「須藤くん、ちょっといいかな?」
「悪い、これから部活あんだよ。また後でな」
「いや、だめだ」
須藤の腕をガシッと掴んだ。
「大事な話なんだ。付き合ってもらうよ」
「ったく、早くしろよな」
めんどくさそうな様子を隠さずそう言った。
人目のつかず、監視カメラのない場所へと誘導する。
「なんだよ、こんなとこに連れてきて」
「オレさ、正直言ってイラついてんだよね。お前のせいでポイントもないし、目撃者探しに協力させられるし」
「あ?」
「バカなお前でも分かるだろ?自分がどんだけ迷惑かけてんのかってことがさ」
「テメェ!」
胸ぐらを掴んでくる。こういう時には扱いやすくて良い。
「何だよ、また殴んのか?結局反省してねえのな」
「うるせえ!仕掛けてきたのはテメェのほ———ぐっ!?」
鳩尾に膝を入れる。そのまま足を掛け体制を崩す。
倒れたところにもう何回か蹴りを決めた。
「あー、良いストレス発散になったわ。ご苦労さん」
「ふざけんじゃねえ!」
顔面に右ストレートが入る。痛い。
「———あっ」
「殴ったね、須藤くん。これで君は終わりだ。立て続けに暴力事件なんて退学モンだろうね」
「待てよ!お前だって何回も俺を蹴ってんだろ!」
「確かにそうだけど、それを誰が信じる?普段からオラついてる奴と普段から笑顔を振りまく陽キャ。どっちの証言が重要視されるか、分かるよね?」
「お前、刺青入ってんじゃねえか!十分ヤバそうだろ!」
む、確かに。まさか須藤に言い負かされるとは思わなかった。
しかし既に目的は達成されている。後は須藤を説得するだけだ。
「ともかく、オレが訴えたら君は終わりなんだ。言う事を聞いてもらうよ」
「チッ、何だよ」
「まず、オレを審議の同伴者として認めること。それと審議中は大人しくしていること」
「あ?どういうことだよ」
「その怪我を審議で利用するんだよ」
先日見かけたCクラスのロン毛陽キャリーダーこと龍園、その傍にいた男がすごい怪我を負っていた。
恐らく今回の事件で須藤に殴られたのだろう。
しかし須藤とは3対1の状況だったそうだが、やたらと怪我が多かった。
普通3人もいたらそれだけ攻撃は分散するはずだ。しかし3人の怪我の量は尋常ではない。
あれは事件の後に別のやつに殴られたとしか思えない。
審議の時により有利になるように怪我を増やしておいたのだろう。
そこでこちらも怪我を増やしておくことにした。
Cクラスは一方的に殴られたと訴えたそうだし、怪我があればそれだけで多少のダメージを与えることができるだろう。
「いやーバカスカ殴っちゃってごめんね」
「…まぁいいけどよ...そういや綾小路、お前ってそんなキャラだったんだな」
「え?何が?」
「結構言葉遣い荒かったぜ。普段は平田みてーなのによ」
「ちょっと雰囲気作りをね」
平田みたい!?須藤、お前は見る目があるようだな。褒美に今回の審議を勝利に導いてやろう。
「先生、審議の際に弁護人をたてることは可能ですか?」
「ああ、須藤が認めれば2人まで可能だ」
なるほど、やる気に満ち溢れている堀北からの質問により2人まで行けることが判明した。
オレと平田か?それしかないよな。
「じゃあ1人は堀北さんにするとして、もう1人はどうする?」
え?堀北でもう1枠埋まってんの?須藤達から信頼されてるんですね、堀北さん...
平田とのランデブーは阻止されてしまった。
まあしょうがない。堀北で我慢することにしよう。
「オレも立候補していいかな?」
クラス中から奇異の目線が集まる。
オレだってクラスのために頑張ってんだぞ!なんかショック。
「綾小路くんが行ってくれるなら安心だね」
平田アー!
「そういえばその顔の傷、どうしたの?」
「女の子を口説いてたら...ちょっとね」
「そう、手酷くやられたものね」
誰も心配してくれません。クソでかい湿布貼ってるのに...
オレって人望無かったんだな。すごいショック。
次回は長いから許して
彼女になるのは誰なんーだい!
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佐藤
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軽井沢
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堀北