この世界に転生した時は未来に来たと思ったが、ウマ娘は大正時代よりも前から居るので違う世界だろう。ある意味、ウマ娘に高い興味を持ったのもここからだ。
いまの俺はトレーナーとしてやるべき事をしている。ハルウララ達の体調などを気を付け、なるべくレースに出たい子は出られるように、タイトルが欲しい子はタイトルを手に入れられるようにと調整している。
現代は本当に助かる。食事もそうだが、調べたい事がパソコン一つで分かるのだから。
今世、トレーナーになってから洋食にハマり、パンを食べながら全員のレースに注目すると共に、ハルウララ達の映画関係の仕事も確認している。
映画に付いては三者三様だ。レースの彼女達が見たい、それも見たい、両方見たいと言う意見が出ているが、悪い話は無いのを確認。それの受け答え、インタビューをこなして、色々する。
今日も俺は元気です、資格も取りました。
資格が多いからか、同僚、先輩含めて頼りにされている。俺をサブトレーナーにと言う声は良く聞くが、俺にはハルウララ達がいるのでサブは断っている。まあ似たようなことはしている。
「助けてくれ!?」
いまのような事態だな。ウマ娘の中には信頼度が高過ぎて、トレーナーに恋する者もいる。実際、学園側から禁止令が出ていても恋人関係に落ち着く者は出ているらしい。
俺には真菰がいるから、今世は独身で魔法使いか賢者になる予定だ。だから分からない感情ではあるが、理解しなければいけない事柄だろう。
先輩から話を聞いたりすると、そう言うウマ娘の暴走を時々見てしまう。あれは絶食状態の鬼と変わらない迫力があるな。理解がある分、倒せないからより酷いが、対処できる。
そう、俺は暴走するウマ娘を対処できる。これを知ったメジロ家のトレーナー兼執事兼将来の旦那はすぐに助けを求めて来た。
まさかマンション暮らしの俺の部屋に先輩が流れ込んできて、パパにされちゃうの助けてと涙目で縋り付き、ウマ娘に怯える様は面倒くさいと思ったね。
だけど無視すると人の部屋で始めようとするから、渋々助けてあげるしか無くてね。組み手は柱稽古の際や、柱達の相手をしていたおかげでできるから助けてあげた。
だけど俺が助けたところで絶世の美女美少女であるウマ娘に勝てるヒト息子は存在せず、結局その先輩は複数のウマ娘の中で最初に行動したウマ娘が掻っ攫って行ったな。
他の担当ウマ娘のパパにされずに済んでよかったよと、どこか遠い目で電話越しに話していた先輩を思い出して、俺も気を付けないといけないと思う。俺には真菰がいるから。
そんな訳で奥さんがいない男性トレーナー最後の砦として俺の住所が駆け込み寺扱いにされていて、助けを求めるトレーナーが後を絶たない。
◇◆◇◆◇
こんな事をしていてウマ娘に嫌われないかと言われれば、嫌われてはいない。
トレーナーのいないウマ娘のトレーニングに助言をしたり、勉強を見て上げたりしているからか、ウマ娘から嫌われてはいないようである。
勉強の方はむしろ担当トレーナーから頭を下げられる時がある。一応教育免許を取っていて、トレセンの各学年の勉強範囲を把握しているからな。スペシャルウィークが一番駆けこんで来る。
彼女の友達やチームメイト達とも知り合いになったりして、サポートしている。サイレンススズカの時は感謝されたな。
故障の可能性を前々から感じていたが、なるべく俺が試合以外に負担がかからないようにアドバイスしたおかげで、試合後に足に違和感があると言った時に、まずいからすぐに病院に行かせた。おかげで彼女は故障する事は無かった。
あの時はスペシャルウィーク達に感謝されたが、休憩する為にいくつかレースを棄権させてしまったのだがね。
今では海外まで活動する話が出ているし、まあよかったよ。
ああそう言えば最近、ハルウララが透き通る世界が見えるようになってきた。痣が出ないように調整しているとはいえ、ウマ娘の身体能力は羨ましい限りだ。
模擬試合としてライスシャワーと共に剣術で相手したが、柱を相手している気分だった。前世より強くなったからとはいえ、俺は痣を出さないといけないだろうか?
ハルウララは最近、暇な時はヒノカミ神楽を踊る事が楽しいらしい。一日中踊るので、止めないといけない時がある。キングヘイローも混じってやる為、最近キングヘイローもうちのウマ娘として活動している。
そんな日々の中、俺はゴールドシップから頼まれたある事をする為に、準備をしていた。
◇◆◇◆◇
晴天の中、ウマ娘達がとあるイベントレースに参加する事になる。ちょっとしたイベントだ。ゴールドシップが開催するレースであり、優勝者は食堂の限定特別スイーツ食べ放題券。
「ま、まあ、しばらく走っていませんし、これくらいなら問題ないですよね?」
「限定特別スイーツ………じゅるり」
メジロマックイーンは何かしらぶつぶつ言い、オグリキャップはよだれを垂らす。時々食堂で出て来るそれらは、ウマ娘達の憧れの的だ。
ライスシャワーやハルウララは見ているだけだが、他にも走りの速いウマ娘達が参加する。
『あーあーマイクのテスト中マイクのテスト中。本日は晴天なり本日は晴天なり』
そして始まるゴールドシップのイベントレース。その時、司会をするゴールドシップは不敵な笑みを見せる。
『食堂の限定特別スイーツが欲しければ、こいつに勝つことだな。カモン、戦闘マシーン』
「戦闘マシーン!?」
「って、ええっ!?」
『その名もハリボテエナジーッ!!』
ビーガッコン、ガーガー、ビーキャーン………
「って、ただの張りぼて着こんだ誰かやんけっ!?そんなん走れるか!?」
タマモクロスがそうツッコんできたが、それは気にせずロボットらしい動きをする。
「どこのどいつかしらんが、彼奴は敵やないな」
そう不敵な笑いをする中、全員ゲートに走る。うむ、ウマ娘はこんな感じでゲートインするんだな。
位置に付いて、よーい………ドンッ!
雷の呼吸・壱の型、霹靂一閃。
◇◆◇◆◇
「質問!!君はゴールドシップが開催したレースで出て来たハリボテエナジーに心当たりはあるか!?」
いいえ、スカウトしたいですねとは思いますが………
「残念。君も知らないのなると、やはり名前を偽っているウマ娘か」
「ですけど、該当するウマ娘はトレセンにいるかどうか」
「考察、がたいの大きい、背の高めのウマ娘なら、該当する者が居そうだが、並み居る現役ウマ娘達を置いて、大逃げをした彼女は、一体どこの誰なのか」
「唯一知って良そうなゴールドシップさんは、ゴールドシップさんですからね………」
ホント、どこのだれなんてしょうね。
「………質問、本当になにも知らないのか?」
知りませんよ理事長ちゃん。
「憤慨、ちゃん付けをやめろと何度言えば分かるッ!」
まあ約二名にはバレてしまいましたが、良しとしよう。
「?いまなにか言いましたか?」
いいえ、駿川さんの聞き間違いですよ。それじゃ、俺はここで。ハルウララとライスシャワーとで食堂に行く約束があるんで。
「あっ、はい」
失礼します。
こうして俺は二人に限定特別スイーツを食べさせてあげて、時たまにゴールドシップのレースを手伝うのであった。
鬼殺のトレーナー 人類最強 最後の砦 ウマ娘と戦う者として同僚達から信頼されている男。
もしも痴情のもつれが発生した場合、ウマ娘から逃げる為に彼とのコネクションを結ぶ者が後を絶たない。実際、浮気を疑われたり、ウマ娘以外の女性と付き合い始めたトレーナーは彼に助け出されている。
だが彼は正論主義者である為、少しでも男に非がある場合、完全に見捨てる。浮気なんかした日には、無理矢理パパにしようとするウマ娘にホテルを紹介すると言うとんでもない事をしている為、助けを求める場合は自分に非が無い事を伝えなければいけない。
現代では大正時代で食べることが無い、少ない洋食を基本に食べるし、作り方を覚えているが、味噌など自作している。
真菰一筋、恋人や奥さんは真菰以外考えない男。真菰は困った顔で少し嬉しそうで、それでも幸せになって欲しいな~と思っている。
メジロ家のトレーナー兼執事だった男 メジロ家のウマ娘の担当トレーナーだが、恋されてしまい、全員と責任を取って欲しいのと全員に言われ、彼の下に逃げ込んだ。
最終的には話し合い、ちゃんと付き合いができるウマ娘と結婚。他の者はお見合いなどで納得されるように説得も手を貸してもらった。
息子の名前は彼の名前からもらおうとしている、生まれたのはウマ娘の為に、将来彼の所で頑張って欲しいと思っている。
ハルウララ 最近世界が透き通って見える為に、毎日は楽しいし、理科のお勉強ができるから助かっている。
とある痣を持つ炭焼きの少年と、一人の剣士の為に神楽舞を踊り続けている。心優しい子。
ライスシャワーと共にレースの片手間に映画デビューしている。毎日楽しい。
キングヘイロー 最近ハルウララに撒きこまれて神楽舞を踊り続け、妙なスタミナとパワーを手に入れた為に、鬼殺のトレーナーの下に来るようになった。
神楽舞のおかげで成績が上がり、ハルウララに感謝している。