日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた   作: まっこーける

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40 野望の大陸4

 

 グラ・バルカス帝国。陸軍兵器開発局。

 

 新型戦車の試作車が収められている格納庫へ向かいながらボーグ少将は考える。

 彼はレイフォルで日本の捕虜になった後、戦後グラ・バルカス帝国に帰国していた。

帰国後、彼は少将の階級も剥奪されるもだと思っていた。しかし帰国した彼を皇帝グラ・ルークスは、異例の事ながら少将の階級のままで続投させることとした。

 

「ボーグ少将、貴官はよく戦った。レイフォルでの攻勢作戦は失敗し、多くの将兵が命を落としたが貴官の指揮があったからこそ今まで戦い抜くことができた」

 

 グラ・ルークスはそういうと彼に礼を言うのだった。

彼がなぜ降格を免れたのかはわからない。だがボーグは自身の力が皇帝に認められたような気がして嬉しかったし誇らしくもあった。

 

「いえ、私は敗軍の将に過ぎません。陛下のご期待に沿えず、申し訳ございません」

 

 ボーグは謙遜して答える。

 

「何を言うか。貴官がいなければレイフォルでの戦いはもっと厳しい状況だっただろう」

 

 皇帝の言葉にボーグは恐縮する。彼はその事を誇りに思ったし、この方のためなら命を投げ出す覚悟があった。

 

「本来なら降格する所だが……貴官はこれからの戦いに必要だ。日本の機甲師団と戦い生き延びた経験はラヴァーナル帝国との戦争でも必ず役に立つだろう。よって貴官は少将の階級を維持させ、新たな任務を与える」

「新たな任務とは一体どのようなものでしょう」

 

 ボーグは問うた。

 

「貴官には新型戦車開発の任を与える。新型戦車に貴官の知見を活かせ」

「はっ! ご期待に沿えるよう全力を尽くします」

 

 ボーグは皇帝の命令を受諾した。

 

「残念ながら貴官の戦車指揮官の任は解く。全くの処罰無しというわけにはいかんからな。まぁしかし、これは形だけのものだ。新型戦車が配備されたら、再び戦車部隊指揮官の任に就いてもらう」

 

 グラ・ルークスの言葉にボーグは頷く。

 

「畏まりました」

 

 皇帝陛下とのやり取りを思い出しながら、ボーグは格納庫へと歩みを進める。彼は新型戦車の開発だけでなく既存のラーチャー戦車の改良にも取り組んでいた。

 

 改良された点は主に2つ。1つは装甲の強化である。

車体と砲塔に増加装甲を追加。これによって重量は38トンから42トンへ増加したもののエンジンも出力を改良した物に換装したため機動力は落ちていない。

 2つ目は攻撃力の強化だ。ラーチャー戦車は66口径84ミリ砲を装備していたが、これを新開発された105ミリ

戦車砲に変更した。これはタングステンAPDS使用時は距離1000メートルで330ミリもの貫通力を誇った。これらの改良によりラーチャー戦車は一応の近代戦に耐える性能を持つようになった。

 

 ボーグは新型戦車が収められている格納庫の前で止まる。

 

「さて、私の新たな戦車はどのようなものになったのか……」

 

 彼は格納庫の扉を開ける。そこにはボーグの予想を超える新兵器があった。

 

「……こ……これは!!」

 

 目の前に佇むそれを目にし、ボーグは驚愕で目を見開くのだった。

 

「ボーグ少将、お待ちしておりました」

 

 ボーグを出迎えたのは眼鏡をかけた初老の男、リヒテル社の開発主任だ。

 

「どうぞご覧ください。まだ試作段階ですがこれが新型戦車『イクシオン』です」

 

 彼は誇らしげに新型戦車をボーグへ紹介する。その戦車は全体的に姿勢が低く、扁平な印象を受ける。ラーチャー戦車と比べると明らかに洗練さを感じるフォルムであった。そして避弾経始が考慮された鋭く傾斜した砲塔からはあきらかに105ミリ砲よりも長大な砲が突き出ていた。

 

「おお! これが新型戦車か!」

 

 ボーグは感嘆の声を上げる。

 

「はい、この『イクシオン』こそグラ・バルカス帝国が誇る新時代の戦車なのです。まぁ砲は今はダミーを載せていますが」

 

 リヒテル社の開発主任は誇らしげに言った。

 

「なるほど、確かに素晴らしいフォルムだ。搭載予定の主砲の口径は?」

「120ミリです。技術ガチャで得られた情報を元に開発されて新型砲です。特徴としては砲身にライフリングが施されていない、滑腔砲となります。だがこれに使用する砲弾……装弾筒分離式翼安定徹甲弾の開発が難航しておりまして。これが実用化できれば間違いなくラヴァーナル帝国の戦車に対抗できます」

 

 開発主任は自信を持って言った。

 

「すばらしい! まさに俺の様な戦車屋の理想が具現化した物だ! なるべく早いうちに量産してほしい」

ボーグは興奮した様子で言う。

 

「はい、分かっております。閣下の期待に沿えるよう頑張ります」

 

 リヒテル社の開発主任はそういうと、新型戦車の仔細についてボーグへ話はじめた。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 ロデニウス大陸。クワ・トイネ国。自衛隊演習場。演習林の中を、3人の普通科隊員が隊列を組んで走っていた。迷彩服に身を包み、20式小銃を抱えた自衛官たちが列を組んで演習場を走る。だが奇妙なことに生きてる人間が走っているはずなのに息づかいが聞こえない。動きは人間と同じだが何か違和感があった。

突然隊列が止まり、小銃を構えて空砲を発射する。銃の発砲音が轟き、マズルフラッシュが迸る。その射線上には同じ普通科隊員がいる。彼らは一様に驚いた顔をした。

 

「訓練状況中止! 状況中止! 停止信号を送れ!」

 

 停止信号が発信され発砲していた自衛隊員は射撃を止める。

 

「これはダメだね。まだ実戦に出せる状態じゃない」

 

 指揮所の中で自衛官の一人がモニターを見ながら言う。彼の視線の先には3人の小銃を持ったまま停止した自衛官があった。

 

「うん、やっぱりまだ無理だよ。やはり敵味方の区別がつかないと難があるね」

 

 別の技官らしき者が言う。

 

「やはりフレーム問題がネックになるか……」

 

 モニターに映っている3人の不自然な自衛官。それはロボットだった。迷彩服と鉄帽を着せ動きは人間そっくりだが、顔にはセンサーのレンズが光っている。

 

「普通科の装備をそのまま流用できる人型ほうが楽だと思ってね」

 

 開発担当者は説明を続ける。ロボットの開発は日本のロボット工学では極めて先進的だった。それは他国の追随を許さないほどの物だ。

しかしそれでも実地試験を行うと様々な問題が出てくるようだった。

 

「やはり実際に動かしてみないとわからんもんだね。せっかく銃を持たせて敵味方を判別するようにプログラムしたのになぁ……」

 

 自衛隊は開発初期段階の戦闘用ロボットを自衛隊に試験配備していた。今回の演習は、そのロボットに小銃を装備させての実地試験だった。

少子高齢化が進み労働人口の慢性的な不足は自衛隊のみならず日本全体にとって深刻な問題だった。自衛隊では既に無人車両や無人航空機などこれまでの戦場で活用している。

今までは前線での戦闘にロボット兵を投入するのは時期尚早と判断され、まだであったが、転移後の連続する戦争によりそうも言っていられない状況となり、将来的なロボット兵配備に向けた試験が今行われている演習だ。

 

「まだまだ、問題は山積みですなぁ……」

 

 技官の一人がため息をつく。ロボット兵の実用化にはまだ時間がかかりそうだった。

 

「ロボット兵の実用化より、パワードスーツのほうが実用化は早そう

じゃないか? AIに任せのロボットよりやはり中に人間がいたほうが柔軟性がある」

 

 別の技官が軽口を叩く。

転移により地球にはないミスリルやアダマンタイトなどの様々な新物質が発見され、そのお蔭で今までは実現不可能とされていた技術が次々と可能になったのだ。

例えばより効率的なエンジン。新型の全個体電池。ナノテクノロジー。

それらが組み合わさり、日本の製造業は転移前以上の光を放っていた。

そんな日本が誇る技術の1つにエクソスケルトンがある。その名の通り人工筋肉や駆動モーターなどを備えたパワーアシスト装置だ。

 

 自衛隊では既に水陸起動団で配備されているが、このエクソスケルトン技術と新物質を応用し、全身を装甲で覆いながら各種火器を装備し、生身の兵士を上回る戦闘能力をもつ装甲歩兵の研究開発が行われていた。

現状ではまだ実用化にはいたっていないが、研究は進んでいる。いつかエクソスケルトン技術をベースにした装甲歩兵が、来たるラヴァーナル帝国との戦争で暴れまわる日が来るかもしれない。

それを考えると技官たちは俄かに戦慄するのだった。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 日本国、東京。首相官邸会議室。

首相官邸の会議室では定例会議が開かれていた。出席しているのは日本の国家運営に関わる主要閣僚たちである。

 

 政財官の主要人物が集まり、重く深い空気に包まれていた。ラヴァーナル帝国の復活の道標でもある月面のビーコンの破壊に失敗。これは日本にとって大きな誤算であった。

 

「再度のビーコン破壊作戦の可否を問う。どうだ?」

 

総理が全員を見渡しながら問う。

 

「ロケットの準備だけでも一年以上、すぐの実行は不可能です。月面での戦闘もラヴァーナル帝国に分がある以上、成功の見込みは薄い。月面のビーコン破壊作戦は中止すべきと考えます」

 

 防衛大臣が答える。彼の言う事は全くもって正論だった。

 

「作戦中止……か……」

 

 首相は、力なくつぶやく。それに内閣一同に重たい空気が立ち込める。

 

「月面ビーコン破壊作戦の中止はやむを得ないだろうな」

「地上にあるビーコンもおそらく月面のと同じ防衛システムが備わっているだろう。今にして思えばこの世界の伝承を信じるべきだった。曰く、それは金剛不壊であり、近づく者に災いを齎す……と」

 

 総理の言葉に、外務大臣が伝承を引用して言った。

 

「総理、これ以上宇宙飛行士という貴重な人材の犠牲は許容できません、破壊作戦の中止を決断したほうがよろしいかと……」

 

 防衛大臣は揺るぎない決意をもって告げる。

 

「……わかった」

 

 しばし黙考した後、総理はため息と共に言うと立ち上がった。

 

「月面ビーコンの破壊これで打ち切る! 犠牲となった3名の宇宙飛行士に哀悼の意を」

 

 その場の全員が立ち上がり、黙礼した。

 

「では、次の議題に移ろう」

 

 その議題はベスタル大陸に集結しつつある正体不明の軍についてであった。

 

「衛星からの分析によりますと、正体不明の軍がベスタル大陸に集結しています。これはあきらかに周辺国への侵攻を企図した動きと推察できます」

 

 防衛大臣が衛星写真を片手に説明する。

 

「正体不明の軍についてだが、どこの国か分かったかね」

 

 防衛大臣の説明に、総理は質問する。

 

「いえ、それが……まだ判明していません。国旗や軍旗の類も確認されておらず、完全に判明していません。周辺国と合同で調査を行っていますが、今のところは正体不明という結論であります」

 

 防衛大臣の報告に、会議の場は重い空気に包まれる。

 

「では何か!? そいつらは海賊やテロリストの類なのかね?」

 

 外務大臣が発言する。

 

「ベスタル大陸に集結している軍勢は、近代的な艦艇や輸送艦、さらには空母らしき艦までもが衛星から確認されている。そんなものを運用できる海賊やテロリストがいるか? あきらかに国家が絡んでいるとしか考えられないではないか」

 

 防衛大臣が外務大臣に対して反論する。

 

「ではその国家とはどこのどいつなのかね? 」

「完全な憶測になりますが、件の軍は南方から来ているとのことです。南にはアニュンリール皇国があります。正体不明の軍はアニュンリール皇国と何らかの関係があるのではないかと……」

 

 防衛大臣が憶測を述べる。アニュンリール皇国は日本からしてみれば謎多き国であった。高い技術力を持ちながらもそれを隠す振る舞いをみせる。日本の情報機関もその正体を掴む事が出来なかった。

 

「所属不明の軍の正体はひとまず置いておくとして、その侵略先はどこなのだろうか」

 

 総理が防衛大臣へ問いかける。

 

「分かりません。しかし軍勢のなかには輸送船が多数含まれているので、渡洋作戦を計画中なのではないかと。おそらくベスタル大陸の近隣であるアルタラス王国やパーパルディアの可能性があります」

 

 防衛大臣の報告に会議場は静まり返る。その静寂を破ったのは総理だった。

 

「我が国への侵略の可能性は?」

「その可能性は低いと考えます。ベスタル大陸から日本は遠く、確認されている輸送船だけでは数が足りません」

 

 防衛大臣の発言に総理は同意の意を示す。

 

「アルタラスやパーパルディアが侵略を受けた場合我が国はどのような対応をとるべきでしょう?」

 

 別の閣僚が質問する。

 

「アルタラスやパーパルディアと日本は防衛協定を結んでいません。従って彼らが侵略を受けた場合、我が国はアルタラスやパーパルディアに対して防衛義務を負わないと考えます。しかし、アルタラスやパーパルディア周辺が戦争状態となりますと、海上交通路が脅かされる恐れがあります。それ故に防衛大臣としては日本の国際的地位を考慮し、有事の際には自衛隊による仲介を行うべきだと考えます」

 

 防衛大臣の報告に、出席者たちは納得する。

 

「アルタラスやパーパルディア含む第3文明圏の国々に対してこの事態を説明すべきだ」

「それは時期尚早でしょう。不確定要素が多い今の段階で第3文明圏の国々を不安にさせるべきではありません」

 

 防衛大臣の発言は外務大臣によって反論される。

 

「しかし自衛隊だけで解決できる問題ではないぞ? 第3文明圏の各国に対して事態の説明を行うべきだ!」

防衛大臣は強弁する。

 

「落ち着きたまえ」

 

 総理が会議場を制した。この場にいる全員が総理へ視線を向ける。

「いずれにしても今は情報が不足している状態だ。引き続き情報収集を行いつつ、アルタラスとパーパルディアと情報共有を行う。さらに有事の際には日本が仲介を行う声明を出す事にしよう」

 

 総理の指示に皆が頷く。会議が解散される。その後、日本国は第3文明圏各国とアルタラス王国、パーパルディア皇国の大使を官邸へ呼び、事態の説明を行うことになったのだった。

 

 この会合には各国のマスコミも参加していたため大々的に報道されることになる。

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