雪影村の自宅で、春菜の母が洗濯物を干していた
春菜の母「あら!」
ノートパソコンを持った来客に、春菜の母は驚く
茶の間にて…
太刀川都「綾花、冬美…元気してたか?」
ちゃぶ台の上で、お絵かきをしている、3歳くらいの双子姉妹に、都は声をかける
都もちゃぶ台に座り、ノートパソコンを開く
綾花「あ、島津のおじさん!」
冬美「ホントだ!」
双子姉妹は息ぴったりで、TVを指差す
都「島津くんは不動山市に単身赴任してるさ!!2人共、何、言って…」
都がTV画面を見ると…
都「なーーーーーっ!!」
驚いたあまり、都は大声をあげてしまう
春菜の母「どうしたの、大きな声出して…」
春菜の母も来るが…
島津匠が記者会見に出席していたため、春菜の母も驚き、呆然としてしまった
――――――――――
数日後…
都「不動山市に来たの、久しぶりだかんな…」
不動山市駅にて、都はスマホを確認していた
都「えっと…不動高校の制服を着た、メガネの子は…」
都ははじめからのメールを見ながら、キョロキョロする
都「あの子かな」
都はその人物に近寄る
都「テツくんって、君か?」
深山徹「いいえ、違います」
都「人違いか…」
都は徹から離れていく
徹「遅いな…」
徹ははじめから渡されたメモを確認する
徹はその場を離れて、駅の改札へ向かう
徹「すみません、電車が止まったりとかって、してますか?」
徹は駅員にたずねる
駅員「いいえ、平常通り動いていますよ」
徹「そうですか…ありがとうございます…」
徹は都との待ち合わせ場所へ戻るが…
都「フカヤマテツくんは、おらんのー?」
都は『フカヤマテツ』と書かれた、大きなプラカードを持って叫んでいる
徹はその光景に、呆然としてしまった
島津匠「やめないか、都!」
島津の大声が響き、通行人たちが驚いて立ち止まる
都「島津くん、来てくれたか…実はフカヤマくんに会えなくてな…」
徹「すみません…『ミヤマトオル』です…」
赤面した徹が答える
都はプラカードを降ろし、ポカーンとしている
そこへ、車のクラクション音が響く
島津「そうだった!とにかく、車に乗ってくれ!」
島津は都と徹を、川原華連が運転する覆面パトカーへと連れていく
華連は覆面パトカーを出発させる
―――――――――
信号待ちにて…
都「あ、あたし、太刀川都!!こう見えても、推理作家さ!」
都は華連に名刺を渡す
華連「ありがとう!」
華連は名刺を受け取る
都「君は徹くんの友だちか?」
徹「あ、実は華連さんは…」
都に悪気こそ、無かったが…
島津「口をつつしめ、都!!この人は刑事さんだ!」
都「えっ…」
都は一瞬固まる
直後に信号が変わり、華連はアクセルを踏む
都「刑事さんって…この子が?…どう見ても、徹くんといくつも変わらんべ…」
徹「実は華連さん、25歳なんです!」
華連が運転中のため、助手席に座っていた徹が、華連の警察手帳を開く
都「警視って…」
島津「そういう事だ!ハーバード大学の法学部をストレートで卒業した、偉大な刑事さんだ!」
島津は真顔で説明するが…
華連「いいよ!いいよ!アタシだって、超人ってワケじゃないもん!」
エリートである事を、丸っきり鼻にかけようとしない華連に、都は驚きを隠せなかった
都「はじめとは、大違いだべ!」
――――――――――――
中屋敷学法律事務所に着くと、華連は都と徹を降ろす
華連「そしたら、徹くん!何か分かったら、すぐ電話してくれる!」
徹「分かりました!」
華連は島津と共に、そのまま、中屋敷学法律事務所を後にした
徹と都は事務所に入る
はじめ「お、都、着いたか!」
はじめと中屋敷学が、ソファーに座り、テーブルに資料を出していた
中屋敷「君が、太刀川都か!中屋敷学だ!」
中屋敷と都は名刺交換をする
はじめ「とりあえず、徹も都も座れよ!」
徹と都は、はじめの指示で、ソファーに座る
都「それにしても、たまげたべ!島津くんが、記者会見に出てたから…」
中屋敷「どうやら、島津匠は、この前のアパレル会社社長殺害事件の容疑者と、因縁があるらしいんだよ!」
中屋敷はノートパソコンを起動させ、遺体の写真を出す
徹「犠牲者は鋭利な刃物で、心臓を一突きにされてて…ほとんど、即死だったらしいんです!」
徹が説明する
中屋敷「よし、出た!」
中屋敷のノートパソコンに、犠牲者が『ジョギング用のジャージにスニーカー』のスタイルで、河川敷に放置されていた時の写真が出る
中屋敷「早川由紀子は近々、離婚裁判が控えていたからな…犯人は別居中だった夫と考えて間違いないと、俺も思ってたよ!」
早川由紀子から担当弁護士を依頼されていたのは、他ならぬ中屋敷だった
はじめ「島津のヤツ、白金署の真壁刑事に頼みこんで、容疑者の取り調べに、同席するつもりらしいんだよ!」
―――――――――――――
その頃、警視庁白金署にて…
真壁「いい加減、吐いたらどうなんだ!」
真壁は早川由紀子殺害容疑で任意同行させた夫を、取り調べていた
早川「何度も言ってるでしょ…僕には、アリバイがあるんですよ…妻が死亡した夜は、一晩中、夜勤の派遣アルバイトだったんですよ!」
刑事「真壁刑事、それは本当です!!派遣先の社員が、何人も証言しています」
そこへ…
島津「早川!」
島津が警官2人に付き添われて、取り調べ室に入ってくる
島津「俺の顔、忘れたとは言わせねぇぞ!」
早川「誰かと思ったら、2年前の…バカバカしい!!事件は解決済みなんだよ!」
早川は島津をバカにしたような、表情になる
早川「第一、あの事件は僕は被害者なんだよ!」
島津「ふざけるな!あの子はあんな事、絶対するような子じゃねーぇ!」
島津は机をゲンコツで叩く
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2年前…
ある病院で騒ぎが起こっていた
医師「一体何があったんだ!」
入院中だった早川の母親の容体が、急速に悪化し、痙攣を起こしていた
医師「とにかく、急いで家族に連絡を!」
看護師「はい!」
数時間後、早川の母親は、緊急手術の甲斐もなく、死亡した
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中屋敷「昨日、早川由紀子の会社に行って、社長秘書に話を聞いてきたんだよ!」
はじめ「あぁ!秘書だけじゃなくて、他の社員も口を揃えて、『2年前の事件も今回も、早川の仕業に違いない』って、言ってたからな!」
徹「『生命保険詐取』って事ですか?」
徹がはじめにたずねる
はじめ「あぁ!」
中屋敷「ましてや、早川由紀子はアパレル会社の社長だからな…遺産もかなりのものになる!」
はじめと中屋敷は、気難しい表情になってる
都「綾花と冬美のためにも、ぜーってぇ、早川の尻尾つかんでやるさ!」
怒りの炎を燃やす都の隣では、徹が固まっていた