日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた 作: まっこーける
イルネティア島東部 アルーカ市の北東部にある海岸沖にムー艦隊は展開していた。戦艦ラ・フィスタンを中心とする、艦隊であり、現在西進中である。
「司令、日本が巡航ミサイルによる攻撃を実施しました。グラ・バルカス帝国の施設は大きなダメージを受けたとのことです」
「そうか。これで奴らの動きも鈍くなるだろう。上陸がやりやすくなる」
ラ・フィスタン艦橋内で艦隊司令官であるレイダー中将は満足げに言った。
「はい、しかしミサイルによる攻撃だけではグラ・バルカス軍を排除できるとは思えません」
「確かにそうだな。だが、日本が本腰を入れてきたことが重要なのだ。それに……」
レイダー提督は続ける。
「これは、我が国にとっても大きな一歩なのだ。これからグラ・バルカス帝国に、我が国の強さを思い知らせてやる」
「はい、仰せのとおりにございます」
「うむ。さあ、もうすぐ海岸が見えるはずだ。まずは、艦砲による攻撃を行う。その後に上陸部隊を展開させろ」
「はっ! 」
「それと、各艦に通達だ。敵が海岸線に出てきた場合は容赦なく砲撃しろ」
「了解しました」
◆◆◆
グラ・バルカス帝国陸軍、アルーカ防衛隊 沿岸砲兵部隊。
この部隊は沿岸砲にて侵攻してくる敵を迎え撃つのが任務だ。彼らの装備している46cm砲はグレートアトラクター型戦艦の予備砲身を転用したもので、威力も射程距離も申し分ない。
さらに戦艦の砲塔のような連装式の回転砲塔が採用されており、砲塔の天蓋は分厚いコンクリートで固められていた。この防御に加え、周囲の陣地には機関銃座が配備されている。
まさに鉄壁の要塞といった様相であった。そんな彼らは今、海岸に迫りつつあるムー海軍に対して、その巨大な砲口をを向けていた。
「目標敵戦艦! 発射準備よし! 」
「撃ェッ!! 」
号令とともに、巨弾が空中へと放り出される。やがてそれは重力によって落下すると、ラ・フィスタンの手前に着弾し、巨大な水柱を2つ作り出した。
「次弾装填急げ! 」
その言葉と同時に、次の砲弾が装填され、照準を合わせる。そして再び発砲。だが、その攻撃は空しく海原を叩くだけだった。しかし、先程の砲撃よりラ・フィスタンの近い場所に着弾する。
「射程、威力ともにこちらの方が有利だ。このまま攻撃を続行せよ! 」
沿岸砲の指揮官は部下たちに指示を出す。彼の言うとおり、グラ・バルカス軍はムー艦隊に対して圧倒的に優位であった。
◆◆◆
「クソッ! なんという巨砲だ。これでは近づけんぞ…」
ラ・フィスタン艦橋でレイダーは呟く。ラ・フィスタンの主砲は38cmだ、射程距離は明らかにグラ・バルカスの沿岸砲に劣っている。46cmの巨砲相手には分が悪かった
「レイダー司令、どうします? 撤退ですか?」
「馬鹿を言うな。我々がここで撤退したら、祖国は滅亡するのだぞ。何としても奴らを撃滅しなくてはならぬ」
レイダーは吐き捨てるように言った。
「しかし、この砲撃の中では……」
「やられるのは覚悟の上だ。とにかく撃ち返せ! 」
「了解!」
ラ・フィスタンの主砲が火を吹く。榴弾は空を切り裂き飛翔し、沿岸砲の手前に着弾した。
「敵沿岸砲、発砲! 」
「怯むな! 射撃を続けよ! 」
「了解! 」
ラ・フィスタンは砲弾は次々撃ちだし、沿岸砲も負けじと反撃を開始する。お互いの砲撃により、海上と陸上に幾重もの爆発が起きる。海面は大きく荒れ狂い、陸も爆煙に包まれる。そしてついに、ラ・フィスタンに1発の砲弾が命中した。爆炎と轟音、爆風が4番砲塔を包み込む。
「被害報告! 」
「4番砲塔に被弾。使用不能です!」
「弾薬庫に注水! 急げ! 」
素早いダメージコントロールによって、ラ・フィスタンは弾薬庫誘爆からは免れた。しかし、被弾した砲塔は完全に破壊されてしまい、もはや使い物にならない。
「くっ!4番砲塔大破……か」
「司令、ここは一度後退して、態勢を立て直すべきです」
「何を言っている! まだ戦いはこれからだ。退くことは許さん」
「しかし、もう限界です! これ以上の戦闘は不利と判断します」
「……」
レイダーは黙った。確かに、彼の言う通り、ラ・フィスタンの攻撃力は大きく落ちた。他艦は巡洋艦と駆逐艦だ。巨砲を備える沿岸砲と戦えるものではないだろう。
「分かった……。全艦に通達しろ。これより撤退する。」
「了解しました。全艦に通達! 撤退せよ! 」
ラ・フィスタン以下ムー艦隊は、撤退を開始した。
◆◆◆
ムー海軍戦艦『ラ・フィスタン』の艦橋内──
「敵があんな巨砲を配備してるとは…… 」
レイダーは歯ぎしりする。
「あの沿岸砲を無力化しないと近づけませんね……」
参謀のひとりがそう言った。
「ああ、そうだな。しかし問題はどうやってあれを潰すかだ。このラ・フィスタンも主砲を以てしても無理があるとは……」
「日本の海自や空自に応援を頼むのはどうでしょう? 」
「彼らだって自軍の支援で精一杯だろう。日本の本国は遥か東にある。今回の遠征は兵站に相当無理をしているらしい。ミサイルなどの弾薬類に余裕があるかわからん」
レイダーはため息をつき、腕を組んだ。
「やはり、我が国だけで何とかするしかないのか……」
彼はそう呟いた後、何かを思い付いたように言った。
「確か、揚陸部隊に自衛隊で訓練を受けた部隊があったな」
「はい、陸上自衛隊のレンジャー課程訓練を修了した者が30名ほど」
「ああ、その部隊を夜間に密かに上陸させて砲台を破壊させるのはどうだろう? その後、我が艦隊が砲撃を加えれば勝てる」
レイダーは自信ありげな表情を浮かべた。
「なるほど、さすがはレイダー司令ですね。その作戦を採用しましょう」
「うむ、さっそく作戦会議を行う」
「了解しました」
レイダーの命令を受け、伝令が艦内を走る。
こうしてラ・フィスタンは静かに夜を待った。
◆◆◆
イルネティア島東部 アルーカ北部── 深夜、月明かりの少ない海上を2艘の短艇が密かに進んでいた。短艇にはムー陸軍の軍服に身を包んだ兵士達が乗り込んでいる。その数30。彼らが、自衛隊で訓練を受けた兵士たちである。
「隊長、本当にこんな方法で上手くいくのでしょうか? 」
隊員のひとりが不安げに尋ねた。その声は少し震えている。
「大丈夫だ。自分達を信じろ」
隊長と呼ばれた男、ベルナール大尉は落ち着いた声で答える。
「しかし、相手はグラ・バルカス帝国ですよ? いくらなんでも……」
「お前たちは訓練通りにやればいい。それだけだ」
「はあ……」
「日本で受けてきた厳しい訓練を思い出せ、俺達ならやれる。それに日本製の装備もあるからな」
「この暗視ゴーグルですか? てっきりミリシアル製のマジックアイテムだと思ってましたよ」
「これは日本で開発されたものらしい。これさえあれば、どんな暗闇でも昼間のように見通せる。だから心配ない」
「へぇ、やっぱり日本はすごいですね」
「もうすぐ上陸地点だ。気を引き締めろ」
「はい! 」
彼らが短艇で進む間、ムー艦隊でも動きがあった。闇夜に紛れて駆逐艦が数隻、浜へ接近し、砲を海岸線へ向ける。
そしてグラ・バルカス軍の陣地へ砲撃を開始する。
次々と砲弾は着弾し、爆発音が響く。
だが、それらは全て狙いが甘く、有効打にはならない。
しかしムーとしてはそれでもよかったのだ。ムーの駆逐艦部隊による砲撃は、ムー陸軍部隊の侵入をより確実なものにするための陽動に過ぎない。しかし、そんな事情を知らないグラ・バルカス軍は、突如として始まった砲撃に慌てふためく。
「何事だ! 」
「ムーの攻撃です! 」
「くそっ! 見張りは何をやっておるか! 」
グラ・バルカス軍が混乱している隙に、ムーの侵入部隊は既に海岸へ上陸していた。
「よし、5人ここに残って退路を確保しろ。俺達が2時間して戻らなかったら全滅したということだ。その場合、お前らはその旨を無線で報告した後、艦へ戻れ」
「了解です」
真っ暗闇の中、彼らは小銃や短機関銃を手に持ち、慎重に歩を進める。その歩みは遅く、非常に慎重だ。だがその足取りは迷いがない、暗視ゴーグルのお陰だ。
やがて、彼等はグラ・バルカス軍の陣地にたどり着いた。
有刺鉄線の向こうに歩哨の姿が見えるが、その所作は落ち着かない。おそらく先程のムー駆逐艦の砲撃のせいだろう。
「止まれ。俺がやる 」
暗視ゴーグルをつけたベルナールが小声で言った。
ベルナールがボルトアクションライフルの銃口を歩哨へと向ける。これは銃身を切り詰め一体型サプレッサーが装着された特殊戦用の銃だ。
彼はその銃の引き金を躊躇無く引いた。
発射された特殊な亜音速弾は、歩哨の胸を貫通する。彼はゆっくりと倒れた後、二度と起き上がることは無かった。
「おやすみ」
ムー陸軍の突入部隊は、ゆっくりと有刺鉄線をワイヤーカッターで切断し、陣地内へと侵入。敵兵を静かに排除しながらコンクリートで固められた塹壕にそって移動する。
しばらくすると、バンカーが見え始める。おそらく守備兵が大勢詰めているだろう
「隊長……あれに見つからずに進むのは無理そうです」
隊員のひとりが言った。
「そうだな、バンカーを制圧する。敵兵がいたら殺せ」
「はい」
「いくぞ……突入!! 」
ベルナール達は一斉にバンカー内へ突入する。
「誰だ! 」
突然現れたムー陸軍部隊に、グラ・バルカス兵は驚愕した。
そんなグラ・バルカス兵へ向かってサプレッサー付きの拳銃や短機関銃から弾丸が次々と撃ち込まれる。
「ぐわあっ! 」
「ぎゃあ! 」
悲鳴をあげながらバタバタと倒れるグラ・バルカス兵。
「この……! 」
「全員伏せろ!」
瀕死のグラ・バルカス兵が、死に際に自動小銃を乱射する
激しい銃撃音と共に、ムー陸軍の2名が血飛沫をあげて倒れていく。
「ちくしょう! 今ので他の奴らに気付かれたぞ 」
「隊長、ここは危険です。撤退しましょう! 」
「馬鹿野郎、撤退なんかできるか! 俺達がここで撤退したら、誰が沿岸砲を破壊するんだ? 」
「しかし、全滅しますよ! 」
「命に替えても任務を遂行する。強行突破だ! ここからはスピード重視で行く」
「隊長ならそう言うと思ってましたよ。地獄までお供します」
「派手に暴れてやろう」
2人はニヤリと笑う。そして、ムーの兵士たちはそれぞれの武器を構え、バンカーから飛び出していった。
◆◆◆
「後もう少しで沿岸砲に辿り着く! 皆頑張るのだ! 」
ベルナール大尉は敵から奪った自動小銃を撃ちながら部下たちに激を飛ばす。
ムー陸軍部隊の侵入により、グラ・バルカス軍の混乱は頂点に達しようとしていた。
「おい! 何だあいつらは! 」
「ムーの特殊部隊だ! 撃て! 」
「くそっ! 」
暗闇の中で混乱は広がり続ける。
そんな中、ムー陸軍部隊の進撃は続く。そして遂に彼らは、目標である沿岸砲の砲塔基部へ到達する。
「よし砲塔内へ突入する! 援護しろ! 」
ベルナールが叫ぶ。彼の部下達は間断なく射撃を続け、グラ・バルカス兵を牽制する。
「手榴弾!」
ベルナールは腰のポーチからグレネードを取り出し、ピンを抜いて投擲する。
それは弧を描き、沿岸砲塔内へ転がっていく。次の瞬間、くぐもった爆発音が響き渡った。
彼らは入り口から次々に手榴弾を投げ込み、さらに銃で掃射して内部の敵を殲滅していく。
「突入!」
彼らは次々と内部へ侵入し、グラ・バルカス兵を殺傷していった。
「よし、制圧した。爆破準備を急げ」
「了解です」
ムー兵が、爆薬を仕掛けていく。
全ての作業が終了しかけた時だった。内部に1発のグラ・バルカス製の手榴弾が飛び込んできたのは。
「手榴弾だ! 」
「うおおおお」
1人の兵士が投げ込まれた手榴弾へ覆いかぶさる。
その刹那、凄まじい爆裂音とともに、彼は真っ二つになり、辺りに臓物を飛び散らせた。
彼のお陰で破片の飛散が抑えられ他のムー兵士は無傷であった。
「シャルイ!? 」
「なんてこった。シャルイが……クソッ隊の中で一番若い奴なのに!」
「ああ、勇敢な奴だった」
仲間の死を嘆きながらもムー兵は手を止めない。素早く爆弾を設置し、起爆装置をセットする。
「設置完了しました」
「よし、撤収だ」
ムー兵の部隊は、撤退を開始する。だが、すでに遅かった。辺りはグラ・バルカス兵らに包囲されていた。
「隊長…囲まれています」
「……もはや生きて帰れないか」
ベルナール達は覚悟を決める。
「タイマーをセットしろ!1分後に起爆させる」
「はい!」
「すまんなお前達。生きて帰してやれなくて」
「いえ……我々は、祖国のために死ぬことが本望であります。隊長、向こうで会いましょう」
「ありがとう」
その時、扉の外から声がかかる。グラ・バルカス帝国兵の声だ。
「ムーの兵士に告ぐ。 降伏しろ。お前たちに戦い振りは見事だった。今ならまだ間に合うぞ。
全員、将校の捕虜待遇を約束しよう。無駄な血を流すことはない」
ベルナール大尉は笑って答える。
「糞くらえ。もう既にタイマーを起動させた。あと少しでドカンだ。皆まとめ天国まで吹き飛ぼうぜ」
「何だと!? 正気かお前ら! 全員突入! 何としても爆破を阻止しろ!」
グラ・バルカス兵らが起爆を止めるため一斉に雪崩こんでくる。
激しい銃撃戦の最中、ついにカウントが0になる。
激しい閃光があたりに満ちた次の瞬間、轟音と共に巨大な火柱が立ち昇る。46cm砲の砲身が宙を舞い、天衝く黒煙が白み始めた空を焦がす。
ムー陸軍部隊の決死の攻撃により、グラ・バルカス軍の沿岸砲は破壊されたのである。
◆◆◆
「おぉ! やったぞ! 」
戦艦ラ・フィスタンの艦橋内。グラ・バルカス軍の沿岸砲が盛大に吹き飛ぶ様を見て、双眼鏡を手にしたレイダーが叫ぶ。
「はい、彼らは成し遂げてくれました。しかし……」
幕僚の1人が言い淀む。
「どうした? 」
「つい先ほど海岸に残り退路を確保していた兵から無線が入りました。ベルナール大尉以下、全員が戦死との報告です」
「馬鹿な……」
「彼らは命と引き換えに任務を全うしました。見事な最期でした」
「そうか……。彼らの犠牲のを無駄にするわけにはいかん。既に夜は明けはじめている。上陸部隊を揚陸させ海岸を制圧するのだ」
「はっ!」
◆◆◆
ムー特殊部隊の侵入、それに続く沿岸砲の喪失は海岸線を守るグラ・バルカス軍将兵を混乱状態に陥れた。
それに追い打ちをかけるように払暁と共に現れたラ・フィスタン以下、ムー艦隊が艦砲射撃を敢行。これによりグラ・バルカス軍は完全に浮き足立つ。
その隙にムー陸軍主力部隊が浜へ上陸。未だ頑強に抵抗するグラ・バルカス軍陣地を犠牲を払いながらも攻略し、制圧していく。
そして遂に海岸のグラ・バルカス軍陣地にムー国旗が翻ったのであった。
次回はミリシアル編になる予定です