スタンド使いの見える日常   作:水華

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前半は主人公の回想形式
後半はジョジョ風の言い回しを意識してます。

主人公はエンジェルビーツの立華かなで似の黒髪をイメージしてます。


原作開始前
1話、覚醒


物心付く頃から、私にはこの世ならざる者たち、”奴等”が見えていて、幼い私はそれが何かも分からずに親や他の子にも当然見えていると思い込んでいました。

 

母親とお出かけしている時も

『ねぇママあれなあに?』

『ん?電柱がどうかしたの?』

【ミエテル?ミタミタ?】

『ふぇ?』【ミタナ!ミタミタミタミタァァァ】

『うわぁああああん』『えっどうしたの?何処か痛いの?』

 

保育園で同い年の子と遊ぶ時も

『・・・』

『なにもいないじゃん!』

『ウソはいけないんだぞ』

『そうだ、そうだ』『ウソつきはドロボウだぞ』

『ドロボウ』『ドロボウ』『ドロボウ』

 

『ちがうもん!ホントにいるもん!』

『や~い、や~いウソつきはあっちにいけ!』

 

ホントだもん・・・・・・

【アソボアソボ】【アツマレ】【コノユビトマァァァ】

 

やがて成長するに従って”奴等”が、私にしか見えておらず、基本他の人には害が無いと気付いた時には既に遅く、親には気味わるがられ、

『あなた、私どうしたら良いの?あの子おかしな事ばかり言うのよ?』『大丈夫だって、構って欲しいだけさ』『でも、気味が悪くて』『・・・』(ママ、パパ・・・)

 

同年代の子には嘘つきの子のレッテルを貼られた後でした。

『ウソつきがきたぞ~』『ウソつきがうつる~』『・・・・・・』(ウソじゃない・・・もん)

 

そして”奴等”は、気付かれる前に無視(シカト)する分には無害です。

しかし、見えている事に気付かれるとしつこく付きまとわれ、最終的に体に纏わり付いて息苦しく、精神的にもキツい事になります。

 

ただ不思議と、寝て起きると”奴等”は1匹残らず居なくなっているのです。

 

しばらく経ってから、偶然にも”奴等”が体内に入っている人を見た時は、顔を青くして自分の体をペタペタ触ったっけ、結局憑依はされて無かったけど・・・苦い思い出です。

 

その後も無視を続け、反応しちゃた時は目を(つぶ)り耳を(ふさ)いでひたすら耐えるのです。

 

そんな日常を過ごしていたのですが、ある日事件は起きました。

 

病院に行った帰り道、あと少しで家に着くといった所に奴は居ました。

(ヒッ、ナニあれ⁉うぅキモチワルイよ~)

ソイツは大きな体に牛の様な足、背には蝙蝠(こうもり)(カラス)の様な羽があり、背には人の腕がまるでイソギンチャクの様に生え(うごめ)く、尻尾は先端にハサミの様な虫の(あご)の様な物が付いています。

 

何よりも顔が猫なのにライオンの(たてがみ)の様に角が生えていて、目が額にも付いています。

 

【グルル、ニャーゴー】

 

「ママ、このみちヤダ、ほかいこうよ」

「ハァ、またワガママ?いい加減にしなさい、ママを困らせて楽しい?」

「ち、ちがう!けど」

「ほら、行くよ!」

そう言って母親は私の手を取り、奴の、化け物の方に歩き出します。

 

【?ニャァ・・・】

(おねがい、きづかないで)

 

母親に手を引かれ、目をギュウと瞑りながら歩きます。

しかし、それを見ていた奴は、目線を私からそらさす、ゆっくりと着いて来ていた事に、この時の私は気付けません。

 

 

家に着いて部屋に戻り、ベッドに腰掛けボーっと呆けます。

色々といっぱいいっぱいで思考を放棄していたのですが、時は止まってくれず、流れます。

 

【ニャーゴー】

「・・・えっ?」

それは、ついさっき聴いた覚えのある鳴き声でした、何かの足音が近付いて来ます。

 

「ヒッ!?」

ドアを透過して来たのはヤハリ奴でした、此方(こちら)を見る目はニヤリと(わら)った様に見え、直ぐに耳を塞ぎ、目を固く閉じてひたすら耐えます。

 

トン、(・・えっ?)

何かに頬を()された感覚がして、思わず目を開けてしまいました、幸いにも目は合わなかったのですが、奴の肩付近が目の前にあり、首の角が直ぐ隣に見えます、まるで頬擦(ほほず)りでもしようとして失敗した様な・・・恐る恐る頬を触って頭が真っ白に漂白されました。

 

「い、い、イヤァアアアア!!!」

 

幸い傷は浅く、後も残って無いのですが、当時の私は手に着いた血を見てパニックをおこし、頭を抱えてまるまる防御姿勢をとります。

その瞬間、私の背より3対の翼が現れ、翼は邪魔だった奴を弾き飛ばして、私を包み込んでくれました。

 

【ブギャ  ゴグルル】

弾かれた奴は威嚇し、距離を詰め、間合いになったタイミングで、後ろ足で立ち上がり前足で翼の繭にスタンピングをしました。

 

ゴン ゴンガンゴンゴン

 

連続で足踏みをするも繭を破れません、大きい一撃の為にためた瞬間、バッサァと翼が開き、羽が飛んで奴の体や周囲の家具に突き刺さりました。

 

【キャイン、キャン コルル】シュゥポ

【ギャァ】

 

羽の刺さった傷口から何故か出火し、奴は床を転がって羽を外し、消火、少女を一瞥(いちべつ)すると窓の方から逃げて行きます。

 

(えっ?)

私は呆然(ぼうぜん)(ほう)けていたのですが、意識がハッキリした時には、部屋はぐちゃぐちゃで羽らしき物が有った場所は出火していました。大惨事ですね。

 

「いきなり叫んでどうしたの、、、って何してるの!」

「・・・・・・」

 

その後、火は無事に鎮火しましたが、母親は等々耐(とうとうた)えきれなくなりました、父親との話し合いの結果、孤児院に預けられる事に、私は実質捨てられてしまったのです。

ー回想Endー

孤児院にも”奴等”は存在する、少女は間違って反応しないために表情を消し、口数も少なくしたのだった。

周りの子もそんな少女、本名 立華天音(たちばなあまね)を遠目に見る、当初は積極的に話し掛ける子もいたが、”奴等”に怯え反応の薄い彼女に1人、また1人と話し掛ける子は居なくなった。

少女は孤立していたのだ。

 

そして1ヶ月後、因縁の相手は再び少女の前に現れる。

その日、少女は施設の中庭で遊んで居る子供達を、離れた物影から眺めていた。

 

「・・・」

ニャァニャニャニャニャン!

(えっ?)

何処からともなく聞こえる、まるで鼻歌を口ずさむ様に歌いながら奴は少女に向かって歩いて来た。

 

ニャァニャニャニャニャン!シャーー】

(うそ い いやぁ)

少女の前に現れた奴は、明らかに変化(へんげ)していた、後ろ足で立ち上がり二足歩行、胴体には目が節穴になった顔が無数にあり、翼を捨て、背には大きな口とそれを囲む様に配置された腕が連なり触手めいた動きをする触腕、尾は2本増え地面に根をはる大木の様に逞しくなり体を支え、前足は太くなり手首より先は無数の頭を()ねて一つに纏めた様なハンマーとなっていた。

 

ただ、頭だけは以前と変わっていない、3つ目の猫で結合部分の首は角からモフモフしたマフラーの様な毛皮に覆われている。

奴の様子から、リベンジに来たぞ、この顔を覚えているな?俺は強くなった、さぁ戦おうか、そう言っている・・・気がする。

 

そんな奴が何処で覚えたかシャドウボクシングを(つたな)いながらも真似ている間に切り抜ける方法を考えなければならない。

 

(とりえず、ヘヤににげる!ここからインまでに、みんながいるけど、見えてないしへいきだよね?・・・わたしがへんにおもわれるだけ うん 平気

少女は多少気落ちしながらも思考が纏まり、自身の部屋に向かって駆け出した!

 

【ニ? ゴー】ドスドス

それを見た奴も当然逃がさん!と遅れて追いかける。

 

「わっ!」「へっな ネクラ!」

「いきなり どうしたの⁉」「ナニなに?」

「・・・」

子供達はいきなり飛び込んできた立華天音に驚いたが、次の瞬間、驚愕が消え恐怖に染まった。

 

【フゥゥニャァ】ビュビュゴ

「「「・・・・」」」

拳を振り回す、場所は子供達の中心、拳に触れてしまった子供達が意識を失い、その場に倒れてしまった。

 

「「キ キャァァァ!!」」

(うそうそ、イマまで なんともなかった のに なんで)

 

その後も奴は拳を振るい続けた、またも子供達が犠牲になる、騒ぎを聞いて駆け付けた職員にも奴の拳が貫通、犠牲者を増やした。

傷口は存在しない、肉体にはなんの影響もない、ただし精神にはガッツリ作用していた、効果は大の大人でも意識を保てず失神する。

 

「う うわー」「に、にげろー」

子供達はパニックに(おちい)る、バラバラに逃げ回る、防災マニュアルなど知らん!

子供達には奴が見えない、必然、不幸にも奴の方へ逃げてしまい、新たな犠牲者となった子も居た、それ以外の子は無事に院の中や外へと逃げ込めた。

 

(うぅ、にげなきゃ、でも でも

少女も当初は、孤児院の中にある自身の部屋に駆け込む気だった、でも、奴は見えない子にも害で有ると分かった、心優しい少女の中で葛藤が生まれる、たとえ知らない子でも犠牲には出来ない、天音は固まった、思考はもうグチャグチャだ、ただ状況は刻一刻(こくいっこく)と変化する。

 

【ミャァン!】

奴が背中の触腕を倒れている犠牲者の頭へ伸ばしガシと掴む。

 

ドクッン

 

大きな鼓動が響く、犠牲者から何かを吸い出す様に触腕がうねる。

 

「!」(やばい、どうにかしなきゃ)

少女は、これ以上の放置は事態が悪化する一方であると悟った、立華天音よ覚悟を決めろ、さぁやるんだ!と自分に言い聞かせ大きく息を吸い。

 

「おねがいします、だれかわからないけど まえはきまぐれだったかもだけど、おねがいします!たすけて!!

 

【ニャァゴォ】

奴は少女の目の前に立ち、拳を振り上げハンマーの(どと)く必死に祈る少女に振り下ろした。

 

ゴォォン!

 

【ニャ?】(良かった、きてくれた)

前回と同じく翼が防いだ、さらに今回は少女からズと人型のシルエットが浮き出て来る。

 

「えっ、だれ?」

【わたしは、あなたの力です】

「ワタシのちから?」

【はい、精神力、気、チャクラ、天使の力(テレズマ)、オーラ、生命力 呼び方は色々ですが、力を持った(ヴィジョン)、それがあなたの能力 メタトロンです】

「メタトロン?」

【はい、わたし【ブニャ!】っく!】

3対の翼を持つ天使の様な外見をしたメタトロンは、奴の拳による押し込みを、天音を抱えて後ろに跳ぶ事で回避する。

 

【前回よりも強くなってますね】

「その だいじょうぶ?」

【良い機会ですのでレクチャしましょう、先ずメタトロンはあなたの力で在ることを認識して下さい】

「うん?」

【あなたの力なので気持ちの持ちようでメタトロンは強くも弱くもなります】

「そうなの?」

 

【ニャァゴォ】【ハァ!】【キャン!?】

再度殴り掛かる奴にメタトロンは無数の羽を飛ばして突き刺す。

 

【そして、メタトロンのメイン能力は光子(フォトン)の具現化!産み出したフォトンを羽に纏わせて飛ばせば】

 

シュポ【二?】

 

光羽の短剣(フェザーダガー)、高温のフォトンで発火するナイフとなります】

【ニャニャニャ】 オオオオン

奴がいきなり笑い出すと、胴の顔達が一斉に叫ぶ!

すると火が全て吹き飛ばされた。

 

「キャァ!」

【・・・成る程、対策済みですか、しかし目的は別にあります】

 

【!ニャニャ!?】

メタトロンが飛ばした羽のナイフは、奴の触腕を切断し犠牲者を解放していた。

 

【そしてフォトンの使い方は工夫しだいです!】

メタトロンは指を真っ直ぐ伸ばした手からフォトンを放出して即席の剣を作り出し、切り掛かる。

 

ザシュ!

 

【ギミャ!】

奴の胴を斜めに切り裂いたが、奴も直ぐに持ち直して拳で牽制(けんせい)しつつ下がった。そしてにらみ合いによる膠着(こうちゃく)となり、傷は怨嗟(えんさ)の声で消火、余剰エネルギーで塞いだのだった。

 

「ゴクリ」

断罪の剣(ジャッジメント)、一太刀でダメなら何度でも】

両手に断罪の剣を作り出し、3対の翼にもフォトンを纏って強化し突っ込む、奴も迎え撃たんと両拳を脈動させ、エネルギーを集中。

 

ザン、ギィン、オオオオン

ゴンガン、ギンギンギン

 

断罪の剣と拳、拳と翼などが何度も衝突する。

何度か断罪の剣が胴を切り付けるが、その都度怨嗟(えんさ)の声で消火した。

 

ザシュギシ

【なっ!?】【ニヤァ】

何度目かの衝突で左拳を切り裂いたが、それは奴の罠だった、断罪の剣が途中で止まり、再生に巻き込む事で(とら)えた。

 

シュゴォ

勢い良く炎が噴き出すが、奴はそれを無視してフリーの右拳をとどめだとばかり引き絞ったが、放つ前に何故か紙が飛んで来て目を塞ぐ。

 

【グミャ?】【今です!】

炎で隙間が出来た事で、左拳から剣を引き抜き二刀で切り掛かる。

 

ザン ザンザンザンザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザン ゴォォ

 

【ギィミャァ】「あっ!」

念入りに細切れにして、とどめに発火で火炙りにした所でメタトロンは天音の中に戻った。

 

【ニャァァ~】「えっうそ!?」

身長差も有って、頭部まで斬撃は届いていなかった、それでも首を切り離して逃げるとは思っていなかった為、対処出来ない。

 

バサッペタ

【二?】バサッバサッペタペタペタ

【ニャ?ニャニャ?ニャー】

「うわぁ・・・」

何処からともなく飛んできた紙が猫頭に纏わりついて紙玉になって圧縮され小さくなり、地面にポトっと落ちたのだった。

 

パチパチパチ

 

「えっ?」

突然拍手の音が聞こえて、慌てて振り向くと赤髪でカソックを着た胡散臭(うさんくさ)い笑顔の男性がいた。

 

「少女よ、最後の爪は甘かったが、マァマァ評価出来る祓魔(ふつま)だったぞ」

 

「えっと、ありがとうございます?」

「ふむ、スタンドを使うのは今回が初めてかな?」

「あのスタンドって?」

男は顎に手を当てて思案し、まとまったのか少女に目を向けた。

「わたしは、しがない神父をやって居てね、先程の悪霊や怨霊の祓魔もするのだよ、そして少女が出していた天使がいたが、見えていたかね?」

「は、はい」

「ふむ、その天使、正確には生命力を元に作り出されたパワーある(ヴィジョン)をスタンドと呼ぶ」

「そうなんですか?」

「そうだ、そしてスタンドは千差万別(せんさばんべつ)、精神性によって姿や能力が異なる」

神父は(てのひら)を上にして右手を前にした、すると掌の上に1冊の本が出現する。

 

「これが私のスタンド、天界の神書(アカシックレコーズ)だ」

「えっ?本、ですか?」

 

「は、は、はぁ戦えそうには見えないかね?」

「あっすみません」

「気にしなくてもよい、これの能力は戦闘がメインでは無い、因みに私がここに居るのはその能力だが・・・今は良いだろう、さて」

そこまで言うと神父は歩き出し、紙玉を拾った。

そしてケースの中に閉まう。

 

「私のスタンドは群体(ぐんたい)型と呼ばれる物でね、1ページ1ページが独立して動く、そして()れで纏わり付く事で拘束も可能なのだよ」

「へ~」

 

「さて、神に導かれた私が、子羊たる少女に示せる道は2つ」

真剣な表情で指を2本立てた神父に緊張が走る。

 

「1つは、このまま日常に戻る道、スタンドの存在を忘れ、見えない振りを続ける。まぁ暴走も考えるとお勧めはしないがね」

「・・・」

 

「もう1つは、私と共に教会へ行く道、スタンドの制御や祓魔の方法を学べる。まぁ日常が遠くなるし、ここの友達とはお別れだがね」

「・・・・・・」

 

「さぁどうするかね?」

「教会に行きます」

天音に迷いは無かった、元々孤児院に友達はいないし、”奴等”に対する悩みが解決するなら、他は気にするものなどないのだ。

 

「そうか、赤司玄人(あかしくろうど)だ、よろしくな少女よ」

差し出された手を握り返しながら

「たちばな あまねです、よろしくです」

 

ToBeContinued




ストリート展開はスパイスガールの初登場シーンを意識してますね。
自身のスタンドが色々教えてくれる親切回です。

スタンドのメタトロンは、パズドラのメタトロンをフレームとしてイメージしてます。
尚、幼少期は12歳前後の見た目まで弱体化付きです。

赤司玄人(あかしくろうど)は言峰神父に似た雰囲気の赤髪ですね。
若干コトミネ・シロウ神父の胡散臭さもブレンドで。

スタンドの天界の神書(アカシックレコーズ)はパズドラのメタトロンの所持アイテムをイメージして頂ければ幸いです。
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