鬼滅の刃 もう一人の鬼の王   作:マルルス

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悲鳴嶼行冥と対決します。


鬼殺隊 【柱】その2

「むん!」

 

【岩柱】悲鳴嶼行冥は襲い来る菌根兵に自身の日輪刀…鎖が繋がった斧と鉄球で次々と屠っていく。

 

(妙な生物だ… 血鬼術で作り出したものか?

しかし先ほどから他の者の気配が感じ取れぬ…!)

 

カナエと二手に分かれた行冥は隊士達を救うべく周りにいる菌根兵を次々と倒していくが銃声は聞こえるものの

隊士達の気配が感じ取れなくなっていた。

 

「来るのが遅かったのか…私はまた…!」

 

行冥の胸に後悔の渦が沸き上がる。 彼とてこのような状況は何度か味わってきているがその度にこのように後悔と己の無力を嘆くのだ。

 

ザッ

 

「!」

 

草を踏む音に行冥は臨戦態勢を向ける。

 

「マダ生キ残コリガイタノカ…丁度イイ…オ前デ11人メダ」

 

「貴様…鬼か」

 

視力がない行冥だが肌で感じる禍禍しい気配に直ぐに相手が鬼だと理解した。

 

「ウン? オ前…目ガ見エナイノカ? ダトシテモ容赦シナイガナ」

 

「…」

 

鬼の、ギンの言葉に返事しない行冥。

しかし返答がなくとも鎖付きの鉄球の振り回し集中する。

 

「ケッタイナ武器ダナ。」

 

ギンは飛び掛かった。鬼の身体能力で目に見えない速さで行冥に襲い掛かった。

 

「遅い」

 

ガギン!

 

「!? ガァッ!」

 

そんなギンの突進に行冥は眉一つ動かさず冷静に対処した。

 

(ナ…ナンダト…イツノ間ニ鉄球ヲ…!

血鬼術デ全身ヲ鉄ニ変エテナケレバ殺ラレテイタ!)

 

突進したギンだがいつの間にか鉄球が己の腹に直撃したのだ。

鉄に変えていなければギンは鉄球によって粉砕されていただろう。

 

(コイツ…今マデノ奴ラトハ違ウ…!)

 

今の一撃でギンは目の前に居る鬼殺隊隊士が最初の隊士達と格が違うと感じた。

 

「ナラバ、コレデドウダ!」

 

ギンは再び突進を開始した。

だが今度は行冥ではなく近くにある樹木だ。それを足で蹴り、向こう側の樹木に飛んでいきまた蹴って向こうの樹木にと行冥の周りを回るように飛んでいく。

 

(ドウダ! コレナラ音ガ混ザリ合ッテ俺ノ音ガ聞コエマイ…!)

 

素早い動きで木々の周りを飛ぶギンに行冥はただ静かに立っていた。

 

(クク…。何モ出来ナイ感ジカ!)

 

何もせずに立っている行冥にギンは己の勝利を確信する。

 

「死ネイ!!」

 

行冥の背後に回った瞬間、ギンは突進した。

しかし…

 

「そこか」

 

ズバババ!!

 

行冥は斧でギンを斬りつけて鉄球でギンの腹を直撃させた。

 

「ギ…ギャアアアア!! バ…馬鹿ナ…!」

 

「己の肉体を鉄に変える…それが貴様の血鬼術か」

 

「何故ダ…! 何故俺ノ動キガ分カッタ!!」

 

「どんな音を出そうとも貴様の音など見分けがつく。あのような浅知恵で私を倒そうなど笑止!」

 

「!?」

 

ギンは目の前の男と己の実力の差がようやく理解した。

撤退しようにも受けたダメージは大きく思うように体が動かない…!

 

「南無阿弥陀仏… 悪鬼…滅殺!」

 

行冥は目の前にいる鬼に止めを刺そうと鉄球を振り下ろした時だった。

 

グン!

 

「!? なに!」

 

突然だった。

鉄球はギンに当たるのではなく宙に停止したのだ。

 

「危ない所だったなギン。」

 

男の声が響く。

 

「オオ…ハイゼンベルク様…!」

 

間一髪でギンを助けたのはハイゼンベルクだった。

 

「貴様…何者だ!」

 

突如現れた男に行冥は警戒しながら問う。鉄球は未だに宙に浮き手に持つ戦斧は()()()()()()()()()()()()感触があった

 

「まぁ待て、後で話をしてやるからよ

今日はもういい。ご苦労だった」

 

「ハッ…失礼イタシマス…」

 

ハイゼンベルクの言葉にギンは痛みが残る体にフラフラしながらも闇の中に消えていった。

 

「さて、待たせたな【岩柱】」

 

ハイゼンベルクは気さくに話しかけると宙に浮いていた鉄球はそのまま地面とに墜ちた。

武器が引っ張られる感覚が無くなった行冥はすぐさま距離をとり鉄球を振り回し始めた。

 

「なるほどな。さっきの【花柱】と違ってかなり出来るな」

 

楽しめそうだ。そうニヤリとする男に行冥は見逃せない言葉があった。

 

「花柱だと…! 貴様カナエを…!」

 

「そう怒るな。安心しろ、生きてるよ。辛うじてだがな」

 

()()()()()

その言葉に僅かばかりの安緒をする行冥だがそれを顔には出さずに目の前の男を睨みつける。

 

「この山に入った18人の隊士はどうした?」

 

「あぁ何人かは死んだよ。残りは生かして捕らえてある」

 

「…捕らえた者達をどうする気だ?」

 

「そんな事言う必要があるのか? ここで死ぬお前に」

 

その言葉に最後にハイゼンベルクは目に見えない速さで行冥に迫り鉄槌を振り下ろした。

 

早い!

先程戦った鬼とは比べ物にならない速さに驚愕するが辛うじてだが身を避ける行冥

しかし逃さないとばかりにハイゼンベルクは追撃する。

迫りくる鉄槌で戦斧で受け止めるが…

 

「ぐっ!!」

 

重い…!!

巨人とも思わせる一撃に行冥は吹っ飛んでしまう。

ハイゼンベルクは再び追撃しようとするが横から鉄球が襲い来るがハイゼンベルク足を止めては難なくソレを鉄槌ではじき返した。

その隙をついて行冥は何とか態勢を整えた。

 

(何という重い攻撃…!

幾ら私でもこのような攻撃は防ぎ続ければこの肉体が持たないだろう…)

 

ハイゼンベルクの重い攻撃に戦慄する行冥…

受け続ければ武器と体が持たない。

かと言って避け続けるのも限界がある。

 

(接近戦は余りにも不利…

ここは鉄球で出来る限り離れて戦うしかない!)

 

近づけば圧倒的な力で屠られてしまうと考えた行冥は鉄球で用いて遠距離で戦う事を決めた。

しかしそれでは相手に勝つことは出来ない。

 

(悔しいが私では奴を倒す事は不可能…。危険だが夜明けまで戦い日光で奴を倒すしかない…。

 

行冥は自分とハイゼンベルクの実力差を感じ取っていた…。

己の実力では奴を倒す事は不可能…ならば夜明けまで戦い太陽の光でハイゼンベルクを倒ししかないと考えた。

しかし行冥は考えを二つ間違っている。

 

一つはまずハイゼンベルクは無惨から作られた鬼では無い…太陽の光などハイゼンベルクには何ともないのだ。

しかし圧倒的な力を持つハイゼンベルクに行冥は相手は鬼と認識してしまったのだ。

 

二つ目は… ハイゼンベルクの能力を知らずにいた事だ

 

「ほぉ…近づかずに俺を倒そうって事か?

舐められたもんだな…!」

 

行冥は鉄球での攻撃しかしてこないと分かったハイゼンベルクは自身の能力を解放した。

 

「!? これは…!」

 

ハイゼンベルクに近づかず鉄球で繰り返す攻撃していた行冥だが異変を感じ取る。

 

「鉄球が…!」

 

ハイゼンベルクに目掛けて投げた鉄球が戻ってこない…。

盲目の行冥には見えないがそこには鉄球が行冥とハイゼンベルクの中間で空中で止まり少しも動いていなかった。

 

(これは一体…!

くっ…!鉄球が戻らぬ! まるで何かに鷲掴みにされているようだ…!)

 

行冥は必死に鉄球を自分の元に戻そうとするが何かの力で掴まれているような感覚だった。

 

「クク… どうした? 随分と必死だな」

 

そんな行冥を嘲笑うかのようにハイゼンベルクは余裕の表情で浮かべる。

ハイゼンベルクの能力…それは磁力

原作のハイゼンベルクが持っていた力で自身をコイルに変えて鉄などを宙に浮かべたり引き寄せる事が事ができるのだ。

 

「ほら! さっさと来い!」

 

(これは…! 日輪刀が引っ張られているのか!)

 

行冥はハイゼンベルクの方へと引き寄せられていく…。必死に踏ん張るが足は地面を削りながら前と進んでしまう。

 

「ぐぅぅ!! い…いかん…!!」

 

このままでは武器ごとハイゼンベルクの方へと引き寄せられてしまう…!

やむを得ず行冥は日輪刀を手放した。

行冥の手から離れた日輪刀はハイゼンベルクの方へと引き寄せられてしまった。

 

「さて、どうする?

お前の刀は…いや、鉄球と斧か?

どっちでもいいか…お前の武器は俺の手元にある

お前は爪と牙を失った犬と同じだ」

 

「…!」

ハイゼンベルクは自分の後ろに行冥の日輪刀を遠くに投げ捨てた

行冥は已む得なかったいえ頼りにする武器が失ってしまったのは不味い…。

今の行冥はハイゼンベルクの言う通り牙と爪を失った状態だ。

 

「鬼殺隊最強もこれじゃあ形無しだな」

 

そう言いハイゼンベルクは行冥へと近づいていく。

 

(好機…!)

 

余裕の表れか…敵が自分に近づいてきた。

 

「オオオオ!!」

 

行冥は残されたあらん限りの力を利き腕の集結させその拳を目の前の男に叩き込んだ。

その力は鬼の肉体すらも砕くものだ。事実、行冥は素手で夜明けまで鬼を砕き続けたのだから。

しかし…

 

「痛ってぇな…! 確かに凄いパンチだな。これなら鬼でもミンチに出来そうだ」

 

だがその拳はハイゼンベルクの命を砕くことは出来なかった。

 

「!?」

 

「よぉし! 次は…俺の番だ!!」

 

ハイゼンベルクはお返しばかりに行冥の腹に拳を叩き込んだ!

行冥は腹に力を入れて防御するが…

 

「ガァ…!!」

 

ハイゼンベルクから叩き込まれるその拳は砲弾如く強く圧倒的だった。

腹に防御をしても僅かに威力を落としただけで行冥の肉体を破壊していく。

その威力に行冥は吹き飛ばされ樹木を砕いて止まった。

 

「ゴフ…!」

 

ヒューヒューと息も絶え絶えで動くことは最早出来なかった。

 

(お館様…皆…済まぬ…)

 

己の最期を悟った行冥はその意識を失った…。

 

 

「まだ生きてるのか? 全くしぶとい奴だな」

 

気を失ってると行冥を見たハイゼンベルクは呆れながらも行冥の元に歩き出した。

 

「悲鳴嶼行冥は原作でも大した影響を持つキャラでもない。

此処で始末しても問題は無いな」

 

こっちは十人の隊士と胡蝶カナエも捕まえたのでもう捕虜はいらないと思ったハイゼンベルクは悲鳴嶼行冥をここで始末することに決めた。

 

「うん?」

 

ふと空が騒がしいと感じたハイゼンベルクは見上げると月の光に当たりながらも沢山の鴉が空を飛びまわっていた。

 

「あれは…鬼殺隊の…。」

 

その鴉は鬼殺隊の隊士と共にする鎹鴉(かすがいからす)だった。

その鴉達は足に持った球体状の何かを次々と落としていく。

 

ボゥン! ボゥン! ボゥン!

 

落ちたそれは大きな音を出しながら周りを白い煙幕で包んでいった。

 

「煙幕か? 何のつもりだ?」

 

もしかしてこの煙に乗じて奇襲をかけて来るつもりなのか?

警戒したハイゼンベルクは足を止めて迎え撃つ態勢を取った。

しかし何も来ない…。

 

「なんだ? 一体どういうつもりだ!」

 

相手の行動に訳もわからず苛立ちするハイゼンベルクはさっさと悲鳴嶼行冥を始末すべく速足で行冥が倒れている場所に向かう。

 

「あぁ? あのデカブツはどこだ?」

 

そこには悲鳴嶼行冥の姿は無かった。血が地面に付いてるのでここに倒れていたのは事実だ。

相手は深い傷を負っているので動くことは出来ないはずだ?

 

「待てよ…? さっきの煙幕か!」

 

ハイゼンベルクは先ほどの煙幕は時間稼ぎだと気づいた。

恐らくハイゼンベルクが立ち止まってる間に鬼殺隊の隊士が運び出したのに違いない。

 

「クソ! 今から追いかけるか?

いや、俺の力は柱でも問題ないと分かったしこのまま逃がしてもいいか」

 

どうせ鬼殺隊の滅ぼすのだからその時に他の柱共々始末すればいい。

そう考えたハイゼンベルクはここから立ち去る事を決めた。

 

こうした××山の死闘は終わった。

ハイゼンベルクは己の実力を確認し柱を含む()()も手に入れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




悲鳴嶼行冥

胡蝶カナエ

鬼殺隊の最高戦力である【柱】階級の二人。
××山に送った18人の隊士が危険だと予知し急遽この二人を向かわせたが到着したころには既に全滅状態で誰も救えなかった。重武装した菌根兵が相手でも難なく蹴散らす実力だがハイゼンベルクには通じなかった。

【花柱】の胡蝶カナエは試したい事があったので生かして捕らえた。
【岩柱】の悲鳴嶼行冥は特に原作に影響がないキャラなので始末しようとしたが鴉達の煙幕を使った時間稼ぎを利用して隠に所属する隊士達が気を失った彼を救い大急ぎで山を下りていった。

波島葉子

××山に最初に送り込まれた隊士で今回で仲間の仇を取ろうとしたが菌根兵に待ち伏せされて散弾銃を受けて致命傷を負ってしまい到着した柱達の前で絶命した。
ハイゼンベルクも二度目は無いという事で彼女を助ける気はなかった。
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