日本国召喚 AIに二次創作を書かせてみた 作: まっこーける
ムー国首都、オタハイト。ムー統括軍司令部の一角を間借りする形で設置された自衛隊ムー派遣部隊――陸海空の自衛隊統合任務部隊であるJTFムー本部では、今後の作戦について話し合われていた。
「まず、現在の戦況の確認を行いたいと思います」
司会役の運用幕僚、小松一佐の言葉に出席者全員が真剣な表情を浮かべた。
「現在、我々はイルネティア島の東部の航空優勢を確保しています。しかし西部は未だ航空優勢を確保しきれていません。これは空自保有機の戦闘行動範囲が空中給油を以てしてもギリギリであるためです。それを補うためにいずもにF-35Bを搭載し空中哨戒に当たらせていますが、いずも搭載のF-35は機数が少なく完全には航空優勢を確保しきれていません」
いずものF-35は戦闘空中哨戒に敵防空網制圧、航空阻止と八面六臂の活躍をしている。しかし、いずも搭載の12機ではやはり限界があるのだ。
「つまり、イルネティア西部の航空優勢は確保できていないのか?」
JTFムー司令官の三浦陸将が質問をする。彼は知将として名を馳せている人物であり、今回の戦争でも的確な指揮を執っていた。
「はい。残念ながら。西部の航空基地にも巡航ミサイルによる攻撃を行いましたが、完全に機能を奪うには至っておりません。ただ、いずもの航空隊が奮戦しているおかげで敵の反撃は鈍化しています」
「そっかー」
「そこで、私は提案します。イルネティア西部の敵航空基地に空挺部隊を降下させ、敵を一気に叩くべきです」
「あ、おい、待てい。航空優勢が確保できてないのに空挺降下なんて自殺行為だゾ。第2次大戦レベルの敵でも油断してはいけない。ましてや、アルーカに橋頭保を確保したばかりだ。そんな事したら空挺団は包囲されて終わりだぞ」
本来、イルネティア西部のへの航空攻撃はミリシアル海軍の空母航空部隊が担当する手筈になっていた。だが、緒戦のグラ・バルカス帝国軍の攻撃により空母を喪失したため、航空優勢が確保できていない、という状況なのだ。
「ここまでミリシアルが不甲斐ないのは予想外だったな。あの国はプライドだけは高いから、面倒臭いことになるだろう。まぁそれはいい。それより問題はイルネティアの西部の制空権を確保することだ。その点どう考えているんだ? 小松君」
「確保したアルーカから既に中SAMなどの重装備の揚陸が始まっています。これを西進させれば敵航空戦力の跳梁は阻止できるでしょう。さらにアルーカ沖にはイージス艦が展開しています。これと協働すれば、西部方面の制空権を早期に確立できます」
「お、そうだな。それで西部への進撃ルートは? 」
「はっ。我がJTFはイルネティア攻略戦における最重要拠点、首都キルクルスを制圧しなければなりません。その為にはまずイルネティア島中部にある都市、イフォスを攻略する必要があります。この都市は、キルクルスとアルーカを結ぶ要衝であり、ここを制圧する事は、キルクルスの攻略上非常に重要な意味を持ちます」
「うむ。続けてくれ」
「イフォス攻略で重要になるのは、アルーカ、イフォス間に広がるゲンゲンダ平原です。ここは機甲戦力が展開しやすい地形となっており既にグラ・バルカス軍の装甲部隊が展開中です。また、平原の南に位置する丘陵地帯も問題です。ここに砲兵を配備すればゲンゲンダ平原を射程に収める事ができるのです。現にグラ・バルカス軍の重砲部隊が配備されているのがUAVによる偵察で確認されています」
「ふぅん。で、どうやって突破する? 」
「はいゲンゲンダ平原の敵部隊には第8戦車大隊を中核とした戦闘団で対応したいと考えています。この部隊は、10式戦車を主力とする部隊です。この部隊をもって敵部隊を機動打撃し、これを殲滅します」
第8戦車大隊は廃止になった部隊だが、国家転移前に勃発した極東の戦争を経て再編されていた。
「なおゲンゲンダの攻勢にはムーも参加予定となっています。ムー国としては、イルネティア島の奪還は必須事項となっているため、是非とも成功させたい作戦となります。よって、本作戦はムー国との共同作戦という側面が強いものとなります」
「それはいいが、丘陵地帯の敵砲兵はどうする?」
「はい。それについては、ミリシアル陸軍と共同で対処したいと思います」
「ミリシアルか……この作戦に賛同してくれるか不安だゾ」
「しかし、現状では他に方法はありません。なんとかミリシアル側の理解を得ないと」
ここで三浦は議題を変えた。
「次にイルネティアへの補給計画はどのような感じだ?」
「はい。正直に申し上げまして、想定よりも遥かに弾薬の損耗が早いペースで進んでおり激しい状況です。食料や水はムー軍が融通を利かせてくれているので何とかなっていますが……」
「兵站の事を考えると頭が痛いな。イルネティアだけではなくレイフォル方面の攻勢も行う予定だからな。民間のフェリーまでチャーターして物資と人員の輸送をしているが、それでも追いつかないとなると……」
「ええ、輸送船団の護衛に海上戦力が割かれているのも辛いところです」
日本の自動車輸送船「DRIVE NEW WORLD」がグラ・バルカスの潜水艦に撃沈された事件は記憶に新しい。
「まぁ仕方ない。今ある物を最大限に活用しよう。幸いにもムー国の協力のおかげでムーの空港が使えるからな。それにしても、ムー国がここまで積極的な支援を行ってくれるとは思わなかったゾ」
「はい。ムー国の協力がなければ、我々はここまで戦えなかったでしょうね」
小松一佐の言葉に三浦は満足げに笑う。
ここで部屋のドアがノックされ、一人の士官が入室してきた。
「失礼します。三浦閣下、ミリシアルとムーとの定例会議のお時間です」
「そうだったな。はぁ……あのミリシアルの将軍にはあんまり会いたくないゾ」
三浦は憂鬱そうな表情を浮かべた。
「さて、行くかな」
三浦は重い腰を上げ、会議室へと向かった。
◆◆◆
「それではこれより、イルネティア島の奪回を目的とした、ミリシアル、ムー、日本の混成軍による共同戦線の構築に関する協議を行いたいと思う」
ミリシアルの軍服に身を包んだ男が声を張り上げる。彼の名はヴァンフリーク。階級は大将である。
「先ずは、イルネティア島の状況について説明させて頂きたい」
彼は、手元の資料を見ながら言葉を続けた。
「現在、我々ミリシアルを中核とした連合軍は、イルネティア島アルーカ市を中心とした東海岸部を制圧済みである。我がミリシアル軍としては、このアルーカ周辺を確保しつつ、首都キルクルスの奪還を目指している。なお、首都奪還は我が国にて亡命政府を樹立したエイテス王子の強い要請でもある」
ヴァンフリークはいったん言葉を切り、周りを見渡した。
「つまりこのイルネティア解放作戦は、我がミリシアル軍が主導で行うものであるという事を今一度肝に銘じておいていただきたい」
ミリシアルはグラ・バルカス軍と戦端を開いてからというもの、碌な戦果を挙げられていなかった。
マグドラ沖海戦に始まり、先進11か国会議の会場であるカルトアルパスを奇襲され、列強1位という対面を傷つけられた。
そして、乾坤一擲の作戦として行われたバルチスタ沖の海戦では世界連合の敗北に終わり、さらには魔法帝国の遺産であるパルキマイラを撃墜されるという有り様であった。
これら一連の敗戦は、ミリシアル帝国にとって屈辱以外の何者でもない。
今回の戦いには、神聖ミリシアル帝国の国威がかかっているのだ。
この作戦でグラ・バルカス軍を撃滅できなければ、ミリシアルは国際社会において失墜するだろう。
その事を考えれば、今回の作戦で失敗は許されない。
「よってキルクルスの解放はイルネティア亡命政府からの要請を受けた我々ミリシアル軍の義務であり、最優先事項となる。諸君にはその点を理解したうえで作戦に参加願いたい」
ヴァンフリークの言葉には『作戦の主導はミリシアルだからお前らは出しゃばるな』といったニュアンスが含まれていた。
「続いて、キルクルスの攻略に関してだが、まずはアルーカの西方にあるイフォスという町を攻略する必要がある。イフォスはイルネティア島の中部にあり、交通の要所となっている。ここを押さえる事はイルネティア攻略上非常に重要な意味を持つ。このイフォスの奪還は、イルネティアの奪還作戦の成否を握るといっても過言ではない」
ヴァンフリークはそこで言葉を切った。
「イフォス攻略にあたり、問題となるのはイフォス東に広がるゲンゲンダ平原である。我が国のゴーレム部隊と日本の航空偵察により、敵車両部隊が展開している事が確認できた。また、平原の南に位置する丘陵地帯には砲兵陣地も確認されている。これらの砲兵部隊を排除せねばならぬ」
「質問よろしいでしょうか? 」
ムー側の将校であるユルバンが手を挙げた。
「なにかね?」
「敵砲兵部隊の排除については、どうなさるおつもりですか? 」
「うむ……。敵の野戦砲は脅威だ。しかし、幸いにもこちらにはゴーレムが居る。これは君たちが使う車両兵器よりも丘陵地帯での運用に適しているはずだ。よって、我がミリシアルの歩兵部隊とゴーレム部隊が、丘陵地帯の敵砲兵を排除を行う。君たちは平原の敵の殲滅に専念してもらいたい」
事前にJTF幹部で話し合った作戦と一致するので三浦は口を挟まなかった。
「他に何かある者はいるかな」
「はい」
今度は三浦が挙手をし、発言の許可を求めた。
「なんだね」
「我々の航空部隊がミリシアルへ地上支援を行います」
「申し出はありがたいが、支援は必要ない。敵砲兵の排除は我々だけで十分だ」
「えぇ……」
三浦は困惑する。
「日本やムーの支援など不要である」
三浦は、ヴァンフリークの言葉に絶句した。
「そもそも支援とは、自国が不利な状況に陥った時に行うものだ。我が国は優勢である。ムーや日本の助けは不要だ」
「それは……」
「とにかく君たちはゲンゲンダ平原の敵部隊を排除してもらいたい。以上で会議は終わらせていただく」
「はい」
三浦は引き下がるしかなかった。
(クソッ! こいつ何様のつもりなんだ?)
三浦は心の中で毒づいた。
もし、ミリシアルが砲兵の排除に失敗すれば、戦線全体が崩壊する可能性すらあったからだ。
(こっちは戦力が少ないんだぞ)
連合軍のイルネティア島解放作戦は危うい綱渡りだった。
◆◆◆
グラ・バルカス帝国首都ラグナ。その一角に存在する軍港では今まさに出征式が行われようとしていた。軍港には帝国海軍の大小様々な艦艇が停泊し、式典会場には海軍将兵が整列する。彼らはイルネティア島へ向かい異世界の連合軍を滅する任務を帯びた者たちである。その壮観さを一目見ようと一般人も多く訪れていた。
「皇帝陛下万歳!! 」
「帝国臣民よ、栄えあれ!! 」
「栄光は我らと共にっ!!」
「帝国万歳っ!!! 」
式典会場となった軍港ではグレートアトラクター型戦艦3番艦、グレートヴォイドの艦上で皇帝グラ・ルークス自らが、壇上に上がり訓示を行っていた。
「諸君は偉大なる祖国の未来を担う存在であり、誇り高き軍人である。今こそ、その実力を存分に発揮するときである。グラ・バルカス帝国の威光を見せ付けるのだ。我がグラ・ルークスの名において、諸君らの武運長久を祈る」
グラ・バルカス帝国海軍の軍服に身を包んだ兵士たちは、一斉に敬礼を行った。
「皇帝陛下に永遠の忠誠を」
「我等、帝国の剣なり!」
「帝国の敵に死を!」
兵士達は口々に叫ぶ。
「帝国万歳、帝国万歳、帝国万歳! 」
グラ・バルカス帝国軍兵士の士気は高い。彼らのみならず式典を見学する観客も熱狂する。
「帝国の命運は諸君らの働きにかかっている。この作戦で世界連合を打ち破り、列強諸国から恐れられし真の強国へと返り咲くのである。そして、世界を支配するのだ」
グラ・ルークスは傍らに立つローゼンメラー提督に声をかける。
「余はこの素晴らしき艦隊の指揮をローゼンメラー提督に一任する。この作戦の成功は、全て貴官の双肩にかかっておると言っても過言ではないであろう」
ローゼンメラー提督は猛将として名を馳せる人物だ。
「ハッ! 必ずや作戦を成功させてご覧に入れます」
「期待しておるぞ」
「御意にございます」
ローゼンメラーは皇帝に向かって最敬礼を行う。そして、式場に整列する海軍将兵に向き直り、声を上げた。
「これより、我が艦隊は出撃する。必ずや勝利を陛下に捧げようではないか」
歓声が上がる中、グラ・ルークスはグレートヴォイドの砲塔上に飛び乗り大声で宣言した
「これより我が国の伝統であるグラ太鼓の演奏を余、自ら行う。勇敢なる戦士たちを余が鼓舞し、戦場へ送り出してやろう。皆の者、余の演奏を聞けぃ! 」
グラ・ルークスは服を脱ぎ払い、褌のみの姿になった。筋骨隆々の肉体が露わになる。彼の肌には無数の傷跡があり、歴戦の勇士を思わせた。
「おおぉ……」
「皇帝陛下の裸体だ」
「素晴らしい筋肉だ」
「皇帝陛下の身体は芸術品だ」
「なんと美しいお姿だ」
「ああ、神々しい」
式場内にいる者達は皇帝を称える言葉を次々に発した。グラ・ルークスは、その言葉に満足したように微笑むと、いつの間にか現れた巨大な太鼓……グラ太鼓を叩き始めた。
「はぁっ!!」
ドンッ!! 裂帛の気合とともに、力強い音色が響く。
ドンッ!! ドォン!!! ドオオン!!! 凄まじい音が鳴り響き、周囲の空気を震わせる。
ドンッドンドコドーンッ!!! ドドドドドドド…………ドンッ! その力強い音は砲声にも劣らぬ迫力があった。
「うおおおおおおお! 祭りだ! 祭りだ! グラ・ルークスフェスティバルだ!」
天に響く程の咆哮を発しながら、グラ・ルークスは太鼓を叩き続ける。その姿はまさに野獣の如し。
「征け!我らが戦士達よ!!栄光ある戦いのために!! 進め!!勝利の為に!」
グラ・ルークスが叫び、演奏が最高潮に達したとき、彼は自らの褌に差した直剣を抜き放った。そして、それを振りかざす。
「突撃せよ!!我らの祖国を取り戻すために!!戦え!!我らの国を守るために!! 」
「うおお!!」
その場にいる者は誰もが熱狂する。その時だった。
「待てい!父上だけずるいですぞ!!!俺だってやりたいのです」
突如、男性の声が上がった。
「むっ! その声はカバルかっ!?」
声の主はグラ・ルークスの息子、第一皇太子グラ・カバルであった。彼もまた上半身をさらしていた。鍛え抜かれた見事な肉体美はまるで彫刻のようであった。
「俺達2人でこの場を盛り上げましょう! 2人が揃えば100倍のパワーですよ!」
「ふむ、良いだろう。カバルよ共に行くぞ! 余の演奏について来い!」
「おう!」
グラ・カバルはそう言うと、ズボンを下ろし、下半身丸出しの状態で太鼓の前に立った。そして、グラ・ルークスと共に再び演奏を開始したのだ。
「我らは誇り高きグラ・バルカス人なり!」
ドドドドドドド……ドドドドドド!!!!2人の演奏が天地を揺るがす。
「我らは無敵のグラ・バルカス帝国人なり! 」
ドドドドドドド! ドドドドドドド! ドドドドドドド!
彼らの魂の熱量が会場を包み込む。それはまるで、地の底から沸き上がるマグマのように、人々の心を燃え立たせる。
「皆の者。踊れっー!」
「うおぉおおお!!!」
式場の観客達は一斉に踊り出した。そして、式典場全体が狂ったようなダンスホールと化していく。
「さあ、みんなで踊り、歌うのだ!」
グラ・ルークスとグラ・カバルの掛け声に合わせるように、人々は歌い出す。そして、いつしか式場全体を巻き込んだ大合唱へと変わっていった。
「♪ グラ・バルカス万歳! 」
「♪ 帝国万歳!! 」
「♪ 偉大なるグラ・ルークス陛下バンザーイ! 」
「♪ 皇帝陛ばんざ~い!!」
「♪ ついでにグラ・カバル殿下も万歳」
「おい! 誰だ今、俺のことをおまけみたい言った奴は! 」
「あっははははははは」
笑い声が木霊する中、大合唱は終わりを告げた。そして演奏の傍らでローゼンメラー提督が涙を流して感動していた。
「小官の為にここまでしてくださるとは……私は今、猛烈に感動しております」
そんな彼にグラ・ルークスは優しく語りかけた。
「なぁに、余の国民ならば当然のことよ……それに、貴様のことは気に入っている。これからもこの国を支えてくれぬか? 頼むぞ」
「御意にございます!この命に代えてでも、陛下の御為に尽くさせていただきたく存じ上げます!! 」
2人は固く抱き合った。その様子を見て他の者達は拍手を送った。こうして式典は熱狂の内に幕を閉じた。
なおこの式典はグラ・バルカス帝国全土でテレビ放映され、全国民の目に焼き付くこととなったのである。
技術ガチャの成果の1つであった。
カバルの一人称は書籍だと『私』なのですが、それだとAIがカバルを女性だと認識してしまったので、『俺』にしました。