戦姫絶唱シンフォギアオルタナティブ 作:オルタナティブティガ
真崎磬護side
「あ”あ”痛ってぇ……幾ら侵入者とはいえ餓鬼に対し容赦なさ過ぎでしょ」
『……泣かないのですね』
「?泣いてどうにかなるなら泣くよ,どんだけ辱められてもそれで怪獣とかが居なくなるなら泣くよ。けど俺が泣いても世界は変わらない、世界は残酷だからこんな所で腐ってたって何にもならない。だから泣くのは大切な人との生活の為に取っておくんだよ」
『……戸籍状は死んでますがね』
「やめろ……悲しくなってくる。てか見張りも減ったしどうしたんだ?」
『何やら鎌龍の復活の儀式があるから見張りは最低限にしろ、と言ってました』
「まさか……」
『ええ、おそらく貴方のスパークレンスを使って復活の時間と強化を同時にするつもりでしょう』
「あのスパークレンスにはそんな力が有ったのか……」
『鎌龍、いえメルバになってしまえばどうにかして彼女をどうにかしてメルバから分離する必要があります』
「どうすれば……ッ!?何だ?!」
ケエエエエン
『メルバが目覚めたようです……』
「クソッ出せよッ‼︎」
傷ついた体で必死にもがくが体を締め付けている縄すら外れない。
外からは歓喜とは言い難い悲鳴や何かが壊れて落ちる音や爆発が聞こえる,その音はどんどんこちら側に近づいてきている。
「クソッこのままじゃ何も出来ずに……」
ドンッと音と共にくたびれた男が牢獄に飛び込んできた。
「貴様!何しにここにきた!」
「うるせぇぇ!!邪魔だァァ!」
男はそのままの勢いで見張り役の男を蹴り飛ばした。
「グバァッ!?」
見張り役は宙に浮きそのままの壁にぶつかり伸びてしまった。
「……お前か?外から捕まった怪しい子供は」
「多分俺だろ、今日捕まってボコボコにされたから」
「よし、じゃあこれの使い方を教えろ」
男は背負ってたバックからスパークレンスを取り出して磬護に見せる。
「それは!」
「どう使うんだ、早く言え」
「……それは、適性がある人しか使えない。多分アンタには無理だ」
「じゃあどうすれば奏を救えるんだ!」
「
「お前は餓鬼だろ!餓鬼に何ができる‼︎」
「アンタが持ってる物さえあれば救う事ができる」
「……本当だな?」
「やってみせる!………ただここから出してくれ」
少年はその歳に見合わない気迫を見せるが間を開け弱々しく男に頼む。
「前の部分だけなら信用出来るんだがな……しかし何やっても反応しないのを見るとやはりお前が正しいらしい」
男は見張りから鍵を奪い牢獄の鍵を開け少年に近づく。
「しっかし、腕っ節強いねお兄さん」
「お兄さんって歳じゃないが、まぁいいか。俺は猟師だからな最低限鍛えてある」
「成程、だから一撃であんな屈強な男が伸びるわけか。そういえばそれはどうやって手に入れたんだ?」
「……長くなるが?」
「どうせ解けるまで何も出来ないし状況が分かんないからお願い」
「わかった……これを手に入れたのはさっきだ」
ロープを解きながら男は先程あった地獄を話し始めた。
真崎 磬護side out
李 俊side
奏が家から出て儀式に向かった後俺は悩んでいた。
きっとあの子は彼女に似て優し過ぎるところがある頼まれたら断れないし知らない困っている人に後先考えず手を差し伸べてしまう子に育った。
俺としてはただ健やかに過ごしてくれればそれでよかったんだがどうやら神というのは意地が悪いらしい。
断れないのを良い事に時代遅れの生贄にするなんて……俺にはどうすることもできない。
あの子がしたい事の為に生きているというのに誰かの為に生贄になるという願いを聞き入れることしかできなかった。
俺自身は村と関わることが少ないから儀式している所には行けないだろう……もう行ってしまったのに俺には出来ることはない。
だから諦めるしか、ない……はずなんだだが彼女の、いや、彼女と俺の大切な宝物を手放したくない愚かな自分がいる。
あの時は手を伸ばさなかった癖に今更手放したものを取り戻そうなんて烏滸がましい気がするが知ったものか、二度と手を伸ばさないで後悔しない為に奏を止めようと思った。
最低限安全に進める様に俺の得物である手斧を持って玄関から出るが出た瞬間待ってましたとばかり狂信者共が武器を構えて立っていた。
「何の様だ?俺は今から狩りに行くのだが?」
「ほざけ、貴様の目的は娘の強奪だろ。鎌龍様の生贄を奪わせてたまるか。何もしないというのであれば今日は家に篭っていろ」
「関係ない、どけ」
「交渉決裂だな、では死ねぇい‼︎」
屈強な男は手にした鉈を振り落とし切りつけようとする。だが、普段野生の獣を相手にしている彼にとっては遅過ぎる攻撃であり手斧の峰を鉈の側面にぶつけて弾く。要はパリィの様なものであるが彼のパワーで振った斧は鉈を砕く。
「な⁉︎グボッ‼︎」
踏み込んで利き手とは反対の腕でボディに打ち込み鉈を持っていた男を一撃で伸してしまった。
「邪魔すんなぁァァ‼︎」
男は斧を振り回し取り巻きの側頭部を的確に打ち抜く。
「「ゲボッ⁉︎」」
「ふぅ、さっさと奏のところに行かなくては」
男は斧と猟銃を持ち鎌龍が祀られているところに走っていく途中彼を止める為の武装した村人が居たが全員、ちり紙の様に吹っ飛ばし祀られている洞穴にたどり着く。
「う、嘘だろッ⁉︎」
本来あった洞穴より大きい穴が空きその前に鎌龍の像が色づきより生物らしくというより怪物として雄叫びを上げていた。
鎌龍は村を睨み両目から怪光線を出す、当たった村の家や地面は爆発し長閑な村は一瞬で地獄に変わった。
ケェェェンと何処か鶴に似た声を上げ怪獣は村を破壊しまくる。
「奏は、奏はどうなったんだ?」
男は破壊される村を尻目に祀られていたところに走る。するとそこには血だらけの村長や村人の姿しかない。愛娘である奏は影も形ない、まだ息のある村長に男は気付けをし最低限の応急処置をする。
「おい、村長どういう事だ。鎌龍様は守り神じゃなかったのか⁉︎」
「アレは守り神でも何でもない過去の遺物、闇の尖兵だった……」
「闇の尖兵?」
「あぁ、儂たちの先祖は超古代と呼ばれる時代の生き残り。代を継ぐごとにその力は衰え伝承も消えていったが最低限残っていてな、あれはメルバと呼ばれる闇の勢力の兵士。儂たちの爺さん方が教わったのを忘れてしまっていた……奴が出していた闇に呑まれあんな奴を神として崇め強化してしまった」
「道理であんなヤバそうなものが見つかった瞬間から村人がおかしかったわけか……ッだが、奏はどうなったんだ?」
「……捕まえた子供が居ったろ?彼が持っていたスパークレンスを持って来させろと命令で持って来させ彼女に使わせてしまった」
「てことはアイツは奏なのか?なぁ⁉︎村長そんな冗談つまんねぇ冗談はやめろ」
「事実じゃ、実際この目で彼女に闇がまとわりついてメルバの中に入って行ったと同時に、色を取り戻し胸部に青い石とそれの周りを囲うように銀色のカバーが出来た。その途端暴れ出し儀式をやっていた連中は生き埋め、離れていたとしても破片などで大怪我だ」
「何だよ、何だよそれは⁉︎」
「儂らにもわからん、ただ彼女に闇が集まって浮いた時スパークレンスが彼女から落ちて拾っておいた。もしかしたらこれで奏ちゃんを救えるかもしれん。あの牢屋にいる少年に届けてくれ、あの子なら……ってもう行ったのか。この老いぼれに出来ることはもう無いが無事を祈ろう」
side out
スパークを渡しロープで見張りを縛る。
「さっさと行くぞ」
「了解、と」
男と少年は牢屋から外に出て村がボロボロになっているのを目の当たりにする。
「……ちょっと寝てただけなんだがヤベェ」
「本当に大丈夫なんだな!」
「任せろ、としか言いようがないけど……やってやる!」
少年は赤い菱形の様なもの左右対称についた古代の空に掲げ叫ぶ。
「オルタァァァァァァ‼︎」
少年の周りが光り輝きその光の中から銀色の巨人、オルタナティブティガが立っていた。
オルタの青い両目から2本の白い光が出てメルバを照らす。
メルバはこちらに気づき走って向かってくるが光を当てるのをやめず何かを探す、2本の光がメルバのカラータイマーの奥に人影を見つける。
だがその際メルバは一切止まらず突き進んでくる、ケイゴが彼女を見つける頃にはゴルザより軽いとはいえ巨体を活かしたタックルをオルタの腹部に直撃する。
「グォアア‼︎」
さらに鎌のように薄く敵を斬り裂く為の鉤爪で体勢を崩したオルタの胸部を袈裟斬りする、胸部から光の粒子を飛び散らせながらタックルと斬撃によって後ろの方へ吹き飛ぶ。
『やばい、さっき迄のダメージが抜けない。身体が思う様に動かないし、彼女をどうにか気付けないで助けないと……ユザレッ』
『先程の、サーチ結果より彼女の生存確率。現在の貴方の使える手段では0.001%です。これ以上の戦闘行動により貴方の体に何かしらの後遺症が残る確率25%から上昇中。心苦しいですが彼女を切り捨て……』
『駄目だ‼︎俺はあの人に必ず助けるって約束したんだ。何よりあんな優しい子がこんな酷い目にあって助けないなんて光の巨人を受け継いたからとか関係なく男として恥ずかしい‼︎
助かる確率が低い?自分が後遺症に悩まされる?上等‼︎ウルトラマンはそんなことで諦めないし、光を継ぐ者として俺は諦めない‼︎』
『……分かりました、やはり貴方は光を継ぐ者なのですね。こちらも再演算します最後まで諦めないんですね?』
『あぁ!』とだけ返しケイゴは、オルタナティブティガは彼女を助ける為に立ち上がる。
メルバの斬撃を的確に腕を回し蹴りする事でずらし嘴の真下からアッパーを喰らわせる。
強烈なアッパーを食らったメルバはその衝撃で地面からに浮く、空手の蹴りの様に片脚で立ちもう片方の脚でメルバの胴体に強烈な蹴撃を与える。ゲェェェェンと痛みによって歪められた鳴き声と共に山の方へ背中から突っ込んだ。
オルタはメルバが落ちた所に走るがたどり着く前に立ち上がったメルバは背中の翼を広げ大空へ飛んでいく。
逃すまいとオルタも両足を踏み込んでメルバがいる大空へ飛び込んだ。
メルバは水を得た魚の様に空を飛び回るが、オルタは飛ぶことが出来ても熟練とは言い難い素人。
さらに怪我によって本来のスペックを上手く活かせないでいた。
最初はオルタがメルバを追う空中戦だったが、今はオルタが追われメルバが怪光線でオルタを狙う状況となった。
『ッ、前ゴルザの時以外オルタにはなってないし飛ぶ感覚が掴めない……ガァァ⁉︎』
グォアアと悲痛な声を上げてオルタの高度が下がる、メルバの怪光線がオルタの背中を捉え撃ち抜いた。このままトドメを刺そうとチャージするメルバの背中で四回の爆発が起こる。
ケェェェン⁉︎と何が起きたかわからないメルバは体を起こし飛行機の様に飛ぶのではなくヘリの様にホバリングを始める。
すると4機のジェット機が飛んでいる、この時代的には化石とも呼べるJ-20の小隊がメルバを攻撃したのである。
彼らが飛んできたのはレーダーに移った未確認飛行物体を確認するためでしか無かった。
だが最新機はエンジントラブルでスランブルできず、偶々近くの基地に化石とも呼べるJ-20が整備されておりスクランブル発進したのである。
怪獣であるメルバにとって旧世代のミサイルなど虫が刺すより弱く気をひく程度しかなかった。
兵士達は効いていないとわかると散開しそれぞれでメルバに攻撃を開始する。
幾ら弱くても常に嫌がらせをされたら腹が立つ、メルバは怪光線で周りを飛ぶハエを叩き落とそうとした。
国を守る為に命を捨てる事も構わない兵士達は回避行動を行い反撃のタイミングを待つ。
メルバは落ちないハエに怪光線を一旦止めオルタを探すが、怪光線を止めたせいで兵士達は持ってる残弾全てをメルバの顔面に集中させる。
幾ら弱いとはいえ顔面にミサイルの爆発や眼に銃弾が入れば怪獣といえど悶える。
ゲェェェェン⁉︎と一旦ホバリング以外の行動を止め顔面を抑える、その一瞬の隙を突いて真下からオルタがメルバの翼を斬り裂く。
左側の翼を捥がれたメルバは重力の楔に囚われ地に向かって落ちていく。
オルタはそのメルバの背中から抱きしめパイルドライバーの形でさらに急降下させる。
ドゴーンと爆発音の様な音共に銀と赤の線が地面にぶつかる。
土煙の中からオルタが出てきて構えるが、その目線の奥には頭から地面に突き刺さりどうにか抜けようと体を捻っているメルバがいた。
先程より力強さがなくなっている様な気がするが気を抜かずオルタは警戒を解かない。
地面から頭を抜きメルバが地団駄を踏む、地面が割れ踏んだ衝撃で飛んだ岩などが飛び散る。
ビコーンビコーンとメルバのカラータイマーが赤く点滅しながら音が鳴る。
『まずい、もし人に戻ったら怪我で追いかけるのがキツすぎる!』
メルバは急に鳴り出したカラータイマーに舌打ちをしたくなりながら敵の方を見る、先程からこちらを見るだけで特にしてこない。
相手はいつでも戦える様構えてはいる、だが攻めてくる気一切ない。
メルバはふと思い付いた、相手は自分では無くこのカラータイマーの中にいる子供を気にしているのでは無いかと。
今はあの子供と一体化していて倒せば一緒に爆散するだから相手は攻めあぐねていると気付きメルバはほくそ笑む。
『い、痛いよぉ、私何で大きくなってるのぉ』
『ッ⁉︎目が覚めたのか、よし動かないで。今必ず助ける』
メルバ引っかかったと思い『わ、わかった』と返すオルタがゆっくりと近付いてきて目の前までくる。
『今、助ける』
かかった‼︎と思いながら右腕を突き出す鋭い爪先はオルタの胸を貫き光の粒子を飛び散り出させる。
『グハァッ、あ”あ”ぁ”‼︎』
オルタのカラータイマーは激しく点滅をし傷口から光の粒子が溢れる。
勝った、己は宿敵を討ち取ったのだと雄叫びを上げるが、右腕が動かないことに気づく。
相手を見ると左腕を使って己の腕を砕かんとばかり掴んでいる。
『そう、くると思ってたさ、だからわざとお前の誘いに乗った。お前が、刺したんだ簡単には抜けないよッ‼︎』
ば、馬鹿な何でこんなことが出来る死ぬかもしれないんだぞ⁉︎己の命の方が重くないのか!
メルバは初めて恐怖した過去の大戦ですら命を惜しんで戦うのが当たり前だった故に一瞬止まるほどの衝撃だった。その一瞬でオルタは右手を手刀の形にして力を溜めメルバに突き刺す。
カラータイマーの真横に突き刺さった手は本物の刃物の様に貫きカラータイマーの奥の彼女まで届く。彼女を優しく掌に収め勢いよく引き抜く、と同時にメルバから赤黒い体液が飛び散る。
オルタは左足でメルバを蹴り距離を開けるが、それと同時にメルバの右手が離れてしまい胸からさらに大量の光を撒き散らす。
オルタはメルバからさらに離れ優しく握った手を地面に近づけ李 奏を地面に下ろす。
メルバを見ると体液を流しながら満身創痍でこちらを睨んでいるだが、こちらも負けずにオルタは睨み返す次がお互い最後の攻撃で決着をつくとわかった。
メルバは怪光線を全力で溜め、オルタは光線の構えをとる。お互い溜めが終わり同時に光線を放つ勝つ為に死に体の体からエネルギーを搾り出すだが、メルバの方が先に暴れていてエネルギーが切れた。
メルバの胸にゼペリオン光線が直撃しカラータイマーにヒビが入る、オルタはさらに絞り出してメルバを打ち倒そうとしてエネルギーを込める。
大量のエネルギーを受けたメルバは耐えきれず身体が弾け飛び破片は粒子の様に細かくなった。
全身が蜃気楼の様にぼやけたオルタは糸が切れた人形の様に崩れそうになるが、何とか膝をついて顔面から倒れることは防いだが限界であった。
ふと、奏を置いたところを見ると彼女の元には父親がいて元気そうに会話しているのが見えた。
彼女と父親がこちらに気付き「ありがとう」と言っているのが聞こえた。
それにオルタはグーサインで返し、大空へと飛び去っ