日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた 作: まっこーける
イルネティア島中部イフォス市。グラ・バルカス軍イルネティア島防衛軍東部方面隊司令官であるレイナルドは市内を装甲指揮車に乗って転々としていた。これは航空自衛隊による空爆を警戒してのことだ。彼は車中にて参謀たちと会話をしている。
「334旅団のアクムスとはまだ連絡が取れないのか?」
レイナルドは苛立った様子で、参謀に尋ねた。
アクムス少将率いる334旅団は現在、各個に撃破されつつあった。自衛隊はゲンゲンダ平原に展開するグラ・バルカス軍の指揮通信網を攻撃し、これにより平原の部隊間連携は崩壊しつつある。
陸自第82戦闘団は既にグラ・バルカス軍の防衛線を突破。一時的に後退していた第81戦闘団もグ軍第22旅団指揮所を衝いた、1個戦車小隊と機械化普通科小隊を配置に戻した後、進撃を再開している。そのため各地で部隊は孤立してしまい各個に撃破されているのだ。
「独自の判断で後退してきた部隊によりますと、334旅団司令部は既に壊滅状態とのことです。恐らくアクムス少将も戦死したかと思われます」
レイナルドは舌打ちをする。もはやゲンゲンダ平原におけるグラ・バルカス軍の戦線は分断され崩壊寸前だ。このままではイフォスは包囲されるであろう。
そんな時、装甲車に搭載した無線機が鳴る。レイナルドは受話器を取ると耳につけた。
「え!増援は出せない!?どういうことですか!」
レイナルドは声を荒げる。無線の相手はキルクルスのイルネティア防衛軍総司令部官のザイドであった。
イルネティア島西部の都市、ドイバ防衛の為の戦力をイフォス防衛の為に回して欲しいと要請していたのだが、それは拒否されたのであった。
なんと、ムーの戦艦ラ・フィスタンと海自の護衛艦2隻がドイバ沖に現れ市街地を砲撃、その後に撤退していったという。そのため総司令部としてはドイハ方面からの上陸に警戒せざるを得ず、兵力をイフォス方面に回す余裕がないらしい。
「とにかく増援に出せる戦力はない。現有の戦力でイフォスを死守せよ」
援軍は絶望的となった。
レイナルドの脳裏には最悪の事態が思い浮かぶ。イルネティア中部に位置するイフォスは交通の要衝だ、もし陥落すれば北のキルクルスは丸裸となるだろう。
「現地住民の徴用はどうなっている?」
彼は前々から進めている、現地の住民を兵士として徴用するという計画の進捗を尋ねる。
「はい、現在、2000名が訓練中です。しかし今の練度での実戦投入は難しいでしょう」
「銃を撃つくらいは出来るだろう? 訓練不足でも構わん、今は使えるものを使え」
「はっ、了解しました」
レイナルドは苦々しい表情を浮かべる。
(まさか、ここまで追い詰められるとは……)
もはや野戦では勝ち目がない。彼は都市に籠って連合軍に出血を強いるつもりであった。
◆◆◆
イルネティア島より西、300海里の海上。闇夜の海上を多数の艦影が進む。淡い月明かりに照らされたそれらはグラ・バルカス帝国の艦隊であった。
グラ・バルカス帝国海軍、第6任務部隊旗艦グレートアトラクター型戦艦3番艦グレートヴォイド艦上にて、艦隊司令であるローゼンメラー提督は部下の報告を受けていた。
「このままの速度でいけば後6時間でイルネティア島を艦載機の行動半径に収めることが出来ます」
報告を受けた提督は満足げに頷き、長い顎鬚を撫でた。
第6任務部隊はグレートヴォイド1隻と空母6隻を含む総艦艇75隻の大戦力だ。
その第6任務部隊の総指揮を任されたローゼンメラーは今回の作戦に並々ならぬ自信を持っていた。
やはり艦隊の主力は新鋭装甲空母のアヴィオールであろう。この空母は排水量45000トンを超える巨艦であり、30ノットの高速を誇る。更に航空機運用能力も高く、搭載機数は60機を超えている。、グラ・バルカス海軍が今まで建造した中で最強の空母と言っても過言ではない性能を持つ。
さらに特徴的なのはアヴィオールはジェット機の運用が可能なことだ。搭載する艦上ジェット戦闘機、グラジアトルAは最高速度が950キロを超え、武装は30ミリ機関砲1門と短距離赤外線ミサイルを装備可能だ。さらにグラジアトルBはA型の攻撃機バージョンであり、対艦誘導ロケットのジークや大型爆弾も搭載可能である。
これらの機体や空母は技術ガチャ産ではなく、宿敵であるケイン神王国に対抗するために転移前から開発していたものだ。
これらの最新の兵器でイルネティア島周辺の海上優勢を取り戻すべく、彼らは東進を続けていた。
「日本人。この艦隊でお前らを打ち破ってみせよう」
ローゼンメラーの瞳に闘志の炎が宿った。
◆◆◆
同時刻、イルネティア島南西部海上。海上自衛隊のいずもFICにて、イルネティア島派遣艦隊司令である羽柴海将補が幕僚たちと打ち合わせを行っていた。
「横須賀の海上作戦センターからの衛星通信によると、大規模なグラ・バルカス帝国海軍が出港したことが偵察衛星にて確認されたとのことだ。彼の艦隊はここ、イルネティア島を目指している可能性が高い」
羽柴はそう言うと、モニターに表示されたデジタルマップに視線を移す。
イルネティア島奪還に投入された海上自衛隊の戦力は第1護衛隊、第5護衛隊、第8護衛隊の12隻と掃海隊群、第1輸送隊のしまばら、おおうらの強襲揚陸艦、原子力潜水艦のじんげい等から成る。
グラ・バルカス帝国艦隊出撃の報を受け、すでに海自イルネティア島派遣艦隊は迎撃態勢を整えていた。派遣された戦力のうち迎撃に投入されるのは、第1第5護衛隊と第8護衛隊のちょうかい、はぐろ。UAV母艦にしまばら、水中戦力としては原潜のじんげいが投入される。
おおうらは陸上部隊へのUAVによる支援という任務があるし、それの護衛として第8護衛隊のきりさめとすずつきを残す必要がある。よってこれらの戦力はグ艦隊迎撃には割けない。
「グ艦隊はおそらくこのルートを通るだろう」
モニターにはデジタルマップ化されたイルネティア島西部の海域が表示され、予測進攻ルートが赤い線となって示されている。
「グ艦隊の目的は当然、イルネティア島周辺の海上優勢を取り戻すこと。つまり我々の撃破だ」
羽柴の言葉を聞き、幕僚たちが力強く答える。羽柴は幕僚たちを見渡すと、言葉を続けた。
彼らとしては当然黙って撃沈されるつもりはない。全力をもって迎撃にあたる所存だ。
「出撃前と後の敵軍港の衛星写真を分析した結果。彼の艦隊には大型空母が含まれていることがわかった。付け加えるとこの空母はどうやらジェット機が運用可能なようだ。さらに我々は敵の空母艦載機からの核攻撃を警戒する必要がある」
羽柴の核攻撃という言葉に幕僚たち息を飲んだ。
先日のグラ・バルカス爆撃機による対艦ミサイル攻撃は海自を大いに驚かせた。グラ・バルカス帝国は所詮地球の第2次大戦時頃のテクノロジーレベルしか持たない国と思っていたからだ。しかし、どうやらその認識は間違ってたらしい。
グラ・バルカス帝国の軍事技術力はかなり高いと言わざるを得ない。もしかしたら核兵器を保有しており、それを使用する可能性は十分にあるのだ。
「現在、無人機のMQ-3を飛ばして索敵を行っている。敵艦隊を補足次第、F-35で叩く。数の上ではこちらが不利だ。早期発見、先制攻撃に努める」
羽柴は幕僚たちにそう告げた。
無人機MQ-3には海上捜索用レーダーも搭載されている。しかし個々のMQ-3のレーダーは本格的な早期警戒機には及ばないため、複数機のMQ-3と早期警戒型オスプレイであるEV-22を飛ばし、それぞれをネットワークによって連携させ広範囲を捜索させている。
「しかし、本当に来るんですかね?我々を撃滅するために」
幕僚のひとりが疑問を口にする。
「絶対に奴らは来る。我々の全力を以て叩き潰してやろうではないか!」
羽柴は自信ありげに言い切った。