日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた 作: まっこーける
ムー国キールセキ。連合軍合同司令部。
「三浦司令。三矢作戦はおおむね成功と判断できます。」
「うむ」
自衛隊とムーの攻撃目標である航空基地は破壊されしばらくの間、その機能は停止すると判断してよいだろう。
「しかし、ミリシアルの攻撃目標であるアグラガス基地への攻撃は失敗した模様です。」
「うーむ、仕方ない。アグラガス基地も空自のF-35で攻撃する」
「結局、ミリシアルの尻拭いは我々ですか」
三浦の幕僚は愚痴をこぼす。
「ミリシアルの体面を傷つける事になるが仕方あるまい。航空優勢の確保はこれからの地上戦に必須だ。」
ミリシアルが失敗した作戦を自衛隊が完遂させてしまう事は、ミリシアルのプライドを傷つけるだろう。だが健在なグラ・バルカス軍の航空基地を放っておくことも出来ない。
「アグラガス基地はF-35にJDAMを搭載して攻撃させろ。それはともかく、地上戦力の配置は完了したか?」
「主攻を務める第7師団と第2師団、第5旅団は配備を完了させています」
「他国はどうか?」
「ミリシアルとムーは完了。ニグラートはもう少々遅れる見込みです」
「そうか。では予定通りドラゴンブレス作戦を発動する。」
グラ・バルカス帝国への反撃の狼煙 、ドラゴンブレス作戦が今ここに発令されたのだった。
◆◆◆
レイフォル東部。グラ・バルカス陸軍第8軍団司令部。軍団長であるガオグゲル
は司令部で渋面を作っていた。
「我が方の航空基地が甚大な被害を受けただと……航空優勢は敵の手に渡ったか」
ガオグゲルは腕を組み、眉間にしわを寄せる。
「だが、航空優勢を取られるのは想定の内だ。それだけで戦争の勝敗は決しない」
彼は自分に言い聞かせるようにつぶやく。既に物資の分散配置や偽装など空爆対策は行われている。
「何重にも防衛線をレイフォル東部の平原に張り巡らせている。日本とて手間取るだろう」
レイフォルの東部は平原が広がり戦力が展開しやすい土地である。グラ・バルカス軍は平原に大量の地雷や鉄条網、障害物などをばらまいていた。
それにより、日本含む連合軍は苦戦を強いられるのは必至であった。
ガオグゲル配下の第8軍団は4個師団からなる軍団であった。
その中には帝国随一の機甲師団である第4師団も入っている。
第4師団は3個戦車連隊、2個機械化歩兵連隊、2個野戦砲兵連隊を基幹とする機甲部隊であった。
軍団は中央地域に陣地を構築し、東方向を第23師団が、西方向を第10師団が受け持つことになっている。さらに予備としては第13師団が配置されている。
さらにその後方には兵站基地でもあるラテ・アルマイ要塞が存在する。
まずは構築した防衛線で日本やムー、ミリシアル軍を迎え撃ち、奴らが疲弊した段階で逆襲に転じグラ・バルカス陸軍の中でも最精鋭の部類に入るこの4個師団をもって日本を叩き潰す算段であった。
「我が第8軍団には直轄の部隊として第501重戦車大隊が配備されている。この大隊が装備するワイルダー重戦車が日本に対する切り札だ」
ガオグゲルはほくそ笑む。第501重戦車大隊は3個の戦車中隊からなる戦闘能力の高い部隊だ。装備するワイルダー重戦車は122ミリ砲を装備し、重量52トンにも達し、750馬力のディーゼルエンジンによって時速48キロで走行することが出来る。まさに帝国最強の戦車と言って過言ではない。
(日本のヒトマルやキュウマルにかなうか分からないがな……)
ガオグゲルは表には絶対に出さない弱音を内心つぶやく。しかし負けるわけにはいかないのだ。彼は目を閉じムー大陸方面軍総司令官アダルトマン将軍の言葉を思い出す。
「日本は確かに軍事面で先進的な国だ。しかし奴らとて我々と同じ人間だ、絶対無敵ではない。私は日本の弱点は兵站だと思っている。彼らの本国はムー大陸より遥か東にある。武器弾薬は本国から輸送せねばならない。兵站の面でいえば本国から近い我々グラ・バルカスが有利だ。長期戦に持ち込めば、日本はいずれ息切れするだろう。粘り強く戦うのだ」
(……粘り強く戦うか……レイフォル東部だけで展開している戦力は第8軍団含めて合計12個師団だ。突破できるのなら突破してみろ)
ガオグゲルは目を開き決意を新たにする。その眼には勝利への渇望が色濃くにじみ出ていた。
◆◆◆
中央歴1643年8月1日 グラ・バルカス反攻作戦ことドラゴンブレス作戦が発動された。
第1フェーズはレイフォル東部に展開するグラ・バルカス軍に対しての空自のF-15JによるJASSM巡航ミサイル攻撃である。
目標はラテ・アルマイ要塞や物資集積所、操車場などの後方施設である。また対空陣地やレーダー基地、燃料タンク群なども攻撃目標に含めている。
発射された数十発のJASSMはターボファンエンジンから白煙を噴いて亜音速で飛翔する。
それぞれの目標地点の上空へ到達したJASSMは正確無比にターゲットを捕捉し、次々と炸裂する。
三矢作戦によりレーダーや対空ミサイルに被害を受けていたグラ・バルカス軍は満足な防空戦闘もできない状態であるのだ。
JASSMはステルス性をいかんなく発揮し各所で爆炎の華を咲かせる。
この攻撃だけでグラ・バルカス軍の後方機能を完全に奪うことは出来ないが、それでもボディブローのようにじわりじわりと効いてくる。
第2フェーズは連合軍の準備砲撃だ。
99式自走155mm榴弾砲や19式装輪自走155mm榴弾砲から発射された砲弾は正確にグラ・バルカス軍の陣地群に降り注ぎ炸裂する。その光景はまさに、地獄の釜の底が開いたようであった。だが一方的に砲撃できたのは自衛隊だけであった。
装備する彼我の火砲の射程に差があるグラ・バルカス軍と自衛隊とでは一方的な砲戦ができたが、他国はそうではなかった。
ミリシアルやムーの装備する野戦砲はそのほとんどがグラ・バルカス軍のそれに比べて射程が劣っていたのだった。
他国の砲の射程不足は自衛隊の99式自走155mm榴弾砲や19式装輪155mm榴弾砲などでカバーするには戦域が広すぎ、そして砲弾の余裕はなかった。
ムーの野戦砲はそのほとんどが旧式な75mm砲や105mm砲であり射程も短い。そのためグラ・バルカス軍からの反撃の砲撃で被害が続発していた。
ミリシアル砲兵も似たようなものであった。
ミリシアル砲兵の装備はムーの物と比較して多少は射程の長い114mmや140mm砲だが、それでもグラ・バルカス軍の装備する150mm砲の砲撃には劣勢を強いられる。
ムーとミリシアル、グラ・バルカス軍砲兵の間で苛烈な砲撃戦が展開され、双方に被害が続出する。
しかしいつまでも準備砲撃だけやっているわけにはいかない。
日本やムー、ミリシアルは部隊を前進させ、作戦の第3フェーズである地上戦力を前進させ攻勢に転ずる。
陸上自衛隊は10式戦車を、ムー陸軍は新開発の戦車デ・ロランを、ミリシアル陸軍は他国の影響を受けた装軌式戦闘車両であるランドラを投入する。
だが連合軍はあれだけ砲弾を撃ち込んだのに、大多数が健在なグラ・バルカス軍が敷設した対人、対戦車地雷や鉄条網、障害物により前進を阻まれる。
また巧妙に隠蔽された対戦車砲にも苦しめられた。グラ・バルカス軍が装備する75mm対戦車砲は日本の10式には通用しないが、ムーやミリシアルの戦闘車両には効果的であり、それらの装甲を正面から撃ち抜いた。
各国の機甲戦力を前面に押し立てた攻勢はグラ・バルカス軍の野戦築城によりその突破力を削がれてしまう。
そのため攻勢は遅々として進まず、進撃速度は亀のように遅くなる。しかし、自衛隊はそのような中でも着実に障害を排除し前進していたが、ここで1つの事件が起こってしまう。
1輌の10式戦車が対戦車地雷によって履帯を吹き飛ばされ行動不能となってしまったのだ。運の悪いことに処理しきれなかった地雷に引っかかってしまったようだ。さらに運の悪いことに、その10式戦車は敵陣から丸見えの位置にあった。
グラ・バルカス軍の対戦車兵がそれを見逃さず攻撃してきたのである。
「チャンスだ」
擱座した10式戦車は対戦車兵から見たらいいマトであった。
自分らが装備する対戦車砲は10式に通用しないことは、いままでの自衛隊との戦闘経験でさすがのグラ・バルカス軍も学習していた。
しかし彼らが装備するのは対戦車砲ではなく、新兵器であるAT10対戦車ミサイルであった。
グラ・バルカスの対戦車兵は正確に10式戦車を照準器に捉え、発射ボタンを押した。
AT10ミサイルは誘導用ワイヤーを曳きながら10式戦車へと飛翔していく。飛翔するミサイルの底部に備わっているランプを見ながら射手はミサイルをジョイスティックで誘導
する。つまり地球での第1世代対戦車ミサイルと同等の誘導方式だ。
しかし、複合装甲を備える10式にそれは無意味であると、グラ・バルカス兵は学んでいた。そこで彼は巧みにミサイルを誘導し10式の上部から命中するように誘導した。
AT10ミサイルが10式戦車の砲塔上面に命中する。その瞬間、爆発音が響き渡り10式から火柱が吹き上がる。10式の砲塔後部の弾薬庫に引火したのだ。
一瞬にして弾薬が爆発するが、戦闘室は弾薬庫から隔離されており、またハロゲンガスを使用した自動消火装置が作動したため搭乗員は無事だった。
しかし弾薬の誘爆によりその10式戦車は戦闘不能になってしまう。
「脱出する!」
撃破された10式戦車の乗員は脱出する。
僚車が脱出を援護するためミサイルの射点へ榴弾や連装機銃を撃ち込み、ミサイルのランチャーを完全に破壊したため、撃破された10式の乗員は皆無事に後退できた。
ミサイルを失ったが、それでも撃破不能と思われていた10式戦車を撃破したことにより他のグラ・バルカス兵らは歓声が上がる。10式の無敵神話が終わった瞬間であった。
そして擱座した10式の鹵獲を試みるグラ・バルカスと回収したい自衛隊との間で苛烈
な戦闘が繰り広げられる。その10式の鹵獲部隊は全滅し、自衛隊は10式の回収に成功するのだが、これは別の話である。結局、10式戦車の撃破により自衛隊は慎重になり進撃速度は鈍ることになる。
その間にも各方面で激しい戦闘が繰り広げられていた。
ムー陸軍はこの作戦に連合軍最多の6個師団を投入し苛烈な砲撃を行い、さらに敵防衛線を攻略するために多数の地雷と鉄条網を敷設した陣地に対してや爆薬筒を使用して攻撃を敢行していた。
ムー陸軍の戦術はまさに人海戦術であった。頼りの機甲戦力であるデ・ロラン戦車は無砲塔の突撃砲ともいえる車両であり。41口径75㎜砲を装備し、前面が傾斜した装甲をもつ、デ・マン戦車より格段に強力な兵器であった。またマリンやマケストによる爆撃も実施されたが、命中精度が劣悪なため思ったような戦果は挙げられなかった。
ムー陸軍の士気は旺盛で、デ・ロラン戦車を前面に敵陣より放たれる猛烈な銃火にも臆せず文字通り屍の山を築きながら前進を続ける。鬼気迫るその進軍は、グラ・バルカス軍も恐怖を感じるほどで、小規模ながらもグラ・バルカスの防衛線を突破した部隊も存在していた。
しかしその突破口を広げるまでには至らない。防衛線を突破してもグラ・バルカス軍はすぐ予備戦力を投入し、防衛線を再構築してしまうからだ。
ミリシアルもムーと似たような状況であった。ミリシアルの機甲戦力であるランドラは重量20トンの戦車で、装甲もデ・マンより多少マシという程度であり、主砲は短砲身76mm砲というもので対戦車戦闘には向かない代物だ。
しかしランドラの優れた機動力は、グラ・バルカス軍の防衛線攻撃に多少寄与したのも事実である。
ミリシアル陸軍はムー陸軍のような活躍はできなかったが、それでも一定の効果を上げた。
また航空戦力も大きな役割を果たしていた。先の三矢作戦の結果、連合軍の航空隊がグラ・バルカス軍航空隊に対し圧倒的な優勢を保っているからである。
航空自衛隊のF-2に爆弾を搭載しグラ・バルカス軍の頭上へ雨霰と落としていく。
まさに航空自衛隊は無双状態であった。制空権争いで負け続けているグラ・バルカス軍からすればまさに悪夢のような状況だろう。
だがその反面、投入機数に対してグラ・バルカス軍の戦力は膨大とも思えるほどの地上戦力を維持していたため、航空自衛隊の爆撃でもその全てを撃滅することはできなかった。
そうこうしている間にも連合軍の部隊が疲弊して行く。
ムーやミリシアルの兵らは毎日のようにグラ・バルカス軍の反撃を受け死傷者が増えていた。
さらに悪いことにグラ・バルカス軍は反撃により多くの兵器を失いつつも、損害の回復のため後方に下げていた予備部隊を前線に投入してくるのだ。それらも連日連夜繰り返される攻撃により徐々に消耗していき、グラ・バルカス軍と連合軍の地上戦は一進一退の泥沼の様相を呈していた。
しかしグラ・バルカス軍側もただ押されていたわけではない。
戦線が膠着し連合軍が疲弊するなか、後方で温存していた第501重戦車大隊が動き出していたのだ。
グラ・バルカス軍にとってもこの作戦は賭けであった。
そのため後方に下げていた重戦車大隊を投入するタイミングを計っていたのである。
まさに失敗できない乾坤一擲の攻勢であった。第501重戦車大隊はそれを中核として第4師団の戦車連隊や機械化歩兵部隊を増強部隊とした戦闘団を編成した。これはワイルダー重戦車45両、ラーチャー中戦車150両、装軌式装甲車250両、そして歩兵部隊1550名で構成されたこの戦闘団はニホンジンシネシネ戦闘団と命名された。任務は自衛隊の撃滅だ。
この名は憎き敵である日本人の死を願うのと、日本人の恐怖を煽り立てることを目的にしていた。
名前の考案者はニホンジンシネシネ戦闘団の指揮官ボーグ・フラッツ少将だ。彼は本来は第4師団長なのだが本人たっての希望によりこの戦闘団の指揮官となった。歴戦の機甲部隊指揮官である彼はこの戦闘団の指揮官に相応しいだろう。
大勢の同胞を日本人に殺されたボーグは憎悪の炎をその瞳に宿していた。
「我々は祖国防衛の崇高な義務を果たすため、死を覚悟して戦う」
ボーグは第501重戦車大隊の隊員を集め訓示をしていた。
訓示といっても彼らは黙って上官であるボーグの話に耳を傾けていた。
「我々は祖国のために死ぬことは本望である。しかしその前に怨敵でるニホン人を1人でも多く殺すのだ!鋭、鋭!」
「応!!」
ボーグは拳を振り上げ、兵たちもそれに応える。ボーグの訓示に士気を高めたニホンジンシネシネ戦闘団は、進撃を開始した。
一方自衛隊もグラ・バルカス軍の攻勢の動きを察知し、すぐさま第7師団へ迎撃命令を下す。
レイフォルの地で2つの機甲師団がぶつかろうとしていた。