日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた   作: まっこーける

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18 キルクルス強襲

 

 イルネティア島王都キルクルス、王城ランパールにて。

 会議室にはイルネティア征統府の重鎮達が顔を揃えていた。

 

 総督であるラクスを筆頭にグラ・バルカス帝国 イルネティア防衛軍指揮官のザイド中将以下、参謀長や参謀達。さらには情報局局長の姿もある。

 

 この場に居る全員が沈鬱そうな面持ちをしていた。理由は言うまでもない。

昨夜遅くもたらされたイフォス市陥落の報により、もはやイルネティア島防衛は絶望的となったからだ。

 

 すでに野戦戦力の殆どを失い、本土からの援軍を待つという選択肢は制海権を失った今、ないに等しい。

議題は今後の対応についてであった。

 

 総督であり、事実上のイルネティア最高権力者であるラクスは口を開いた。

まずは現状認識の確認を行う。

既にイフォス市は陥落した。西方の港街ドイバもムーの攻撃を受け数日中に降伏するものと思われる。

既にこの島の防衛は破綻していると言っていい。問題はこれからどうするか? である。

 

 皆が押し黙る中、沈黙を破ったのはザイドであった。彼は手を挙げると、発言の許可を求めた。

ラクスは許可を出すと彼は立ち上がり、話し出した。

 

「もはや我が軍に勝機はありません。異世界連合軍への降伏を具申致します」

 

 室内に沈痛な空気が流れる。誰もがそれは避けたいと考えていたが、他に選択の余地はなかった。

 

「栄えある帝国が異界の軍勢に降伏だと!? 貴様それでも帝国軍人か!!」

 

 そう叫んだのはラクス総督だった。彼は激昂すると、椅子を蹴倒し立ち上がった。

そのままつかつかと歩み寄ると、ザイドの胸ぐらを掴み締め上げる。その顔には憤怒の表情が浮かぶ。

 

 一方、ザイドは冷めた目で彼を見つめる。その態度がますます気に障ったのか、ラクスはさらに力を込めて彼を締め上げた。だが、ザイドは眉一つ動かさず、静かに言葉を紡ぐ。

 

「私は軍人です。だからこそ、この状況ではそれが最良と判断したのです」

 

ラクスは手を離すと、彼を睨みつけた。そして、その視線を参謀長へと向ける。

その視線を受け、彼は立ち上がると、ゆっくりと語り始めた。

 

「私も同意見です」

 

 その口調には諦観が滲む。ザイドは参謀長の言葉を聞くと、さらに激昂した。

 

 

「どいつもこいつも、腰抜けばかりだな! この状況は全てお前たちの責任だぞ!」

 

 ラクスは怒りの形相を浮かべると、拳を振り上げ机を殴り付けた。

鈍い音が響き渡る。

 

「とにかく徹底抗戦だ! イルネティアの最高責任者はこの私だ!私が戦うと言ったら戦え! お前たちはただ私の命令に従っていれば良いのだ!!」

 

 その言葉を聞き、ザイドと参謀長はため息をついた。

 

「ではラクス総督、1つ方策があります。最後の悪あがき的手段ですが」

「聞かせろ! どのような策だ?」

 

ラクスの顔に希望の色が広がる。

 

「イルクスを使うのです。あの竜と御者の少女に協力を『要請』するのです」

 

ザイドは怪しげな笑みを浮かべた。

 

◆◆◆

 

 王都キルクルス郊外のとある民家。

 

 そこにグラ・バルカス帝国の兵士4人の姿があった。彼らはこの家の主を訊ねているところであった。ドアがノックされ、開くと一人の少女が出てくる。

彼女は兵士たちの姿を見ると明らかに怯えたような仕草を見せた。

 

「て、帝国の人が何の用ですか?」

 

 兵士の一人が前へ進みでると少女に向かって口を開く。

 

「こんにちはライカさん。我々はグラ・バルカス軍の者です。実は折り入ってお願いがありまして……」

 

 兵士の語気は柔らかい。一見すれば友好的に見える。

しかし、あからさまな威圧感を放っており、ライカの身体から冷や汗が流れ出していた。だが、それでも勇気を出して彼女は兵士に言葉の先を促した。

 

「あなたに……いえ、『あなた達』にイルネティア防衛に協力して欲しいのです」

 

 兵士の言葉にライカと呼ばれた少女は嫌悪の表情を浮かべた。

 

「また、私達を戦争に巻き込むつもりなんですね……お断りします。協力しませんからさっさと帰ってください!」

 

そう叫ぶと、ライカは扉を閉めようとする。

しかし、兵士がそれを許すはずもない。

強引に割り込んでくると、再び話しかけてきた。

その目はぎらぎらと輝いている。

 

「もちろんあなたの意思は尊重します。防衛に協力するもしないもあなたの自由意志です。しかし協力して頂けないとなるとお互いに不幸な結果が生じることになるでしょう」

 

兵士は一端言葉を切ると、大げさにため息を吐いた。

 

「我々としては悲しいことですが、仕方ありませんねぇ……。まぁ無理強いは出来ませんから……」

 

そこまで言うと、兵士は後ろに向かって合図を送った。

 

「そういえば、あなたに是非とも会って頂きたい方が居るんですよ」

 

 ライカと会話していた兵士が脇に退く。

その後ろに居たのはライカがよく見知った顔だった。ライカの父親である。

 

 父親は両脇をグラ・バルカス兵に抱えられ無理やり連れて来られていた。

ライカは悲鳴を上げると、父親の元へ駆け寄ろうとする。

だが、それを阻むように兵士が前に出てきた。

 

「数年ぶりの再会。感動の対面といったところでしょう。協力して頂かないとあなたの父親の生命は保障できかねますよ」

 

 そう言いながら、会話担当の兵士はもう1人、待機していた兵士に合図を送る。その男は一見眼鏡をかけた優男風だが、その目には嗜虐的な光をたたえていた。

 

「彼は拷問のスペシャリストでしてね。彼にかかればどんな情報でも引き出すことが出来るのですよ」

 

 ライカは恐怖に震え、言葉を紡ぎだせずにいると、拷問係が一歩踏み出した。

その手がゆっくりとライカの父親へ伸びていく。

 

 そして男の指先が父親の脇の下へ入れられた次の瞬間、絶叫が響きわたった。

 

「ああああああああ!! やめてくれぇぇぇぇぇ! 許してくれええ!!」

 

 拷問官は何とライカの父をくすぐっており、その声には狂気すら感じられた。

 

 あまりの光景にライカは顔を背ける。その間にもくすぐり責めは一層激しくなる。

 

「ああああああ! はははははははははははは! ひひひひひひひひひひひ!」

 

 やがて、父親は涙を流し、笑い狂いながら許しを求めた。

 

「もうやめて!お父さんが死んじゃう! 何でもします、だから、お願い!!」

 

その言葉を聞くと、グラ・バルカス兵は手を止めた。

 

「賢明な判断です。あなたの任務は簡単です。イルクスに乗り、王都にやってくる日本の航空戦力を叩き落としてください。両親の命はあなたが握っているという事をお忘れなく」

 

 グラ・バルカス兵はそれだけを言うと踵を返し、その場を後にした。

 

 その際ライカの父は「すまない、すまないライカ。あのくすぐりテクニックには勝てなかった」と泣きじゃくりながら連れられていった。

 

 残されたライカはしばし呆然としていたが、ハッと我に帰ると慌ててイルクスがいる竜舎へ向かう。イルクスはライカの姿を認めると、心配そうな声で問いかけた。

 

「何があったのか、全部知ってるよ。聞こえてたよ、あいつら最低だよ!」

 

 イルクスの言葉にライカは力無く笑うと、そのまま崩れ落ちた。

 

「ごめんね、またあなたを戦いに巻き込んじゃって……」

 

 ライカが涙を流す。数年前のグラ・バルカス帝国によるイルネティア島侵攻の際、ライカとイルクスは懸命に戦ったが敵わず撃墜されてしまった。2人は何とか一命を取り留めたものの、ライカの両親を人質に取られてしまったのだ。グラ・バルカス帝国に忠誠を誓う事を条件にライカ達は生存を許されているのが今日までの現状である。

 

 今回の要請を断れば、当然ライカの両親は処刑されてしまうだろう。ライカは自分がどうするべきか分かっているつもりだった。しかし、それでも家族を失うのは耐えられない。そんな葛藤でライカの心は押しつぶされそうになる。

イルクスはそんなライカを優しく舐める事で慰めた。

 

「僕はライカに従うよ」

 

 イルクスはそう言うと、ライカに向かって微笑んだ。その言葉をライカは聞くと決意を固めた表情を浮かべた。その貌は少女のそれではなく

竜騎士の顔であった。

 

◆◆◆

 

 0200時。イルネティア王都キルクルス郊外。自衛隊陣地。

 

 多数のヘリがアイドリングする音が響き、幾重にも重なったローターの振動音は、まるで地鳴りのように感じられる。

 陸上自衛隊の汎用ヘリコプターUH-60ブラックホークが発進の時を待っていた。

その数は10機以上。そのキャビンの中には水陸機動団の隊員たちが所狭しに座っていた。

 

 彼らはこれからキルクルスに在る王城ランパールへ向かい、グラ・バルカス帝国のイルネティア征統府首脳部を襲撃する予定となっている。

 

 敵の中枢を一気に叩いて無力化する、一種の斬首作戦であると言えよう。既にキルクルス上空では、E-2D早期警戒機が飛行しており、周辺空域の警戒監視に努めていた。

 

 そして今、ついに全ての機体の準備が完了すると、いよいよ出撃となる。

ブラックホーク各機はエンジンの回転数を上げ、轟音を響かせ離昇していく。

 

 作戦の全容はこうだ。まず、空自の無人機がキルクルス各所を守る敵対空陣地を空爆。ヘリボーン部隊の安全を確保する。

次にキルクルスを包囲する自衛隊、ムー、ミリシアルの部隊が市街地へ突入、敵の注意を引き付け、ヘリボーン部隊の支援とする。

最後に王城の各所にヘリボーン部隊が降下し、城内のグラ・バルカス帝国イルネティア統治機構の要人を殺害、或いは拘束する。

 

 今回の襲撃に際してグラ・バルカス側は当然反撃を行ってくる可能性が高い為、攻撃開始時刻は夜明け前の深夜から早朝にかけてと設定された。

これは夜の方が敵の目を欺きやすいからである。

離陸から10分後、ブラックホーク部隊はキルクルス外縁近くに到達する。と同時に市街各所から爆炎が上がった。

空自の無人機による対空陣地への攻撃だ。

敵の注意を引き付けるため、わざと派手に爆発させたのである。闇夜を切り裂くようにサーチライトの光が瞬き、地上からは陽動部隊による攻撃が開始され銃声が響き渡る。

キルクルスの街は騒然となった。

そして、その混乱に乗じて、ブラックホークは高度を下げつつ、キルクルス中心部にあるランパール城へ向けて飛び去っていく。

 

「ランディングゾーンまで30秒!」

 

 機長の声がキャビンに響く。その顔は暗視ゴーグルにより表情が読み取れないが、声には緊張が感じられた。

 

 機長は巧みに機体を操作しランディングゾーンである城の中庭へ進入させようとする。その時機体を数発の銃弾が叩いた。ヘリに気付いたグラ・バルカス兵が射撃してきたのだ。すかさずドアガナーが機体側面からミニガンを掃射し地上を制圧する。

 

 さらにヘリボーン部隊の護衛として随伴していたOAH-2が攻撃を開始。無人機が撃ち漏らした対空機銃へはミサイルを、歩兵へは30ミリを容赦なく叩き込んだ。

 

 中庭上空へ到達したブラックホークはホバリングする、そこからエグゾスケルトンを装備した隊員達が飛び降りていく。隊員達は着陸すると城内各所へ素早く展開していく。

 

「1小隊は東門を制圧。2小隊は正門を確保せよ」

 

 中隊長の指示に従い、各隊は迅速に行動を開始する。その動きは訓練された精鋭部隊のものであり、練度の高さが伺えた。

キルクルスは城壁に囲まれた都市であり、その中央に位置する王城ランパールは巨大な城であった。

城中庭は広大な庭園になっており、様々な花々が咲き乱れている。

そんな美しい光景も、今は硝煙と血臭によって台無しになっていた。

 

 水陸機動団の各隊は城内の要所を確保すべく移動している。その中には、木村3等尉の姿もあった。

彼の隊に課せられた任務はグラ・バルカス帝国イルネティア征統府の要人の確保、或いは殺害である。

 

 要人たちは城内の司令部にいるはずだ。彼はそう判断して、司令部を目指す。

 

 キルクルス城は巨大で、その内部は迷路のようになっていたが、亡命したイルネティアの王子から予め城内の地図を与えられていた彼達は迷う事無く目的地へと向かっていた。

 途中、当然のように敵の激しい抵抗を受ける。

だが、水機団は室内戦にも慣れており、敵兵を次々と排除していく。

そして遂に彼らは目的の部屋の前にたどり着いた。扉は頑丈そうな金属製のもので、鍵がかけられていた。

しかし、それも想定内であった。

 

「爆破準備急げ」

 

 木村の命令と共に隊員はC4爆薬を設置し始める。

 

「設置完了」

「よし、爆破」

 

 隊員の言葉に木村は冷静な声で応える。次の瞬間、凄まじい轟音とともに金属製の重厚な扉が吹き飛んだ。

 

「フラッシュバン!」

 

 隊員たちが部屋の中へ向けて閃光手榴弾を投げ入れる。その強烈な光と轟音に、室内にいたグラ・バルカス兵は視力と聴力を奪われた。

 

「突入!」

 

 その隙に隊員たちが部屋の中に突入を行う。豪華な調度品が並ぶ室内には5名ほどの男たちがいた。

 

 彼らは爆破とそれに続く閃光手榴弾に対し、咄嵯に対応できなかった。混乱の極みにある敵の護衛らしき者へは容赦のない銃撃が加えられる。

たちまちのうちに数人のグラ・バルカス兵が倒れ伏す。部屋の隅では1人の男が震えていた。おそらく彼がイルネティア総督のラクスであろう。その顔は恐怖に歪んでいる。

 

「ま、待て!私はイルネティアの最高責任者だぞ。殺せばどうなるか……!」

「お前がラクスで間違いないか?」

 

 木村が銃を構えながら静かに、しかし威圧的に問いかけた。その眼は冷たく、一切の感情が見えない。

 

「そ、そうだ。私がイルネティア総督のラクスだ。だから……」

 

 ラクスは最後まで言葉を紡ぐ事は出来なかった。木村が彼の鳩尾へ拳を叩き込んだからだ。

義体化され、さらにエグゾで増幅された左手の一撃は強烈で、ラクスの体は『く』の字に折れ曲がり胃の中のものを全て吐き出してしまう。

 

 悶絶し床に崩れ落ちたラクスを木村はさらに滅茶苦茶に蹴りつけ四肢の骨を砕くと、無線機を手に取った。

 

「こちら3小隊。要人の確保に成功した」

 

 木村の声は淡々としたもので、そこには一切の慈悲を感じさせない。

同室にいたイルネティア防衛軍指揮官のザイドも木村の部下にタコ殴りにされ、すでに虫の息となっていた。

 

すでにランパール城の各所は水機団の手に落ち、制圧が完了しつつあった。

 

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