日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた   作: まっこーける

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21 イルネティア解放後

 

 イルネティア島。王都キルクルス ランパール城。この日エイテス王子改め、エイテス国王は城のバルコニーからグラ・バルカス帝国からの解放を宣言する演説を行っていた。

 

 この演説はミリシアルのマスメディアによって世界中に中継されており、世界中がこの歴史的な出来事に注目していた。

 

「イルネティアの皆さん! 我々は今日この時をもって自由の身となります! 我々を苦しめてきた悪しき帝国は去り、再び我々の手に平和と秩序が取り戻されたのです!これは皆様の努力の賜物であり、私は心より感謝を申し上げたいと思います!」

 

 集まった数万のイルネティアの人々は歓喜の声を上げる。今では国中がお祭り騒ぎとなっていた。

 

「しかしまだ全てが解決したというわけではありません。ムー大陸のグラ・バルカス軍は未だ健全であり、第2文明圏征服の野望を捨て去ったとは思えません。私としては彼らの脅威が完全に取り除かれるまで、引き続きムーや日本と共に防衛体制の強化を続けていきたいと思っています!」

 

 エイテスはそこで一旦言葉を切り、大きく深呼吸する。

 

「しかし、まずはグラ・バルカス帝国からの解放を祝いたい。 それでは本日のスピーチは以上とさせていただきます」

 

 そう言い残すと、エイテスはバルコニーを後にした。

イルネティアの人々からは割れんばかりの拍手が送られ、大いに盛り上がっていた。

 

 そしてその夜、ランパール城にムー、ミリシアル、日本の3カ国の外交官が集まった。

 今回の会議は非公式なものとされ、これからのイルネティア防衛についての協議が行われる。最初に口を開いたのはエイテス国王だった。

 

「まずは我が国の窮乏を救った貴方方に感謝申し上げたい。

早速ですが、今後のイルネティアの防衛に関する計画について話し合いましょうか」

 

 エイテスは、この会談の目的はイルネティアの今後を決める重要なものであると認識している。

そのため彼の表情は真剣そのものとなっていた。

 

「先ずはイルネティア軍の再編について話し合いましょう。我がイルネティア陸軍の兵力は現状約3万人。海軍艦艇は2隻ありますが、これは旧式のコルベットでありグラ・バルカス帝国と戦うには戦力としては期待できません。さらにワイバーンなどの航空戦力に至っては0であり、事実上壊滅状態と言えます。

再度グラ・バルカス帝国の侵攻を受けた場合、守りきることは非常に困難でしょう」

 

 エイテスは一度言葉を区切り、全員の顔を見渡すと再び話し出す。

 

「陸軍については、再編を進め最終的に10万人規模まで増員を行いたいと考えています。しかしながら陸軍の再軍備の為の装備が不足気味なため、その点については早急にご支援をお願いしたい」

 

 続いて発言したのはムー大使であった。

 

「こちらとしても、貴国の陸軍再建のために可能な限りの支援を行う用意がある。

具体的にはムーの主力小銃であるR-19ボルトアクションライフル、8万丁。火砲としては15型75ミリ砲を200門、これらを提供する予定だ。弾薬についても十分な量を用意しよう。既に議会も承認済みだ」

 

 ムーは自国の兵器を他国に輸出することは積極的ではなかったが、今は非常事態である。ムーは方針転換し、永世中立を破棄。積極的に支援を行うことを決定していた。

 

「ありがとうございます。これで陸軍の再建も捗ることでしょう」

 

 ちなみにムーの支援を以てしても不足する分は大量に鹵獲したグラ・バルカス製の武器を使用することで補う予定であった。

 エイテスはムーとグラ・バルカス、2つの科学文明国家の武器を解析し、いずれイルネティア独自の銃器を開発することを目論んでいた。

 

「再建する陸軍の訓練ですが、既に日本の民間警備会社である東亜安全保障サービスに依頼しており、来月にも開始できる見通しとなっています」

 

 日本の外交官朝田が発言した。

 

「うん? 民間の会社に訓練を任せるのか?」

 

 エイテスが疑問を口にした。

 彼は軍事に関しては素人であったが、民間の警備会社が軍隊に指導を行えるほど練度が高いとは思えなかった。

 

「東亜安全保障サービスは民間警備会社といっても、人員の殆どが元自衛官で構成されていますそれに、地球時代にも紛争や戦争地帯で多くの実績を残しています。

今回もイルネティア陸軍の練度向上に大きく貢献してくれることでしょう」

 

 上記の朝田の説明通り東亜安全保障サービスは所謂PMC、傭兵派遣会社と呼ばれる企業である。

この会社は防衛省OBにより設立されており、自衛隊時代から戦闘訓練を受けていた隊員が多数在籍している。

 

「次に空軍についてだが……それは我がミリシアルが援助しましょう」

 

 ミリシアル大使が口を開く。

 

「我がミリシアル帝国は貴国に天の浮船を供与する用意があります。具体的にはエルペジオ3型戦闘機96機の提供が可能です。さらに運用のための技術者や訓練教官も派遣する予定です」

「おお! なんと素晴らしい! グラ・バルカスの脅威に対抗する手段が増えることは喜ばしいことです」

 

 前までのミリシアルなら天の浮船の供与など考えられなかっただろう。それだけグラ・バルカス帝国に脅威を感じていたのだ。

 

 あとミリシアルにはエルペジオ3を供与してしまっても良い理由があった。

現在ミリシアル本国では後継機となる制空型天の浮船をロールアウトさせており、その生産も軌道に乗り始めていたからだ。

 

「海軍についてですが……」

「我が国が協力しよう」

 

 今度はムー大使が話し始めた。

 

「我が国は貴国に対し、駆逐艦6隻の提供ができる。また、これらの艦の運用に必要な人材の育成も支援するつもりだ」

 

 ムーの駆逐艦は正確には海魔駆逐艦といい、平時は対海魔用や哨戒、近海防衛用として運用されている艦だ。武装は130ミリ砲2門、機銃4基、対海魔用の水中爆弾を搭載している。さらにこれらの艦には海魔探知用にハイドロフォンが搭載されている。これらの装備はグラ・バルカス帝国の潜水艦対策に流用できるだろうと考えられていた。

 

 提供されるムー製駆逐艦はどれも旧式だが、今のイルネティア王国にとって喉から手が出るほど欲しい物だ。

 

「ありがとうございます。これでイルネティア海軍の戦力は一気に増強されるでしょう」

 

「次にそれらの装備が揃い、訓練が完了するまでのイルネティア防衛ですが、日本、ムー、ミリシアルの三国で共同防衛を行います。三国としてはグラ・バルカス帝国本土への侵攻も検討していますが、戦力的に見て現実的ではありません。そのため、当面の間はこの3カ国で連携しつつ、レイフォルを占拠するグラ・バルカス帝国軍を牽制することとしたいと考えます」

 

 朝田の発言を受け、エイテスは破顔する。

 

「それは頼もしい。是非ともお願いしたい。我が国は今後とも貴方方と友好的な関係を築きたいと考えています」

「ええ。私達としても、貴国が敵に回らない限りは敵対するつもりはありません」

 

 イルネティア防衛に関する話し合いは非常にスムーズに進行する。それもそのはず事前に各国間で協議が行われ、ほぼ合意ができていたからだ。

 

「ところで、先ほどムー大使から聞いたのですが、日本は転移国家とのこと。貴国とグラ・バルカス帝国の技術力差はどのくらいなのでしょうか?」

 

「そうですね……。例えば航空機。グラ・バルカスの保有する飛行機械より、遥かに性能が良いですよ」

「ほう。それほどですか」

「ええ、近いうちに実際にお見せできると思いますよ。F-15をイルネティア防衛に配備予定ですので」

 

「えふじゅうご、というとあのイーグルのことですか!?」

 

 ムー大使が驚く。無理もない。この世界ではイーグルは負けなしの最強の戦闘機として知られているのだから。

 

 日本がイルネティアへ配備する兵器はF-15だけではない。他に地対空ミサイルや、長距離地対艦ミサイル、P-1哨戒機も配備される。

 

 ムーは小規模だが戦艦を中核とした艦隊駐留させ、空軍は既にの最新鋭機であるマリンMK2とマケストを駐留させるている。

 ミリシアルもエルペジオ3とジグラント3を運用する飛行隊を派遣する予定であった。

 

 そしてこれら三ヶ国の軍はイルネティア陸軍の訓練後も、グラ・バルカス帝国の脅威が取り除かれるまで共同でイルネティア防衛にあたることになっていた。

こうして会談は終了し、イルネティアと三国はグラ・バルカス帝国を第2文明圏から駆逐するために動き出した。

 

◆◆◆

 

 神聖ミリシアル帝国。ラマ・ハリノス空軍基地上空。高度1万メートル。蒼穹の中、一機の天の浮船が飛んでいた。

 

 その天の浮船は赤い塗装が施されており、砲弾に翼が生えたような形状をしている。その機こそミリシアル空軍の超音速実験機『アスター』であった。

 

「管制塔。こちらノリス。現在速度マッハ0.8、高度10500。これより超音速飛行に移行する」

「了解。健闘を祈る」

 

 アスターは、今まさに音速の壁を越えようとしていた。パイロットであるノリス大佐は、計器を確認する。機体には異常は見られない。エンジンも正常に稼働している。

 彼は深呼吸し、精神統一を行う。

 

「よし……行くぞ!」

 

 ノリスはロケットブースターを作動させる。

グンッと機体は加速し、強烈なGが襲う。

 

(うおおおおおおおおおお!)

 

 凄まじい加速度により内臓が激しく揺さぶられる感覚。それは今まで感じたことのないものだった。

 しかし、彼の表情には笑みが浮かんでいた。この先に未知の領域がある。その事実が彼を興奮させていた。

 

 機体が激しく振動し、視界がブレる。そして、次の瞬間、アスターは音速の壁を突破した。

 

 ドォン!!  ソニックブームが空気を叩く。機体はどんどん加速し速度はマッハ1.2に到達する。

 ノリスはこの世界にきて初めて自分の限界を超えた速度で空を飛んでいることに歓喜していた。

 彼はミリシアルで初めて音速を体験した人間になったのだ。

 

◆◆◆

 

「おお!」

 

 地上にて皇帝ミリシアル8世は感嘆の声を上げた。

彼は双眼鏡を手に取り、遥か彼方の空を見つめている。そこには青い空を背景に、銀色の飛行機雲が伸びていた。その光景はとても幻想的だった。彼は感動に打ち震えながら呟く。

彼の周りでは大臣や武官達が同じように空を眺めていた。

 

「超音速飛行実験は成功だな……」

 

 ミリシアル8世の言葉に答えたのはミリシアル空軍総監だった。彼は誇らしげに胸を張る。

 

「この実験機のデータを元にゆくゆくは超音速戦闘機を開発。空軍戦力の更なる発展を目指します」

 

 この日、ミリシアルは初めて音速を越えた。この偉業は後に伝説となり、ミリシアルの栄光の象徴となるのであろう。

 

「ふむ、それでよい。して、新型戦闘機『ファルケ』の生産状況についてはどうなっている?」

「生産は順調であります。すでに量産ラインの構築が進んでおり、月産50機体制に移行しております」

 

 ミリシアル8世の問いに対し、空軍総監は答える。

 ファルケとは、ミリシアルが開発したエルペジオ3の後継である最新鋭戦闘機のことである。

 

 ミリシアルはフォーク海峡とバルチスタ沖での海戦の結果から、もはやエルペジオ3ではグラ・バルカス帝国に対抗しきれないことを理解した。そのため、次期主力機として、エルペジオ3より更に高性能機の開発を急遽進めていたのだ。

 

 新型エンジンが完成したことも開発を後押しした。大量に損失したエルペジオ3の穴埋めという側面もあり設計から初飛行まで僅か2か月で成し遂げたのである。

 

 設計元のルーンズヴァレッタ魔導学院は大量生産と高性能を両立するために頭を抱えたが、機体を小型、軽量にし、構造をシンプルにすることで解決した。

エンジンは従来のエルペジオ3より高出力のものを装備。それを流線形の胴体に背負うように搭載している。

 

 武装も大強化され、23ミリ魔機関砲×4、増槽タンク、もしくは爆弾を搭載可能となっている。

 さらに、最高速度は時速930キロを誇る高速機である、これはエルペジオ3を大幅に上回るものであった。

 

「では、グラ・バルカス帝国との決戦に間に合うか?」

「はっ!必ずや間に合わせる所存であります!」

 

 ミリシアルは今後、グラ・バルカス帝国との戦いに備え、新型戦闘機『ファルケ』の配備も急ピッチで進められていくだろう。それと並行して、コア魔法の起爆実験も実施する予定であった。

 

しかし同時期、グラ・バルカス帝国も新たな戦闘機を進空させていたのであった。

 

◆◆◆

 

 グラ・バルカス帝国。テルビノ空軍基地上空。高度1万7千メートル。

 

 ミリシアルより遠く離れたこの国でも音速の壁を突破した戦闘機があった。

 その機体の名はトニトルス。グラ・バルカス帝国の最新鋭超音速ジェット戦闘機である。

 

 その機体の特徴はなんといっても主翼の巨大なデルタ翼だろう。

全長18メートルを超えるこの機体は、その巨大さに見合うだけのパワーを持つ。

速度は最高マッハ1.7以上を叩き出すことができる。運動性も高い。さらに地上のレーダーサイトと自動操縦がリンクした、自動迎撃誘導システムを備える、迎撃戦闘機でもある。武装は30ミリ機関砲1門、短距離赤外線誘導ミサイル、さらにレーダー誘導の大型空対空ミサイル『アダー』を装備可能。

 

 ケイン神王国のジェット爆撃機を迎撃するために開発が始まった機体であったが、異世界に来て別の物を迎撃することに期待されていた。

 

 パルキマイラ。

 バルチスタ沖海戦で辛酸をなめさせられたミリシアルの空中戦艦である。

 

 パルキマイラの攻撃力は圧倒的であり同海戦にて多数の艦艇を沈められた後、グレードアトラスターの主砲のラッキーヒットによってなんとか撃沈できたが、もしあのまま戦いが続いていれば敗北していた可能性が高かった。そのため、パルキマイラに対抗できる兵器の配備が急務となっていた。

 

 空対空ミサイル、アダーは爆撃機を撃墜するため大型の弾頭を搭載している。射程も相応に長く、パルキマイラの対空火器の射程外から攻撃することが可能だろう。もし通常弾頭のアダーが通用しない場合に備えて特殊弾頭を装備したアダーも配備予定だ。

 

 トニトルスは基地上空を低空でパス。ジェットの轟音を地上にまき散らす。それをこの日のために集まった報道陣が一斉にカメラを向けると、フラッシュの嵐が炊かれる。トニトルスはパスした後、一気に上昇。様々なマニューバを披露し、運動性の高さをアピールする。

 やがて試験飛行を終えたトニトルスが滑走路に着陸する。着陸姿勢は美しくスムーズだ。そして、整備員たちが機体に取り付き点検を始める。

 するとコックピットからトニトルスのパイロットが『とうっ』という掛け声と共にコンクリート製の地面に飛び降りる。

 

 パイロットは何と皇帝グラ・ルークスその人だった。彼は耐Gスーツと飛行服に身を込んでいた。ヘルメットを脱ぐと彼の髪は風になびき、その顔には笑みが浮かんでいた。

 

「ははは……実に素晴らしい!」

 

 ルークスは興奮気味に呟く。彼の周りにはマスコミが集まり、フラッシュがたかれ、テレビカメラが向けられる。マスコミ達は興奮気味にマイクを突き出し、リポーターが質問をする。

 

「陛下、今のご感想を一言お願いします」

 

 ルークスは満面の笑顔を浮かべ、白い歯を輝かせながら答える。

 

「このトニトルスはすごいぞ!音よりも速く飛べるのだ」

「この機体の量産体制は整っているのでしょうか?」

 

「ああ、もちろんだ。先行量産機は既に配備済みだ。あとは飛行士たちの機種転換訓練完了を待つばかりだ。本格的な量産の暁にはミリシアルの飛行機は空から一掃されるだろう」

 

 ルークスはあえて日本には触れなかった。彼は言葉続ける。

 

「まずは首都圏防空を担う、第一航空団へ優先的に配備を進める。その後、各地の航空団への配備を進める予定だ。我が国の空は守られ、敵は全滅するであろう! さらに各軍では様々な新兵器が開発中だ。我が軍の勝利は揺るがないだろう!」

 

 記者団から歓声が上がる。

 

「それは楽しみですね!今後の戦争の行方についてどうお考えですか?」

「無論、我が軍が勝利する!ただそれだけだ!」

「ありがとうございます。最後に国民の皆様にメッセージを!」

「国民よ安心せよ。勝利は約束された!」

 

 こうして、ルークスの言葉は帝国全土に流される。新型戦闘機トニトルスのお披露目は大成功に終わった。

 

 

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