日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた   作: まっこーける

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 ハルナガ京内の一角に粗末なあばら家が集う地域がある。所謂スラム街だ。ここはグラ・バルカス帝国が来る前から存在し続けている場所だ。

 当然この辺りの住人は貧困層のヒノマワリ人である。しかしそんな彼らに紛れて別の存在が居た。

 

 1人の粗末な恰好をした男が汚らしい通りを足早に歩いていく。どうみても物乞いにしか見えない彼は、とあるあばら家の前で立ち止まるとノックもせずに扉を開けた。その中には彼と似たような粗末な恰好をした男たち数人が居た。彼らは入って来た男を見ると声をかける。

 

「おお小林、帰ってきたか。ご苦労さん」

 

 室内の男が入って来た男――小林を労う。小林を労った男はヘッドセッドを頭に装着しており、何らかの機器を操作していた。

 

「西山、首尾はどうだ?」

「ああ、ばっちりだ。よく聞こえる」

 

 西山と呼ばれた男が応える。その装置は盗聴器の受信機だった。

彼らの正体。それはヒノマワリ人に偽装した日本国自衛隊特殊作戦群の隊員たちである。彼らは今、ヒノマワリ人のフリをして、情報収集活動を行っていたのだ。

 

「どうやら、4日後に補給部隊が来るみたいだ。レイフォル方面から来るとなるとこの道か……」

 

 西山は地図を確認しながら呟く。対して小林は懐からパラフィン紙に包まれたチョコレートを取り出す。グラ・バルカス軍の軍用チョコレートだ。

 

「どうしたんだ、それ?」

 

 西山が不思議そうな顔で尋ねる。すると小林はニヤリと笑うと答えた。

 

「グラ・バルカスの外交官に盗聴器を仕掛ける際にもらったんだ」

 

 小林は包みを開けて一口齧ってみる。すると彼は渋面を浮かべた。

 

「なんだこれ?石みたいに固いし、味はクソ不味いぞ」

「俺にもくれよ」

 

 西山はチョコレートを受け取ると一かけら口に放り込んだ。途端に彼も顔をしかめる。

 

「こんな物食ってるグラ・バルカス人ってやっぱりヤバイ奴らなんじゃないのか?」

「奴らは異星人だからな。俺達地球人とは違うんだよ。きっと脳みそまで筋肉なんじゃないか? 」

 

 2人はそう言い合うと、笑いあった。

 

「とにかく4日後にグラ・バルカス軍の補給部隊がくることは間違いないようだ。盗聴以外にも傍受した内容がそれを裏付けている」

「明日から忙しくなるぜ。下見に、襲撃場所の選定、やることはたくさんある」

 

 小林の言葉に他の者たちもうなずく。

 

こうして彼らはグラ・バルカス軍の補給部隊襲撃に向けて準備を始めた。

 

◆◆◆

 

 ヒノマワリ王国ハルナガ京から西へ十数キロの平原。そこは1本の道が通っていた。西は遠く統合基地ラルス・フィルマイナから東のハルナガ京を繋ぐ道だ。

 その道を十数台の幌付きトラックが走っている。それは物資を輸送するためのコンボイであった。荷台には様々な荷物が積まれており、武器弾薬のみならず食料も多く含まれてた。

 

 それらのトラックはグラ・バルカス帝国のものであり、護衛として装甲車が3両随伴していた。

彼らはこの先のハスキム駐屯地へ、大量の食糧などを運ぶ任務に就いていたのである。

 

 レイフォル国内に設けられたデポから出発した彼らであったが、ヒノマワリ領内に入ってからというもの、特にトラブルに巻き込まれることもなく順調に進んでいた。しかし順調すぎることが逆に不気味でもあった。ヒノマワリの最近の治安は悪いと聞いており、何かしらのアクシデントは起きると思っていたからだ。

 

 そのため、この輸送隊を率いる士官は警戒レベルを引き上げていた。車列の先頭に露払いとして装甲車を配置させ、さらに中程と最後尾にも装甲車を配置する。そして各車両間の通信回線を開き、いつでも相互に連絡を取り合えるようにさせた。

 また、いざという時に反撃できるよう、装甲車の銃塔に兵士を配置し、もしもの時には即座に発砲するよう命令を下す。

しかし、結局何事もなく、やがて日が傾き始めた頃、彼らの警戒も緩んできて、緊張感が解けてくる。

 

「ふあぁ~あ、全く何も起きねぇな」

「何も起きないのが一番じゃないか」

 

 先頭の装甲車の後ろを走るトラックの運転席で兵士があくびをしながら言う。助手席の兵士も雑誌を読みながら眠たげな声で応じた。

 

「まあ、そりゃそうだが……ん?お前その雑誌……」

 

 助手席の兵士が読んでいる雑誌の表紙には豊満な美女の裸体が載っていた。

 

「おい! それ俺のだぞ」

「あ?ああ、すまん。借りてるぞ」

「勝手に読むんじゃねえよ。返せ」

「そうケチな事いうなよ、少しくらいいいだろ?」

「よくねーよ!」

 

 そんなやりとりをしていると、突如として先頭の装甲車の下の地面が爆ぜた。装甲車は爆発炎上しながら宙を舞いスクラップと化す。

 

「うわっ!?」

 

 突然の出来事に兵士達の間に動揺が広がる。しかし、その混乱は更なる衝撃によってかき消された。

 

 ドゴォン!! と轟音が響くと同時に、一番後方を警戒する装甲車が爆散したのである。

その光景を見た兵士たちの間でパニックが生じる。

 

「敵襲だ!!」

「撃てぇえ!!!」

 

 車列の中程を警戒する装甲車から機関銃の掃射が始まるが、それは当てずっぽうに乱射しているに過ぎないものだった。銃弾は草むらを切り裂き、あるいは地面に着弾し土煙りをあげるだけであった。しかしその銃撃もどこからともなく飛来したロケット弾に粉砕される。

 

「くそっ! どこから撃ってきやがる!?」

 

 車両部隊はパニックになり、四方八方へ銃弾を撃ちまくる。すると幾重もの甲高い砲弾の飛来音が響き渡り、空中で小さな爆発が生じた。次の瞬間、火焔の華が次々と地上で咲き、爆風と炎熱が車列を包み込む。爆風と破片に煽られ、運の悪い者は霧散し、トラックは横転あるいは炎上する。

もはや指揮系統は完全に崩壊してしまっていた。

 

◆◆◆

 

 グラ・バルカスのコンボイが襲撃される少し前。道から50メートル程離れた藪の中に、6人ほどの男たちが潜んでいた。その内の1人が双眼鏡を手にハルナガ京へ続く道を監視していた。やがて土煙をまき散らしながら、グラ・バルカス軍のトラックの車列が姿を現す。

 

「来たぞ。予定通りだな」

 

 双眼鏡を覗く男――小林一尉はそう呟くと、傍らにいる西山に合図を送った。かれら特殊部隊群の小集団はグラ・バルカス軍のトラックがやってくるのを待ち、襲撃のために身を隠していたのである。

 

「合図で爆破しろ」

 

 小林の指示を受け、西山はC4爆弾の起爆装置に手をかける。

 

「3、2、1、今!」

 

 オレンジ色の閃光が先頭の装甲車の下で生じ、続いて爆発音と衝撃波が空気を震わせる。装甲車は宙高く吹き飛び、地面に叩きつけられる。これにより車列の前進は不可能になる。

 

「次、最後尾の装甲車」

 

 指示を受けた隊員がM72FFEロケットランチャーを構える。これは使い捨てロケットランチャーM72の改良型で、バックブラストを低減した物だ。

 

 引き金を押すと、白煙の尾を引きながらロケット弾は飛んでいく。それは最後尾の装甲車に命中し、爆発を生じさせ、続けた発射されたもう1発が車列の中程の装甲車も沈黙させ、退路を断つ。

 

 グラ・バルカス軍のトラックの車列は一瞬にして大混乱に陥った。そこへ小林たちはさらに畳みかける。

 

「レーザー照射よし。」

 

 ピストル型レーザー目標指示装置、LA-16u/PEQ-Jを構えた兵士が報告する。小林は無線機を口元に寄せた。

 

「こちらチャーリー6。レーザーデジグ完了。砲撃支援を要請」

「チャーリー6了解。砲撃を開始する」

 

 ヒノマワリ王国にほど近いムー領内に展開した99式自走砲改からレーザー誘導砲弾が撃ち出された。それはロケット推進の補助を受け国境を飛び越えるとグラ・バルカス軍の車両部隊に向かって飛翔し、直上にて炸裂。砲弾内部の子弾である複合効果弾(CEB。対装甲・破片・焼夷の効果をもつ)が車両部隊を文字通り木端微塵に破壊する。

 

 この攻撃により、グラ・バルカス軍は恐慌状態に陥った。

小林率いる部隊はさらなる追撃を加えるべく、潜んでいた藪から姿を表す。彼らはマルチカム迷彩の戦闘服にプレートキャリア、さらにオプスコアヘルメットに身を包み、SIG MCXやM250機関銃などを携行していた。

 

 そして戦闘開始前にあらかじめ決めておいた通り、各員は前進しつつ敵の掃討を開始する。混乱の渦中にある敵兵は次々と.300ACCブラックアウト弾や高威力の6.8ミリ×51で薙ぎ倒されていく。混乱の渦中にある敵は反撃もままならず、一方的な殺戮劇が繰り広げられた。小林たちは銃器を撃ちながら前進し、グラ・バルカス軍へと肉薄していく。

 

◆◆◆

 

 心臓が早鐘のように鼓動する。呼吸が荒くなり、汗が流れる。奇跡的に銃砲撃を免れた車列の2番目のトラックの下に伏せ、2人のグラ・バルカス軍兵士は必死に息を殺していた。

 

「おい、どうするんだよ……」

 

 出来る限り声を潜めてトラックを運転していた兵士が言う。

 

「わ、わかんねぇよ」

 

 助手席に座っていた兵士も震え声で応じる。彼らの運命は風前の灯火であった。

 

「おい、何か武器を持ってないか?」

「武器なんてねぇよ。持ってきたのはこれだけだ」

 

 そう言って彼はポルノ雑誌を取り出す。

 

「馬鹿野郎!そんな物持ってきてどうすんだ!」

 

運転手の兵士は怒り心頭といった様子だ。そのとき、くぐもった銃声と悲鳴が聞こえてきた。

 

「な、なんだ!?」

「誰かやられたか?……うっ!!」

 

次の瞬間、トラックの下で伏せる2人の目の前にグラ・バルカス兵が転げ落ちてくる。そいつは背中から血を流しており、明らかに致命傷だった。

 

「う……あ……やめ――」

 撃たれたグラ・バルカス兵は何事か言おうとしていたが、その言葉は途中で途切れた。くぐもった銃声と共に彼の頭に銃弾が打ち込まれたのである。

 

「ひっ……」

 

 死を目の当たりにした助手席の兵士が恐怖の声を上げる。運転席の兵士は震えていた。やがて複数の足音が近づいてくるのが聞こえる。それは確実に自分たちが隠れているトラック目指してやってくるようだった。

 

「こいつらが車列を襲った奴らなのか?」

 

運転手の兵士が疑問を呈する。耳を澄ますと襲撃者たちの会話が聞こえた。

 

「あそこにもいる。始末しろ」

「了解」

 

 そう返事が聞こえた直後、くぐもった連続した射撃音と金属同士がぶつかる甲高い音、さらに肉が潰れるような鈍い音が続く。特殊作戦群の隊員たちは徹底して生き残りを始末していく。トラックの下の2人はただ震えるばかりであった。

 

「トラックの積み荷はテルミッドで確実に処分しろ」

「了解」

 

その後、数度の爆発音が続いた後、静寂が戻る。

 

「お、俺達助かったのか?」

「ああ、そうだ。奴らは何処かへ行ったんだ」

 

 2人は顔を見合わせ、歓喜の表情を浮かべる。だがすぐに絶望の表情に変わった。彼らは助かったと思った直後トラックの下から引きずり出される。

 

「あ……あ……」

 

 運転手の兵士は恐怖のあまり声にならない声を出す。助手席の兵士は失禁していた。彼らの目の前にはバラクラバを被った完全武装の特殊作戦群隊員が立っていたのだ。

 

「こ、これをあげるから助けて……」

 

 助手席の兵士は辛うじてその言葉を絞り出すと、手に持っていたポルノ雑誌を差し出す。特殊部隊員はそれを乱暴にひったくる。

 

「これは貰うぞ」

「え! じゃあたす……」

 

 言い終わらないうちに特殊部隊員は2人の頭部に300ACC弾を叩き込む。彼らの頭部に赤い花が咲く。

 

「助けてやるなんて一言も言ってないからな。」

 

ポルノ雑誌を片手に、冷たく吐き捨てるように言った。

 

「チャーリー6。付近の敵は殲滅した。積み荷も全て焼却済みだ」

「了解。撤収する」

 

 やがて彼らの姿は夕日に染まりつつある平原の中へと消えていった。

 

◆◆◆

 

「どういう事ですか! 食料の開放を取りやめるなんて」

 

 ハスキム駐屯地の司令室にてダラスが大声で怒鳴っていた。

 

「補給部隊の車列が襲撃され物資をすべて破壊されたのだ。おそらく日本の破壊工作員による仕業だろう」

 

 ガオグゲルが淡々と答える。輸送部隊の生存者がいないため日本による仕業という明確な証拠はないが、ほぼ間違いないと彼は考えていた。

 

「とにかく食料の開放は中止だ。現地民は配給の食料でなんとか凌ぐしかないだろう。私からもオル・ブーツに配給制度について問い合わせるつもりだ」

 

 そう言ってガオグゲルは内線電話に手を伸ばす。しかし彼が受話器を取る前に、司令部の扉が大きな音をたてて開かれた。

そこには息を切らせた伝令が立っている。よほど急いできたのか額からは汗が流れ出していた。そして彼は敬礼の後、こう報告する。

 

「緊急です! 食糧庫を現地民が取り囲み、我々に対して暴動を起こしています」

 

◆◆◆

 

 同時刻ハルナガ京内にある軍の食糧庫では、大勢のヒノマワリの人々が押しかけ、口々に不満を叫んでいた。倉庫を警備するグラ・バルカス兵たちは警棒を手に持ち彼らと睨み合っている。

 

「何度来ても同じことだ。このは封鎖されている。諦めろ」

「ふざけんな! さっさと開けやがれ!」

「我々は飢え死にしそうなんだ! どうしてこんな酷い事をする!?」

 

 ヒノマワリの人々は怒号を上げ、今にも殴りかかりそうな雰囲気である。グラ・バルカス兵たちは発砲をガオグゲルの命により禁じられていた。もし発砲すればヒノマワリのグラ・バルカスに対する反感がより強まりかねないからだ。そのため兵たちも怒りを堪えながら職務を全うしている。

 

 だが万が一に備えて少し離れたトラック内には完全武装の兵士が待機しており、いつでも対処できるようにしていた。また、一部の兵には暴徒鎮圧用のゴム弾を装填した散弾銃も携帯させている。

 

「俺達が飢えてるのはお前らのせいなんだぞ!! それをわかってるのか!!」

「食い物よこせー!!!」

「ただちに解散せよ。さもなくば拘束する」

 

 グラ・バルカス兵は高圧的な態度で警告を発する。彼らはすでに限界だった。これ以上事態が長引けば本当に暴発してしまうかもしれない。

 

 まさに一触即発の状況であった。そのような状況のなか、一人の男がとある建物の屋上から伏射の状態でmk22 mod 0 スナイパーライフルを構えている。

 男はみすぼらしい外套に身を包んでいる。一見するとただの不審者だが、よく見ると外套の下にはマルチカム迷彩の戦闘服を着用し、腰にはホルスターに収められた拳銃が見えた。

 

「距離は600か……。まずはあの門にいる奴を殺るか……」

 

 男は特殊作戦群隊員であった。彼はスコープで標的のグラ・バルカス兵を見つけるとmk22の安全装置を解除する。

そして静かに引き金を絞る。サプレッサーにより抑制された発射音が微かに響き、338ラプアマグナム弾が発射される。

 

 その弾丸は正確に狙い通りの箇所に命中し、兵士の胸部から血飛沫が舞う。

男は素早くボルトを操作し次弾を薬室に送り込み、さらにもう一射行う。今度は頭部に命中。即死だ。

それを見届けると特殊作戦群隊員は静かにその場を立ち去った。

 

一方、狙撃されたグラ・バルカス兵たちは突然の出来事に混乱に陥る。

 

「な、なんだ今のは……!」

「敵!? どこから撃ってきた!」

 

 グラ・バルカス兵が慌てて周囲を見回す。

次の瞬間、暴徒に紛れていた別の特殊作戦群隊員が隠し持っていたPDWを乱射した。

 

 フルオート射撃によって撃ち出された300ACC弾が、瞬く間に兵士たちの命を奪う。1弾倉分の弾をバラ撒くと彼は暴徒の人並の中へ姿を消した。

 

「クソっ撃たれた! 奴ら銃を隠し持ってるぞ!」

「撃て!撃ち返せ!」

 

 もはや状況を収拾することは困難である。次々と起こる予想外の出来事にグラ・バルカス兵たちは暴徒へ攻撃を開始する。

 待機していた武装した兵たちが一斉に駆け出し、暴徒へ向けて実弾を発砲し始める。

倉庫の周辺にいた人々が次々に倒れていく。その光景を見て、人々は悲鳴を上げる。

 

 倉庫の周りはたちまち地獄絵図のような有様となった。

 

◆◆◆

 

 狙撃ポイントとなったとある建物の屋上。シーン少佐は遺棄された1発の空薬莢を拾い上げる。

 彼はグラ・バルカス帝国陸軍特殊戦コマンドシータ分遣隊、通称シーン暗殺部隊の部隊長だ。彼はヒノマワリ国内で活動を行う日本人の破壊工作員の手掛かりを掴むため、狙撃現場となったこの場所に来ていた。

 

「やはりここから狙撃が行われたようだな」

 

 彼は自分が狙撃する立場ならどうするかを考え、分析した結果、この場所が狙撃ポイントとして最適であると判断したのだ。そしてそれは見事に的中していた。

彼は薬莢をまじまじと見つめると傍らの男に放った。

 

「どう思う? 」

 

 シーンは傍らの男――副隊長フル・ハート大尉に向けて言った。シーンの言葉に対し、フル・ハートは無表情のまま答える。

 

「帝国で使用している弾薬ではありませんね」

「ではムーか?」

 

 フル・ハートは首を横に振ると、少し考えてから答えを出す。

 

「奴らにここまで高精度な弾薬を作れるとは思いません。食糧庫周辺で回収された空薬莢も帝国で使っている物ではありませんでした。おそらく日本だと推測します」

「ふむ、俺も同意見だ」

 

 シーンは顎に手を当てて考え込む。

 

「我々と同じ存在がいる可能性が出てきたな」

「えぇ。しかもかなり厄介な相手です」

「まったく……日本め、我々を舐めてもらっては困る」

 

 シーンは苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる。

 

「なぜ日本人はこの様な事をしたのでしょう?」

 

 フル・ハートが不思議そうに尋ねた。

 

「おそらくヒノマワリ国内の反帝国感情を煽り、ヒノマワリ国内の我が軍の疲弊と兵力の分散を狙ったものだと思われる。悪化した治安を回復させるにはヒノマワリ、ムー国境に張り付けている戦力から引き抜くのが現状一番手っ取り早いからな。敵の大規模な反攻作戦が開始される兆候だろう。我々の任務も厳しくなるぞ」

 

「そうですね……。しかし、今回の件は我が国に対する明確な敵対行為。これは許されざることです。早急に日本人工作員を始末するべです」

「あぁ、その通りだ。だが、まずは奴らの所在を突き止めねばならん」

「はい。引き続き情報収集を行います」

「頼むぞ」

 

 シーンは短く言うと、その場を後にした。

 

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