日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた   作: まっこーける

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41 蠢動

 

 アニュンリール皇国皇都マギカレギア。皇帝ザラストラは居城にて日本の声明を聞いていた。魔導テレビから

流れる音声は日本の官房長官のものだ。

 

「我が国としては近頃、ベスタル大陸周辺を騒がしている正体不明の軍勢に対処するため周辺国と共同で事態の解決にあたりたいと考えています。万が一正体不明軍との武力衝突が起きた場合は、自衛隊に防衛出動を命じる予定です」

 

 日本国の官房長官が淡々と宣言している。その発言はこの第3文明圏各国に希望をもたらすものだった。

 

「やはり日本が動いたか」

 

 アニュンリール皇帝ザラストラは思わず声を漏らす。

 

「アルタラス侵攻を中止しますか?」

 

 宰相メネラスがザラストラに問う。

 

「計画に変更はない。予定通りアルタラス島を劫奪する。日本への対処はすでに火種を蒔いた。あとは実行に移すだけだ。日本とてロデニウス大陸で騒ぎが起きればそちらへ注力せざるをえまい。」

 

 皇帝の発言にメネラスは頷いた。

 

「ではすぐさま開始を?」

「ああ、ロデニウスでの作戦を開始しろ」

 

 ザラストラは冷徹に命令した。ロデニウス大陸で陰謀が蠢動する。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 ロデニウス大陸。クワ・トイネ公国南部の海岸。深夜。

 

 奇妙な物体が浜に鎮座していた。潜水艇のような形状をしており、その下部には履帯が生えている。船体の色暗い藍色だった。その物体のハッチは開いており、そこから2人の男が這い出てきた。

 

「周囲の安全は確保完了。」

「ふむ……。」

 

 男たちはアサルトライフル構え、辺りを見回しながら言う。あたりは暗く人影は見えない。月の光だけが頼りになるのみだ。

 

「では作戦を開始するとしよう」

「はい」

 

 男2人は船内へ引っ込む。そして船から何かを引っ張り出した。それは一見すると大きな金属の箱だった。男が箱のボタンを押すとそれは変形し、4つの脚をもつ犬型のロボットになった。

2人の男は犬型のロボットへ荷物や積んでいく。彼らは沖の潜水艦から切り離された海底戦車とも言うべき履帯つきの潜水艇で、クワ・トイネの海岸に潜入していた。

 

 彼らはアニュンリール皇国の特殊工作部隊、『第零特務隊』である。その任務は世界中における諜報活動や破壊工作など多岐にわたるが、今回の任務はクワ・トイネ公国内にあるラヴァーナル帝国の魔物製造施設の起動だった。

 

 第零特務隊の2人はもう1機、大型の犬型のロボットを起動させる。その背中にはまるで棺桶のような物体が括り付けられており、表面にはADEM.no8と表記されていた。

 

「作戦開始だ」

 

 男の1人バージル大尉が静かに宣言する。それにもう1人の男、ロコリー中尉は無言で頷いた。

第零特務隊2人の特殊工作員と2体のロボットが動き出す。その姿は幽鬼のようにすぐさま闇夜へ消えた。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 海岸より1日ほど歩いて第零特務隊の2人が魔法帝国の遺跡に到着する。その遺跡は魔法帝国時代の施設であり、多くの魔物が巣くっている危険な場所である。しかし第零特務隊の2人は臆することなく、遺跡へ歩を進める。外観は草木に覆われて一見するだけではそれと分からないほど朽ちていた。

遺跡の入り口付近には数匹のゴブリンが徘徊していたが、そのゴブリンたちへ犬型のロボットが飛びかかる。ロボットは前脚の鋭い鉤爪で次々とゴブリンを切り裂いた。

 

「脆い生き物だ。銃を使うまでもないな」

 

 バージル大尉は冷徹に言う。

 

「こいつらは使い物になりませんね」

 

 ロコリー中尉は銃を構えたまま、冷めた目で言った。

 

「ああ、早くコントロール室へ行こう」

 

 バージル大尉とロコリー中尉は、ハンドライトの明かりを便りに遺跡内部へ進む。遺跡の外観はボロボロだったが内部はそれはど風化は進んでいない。保存魔法と時間遅延魔法のお陰だ。そして、しばらく進むと大きなアダマンタイト製の大きな対爆扉が見えてきた。

 

「ここだな」

 

 バージル大尉がつぶやくとロコリー中尉は扉脇へ立ち、パネルを操作しパスコードを入力する

すると扉は埃を舞い上げながら開いた。

ロコリー中尉が先行しハンドライトで室内を照らす。部屋の中には多数のコンソールや装置があった。

 

「おそらく稼働可能です」

「さすが我が父祖たち。素晴らしい魔法技術力だ」

 

 バージル大尉は感心し埃っぽい部屋を見回す。ここはこの遺跡……否、生物兵器製造プラントのコントロール室だ。遥かな太古ラヴァーナル帝国とインフィドラグーンが戦った、竜魔戦争時代からの代物だ。その戦争のために作り上げた生物兵器の生産をこの施設が担っていたのだ。

 

「まずはここのジェネレーターのチェックだ」

 

 バージル大尉はコンソールを操作し始める。すると起動音が鳴り響き、室内に明かりが灯った。

 

「エネルギーに問題はなさそうだ」

 

 バージル大尉はコンソール上で素早く指を動かし、施設の機能を復旧していく。

 

「まだ、完全な復旧はできないが、生物兵器製造プラントの機能に問題はない。全機能の復旧まで2、3日といったところか」

「了解、施設の機能回復に努めます」

 

 ロコリー中尉は敬礼する。彼らがアニュンリール皇国から与えられた任務、それはこの施設を使って生物兵器を生産し、クワ・トイネ公国とその隣国クイラのインフラを攻撃・破壊するというものだ。クワ・トイネとクイラは日本とって重要な食料や石油、鉱物資源の供給源だ。もしそれらが破壊されれば日本国の経済は深刻なダメージを受けてしまう。当然日本はこの事態に自衛隊を出動させ、クワ・トイネとクイラの防衛にあたるだろう。しかし、それはアニュンリール皇国にとっては好都合だ。

 

 日本がクワ・トイネに気を取られている隙にアニュンリールはアルタラス王国へ侵攻し、征服する。

アルタラスなどアニュンリールにかかれば2週間で完全制圧できる。それまでこの施設を使ってロデニウス大陸を混乱させ時間を稼げればよいのだ。

 

「よし、施設内の点検を急げ。そののち作戦計画の作成と準備に取り掛かるぞ。それと例のアレの準備もだ」

 

 バージルはそう言って部屋の隅に置かれている例のADEM.no8と表記されている棺桶――否、保存カプセルを一瞥する。

 

「了解しました」

 

 ロコリー中尉は頷き、施設内の点検に向かった。バージル大尉は再びコンソールへと向かい、施設の復旧作業に取り掛かった。

2人の工作員は薄暗い施設内で蠢動する。破壊と混乱を撒き散らさんがために……。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 ロデニウス大陸。クワ・トイネ公国南部ドチェの町。

 

 クワ・トイネ南部は魔法帝国の遺跡群が多く存在し、一攫千金を夢見る冒険者たちが多く訪れる場所だ。ドチェの町はそんな冒険者たちの一大拠点であり、多くの冒険者たちが集い、その活気で溢れていた。そんなドチェの町の酒場にて。

 

「なあ聞いたか? 最近この近くで新種の魔物が現れて、この近くを荒らしまわってるらしいぞ」

 

 そう同じパーティの仲間に話すのは戦士然としたエルフの男だ。彼の名はレフト。

ドチェの町をホームとする冒険者だ。彼はベテランの冒険者でこれまで幾度と無く遺跡調査に参加し、貴重な魔法帝国の遺物を回収し、様々な魔物の討伐を行ってきた。

 

「その話俺も聞いたぜ、レフトの兄貴。なんでもかなり手強い魔物らしいぜ」

 

 レフトの言葉に反応したのは犬の顔をした男の亜人であった。この犬顔の亜人はレフトと同じくベテラン冒険者であり、レフトのパーティの一員だ。彼の名はタック。彼もまたレフトと共に幾度と無く冒険に参加し、貴重な魔法帝国の遺物の回収依頼や魔物討伐してきた。

 

「その魔物はゴブリンに似ているらしいが、かなり手強いのか?」

 

 レフトはタックに問う。

 

「ああ、なんでも普通のゴブリンとは比べ物にならないくらいデカくて強いそうだ。しかも群れで行動しているらしい。一昨日もこの近くの農村が襲われて、農民が大勢殺されたらしいぜ」

 

 タックは苦々しい表情で答えた。

 

「マジか……そいつはかなり凶悪な魔物だな」

 

 レフトは顔を歪める。ドチェの町周辺にはいくつもの遺跡がある。そのため、そこを根城とする冒険者や行商人が大勢おり、町には活気が溢れている。しかし、その活気に影を指すような事件だ。

 

「ねぇ、さっきギルドの掲示板を見てきたけど、さっそく討伐依頼がでてたわ。報酬は1体金貨20枚ですって」

 

 そこへ女性魔法使いが話に割り込んできた。彼女はシェロン。レフトたちパーティの紅一点である。彼女の魔法の腕はピカイチで多くの魔物を屠ってきた経験を持つ冒険者だ。

 

「金貨20枚! 破格の報酬だな。かなりの強さなんだろうが……」

「ああ、だがそれだけ危険ってことだな」

 

 レフトとタックはシェロンの言葉に反応する。

 

「でも、この依頼は誰も手をつけてないみたいね」

「そりゃそうだろう、いくら報酬が良くてもそんな危険な魔物討伐なんてやりたがらないさ」

 

 シェロンにそう答えつつ、レフトは考える。

 

(しかし……その魔物を放置すれば町や村への被害がでかくなるだろう)

 

 そんな時だ。町の警鐘がけたたましく鳴ったのは。

 

「な、なんだ!?」

 

 驚く酒場の冒険者たち。次の瞬間、この町の住人が酒場へ駆け込んできた。

 

「た、大変だ! 新種の魔物が攻めてきたぞ!!」

 

 その一言で酒場は騒然する。逃げだす準備をする商人、おろおろする給仕、武器を準備する傭兵など様々だ。

 

「みんな落ち着け!」

 

 レフトが叫ぶ。

 

「俺たち冒険者がいる! このドチェの町に魔物を入れさせない!!」

 

 その言葉で酒場は静まりかえり、一同立ち上がる。そこへギルド職員がやってきた。ギルドの制服に身を包んだエルフの女性だ。彼女は魔導拡声器を手に大声で叫んだ。

 

「冒険者ギルドからの緊急依頼です!! 皆さんの力をお貸しください! 現在この町に向かって未知の魔物の群れが近づいています!町の防衛にご協力していただければ報酬を弾みますよ!!」

 

 その言葉で冒険者たちは、驚きと困惑から一瞬で表情を変えた。皆が一斉に武器を手にし、酒場の扉へ向かって走り出した。

 

「行くぞ!お前ら!」

 

 レフトたちも武器を手にとって駆け出す。仲間たちと共に町を守る戦いへ参加するのだった……。

 

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