ぼくらはカセキホリダー ~氷漬けの少女と恐竜好きの少年の出会い~ 作:幻想猫
人を憎んでいる謎の少女は高い所から落下しました。
ある少年は目当てのものを探しにコゴエル氷山へ訪れました。
という訳で……
続きの始まり始まり
「はぁ……はぁ…………」
少年は大きなピッケルやアイスピックを使って地面や壁を掘る作業を何度も続けていた。
「…………」
全身汗びっしょりになりながら歯を食いしばったかと思えば、次の行動に出た。
「がぁぁぁあああああ!!!」
少年は喉が潰れるのではないかと思う程の叫び声を上げた。
「あのクソ博士!!『この氷山にある目当てのものを探してるから自分の代わりに見つけに来い』って言うからここに来たのに……全然見つからねぇじゃねぇか!!!」
コゴエル氷山に来てから3時間以上も経過していた。周囲を見渡すと、ピッケルやアイスピックで開けた穴が大量に形成されていた。
「あぁもう…!」
ポケットからレーダーを取り出し使用する。化石を見つける事に特化した機械だが、単なる岩を除いたそれ以外のものも見つけられるようにと博士の改造が施されている。
「……全然反応しねぇ」
少年の中で博士に対する信用が地の底へ落ちるまであと少しである。
「はぁ……もう少し探すとするか。また行ったり来たりするの面倒くせぇし」
そう言って彼は掘っていない箇所まで行って、同じ作業を2時間以上続ける。
「クソッ…またハズレかよ!!」
少年の顔は真っ赤に染まっていた。これは寒さに耐えきれないからではなく、いつまで経っても目当てのものが見つからない事に怒り狂いそうになっているからだ。
それが今爆発する寸前だったが、発掘場全体にアナウンスが聞こえ始めた。
『お知らせします。ただいま、午後18時となりました。発掘場内にいるカセキホリダー様は、お近くのカセキATMに搭載された転送装置を用いて、ガラギャオス島へ帰還するようお願いします』
「あぁ……もうそんな時間かよ」
アナウンスを聞いた少年は、少し離れた場所にあるカセキATMまで向かおうする。
その時だった。少年が踏み締めている地面から、ミシミシという音が聞こえた。
「……ん?」
その音は、段々大きくなり始めていた。
「な、何か嫌な予感がするなぁ……」
冷や汗が流れた彼はカセキATMまぜ全力で走り始める。
すると彼が先程までいた地面に小さな穴が開き、それが少しずつ大きくなり始める。
「ぜぇ…ぜぇっ……!あと少しで…辿りつけるぜ……!」
カセキATMまであと少しで触れられる距離まで来たが、彼の手が届く事は無かった。
何故なら、地面の穴が彼の元にまで広がってしまい、奈落の底へ落下しようとしていたからだ。
「嘘…だろぉぉおお……!?」
落下している間に強い衝撃で何かとぶつかったせいで、彼は気を失ってしまった。
「ぐ…せ、背中が痛ぇ……!」
目を覚ました少年は背中から感じる激痛に耐えながら起き上がった。
「……それにしてもどこだよここ。周りは薄暗ぇし、寒いしよぉ……」
少年は懐中電灯で周囲を照らしながら歩いていく。彼がある場所まで進んだ時、何かを発見した。
「なんだ…これ……?何で氷の中に人間が…入ってんだ……?」
彼が目にしたもの。それは、氷漬けの状態で目を閉ざしている人間の少女の姿だった。
(博士が探し求めていたものがきっとコイツだ。間違いない!あの時に人間って言葉が出て来たんだからな)
心の中で呟いた少年はピッケルとアイスピックを使って、少女の体を傷付けないように氷を砕いていった。
「……よし。これで良いな。それにしたって、どうやって帰れば良いんだ?」
手袋を付けて少女を運ぶ少年は空を見上げる。ここから地上までの距離があるせいで、彼一人の力で戻る事が出来ない。
「はぁ…しょうがねぇな。出てこい、クエルコ!!」
ため息を吐いた後、少年はその名を呼びながら恐竜メダルを投げる。すると、それは突然強い光を出したと同時に大きな翼竜の姿へ変化する。
「クエルコ、悪いけど俺とコイツを背中に乗せて地上まで飛んでくれねぇか?」
彼の言葉を聞いたクエルコは笑顔で頷き、少年と氷漬けの少女を乗せて地上まで登った。
その後少年はATMの所まで向かったが、転送装置が故障していたせいで帰れなかった。怒った彼はピッケルでそれを壊そうとしたがどうにか堪え、そのまま放置してクエルコの背中に乗ってガラギャオス島へ帰還した。
登場した恐竜(翼竜)について
名前:クエルコ
属性:風
本名:ケツァルコアトルス
食性:肉食
生息していた時代:中生代白亜紀末期
出身:アメリカ
ガラギャオス島にある発掘場のどこで見つかるか:ロコットけいこく(通常エリア)
地上最大級の翼竜。
名前の由来はアステカ神話の神、ケツァルコアトル。
次回へ続く!