日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた   作: まっこーける

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39 野望の大陸3

 

ベスタル大陸。延国、ベンダバル平原。

幾万もの兵が方陣を組み、敵を待っている。その数、およそ10万。槍が林立し、馬のいななきが平原を支配する。

ベンダバル平原は延国における有数の農業地帯であるが、今日ばかりはその様子が違っていた。

今まさに延国軍主力が集結し泰国軍を迎え討たんと布陣しているのだ。

対する泰国軍は6万。数の上で圧倒的に延国が有利である。

 

「敵は我が方の倍。さすがに勝ち目は薄いか……」

 

 馬上にて泰国の将軍ラオ・ハンは呟く。彼は延国侵攻軍の総司令官だ。

陸上の戦闘は数がものをいう。いくらこちらがアニュンリール皇国から導入した近代的な銃器や火砲を装備しているとはいえ、倍する数で攻められたらひとたまりもないだろう。

 

「ラオ将軍。ご心配召されるな。敗北などあり得ません」

 

 そうラオへ言葉を返すのは、有翼人のシャミールだ。彼はアニュンリール皇国の軍人で泰国の軍事顧問として今回の会戦に参加している。

 

「ふむ……しかし、敵のワイバーンが気にかかる」

 

 ラオは不安げに言う。

 

「ご安心を。敵のワイバーン基地は既に我がアニュンリール皇国海軍が壊滅しました。」

 

 シャミールがそう返すと、ラオは感心したように言った。

 

「ほう、ワイバーン基地を……さすがだな」

「お褒めにあずかり光栄です。」

 

 シャミールは恭しく頭を下げる。アニュンリール海軍は先の海戦の後、制海権を掌握すると、強襲揚陸艦『ディグレス』からvstol戦闘機『イール』を爆装させ延国にあるワイバーン基地を爆撃させたのであった。爆装し運動性が低下したイールであったが、ワイバーンの攻撃をかわして爆撃する事など造作もなく、空戦はワンサイドゲームで終わっている。

 

「しかし、なぜ貴国の軍がワイバーン基地を襲撃したのだ? 我が国と貴国とは同盟国でもないのだが……」

 

 ラオが当然の疑問を口にする。その言葉にシャミールはくすりと笑った。

 

「これは異なことを仰る。友人を助けるのは当たり前ではありませんか」

「……それはどういう……」

「いえいえ、お気になさらず。あなたはただ我々に感謝してくだされば結構なのですよ」

 

 ラオの疑問ははぐらかされる。しかし、彼はシャミールの言葉に何か裏があるように感じたが、今は目の前の敵に集中することにした。

 

「ワイバーンの心配は無くなったが、それでも倍もの兵数では分が悪い」

「ご安心を。我がアニュンリール皇国の魔導兵器は優秀です……そろそろイールが来るころでしょう」

 

 シャミールがそう呟いた時、遠くからマジックジェットエンジンの駆動音が聞こえた。

それは徐々に近づき、やがて上空にイールが姿を表した。その数は10機ほどである。

数機のイールは延国陣地上空へ到達すると、ナパーム弾を投下した。

それは延国陣地に着弾すると、猛烈な炎が延国の兵士を焼き尽くす。

 

「おお! あれほどの炎、大魔導士でもできない芸当だ。」

 

 ラオが驚嘆の声を上げる。延国軍は大混乱に陥った。

さらにナパームを投下したイールとは別の機が今度はクラスター爆弾を投下する。

爆弾は延国陣地に着弾し、いくつもの子爆弾が延国兵士たちを切り刻む。

大魔導士でもできないほど大規模かつ精密な爆撃。これはアニュンリール皇国の魔導技術力が生み出したものだ。

 

 イールは次々にナパームやクラスター爆弾を投下していく、延国軍はなすすべもなく焼かれていった。

やがて、10機のイールによる攻撃が終わった時、そこには焼け野原となった延国陣地があった。

延国の兵士たちは大半が焼死し、かろうじて生き残った者も負傷してまともに動けない。

まさに圧倒的な戦力差であった。

延国の兵士はアニュンリール皇国に恐怖した。圧倒的強者の存在に彼らの戦意がみるみるうちに失われていく。

 

「敵が逃げていくぞ!」

「追撃は我らにお任せを」

 

 シャミールはそうラオに言うと、無線機で指示を出す。

すると、泰国陣地の後方で待機していたアニュンリール皇国陸軍の1個大隊が前進を開始した。

しかしその大隊を構成する兵士たちは有翼人ではなった。緑色の肌、突き出た耳、その姿はゴブリンによく似ていた。だがこの世界の住民が知るゴブリンとは随分違いがあった。

一目見て分かる違いは、その体躯だろう。ゴブリンは子供大の背丈しかないのだがアニュンリールのゴブリンは優に2メートルを超し、筋骨隆々であった。

それらが銃器を装備し全速力で駆ける。あっという間に延国軍陣地へと肉薄していく。

 

「な、なんだこのバケモノは!」

「助けてくれぇ!!」

 

 延国の兵士は恐怖した。巨大なゴブリンたちは様々な銃火器を乱射する。

あるゴブリンはミニガンを掃射し、弾丸を雨あられと浴びせ、別のゴブリンはグレネードマシンガンを

発射する。

またあるゴブリンは機関銃で延国兵をなぎ払う、延国兵士たちは成す術もなく肉塊へと化していく。

ゴブリンの戦いは、まさに阿修羅の如し。それは戦いとは呼べるものではなく一方的な虐殺だった。

アニュンリールのゴブリンたちは、まるで作業のように延国兵を殺していく。

 

「シャミール殿。あれはいったい……」

 

 ラオはシャミールに問う。

こんなバケモノをどうやって手に入れたのか、聞きたいがそれを聞くのは恐ろしい気がした。

しかしラオの思いに反して、シャミールはあっさりと答える。

まるで友人との会話のように気軽な様子で。

 

「あれは一種の生物兵器ですよ。制式名称をプロダクト02。別名メタヒューマン。成人のヒト種を強制進化ウィルスに感染させ、そのうえで遺伝子操作を施した生物兵器です。

まぁ、あなたたちにとってはゴブリンと言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。」

 

「あれが、ゴブリンだと!?」

 

 その答えに、ラオは唖然とする。自分が知るゴブリンとは似ても似つかぬ存在だった。

その生物兵器はすでに弾薬を撃ち尽くしたのか白兵戦へ移行している。

ゴブリンの兵士たちは、大剣で敵兵たちを膾切りにしていく。

 

 現在、魔物として世界各地に生息しているゴブリンは、昔ラヴァーナル帝国が戦争で使用したものが

野生化したものが、長い年月を経て矮小化したものだ。

どちらかと言えば、アニュンリールのゴブリンこそが本来の姿だ。

シャミールは話を続ける。

 

「プロダクト02は遺伝子操作技術により、その身体能力を飛躍的に向上させました。さらに知能や感情といったものまで制御できるようになりました。」

「……なんと……」

 

 ラオは驚愕する。あのバケモノが元人間であるということに。しかし同時に彼はある疑問を抱く、なぜ彼らはそんな非人道的な行いをするのか、という疑問だ。

しかしその疑問を口にするのは躊躇われた。

「貴殿達は……人間を兵器にしたのか……」

 

 ラオは震える声で聞く。シャミールは答える。

 

「ええ、その通りですよ」

「……」

 

 ラオは何も言えなくなった。生物兵器を作り出すなんて常軌を逸している。ましてそれを兵士として使うなどあってはならないことだ。

 しかし、泰国には彼らに逆らう力はなかった。とんでもない相手と手を組んでしまった、と心の中で後悔するがもう手遅れだ。結局彼はただ黙って見ているしかなかった。

一方、延国軍はゴブリン部隊の攻勢により総崩れとなりつつあった。

 

「退却だ!逃げろぉ!!」

 

 兵士の誰かがそう叫び、一斉に逃げ出した。延国兵は我先にと逃げ出す。しかしそれを逃さぬとばかりにゴブリン達が追撃する。それに便乗して泰国の兵士たちも逃げていく。

もはや勝敗は決していた。この戦いにより延国軍は野戦戦力を喪失。各都市を防衛するだけの戦力しか残らなくなった。そして延国首都はアニュンリール軍の航空部隊により爆撃され、首都は灰塵に帰した。

こうして泰国は戦争に勝利した。延国との戦争開始からわずか2か月の出来事であった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 月衛星軌道上。日本の種子島宇宙センターから打ち上げられた月面探査用宇宙船が軌道を周回していた。

3人の宇宙飛行士を乗せたこの宇宙船には、様々な機器が搭載されており異世界の月面の調査を行う予定である。

やがて徐々に高度を落としていくと、月面に着陸した。

 

「やっと到着か……ここが異世界の月……」

 

 宇宙飛行士の一人が呟く。彼の名は緑山貢(みどりやま こう)、JAXAの宇宙飛行士である。

 

「ああ、これからミッションを開始する、慎重に調査するんだ」

 

もう一人の宇宙飛行士の森岡洋平(もりおか ようへい)が言う。

 

「わかっているさ。それにしても異世界の月に来たなんて信じられないな」

 

 最後の一人は山田三貴雄(やまだ たかお)だ。彼は宇宙航空研究開発機構に所属するエンジニアでJAXAに出向し、このミッションに参加している。

月面の有人探査はこの異星界において史上初めての試みであった。本来なら歴史的偉業であり、もっと大々的に報じられるべき事である。しかし、そうできない事情があった。

 

 月面の調査というのは表向きの理由である。真の任務は月面に存在するラヴァーナル帝国のビーコンを破壊、もしくは無力化することだ。

その真意を知るのは一部の者だけであった。

 

「さぁ、行こう。さっさとミッションを終わらせて帰りたいぜ」

 

 山田はそういうと月面車に乗る。残りの二人も後に続く。

月面車が進む先には広大なクレーターがあり、その中央にビーコンが建っている。

 

「あれが……ラヴァーナルのビーコンか」

 

 森岡が呟く。それは一見するとただの大きな石板に見える。だが漆黒のそれは一切の太陽光

を反射しない、まるで闇そのものが形をなしたような物体だった。

 

「ああ、あれを破壊してミッション終了だ」

 

 山田はそういうと月面車を運転する。やがてビーコンの近くまで接近し、月面車を止める。

 

「まるで昔のSF映画に出てきそうだな」

 

 山田はビーコンを見上げ率直な感想を言う。それは高さ3メートル、幅1メートルほどの直方体の石板だ。表面には傷1つ無く、とても滑らかだ。

 

「早く壊してしまおう」

 

 森岡はそういうと月面車から爆薬を運び出す。それをビーコンに取り付けると信管の取り付け作業を行う。

 

「これでラヴァーナルの野望は終わる」

 

 山田が呟くと森岡が応える。するとビーコンに変化が起こった。表面に無数の光点が浮かび上がる。それはまるで夜空の星々のようだった。

 

「なんだこれは?」

 

 山田は驚きの声を上げる。すると、ビーコンに文字が浮かび上がった。それは日本語でこう書かれていた。

 

『警告する。これ以上危害を加える事は認められない』

「馬鹿な!なぜラヴァーナル帝国が日本語を使うんだ!」

 

 山田が叫ぶと同時にビーコンにさらなる変化が起こった。表面の光点が一か所に集まり、眩い光線が山田へ放たれる。

 

「山田!」

 

 森岡が叫ぶ。しかし、時すでに遅く光線は山田の脚から上を跡形も無く蒸発させていた。残った山田の両脚が力なく倒れる。

 

「まずい……!」

 

 森岡は踵を返して逃げようとする。しかし月面の低重力下では身軽に動くことはできない。

ビーコンからさらに光線が放たれる。森岡は必死に回避行動を取るが、それも長くは続かない。彼の左腕が光線に触れると一瞬で消滅する。同時に宇宙服の気密が破れ、空気が漏れ始める。

 

 激痛と酸素不足で山田の意識は朦朧とする。瀕死の彼へビーコンは無慈悲に光線を放つ。それは彼の体を消滅させた。

 

「畜生!!」

 

 1人難を逃れた緑山が月面車を走らせる。彼は2人から少し離れた所で映像を撮影し宇宙センターへ中継していた。そのため光線の餌食にならずにすんだのだ。

 

「山田、森岡。すまん……」

 

 緑山は呟くと、全速力でクレーターからの脱出を図る。

 

「種子島! 緊急事態だ。ビーコンの破壊に失敗。山田と森岡が死亡! ビーコンには強力な防衛用設備が備わっていた! 現在着陸船へ帰還中!」

 

 荒い呼吸の合間に何とか通信を送る。しかし彼を見逃すほどビーコンは甘くは無かった。

再びビーコンが眩い光を放つと光線が緑山を襲う。光線は月面車に命中する。

 

「ッ!!!」

 

 声にならない叫びを上げる緑山。光線を受けた月面車は大破し、緑山は月面の灰色の砂の上へと投げ出される。

痛みで呻く緑山。そんな彼へ刺客が放たれる。ビーコン近くの砂の下から漆黒のロボットが現れた。

人型のそれはバーニアを噴かしながら緑山へ接近する。

 

「な、なんだあれは……」

 

 ロボットはビーコンの防衛装置だと思われるが、その形状はまるで人間のような姿をしていた。頭部には6つのレンズ状の目がある。

 

「く……来るな!」

『警告する。これ以上危害を加える事は認められない。お前は排除される』

 

 恐怖で体が動かない。ロボットは何の躊躇いもなく緑山の腹を踏みぬく。

 

「ぐはぁ!!」

 

 激痛に絶叫する緑山。口からは血反吐が漏れる。

ロボットは今度は拳を振り上げると彼の胸へ振り下ろす。その衝撃は骨と内臓を破壊し、緑山の口から鮮血が噴き出る。

 

「うげぇ!」

『警告する。これ以上危害を加える事は認められない。お前は排除される』

 

 緑山のヘルメットの顔面が砕け、脳梁混じりの血が月面に滴り落ちる。

 

『排除排除排除排除排除』

 

 彼の肉体は既に肉塊と化してもまだロボットは無機質な音声を流しながら、拳を打ち込み続ける。

こうして日本のラヴァーナル帝国のビーコン破壊ミッションは失敗におわった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 アニュンリール皇国オラナタ城。

皇帝ザラトストラは日本のラヴァーナル帝国のビーコン破壊ミッションの顛末についての報告を受けていた。

「日本の月面ビーコン破壊作戦は失敗に終りました」

 

 ザラトストラの前で老秘書が報告する。

 

「当然の結果だ。ビーコンが無防備なわけが無かろう。日本人は阿呆だな」

 

 ザラトストラは玉座に座り、そう吐き捨てた。その顔には馬鹿にしたような笑みが浮かんでいる。

 

「もし爆薬で爆破したとしても、ビーコンは絶対破壊不可能です」

「あれは爆弾ごときで破壊できるような代物ではない。無論魔法でも不可能だ。開発、設置したラヴァーナル帝国自身ですら破壊不能な代物だからな。破壊する方法はただ一つ、反物質による対消滅反応しかない」

 

 老秘書の言葉にザラトストラはそう答えた。

 

「今回の件は日本にとって良い薬になったことだろう。自惚れていた奴にはな」

 

 ザラトストラは面白そうに言った。

 

「さて、次の一手に移るとしよう」

 

 彼はそういうと、壁の地図へ歩み寄る。

 

「陛下、次はどの国を攻めるのですか?」

 

 老秘書が問う。

 

「次はアルタラス王国だ。あそこは魔石資源が豊富だ。ぜひとも手に入れたい」

 

 ザラトストラは地図上のアルタラス王国へペーパーナイフを突き刺した。

 その瞳には野心の炎が燃えていた。

 

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