日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた   作: まっこーける

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35 変革する帝国

 

 中央歴1644年2月1日。

 

 グラ・バルカス帝国帝都ラグナ。ニヴルス城。この日の皇帝を交えた定例会議における議題は帝国軍の改革についてであった。

 

 先の大戦で帝国軍レイフォル防衛という戦略目標を達したものの戦闘では日本に大敗を喫した。

これにより帝国軍の軍事的影響力は大きく下がったのである。

 

 そして、日本の超技術力の一端を見せつけられ、グラ・バルカス帝国の認識も大きく変わっていった。

そんな中で出てきた議題が改革であった。自分たちの軍備は日本に比べて大いに劣っている。ならばどうする?帝国には生き残るための選択が必要だったのだ。

 

 そのための会議を今日行うため、グラ・バルカス帝国の高級軍人たちが一堂に会した。

 

「さて、今日集まってもらったのは他でもない。今後の我が国の軍事方針についてだ」

 

 皇帝であるグラルークスは、集まった高官たちに向けて口を開いた。

 

「先の戦争はムーやミリシアルはともかく、日本との戦闘は我が軍の完敗であった。日本の超技術力に我が国の軍事力では対抗できないのは、紛れもない事実である」

 

 皇帝の言葉に、その場にいる全員が頷いた。

 

「そこでだ、我々は今日、新たな軍事戦略を策定する。日本だけではなく、さらなる先進的技術を持つ国家がこれから転移してくる可能性に我々は備えねばならん」

 

「さらなる国家? それはどこを想定しておられるのですか?」

 

 軍人の一人が皇帝へ質問する。

 

「古の魔法帝国。ラヴァーナル帝国だ。遥かなる太古、この世界を支配した高度な魔法文明国家。そして暴虐で傲慢不遜、冷酷無比なる世界帝国、それがラヴァーナル帝国だ」

「しかし、その国は何万年も前に滅亡したとされていますが?」

 

 別の高官の女性が反論する。

 

「先進11か国会議でのラヴァーナルは復活するというエモールの予言。後進国の戯言と当時は一笑に付したものだが、それを裏付ける物がレイフィル領から見つかった。この事実から、ラヴァーナル帝国が蘇り、再びこの世界を支配するという可能性があると我は睨んでおる」

 

 皇帝の言葉に一同は黙り込む。確かに古の魔法帝国の力が侮れないことはこの世界の文献を研究すればするほどに明らかになっていた。

 

「しかし、本当にラヴァーナル帝国が復活するのでしょうか?」

「可能性は高い。日本もラヴァーナル復活を前提に動いておる。さらに、ラヴァーナル帝国の技術は我等を遥かに凌駕する可能性すらある。もしラヴァーナルが復活すれば、我等とも敵対する可能性が非常に高い。備えねばならん」

 

 グラルークスの言葉に一同は頷くしかなかった。

 

「もし、ラヴァーナル帝国が復活し、その力を取り戻した場合、我々はどうやって対抗するのですか?」

 

 高官の一人が質問を投げかける。それに対して皇帝は答える。

 

「現状の戦力では奴等に対抗することは難しいであろう」

 

 断言であった。ならばどうするのか?その場にいる全員が固唾を呑んで見守る中、グラルークスは言葉を続けた。

 

「そこでだ、我々は日本と手を組むべきだと私は考える」

 

 グラルークスの言葉にその場が騒然となる。

 

「正気ですか!?」

 

 高官の一人が立ち上がり、皇帝に向けて詰問する。それに対して皇帝は頷いた。

 

「うむ、正気だ」

「最近まで戦争していた相手ですよ!  いきなり手を組むなんて……」

「日本と我が帝国。互いに勢力圏は接していない。ムーに手をださなければ日本と手を組むことは可能だろう。それにだ、今後ラヴァーナル帝国が復活し、グラ・バルカス帝国に侵略してきた場合、日本の介入なしに我が国だけで対処できるとは思えん」

 

「しかし……!!」

 

 高官はまだ納得していない様子であった。無理もないことだろう。ついこの間まで戦争をしていた相手である。そう簡単に信頼は出来ない。

 

「まぁ聞け、確かにいきなり同盟を結ぼうとしても信用はされんだろう。そこでだ、国交を正常化し文化交流や経済交流を進めることで相手国についての情報を得る。さらにラヴァーナル帝国復活への対策を話し合う場で日本の代表者ともコンタクトを取りたいのだ」

 

 皇帝の説明にその場にいる全員が納得した様子であった。確かに、まずは日本との信頼関係を構築することが急務であると考えられたからだ。

 

「日本は争うべき相手ではない。友好的な関係を築くことができるはずだ。そのためには我等は変わらねばならんのだ」

「分かりました……陛下がそこまで考えておられるのなら私は従います」

 

 高官の一人がそう言うと、他の者たちもそれに続いた。こうしてグラ・バルカス帝国は対日外交方針を決定したのである

 

「次に帝国軍の改革についてだが、魔法帝国に対抗するために抜本的は改革が必要になるだろう。しかし日本への賠償金支払いもあるし、なにより帝国の財政は逼迫している。

そのため新兵器開発のためにこれ以上軍事予算を増やすことは出来ない。故に改革の予算は、軍縮をもって捻出するものとする」

 

 その宣言に一同は頷く。確かにグラ・バルカス帝国の国家財政に占める軍事予算は群を抜いて高い。これ以上軍事予算を増やすのは難しいだろう。

今のままの規模で軍の近代化を推し進めていくことは財政が破綻する可能性がある。

ならば、軍縮により浮いた予算で新兵器開発を行う方が長期的に見てメリットがあると言えた。

 

「まずは陸軍についてだ。常備兵力を現有の200万人から100万人まで削減する」

 

 皇帝の言葉に会場がどよめいた。いきなり半分まで削減するというのだ。

 

「しかし、それでは陸軍の戦力は激減します!」

 

 陸軍参謀総長は不満を顕にする。だが、それに対して皇帝はこう答えた。

 

「これからは数ではなく質で勝負するのだ。確かに100万という数字は少ない。だが、それだけの人数を削減する代わりにより近代化を推し進めるのだ」

「しかし……」

 

 陸軍参謀総長はなおも食い下がろうとするが、グラルークスはそれを制した。

 

「くどいぞ。これは決定事項である」

 

 こうして陸軍に改革のメスが入ったのである。

 

「次は海軍についてだが、まず戦艦はグレードアトラスター級以外は退役する。さらに艦齢30年以上の老朽艦も退役させる。それにより現在の総艦艇数の1000隻から500隻まで削減する」

 

 その言葉に海軍関係者たちは驚きを隠せなかった。なにせ半分も退役させるというのだから無理もなかった。

 

「な……何故ですか!?どうしてそこまで総艦艇数を減らす必要があるのですか!?」

 

 海軍軍令部長が皇帝に質問するが、彼は涼しい顔でこう答えた。

 

「先ほども言ったであろう? 軍の近代化のためだ。それに海軍の艦艇は転移からこのかた、燃料不足で一度に全部の艦艇を動かせないと聞く。さらに訓練のための燃料も不足し練度も低下している始末。そんな状況では海軍の近代化などできんだろう」

 

 グラルークスの言葉に、海軍軍令部長は何も言えなくなってしまう。確かに海軍は転移から燃料不足が常態化しつつあったからだ。

 

「動かない艦艇を維持しておく意味など何もない。1000隻という艦艇の維持費だけでも莫大だ。故に退役させるのだ」

「しかし……燃料事情はレイフォルの油田開発も軌道に乗りはじめ、改善されつつあり……」

 

 それでも食い下がろうとする軍令部長であったが、グラルークスの有無を言わさぬ物言いに黙らざるを得なかった。

 

「陸軍も軍縮するのだ。海軍だけが例外というわけにはいかん」

 

 海軍軍令部長は黙り込むしかなかった。そんな彼を見て皇帝は続ける。

 

「もはや戦艦の時代は終わった。これはユグドやこの世界での戦訓から得られた結論だ。これからは空母や潜水艦そしてミサイルが海上戦力の中核になっていくだろう」

「御意……して陛下、退役した艦艇はどうなさいますか? モスボールかスクラップにするのでしょうか?」

「そのことだが、退役艦艇は他国へ売却する。売却して得られた資金は国庫の足しにする」

「他国へ売却ですか? しかし我が国の旧式艦を欲しがる国はあるのでしょうか?」

「あるとも、この世界は近代的な軍備を備える国は少ない。そういう国に売れば需要は相当数あるだろう。それに、第3文明圏のパーパルディア皇国がこの話に興味を示しているらしい。艦艇だけでなく装備更新で余剰となった航空機や陸戦兵器も需要があるだろう」

 

 グラルークスの言葉に、海軍軍令部長も納得した様子であった。

 

「なるほど……では売却はパーパルディア皇国に?」

「パーパルディア皇国だけでなく、他の国にも声をかけてみるつもりだ。こうして得られた資金を新兵器開発にあてる。さて陸海軍のおおまかな改革は以上だ。

だが、余はさらなる軍の改革が必要だと感じている。そこでだ、新たに、帝国空軍の設立を宣言する」

 

 帝国空軍。その言葉を聞いて、誰もが驚愕の表情を浮かべる。まさか帝国空軍を設立されるとは思いもよらなかったからだ。だが皇帝は続ける。

 

「陸軍航空隊を空軍として独立させる。これからの戦争は航空機がより大きな役割を占めることになるだろ。現に日本は空中兵力を充実させている。

それにだ、日本との同盟を締結するにあたっても、航空機戦力が大きな役割を果たすはずだ。そこで、空軍の設立を宣言する」

「おお! 」

 

 空軍設立の言葉に全員が色めき立つ。

 

「空軍の設立に伴い、航空戦力の強化も行っていく。空軍の設立は余のかねてからの願いであったからな。将来的には日本と対等の軍事力を備えておきたいのだ」

「我々が日本に追いつけるでしょうか?」

 

 陸軍参謀総長が疑問を呈する。それに対しグラルークスはこう答えた。

 

「追いつける、追いつけないの問題ではない。追いつくしかないのだ」

 

 その言葉に全員が黙り込む。確かにその通りであるからだ。日本との同盟を結べたとしても、魔法帝国に勝てる分からない。ならば、日本と同等の軍事力を備えるしか生き残る術はない。

 

「日本は我々と同じ科学技術国家だ。つまり日本は我々の延長線上にいるのだ。同じ人間である以上、我々にも可能だ」

 

 グラルークスの言葉に全員が頷く。それは信じるに値する言葉であった。

グラ・バルカス帝国は数から質への軍改革を推し進める。古の魔法帝国ラヴァーナル帝国に対抗できるように。

 こうして、グラ・バルカス帝国は新たなる一歩を踏み出すのであった。

 

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