日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた 作: まっこーける
イルネティア島から南東の海上。海上自衛隊の「いずも」艦上では、艦載機であるF-35Bの発艦準備が着々と整えられていた。
攻撃目標はグラ・バルカス帝国のイルネティア防衛艦隊だ。グラ・バルカス帝国艦隊の陣容はおそらく空母を含む機動部隊。
彼の艦隊は既にイルネティア島の軍港を出港し、島の北東に展開する神聖ミリシアル帝国艦隊を撃滅するために進撃中らしい。
すでにグラ・バルカス艦隊の位置は日本の無人機によって補足済みだ。
攻撃に使用するF-35Bはウェポンベイ内と翼下にJSM(対艦ミサイル)を2発ずつ、計4発搭載している。
本来ならF-35BはA型と違いウェポンベイ内にJSMを搭載することは出来ない。
しかし日本が運用するF-35Bは独自の改装が施されており、ウェポンベイにJSMの搭載のみならず、国産の様々な兵器の運用を可能にしていた。
「ゴウカ1。これより発艦する」
F-35Bがスキージャンプ台を蹴り、大空へと飛び立つ。
『ゴウカ1より各機へ、これより敵空母を攻撃する』
F-35Bの4機編隊は東進するグラ・バルカス艦隊に向け、編隊を組みつつ飛翔した。
◆◆◆
イルネティア島港を出撃したグラ・バルカス帝国艦隊は、北東に向けて航行していた。
その数は正規空母2隻、重巡2隻、軽巡2隻、駆逐艦12隻の計18隻に及ぶ。
総数では日本、ミリシアル、ムーの艦隊に劣るが、練度においては勝るはずだった。
さらに空母には強力な攻撃機である「パウーク」が搭載されている。パウークは、出力3000馬力に達するの空冷エンジンを備えており、武装搭載量は4トンにも達する、雷撃機と急降下爆撃機を統合した機体だ。その攻撃力は極めて高い。戦艦ル級flagshipすら撃破することが可能だろう。
だがこの世界においてパウークは、「運用が難しい」「整備性が悪い」といった理由で量産体制に入らなかったため、数が不足している機体だった。
それでも十分な戦力であり、グラ・バルカス帝国軍は海戦に臨むべく、士気を高めていた。
今回の戦闘でグラ・バルカス帝国は、日本やミリシアル、ムーに対する勝利を決定付けるつもりだ。
艦隊旗艦の空母アガスタでは既に攻撃隊の発艦準備が整っている。2隻の空母から繰り出される攻撃隊の陣容はアンタレス改戦闘機24機に、パウーク36機の編成となっている。
既にミリシアル艦隊の位置は捕捉しており、敵の規模についても報告を受けている。戦艦1隻、空母1隻、重巡5隻、軽巡6隻、駆逐艦14隻からなる主力部隊だという。
グラ・バルカス帝国にとって、これは脅威ではない。ミリシアル艦の性能はグラ・バルカス帝国に劣るからだ。
「 攻撃隊発進せよ!」
艦長の命令一下、飛行甲板から次々に航空機が離昇していく。
パウークが次々とカタパルトにより射出される様は壮観であった。
「さて……奴らどう出るか?」
グラ・バルカス帝国の誇る機動部隊は、進撃を続ける。
◆◆◆
神聖ミリシアル帝国海軍 イルネティア派遣艦隊 旗艦コスモ艦橋にて、艦隊司令官ロトアス少将は双眼鏡を手に海を見つめていた。
彼が座乗するのは神聖ミリシアル帝国海軍最新鋭艦コスモだ。全長200メートルを超える巨体は優美な曲線を描く船体と相まって威圧感を与える。
神聖ミリシアル帝国が保有する艦艇の中で、最大の排水量を誇る彼女は、魔導対水上レーダーと魔導対空レーダーを装備。主砲として40センチ3連装砲塔3基9門を備えている。さらに特筆すべき特徴として対空用のクウ・ウルティマと、対艦用のウルティマ魔導誘導弾を装備していることだ。
これらはすべて新型兵器であり、実用化されたばかりだ。
「艦長!敵機接近!!」
見張り員の声が響き渡る。
「来たか……」
「距離50キロ。方位0-1-0」
「迎撃開始!!」
「了解!!クウ・ウルティマ発射用意」
「クウ・ウルティマ装填完了」
「照準よし」
「目標インベーダー1」
「撃えっ!!!」
轟音とともに放たれた3発のクウ・ウルティマが蒼空を切り裂き飛翔する。
「2発命中です。1発外れました」
「構わん。次を狙え」
「了解」
再び放たれた3発のクウ・ウルティマが、海の向こうへと消えていく。彼方で再び爆炎が生じた。
「全弾命中」
しかしグラ・バルカス帝国の攻撃隊は怯むことなく突っ込んでくる。
その数は50機以上にも及ぶ。そこへミリシアルの直掩機であるエルぺシオ3が襲い掛かる。その数8機。
しかし結果は一方的だった。グラ・バルカスの戦闘機であるアンタレス改は圧倒的な速度差を活かし、攻撃を回避しつつ、すれ違いざまに機銃掃射を行う。
次々と撃墜されていくミリシアルのエルペシオ3。その光景は神聖ミリシアル帝国軍の士気を大きく削いだ。
そしてグラ・バルカスの攻撃隊はミリシアル艦隊の輪形陣外縁に到達。外縁を固めるミリシアルの小型艦からの対空砲火を受けながらも、攻撃を強行する。
「くそっ! この程度では止められんのか!?」
ロトアスは歯噛みする。
「後方にいる揚陸部隊のためにもここで沈むわけにはいかんのだ!」
ロトアスの言葉通り、後方ではミリシアル陸軍の上陸部隊を満載した輸送船団が存在する。
彼らはイルネティア島周辺の制海権確保の後、同島へ上陸する任務があるのだ。
「まだだ……この程度では終わらんぞグラ・バルカス帝国めぇ!!!」
◆◆◆
一方、グラ・バルカス帝国攻撃隊のパウークは既に投弾コースに乗っていた。目標はミリシアルの空母と戦艦。それ以外には目もくれない。
「高度1000メートルまで降下。投下準備」
パウークの機体下部にあるハードポイント。そこには新兵器であるロケット推進魚雷があった。
「投下ッ!!」
パウークは次々に魚雷を投下していく。この魚雷は従来の物に比べて投下高度、速度が自由で母機の生存性を高めている。
高度500メートルでパラシュートを開き魚雷は海面に着水、ロケットエンジンに点火すると65ノットの速度でコスモへ向かって行く。
投下された魚雷は14本、それらは高速でコスモに殺到。回避する間も与えず、5本がコスモに命中する。巨大な、艦橋より高い水柱がコスモ舷側に立ち昇り、続いて爆発が起こる。
「命中!命中です」
「やったか!」
「敵戦艦が傾いています!中破です」
「敵空母は撃沈確実と思われます」
ミリシアルの空母は既に艦尾から沈み始めていた。
「うむ。我が軍の勝利だ!」
パウークは戦果確認のため更に上空を旋回。やがてグラ・バルカス帝国攻撃隊は帰還を開始した。
◆◆◆
戦艦コスモ艦橋では艦長であるイレイザが報告を受けていた。
「艦の被害は?」
「浸水は止められましたが、傾斜により主砲が発射不能です。速度も落ちています。次の雷撃は回避できないかもしれません」
「もはや戦力としての存在価値は失ったか…」
イレイザは苦虫を嚙み潰したような顔で呟く。そこへ艦隊司令のロトアスが話しかける。
「艦長。空母を失った今、次の航空攻撃は防げないだろう。しかし日本やムーの手前、我々は退くわけにはいかんのだ。何としてでも上陸部隊を守らねば」
「分かっております」
「私は座乗艦を重巡に移し、引き続き指揮を執る。君はコスモを本国へ連れ帰れ。この艦を失うわけにはいかんのだ」
「了解しました」
こうして神聖ミリシアル帝国海軍は主力艦を失うという手痛い被害を被ってしまった。
◆◆◆
グラ・バルカス帝国艦隊、空母アガスタは既に攻撃隊の収容を終え、第2次攻撃隊を繰り出そうとしていた。既に先程の攻撃の成功によって士気は高揚している。
「敵空母を仕留めたとの報告が来ました」
「そうか……これで制空権の確保が容易になったな」
「第2次攻撃隊はパウークの割合を増やし、確実に敵艦隊を殲滅しましょう」
アガスタの飛行甲板上では既にパウークとアンタレス改が暖機運転に入っている。
「よし全機発艦」
その時だった、日本のF-35が放ったJSMが水平線上に現れたのは。レーダー探知を避けるため水面ギリギリを飛行するJSMをグラ・バルカス帝国艦艇のレーダーの性能では探知不可能だった。
「小型機高速で近づく!」
見張りがJSMに運よく気づき報告するが時すでに遅し。
JSMはアガスタの乾舷に突っ込み125キロの弾頭を炸裂させた。知能化された信管は確実に艦内で爆発し、爆炎が格納庫の艦載機や整備員を薙ぎ払った。
そしてガソリンタンクが誘爆を起こし、アガスタは大爆発を起こしてして轟沈してしまった。別の1隻の空母も大火災を起こし海上の松明と化している。
「一体何が起こった!?」
「分かりません!突然、小型の飛行物体が突っ込んで来ました」
「おそらく日本の対艦ミサイルだな。電測員は何をやっておったのだ!?」
「申し訳ありません!レーダーでは探知できませんでした」
「くそっ!対空警戒を厳にしろ!」
無傷で残存するグラ・バルカス帝国艦艇、重巡洋艦ウーシタロは混乱に陥った。
日本が放ったミサイルは16発。その内空母に命中したのが6発ずつ、残りもいずれかのグラ・バルカス帝国帝国艦に命中していた。
ウーシタロの姉妹艦である重巡シュテッパンはJSMを1発被弾し火災が発生しているが、直に消火できるという。しかしJSMを受けた軽巡1隻と駆逐艦2隻は沈没確実とのことだった。
「何という命中率だ……これでは我が軍の戦闘機がいかに高性能だと言っても勝てんぞ」
「艦長。これは我々が未経験の事態です。ここは一時撤退すべきかと……」
参謀の言葉に、艦長のルフラースは一瞬だけ考え込む仕草を見せる。空母を失った以上、空母機動部隊としての機能は失ったといえるだろう。
「そうだな。一旦イルネティア島に戻ろう。あそこには沿岸砲がある。それと協働して敵艦隊の殲滅すれば良い」
「艦長!水上レーダーに感!敵の水上部隊です」
「どこの国の海軍だ?」
「あれは…ムーです!ムーの艦隊です。しかも戦艦が含まれています!」
「なんだと?我が軍に止めを刺す気か!撤退するぞ!」
「了解」
こうしてグラ・バルカス帝国艦隊はムー連合艦隊と交戦を開始したのであった。
◆◆◆
ムー海軍艦隊旗艦、戦艦ラ・フィスタンの艦長バルナルドは、この日ほど緊張したことはなかった。
これからあのグラ・バルカス帝国との戦闘に臨むからだ。
「艦長!日本軍が敵空母を沈めましたよ」
「ああ聞いたとも、凄まじい戦果だな」
「はい。しかし、まさか我が軍も新鋭戦艦を投入せねばならぬとは……」
「仕方あるまい。敵があまりにも強すぎるんだ。それに、我々の国も決して弱いわけではない」
「それはそうですが……」
バルナルドは不安げに言葉を濁した。ムーの国力はグラ・バルカス帝国の軍事力を上回るものではない。ムーが保有している戦艦の数は合計で12隻、しかしグラ・バルカス帝国が保有する戦艦は20を超えている。
ムーの海軍戦力は世界第2位を誇るが、それはグラ・バルカス帝国が転移してくる前の話だ。
「心配することはないさ。我が国の兵器は優秀だからね」
「ええ、まあそうなんですが」
「それより、この作戦の成否は君たち海軍士官の技量にかかっていることを忘れないでくれ」
「はい。承知しております」
ムーの海軍士官学校を卒業したばかりの若手の士官たちは、自分たちの未来がかかったこの戦いを絶対に成功させねばならないと決意を新たにしていた。
「敵艦隊発見!距離4万!」
見張り員の声が艦橋内に響く。
「来たか……総員戦闘配置!砲撃準備急げ」
バルナルドは、冷静な声で命令を下したのだった。
戦艦ラ・フィスタンはムーの最新鋭艦だ。ミリシアルのミスリル級を意識した38センチ連装砲塔を4基備え、速度は24ノットを誇る。グラ・バルカス帝国の主力艦と比べればやや旧式だが、それでも列強各国から見れば十分に強力だと言える。
「主砲発射用意完了!」
「よろしい。目標敵重巡。全門斉射!」
砲術長の命令により、各砲塔の弾薬庫の扉が開かれ、砲弾が薬室へと装填される。
「照準よし、射撃開始!」
「撃ち方始め!!」
8門の38センチ砲が轟音と共に火を噴いた。
放たれた徹甲弾は、空気の壁を突き破りながら飛翔し、重巡シュテッパンの手前で弾着、巨大な水柱を上げた。
「弾着。全弾近し」
「次発装填急がせよ。まだまだ撃つぞ!」
「はっ!」
バルナルドは攻撃を続行するように命じ、自らも双眼鏡を手に戦況を観察していた。6回の斉射の後、ラ・フィスタンの放った8発の38センチ徹甲弾が敵艦を包み込むように着弾、水柱に敵艦が隠れる。
「夾叉です!」
「よーし、このまま続けろ!」
ラ・フィスタンが砲撃を放つ。今度は2発命中し、そのうちの1発が舷側装甲にめり込んだ。すでに日本のJSMが命中しダメージを受けていたシュテッパンは轟然とした爆発音とともに火柱を吹き上げた。
「敵巡洋艦に命中しました」
「よしっ!!いいぞ、その調子だ」
バルナルドは笑みを浮かべるが、すぐに表情を引き締めると、「敵の反撃が来るぞ。警戒を厳にせよ」と命じ、自身も再び望遠鏡で戦場を見渡した。
「敵駆逐艦2隻が接近中!おそらく雷撃を仕掛けてくるものと思われます」
「うむ。こちらも駆逐艦で対応しろ。それから、敵の動きに注意してくれよ」
ムーの駆逐戦隊が動き出す。嚮導艦を先頭に単縦陣を組み、敵艦隊に向けて突撃を開始した。
ムーの駆逐戦隊は、グラ・バルカスの水雷戦隊を近づけまいと砲撃を行う。
グラ・バルカス帝国海軍も黙ってはいなかった。ムーの駆逐艦に対して一斉回頭を行い、魚雷を発射した。
「雷跡確認!右舷より来ます」
「回避運動急げ!取り舵いっぱい!急げよ!!」
「取り舵いっぱ~い」
操舵手の声と同時に、ラ・フィスタンが大きく右へ傾く。魚雷がラ・フィスタンの横を通り過ぎていく。
「被害なし」
「ふぅ……。なんとか避けられたか」
「艦長、大丈夫ですか?」
「ああ、問題ない。それよりも、敵の攻撃はまだ続くはずだ。油断するな」
「了解」
しかし、ムー艦隊が魚雷回避の為回頭した隙にグラ・バルカス艦隊は逃げてしまう。
「くそっ。グラ・バルカス艦のほうが速い、追いつけないぞ」
バルナルドは歯噛みする。ムーの新鋭戦艦といえど、グラ・バルカス帝国が運用する艦の前では鈍重すぎた。
一方グラ・バルカス帝国海軍のほうも、ムーの新型戦艦の出現に驚き、動揺していた。
「艦長、水雷戦隊の魚雷攻撃のお陰でなんとか逃げ切れましたな」
「そうだな、今は逃げるべきだな。さすがに戦艦と撃ち合うのは分が悪すぎる。それに、これ以上戦っても我々が不利になるだけだ」
「そうですね」
「とにかく、イルネティアの泊地へ撤退する。針路を取れ!」
ルフラースの命令により、重巡ウーシタロは戦線を離脱、イルネティアのグラ・バルカス軍港へと退避した。