ね、ちゃんとお互いの意思を確認し出す。どこぞの水柱様のようなミスはしないようにしないとな。
「はいもしもし、ライスシャワーのトレーナーです。はい?ミホノブルボンの三冠止めてなに考えているんだ? そのようなクレームは受け付けていません。では」
最近変な電話ばかりだが、俺やライスシャワーには関係ないことだ。
時々妙な不審者が俺の後を付けるが、引き離したり捕まえたりするのは簡単だ。今日のはナイフ持っていたし、ウマ娘だが、たかがナイフ、たかがウマ娘だ。担当ウマ娘の前に出ないように、徹底的に話し合おうじゃないか。
そんな日々を過ごして、ライスシャワーは水の呼吸を覚え始めた。
「あ、あのねあのねトレーナー」
なんだいライスシャワー。
「最近ねえ、変な夢を見るの。半々羽織の着物を着た男の人だけど、こういうの教えてもらったの。見てて」
そしてライスシャワーは俺ですら知っていても使えない拾壱の型である凪を使う。
あの野郎、現代で言うコミュ症の癖して、化けて出てライスシャワーに凪教えてやがる。まあライスシャワーが嬉しそうだからいいが、蟲柱様、今度化けて出る際は水柱様を叱ってからにしてください。
『お前ら本当に……何を考えているか小一時間聞きだしてあげましょうか?』
『俺は悪くない』
空に浮かぶ夫婦漫才を見届けてから、俺はライスシャワーと共に壁を駆けるハルウララを見守っているのであった。
鬼殺のトレーナー 前世の幼少期より岩は斬る物では無い、突いて砕く物だと教えられて、真菰を守る為だけにやりやがった経歴を持つ男。今世でもこれくらいしないといけないと思いこみ、そこまで鍛えた。
走りこみで地方まで行ったり、壁走りで瞬発力を高めたり、どこかの山奥でトレーニングしたりと色々やっている。
妻子無し、賭け事に興味なく、娯楽品に手を出さない為に、入る給料は全てトレーニングに使っている。トレーナーだから当たり前と思いこみ、年金などのお金以外、貯金もそこそこにウマ娘達に使う男。
しっかりと同性トレーナーの飲み会くらいは行くし、話は聞くが信念は曲げない為に、どれほどライスシャワーを非難する電話がかかっても正論で戦う為に全く気にも留めないし、ライスシャワーは悪くないと思っている為に守ってあげなければいけないと覚悟を決める。
ウマ娘のトレーニングも共にこなす為に、トレセンでは知らない者はいない。タイヤ引きまでやっている為に、ウマ息子なのでは無いかと疑われているし、時折虹色に輝くトレーナーと共に輝いている事もあった。
仕込み刀は木刀だが硬度は鉄並みに硬い。現代は便利だと思いながら、トレーナーに必要そうな資格、整体師や骨に関する医療知識を初め、医学も学び、医師免許を持っているし、車の免許も持っている。もしも趣味があるとしたら資格マニア。
英語も学び、ハルウララの学業までサポートしている為、学業の苦手なウマ娘が最後に助けを求める場所として広く扉は開いている。
ハルウララ 岩の呼吸を究めようとしているのか、木刀に特殊な紐を付けた。特殊な為にウマ娘が全力で引っ張っても千切れない。
夢の中で痣を持つ少年から、俺もあの人には助けられたんだと話し合い、仲良くなり、せっかくだからとヒノカミ神楽なる神楽舞を教えてもらう。これにはトレーナーは空に祈りを捧げた。
いまではマイルの適性はAと中距離のBと伸びしろがあり、スピード、パワーは高く、スタミナは最高に上がっている。かしこさはCと低い。
差しが得意だが下手をすると逃げまでできるほどスタミナが高くなり、ご飯を良く食べるようになった。
甘露寺さんのようにそうは見えない筋肉質になっている為、アクション俳優もできるくらい強くなった。トレーナー特製の木刀でコンクリの壁を突き壊すくらい動作無し。
蟲柱 死んだ後から問題を三女神から話されて、一人はカナヲに任せていたが、あまり反省の色が無い為に結局自分がする羽目になる。どいつもこいつも勝手ですよ。
ミホノブルボンのファン ミホノブルボンの過激なファン。ライスシャワーの新しいトレーナーに抗議の電話をするが、何時間だろうと話を聞いても謝らず、どんな事を言おうと関係なしでライスシャワーは悪くないの一点張り。
トレーナーを陥れようと色々画策するが全て回避され、凶行した結果、圧倒的恐怖を持って説教された。
殴られるなどでも、怒鳴られる訳でもないのにとにかく怖い思いをする。
トレーナーの文句を言うのは言うが度が過ぎると誰の為にもならないと言う強い意志は、下弦の鬼すら圧倒した歴戦の剣士としてのすごみがあり、これに耐えられるウマ娘はほとんどいない。もしも本気で怒らせたらシンボリルドルフすら震えあがるほどの殺気を放つだろう。
ミホノブルボンのファンは続けているが、ライスシャワーの悪口を言わなくなった。
理事長ちゃん 素行も悪くない。奇抜な事はするが結果を出している為に目を掛けている。
ウマ娘に対してもやましい事を抱かず、共に鍛錬する姿を立派と見ているが、タイヤ引きまでした事を知り、椅子から転げ落ちた。
一応、同期トレーナーからも評判も良いし、たくさんある免許や資格は有能であり、手放したくない人材だと思っている。
ライスシャワーの一件も彼に任せたら多少は防波堤になってもらったから助かっている。仕事もできているし、あれでたまに七色に輝く事さえやめてくれて、こちらの言い分をちゃんと聞いてくれれば最高なのにと思っている。