俺氏、ループ系TS聖女様をいつの間にかメス堕ちさせていた模様   作:弐目

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※時系列的には帝国編の終盤(103~104話辺り)です。






アンナの受難・再び(ぜんはんせん)

 

 

 

 特徴的な金髪巻毛の少女――ローレッタは、黙して眼前に聳える屋敷を見上げていた。

 仕事帰りなのか、彼女は隊服である魔装処理が施された黒外套(コート)姿だ。その肩には何故か泊りがけの旅行などで使う鞄が掛けられている。

 見上げる屋敷はデザインとしては近年の帝国の流行よりやや古い、だが歴史を感じさせる建物だ。

 外壁や前庭、門構えも、落ち着いた意匠ながら威風を感じさせる作りとなっており、帝国が持て成すべき国賓が逗留するに相応しい風格である。

 

 時刻は既に夜。夕焼けは既に沈み、夜の帳が落ちる時間だが……《大豊穣祭》も終盤を迎えた今、最後の大盛り上がりといわんばかりに帝都は活気づいていた。

 そこかしこに明かりが灯り、耳を澄ませば様々な喧噪が聞こえてくる。残った時間で催しを堪能しようと、観光客や街の住人が帝都中を慌ただしく見て廻る光景も見られ、最後にあっても今回の祭りの規模が窺えようというものだ。

 

 街中の空気に併せて、という訳でもないだろうが目の前の屋敷も煌々と照明が灯され、夜の暗闇を押し退ける光が門の前に立ち尽くすローレッタを優しく照らしている。

 

「何突っ立ってんの? 早く入るよローレッタ」

 

 声を掛けられ、屋敷を見上げる為に頤を上げていた首をゆっくりと元の位置に戻す。

 戻した視線の先にいるのは、長い銀髪をサイドで結んだ騎士だ。

 ローレッタより二、三年上であろう少女は同じく隊服の外套(コート)姿であり、これまた同じ様に肩に大きめのバックを引っかけ、不思議そうに小首を傾げている。

 

「……副長、お聞きしたい事が」

「ん?」

 

 部下であるローレッタの静かな声に、首を傾けたポーズのまま続きを促す銀髪サイドテールの少女……《刃衆(エッジス)》副隊長アンナ=エンハウンス。

 屋敷の門構え脇にある、魔道具の一種であろう呼び鈴を押そうとしていた彼女は、真顔で問いかけを行ってきた部下の様子に怪訝な表情を向けた。

 

「なぜ、(わたくし)は此処に……聖女様方の逗留先のお屋敷に居るのでしょう」

「私が誘ったからだね」

「同性の隊員同士での親睦会(お泊り会)、とお聞きしたのですが……」

「直ぐに隊長も来るし、間違ってないよ。やる場所がこの屋敷で、レティシアとアリア様も参加するってだけで」

 

 ぶっちゃけ、それ自体に不満は無い。寧ろ光栄な事である。

 尊敬する上司であるミヤコ・アンナの両名に加え、かの救世の聖女姉妹まで参加する女子会――即ち、憧憬抱く綺羅星の如き英傑達との交流を深める機会だ。ローレッタにしてもバッチコイなウキウキのイベントだった。

 

 ……が、タイミングと、何より参加メンバーが()()だ。

 

《大豊穣祭》開催直前に北区の工房で起こった――人外級やそれに近い領域に達した一騎当千の乙女が偶発的に遭遇する事となったあの一件。

 あれは肝が冷えた。集結場所であった応接間から感じた凄まじい威圧と魔力。下手をすれば工房とその周辺が吹っ飛ぶかもしれない、と先任の同僚と共に神経をすり減らした災難の記憶。

 それらは大祭中の目白押しであったイベントやゴタゴタあれこれを挟んでも、まだまだ色鮮やかに脳裏に焼き付いている。

 この面子は否が応でもあの時間を思い出させるのだ。これであの魔族領の公爵名代であるという少女まで加われば、まるであのときの焼き直しではないか。

 

「《陽影》――あの半吸血鬼(ダンピール)の娘も来るみたいだし、国際色豊かよねー。ぶっちゃけ陛下が用意した屋敷なだけあって設備とか人員も最高級だし、女子会の場所としては上等にも程があるわ」

「あのとき応接間に居た方々が全員集合しているではありませんか! なんで(わたくし)まで呼ばれたんですの!?」

「ちゃんとシャマの奴にも声掛けたわよ――他に用があるって逃げられただけで」

「おふぁっきん!!」

 

 先任としての経験値か、単に危機回避能力の高さか。

 ちゃっかり今夜の女子会という名の危険地帯から逃げおおせた先任の顔を思い浮かべ、ローレッタの口から御嬢様らしからぬ罵声が飛び出る。

 頭を抱えて天を仰いだ部下を前に、アンナが優し気な表情となってそっとその肩を叩いた。

 

「大丈夫だよローレッタ。私はただ――道連れが欲しかった(部下を労いたい)だけだから」

「ぜってぇ嘘ですわ! 言葉尻に半端ねぇ不穏が見え隠れしてますの!?」

 

 副音声が透けて見える様な上司の台詞に、渾身のツッコミを入れる素手ゴロ令嬢。

 立ち塞がる壁や敵をその拳で粉砕して突き進んできた彼女だが、今回の親睦会と言う名の壁は分厚く、高い。

 なにせ参加者ほぼ全員が彼女の遥か格上だ。合計したら壁というより霊峰の如き標高と直径である。

 当然、目の前で凪いだ笑みを浮かべる上司もその一人だ。ローレッタの必死の抵抗という名のツッコミは無情にもあっさり受け流された。

 

「ここまで来て回れ右も出来ないでしょ。そもそもレティシア達にはアンタも参加するってもう伝えてあるし」

「オッフ……た、退路も断たれてる……ぽんぽん痛くなってきましたわぁ……」

 

 彼女は腹を擦り、例の一件の中心というか発端というか……とにかく原因である青年よろしく、白目を剥いて仰け反り、呻く。

 ちなみにその青年は同じく逗留する某司祭と共に街に繰り出している。屋敷で少女達が交流を深める様に、彼らもまた今回の滞在で交流の生まれた者達と飲みにいくらしい。使用人達を除けば、今晩のみ屋敷は完全に女の園、という訳だ。

 尤もアンナからすればいざという時の肉盾――取り敢えずミヤコとレティシアに差し出しておけば、自身への飛び火を抑える事の出来る奴がいない、という事なのでそう歓迎出来る話では無いのだが。

 

「大丈夫だいじょーぶ。ちょっと前にもこんなことあったけど生き残れたし、今回もなんとかなる筈……きっと、多分、おそらく」

 

 前回の経験とやらがよほど過酷なものであったのか。

 段々と尻窄みに言葉弱くなる上司の姿は、端的に言って恐怖を煽る。

 当時の記憶を思い出したのか、凪いだ表情のまま何処となく眼が死んでいるアンナの姿に、ローレッタもごくりと息を呑んだ。

 

 そもそも、この親睦会とやら自体が唐突に過ぎた。

 アンナ曰く、あの工房での一件のあと、既にこの屋敷ではお泊り会が一度開催されていたらしい。

 

 参加者は聖女姉妹に《刃衆(エッジス)》隊長、公爵名代の半吸血鬼(ダンピール)の四名。

 どういった主旨で開かれた会なのかは語る迄も無いだろう。十中八九あの駄犬(ゆうじん)絡みだと見当をつけるのは、アンナでなくとも容易である。

 その日、レティシアにお誘いを受けたと言って仕事上がりにそのまま屋敷へと向かった隊長を見送った彼女だが……その夜も翌朝も、屋敷が吹っ飛んだだのあの辺りが更地になっただの、おそろしい報告が舞い込んでくる事も無かった。

 半ば肩透かしにも近い結果に「あ、思ったより平穏な感じだった?」と、胸を撫で下ろしたものだ。

 

 どんな会話が行われ、また約束が為されたとして、それはどんなものであったのか。

 参加者では無く、無遠慮に聞くつもりも無いアンナには知る由もないのだが、これまたあの友人に関する事なのだろう。集まった顔ぶれからして間違いない。

 そこで終われば「これを期に、アイツの鈍感(クソボケ)っぷりもマシになるかもね」と笑っておしまいな話だった。

 だったのだが、現実は甘くない。祭りの終わりが見えて来た今夜、二回目の開催である。

 しかも聖女姉妹+敬愛する隊長からの御指名による、アンナの参加も義務付けられた、だ。

 それこそ不参加だった一回目と同じく、後に報告書や始末書作成必須みたいな事は起こらない、穏やかな会となるのかもしれない。

 だが、少なくとも彼女の勘は『絶対そうはならねぇ』と喧しく告げていた。

 

「あ"~もう……なんで私まで……」

 

 これまでの流れを思い返し、思わず、といった様子で呟くアンナだったが……それは思いっ切り巻き込まれた立場である彼女の部下こそ言いたい台詞だろう。

 事実、上司の嘆きを耳にしたローレッタは、このときばかりは畏敬を引っ込めて若干呆れた声色で言葉を拾い返す。

 

「前回、副長は参加していないからこそ、ではありませんの? スケさん……かの猟犬様が関わる事であれば猶更に」

「いやなんでよ? 私があの駄犬絡みで集まった面子に混ざる理由が無いでしょうが」

「えっ」

「何、その反応」

 

 何言ってんのこの人、え、素で言ってる? みたいな眼で部下から見つめられ、憮然とした表情となるアンナ。

 その反応を見て何か感ずるものがあったのか、ローレッタは難しい顔となって腕を組み、思案に入ってしまう。

 

(えぇー……あの距離感でそういう認識……意識的にではなく? マジですの?)

 

 無自覚が過ぎるというかなんというか……これは指摘した方が良いのだろうか。

 少々悩むが、直ぐにやめておこうという結論に至る。 

 反応が予測出来ないので怖いというのもあるが、本当に無自覚だとすると鼻を鳴らして平然と流されて終わりそうだ。

 ただでさえ今夜は人外魔境な親睦会に飛び込むのだ。これを無事に乗り越える為にも、事前の心身の消耗は避けるべきである。

 ローレッタといい、アンナといい、女子会での心構えというより戦場での生存の為の布石みたいな思考なのだが、面子が面子なので大体間違っていない。

 

「……まぁ、いいわ。誘ったのは私だし、中に入る前に幾つか言っておく」

 

 上官である少女も部下のなんとなく温い視線に気付いていない、という事は無いのだろうが、一旦はスルーする事にしたらしい。

 人差し指を立て、自身の体験を元に特に注意すべき点を喚起する。

 

「先ず、何はなくとも窓に近い位置――もしくは一直線に飛びこめる場所に陣取る。出来れば一動作で離脱に移れる体勢が好ましいわ。間違っても椅子やソファに深く腰を下ろさないこと」

「……あの、親睦会のお話ではありませんの?」

「アリア様も参加するし……今回、部屋の空気は気絶するような域には行かないかもしれないけど……その分、決壊のタイミングが読み取り辛くなってる可能性もある。予兆を見逃さない様に集中しなさい」

「マジで戦場での立ち回りの助言にしか聞こえませんわ!?」

 

 至極真剣な顔で指折り立てて告げられる言葉に、ローレッタのツッコミ混じりの悲鳴が上がる。

 繰り返すが大体間違っていない。

 少なくともアンナは大真面目であった。前回、位置取りを意識して尚、脱出のタイミングがギリギリであった事を考えれば幾ら注意を払ってもやり過ぎという事は無い筈だ。

 言うべき事を語り終え、息を一つ吐き出し――改めて屋敷の門へと向き直る。

 

「それじゃ、言うべき事も言ったし……行くよ」

 

 何時までも二人で門の前でお喋りしている訳にもいかないだろう。時間的にも頃合いだった。

 助言を行ったは良いが、なんだか益々不安そうな表情になった部下を宥めつつ、アンナは鉄柵の門構えの脇に取り付けられた呼び鈴を鳴らそうとして――。

 

「――あっ、そうでしたわ! (わたくし)、最後に聖女様方と顔を合わせたのは……」

 

 寸での処で動きを停止。焦った声色で呟かれた言葉に振り返った。

 

「ちょっと、此処に来て気になる事言い出さないでよ。何かあったの?」

「い、いえ……問題という程では無いのですが……少々気不味いというか……」

 

 明朗快活な気質のローレッタにしては珍しい、もにょもにょとした口籠る語り口。

 しかし、ここまで来て「やっぱ無し。帰りましょう」が出来る筈も無し。

 何より、余りこの場でまごついていると隊長職故の残務処理で自分達より遅れてやってくるミヤコも到着してしまいそうだ。

 

 ローレッタも同じ考えに至ったのか、軽く頭を振ると大きく息を吐き出し、気合を一つ入れた。

 

「……えぇい! 尻込みばかりで進むを躊躇うなどカッツバルゲル家の家訓に反しますわ! 往きましょう、副長!」

「おー、いい気合。アンタのそういう思い切りの良さ、結構な長所だと思うよ……じゃ、今夜を無事に乗り越えられる事を祈って――逝くとしましょうか」

「やっぱり語尾が不穏!? 早くも心挫けそうになりますので勘弁して下さいまし!」

 

 騒がしいやり取りをしつつ呼び鈴が押され、涼やかな音が小さく鳴り響く。

刃衆(エッジス)》二名は、今宵戦場にも劣らぬ危険地帯になりかねない屋敷へと、意を決して足を踏み入れたのである。

 再三となるが、一応言っておこう。その危機感は多分大体間違ってない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――それから約一時間後。

 

 唐突だが、現在アンナは浴場にいる。

 

 右を見た。

 

「ウギギギギ……どいつもこいつも丘の住人ばかり……だから入りたくなかったんだよ……!」

「レティシアー、頭流すよ? 眼閉じてー」

 

 美しい金と銀の髪の姉妹。洗い場にて妹が姉の長い髪を洗い、お湯をかけて泡を洗い流していた。あと姉の方の眼が怖い。

 

 左を見る。

 

「あら、この石鹸良い香りですわね。泡立ちも良いですし、どちらの品か後で聞きませんと」

「あ"あ"あ"あ"ぁ……染み入るなぁ……大きいお風呂ってこんなに良い物なんだね……」

 

 同じく洗い場で手の中で泡立てている石鹸を見つめ、漂う香りを堪能している部下。その奥には、湯舟に浸かって液状化して風呂に溶けそうなほど脱力している、最近知り合った魔族領からのお客人の姿があった。

 

 アンナは思い思いに命の洗濯タイムに勤しんでいる面子を眺め、次に湯場の天井を見上げて。

 

「どうしたこうなった」

 

 湯けむりけぶる広々とした浴場で独り言ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 話が急にぶっ飛んだ様にも見えるが、実際の処はそう妙な事でもない。

 

 夕飯は隊舎で済ませてある。後はお泊り会の名の通りに参加する面子で集まって話に興じるだけだ……アンナからすればその歓談の時間こそが恐ろしいのだが。

 とにかく、何か食べるにしても、ちょっとした菓子を摘まむ程度だろう。

 挨拶もそこそこに、先ずは仕事の疲れと汗を流すべくひとっ風呂浴びて、部屋着なり寝間着なりに着替えて来てはどうか、というレティシアの言葉に乗ったというだけだ。

 

「折角だから皆で入ろうよ!」

 

 今回の親睦会の発起人である聖女達と、一足先に来ていたらしい半吸血鬼(ダンピール)の娘。

 そこに《刃衆(エッジス)》の二人を加えた計五名が居る客間にて、ニッコニコで提案したのが聖女姉妹の片割れ、アリアである。

 相変わらず笑顔から聖気が放射されていそうな聖属性な少女だ。聖女の看板に偽りなしなスマイルは、アンナちゃんポイント高得点である。

 ちなみに姉の方のレティシアは「いや、オレはもう身体洗ったし」と渋っていたが、妹の「浄化魔法で汚れ落としただけじゃんか。横着してないでレティシアも来なよ」という至極真っ当なツッコミによって強制連行される事となった。

 

 日によっては木枯らし吹くこの季節、アンナとしても暖かい湯に浸かって仕事の疲れを癒す事に否は無い。

 部下や友人達と裸の付き合いというのも悪くないだろう。風呂というものはその用途故に一糸纏わぬ――即ち虚飾や隠し事は無しの交流の場として、友好を暖めるのに用いられてきた、と何処ぞの馬鹿も力説していた。

 

 ――が、現在の状況は彼女にとっては最重要のピースが欠けている。

 転移・転生者達の元居た世界で云う処の『画竜点睛を欠く』というやつだ。これを見過ごして風呂に向かう事は出来そうに無かった。

 

 スッと手を挙げ、出来る騎士の顔とはこれだ、と言わんばかりのキメ顔で謝辞を告げる。

 

「隊長と一緒に入りたいから私パスで(先に報告書の下書きを書き上げたいのよ、後で入るから皆で行って来て)」

「おい、そこの副隊長。欲望が駄々洩れ過ぎて本音と建て前が反転してんぞ」

 

 敬愛する上官との混浴という、降って湧いたとんでもないチャンスに気が逸り過ぎた所為だろう。

 仕事が出来る騎士処かとんだ凡ミスである。突き刺さる呆れの視線からアンナはそっと目を逸らした。

 にしても人聞きの悪い事を言う聖女(姉)だ。隊長への愛に溢れていると言って欲しいものである。

 

「広々とした湯場は実家以来ですわね……正直に言えば心惹かれるので、(わたくし)としては是非とも使わせて頂きたいですわ」

「僕も興味が無い訳じゃないけど……申し訳ない、湯着はあるかな? や、やっぱり同性でも、あまり肌を晒すのは恥ずかしくてね……」

 

 残る二名――ローレッタと《陽影》もこれから浴場に向かう事には賛成の様だ。

 先にも述べたがアンナも嫌という訳では無い――が、"待ち"を選んだ際に得られるものが魅力的過ぎる。

 

「あー……報告書の内容考えたいっていうのは本当だし、やっぱり私は……」

「ミヤコさん結構遅れるかもって言ってたよ? そうなったら、さっきのレティシアじゃないけど浄化魔法で汚れ落すか、シャワーで終わりになっちゃうんじゃないかなぁ」

 

 此処で草稿を練っている。と続けようとして、アリアから身も蓋も無い指摘を受けてしまう。

 

「アリア様……それでも人には、手を伸ばしたい光景(モノ)があるんです」

「滅茶苦茶キメ顔で言う事か、それ」

 

 先程からの呆れの眼を保持したまま、レティシアに混ぜっ返された。

 さっきから失礼な聖女だ。では逆に聞くが、今のアンナの言動を自分のパターンに置き換えた場合、全く共感出来ないと断言できるのか。

 そう反論すると、空色の瞳がハッとしたように見開かれて白い指先が思案するように顎先に添えられる。

 

「…………確かに……」

「えぇ……同意しちゃうんだソコ」

「一緒にお風呂か……確かに万難排して掴みたいチャンスではあるね」

「うん、《陽影》さんまでそっちいくのやめよう?」

 

 姉と半吸血鬼(ダンピール)の少女が真剣な表情で其々に頷く。どうやらその光景を思い浮かべているらしく、直ぐに顔が締りの無いものに変わった。

 アリアが二人の意識を引き戻そうと言葉を掛けるも、効果は薄い。

 

「入浴中に突撃すれば意外といけますわよ?」

 

 そこに不思議そうな声色の――だが問答無用に強烈なパンチのある発言。

 場の視線を一斉に集めたのはローレッタである。

 そういえばそうだ。この金髪巻き毛の少女は今夜の面子でぶっちぎりの恋愛強者――年上の彼氏持ち(捕食済み)であった。

 

「い、いけるモンなのかそれで……?」

「タイミングとしては身体を洗い始めた辺りが狙い目ですわね! 石鹸で滑る可能性もあるので御相手も強く拒んで押し返す事も出来ず、あわよくば意図的に滑って嬉し恥ずかしハプニング狙いですわ!」

「め、めちゃくちゃ具体的……!」

 

 おそらく体験談であろうアドバイスを受け、思わず前のめりに傾かせた身を再び仰け反らせるレティシア。

 それに代わるように《陽影》がおずおずと……だが、隠し切れない興味を双眸に灯してやはり前のめりに問いかける。

 

「で、でもそこまで持っていくのに、やはり時間は必要なんじゃ? 一緒に過ごした時間が長い人はともかく、短かったり会う機会自体が少なかったりする場合もあるだろう?」

(わたくし)は子供の頃、想いを自覚したその日の晩に先生の入浴中に突撃しましたが」

「あ、ハイ。生意気な意見でしたすいません」

 

 そんな風に尻込みしてるから機会(チャンス)を逃すのだといわんばかりの圧倒的な速攻。その実績を前に、半吸血鬼(ダンピール)の少女の意見も一蹴された。

 というか、子供の頃でその行動力は肉食が過ぎる。彼女の先生――帝国で客分の研究者扱いとなってるマメイ氏も、当時の教え子の一見無邪気な「背中流してあげる!」という好意の裏にギラついた捕食本能が隠されていたと知れば驚愕するだろう。

 

(やだ、私の部下(恋愛的な意味で)強すぎ……?)

 

 まるで「(わたくし)、何かやっちゃいました?」とでも言い出しそうな雰囲気で小首を傾げるローレッタに、上司たるアンナも戦慄を覚える。

 出会った当時、そちら方面に関しての話に触れる機会の多かったアリアだけが「相変わらずロックな漢女(おとめ)だなぁ」と苦笑を洩らした。

 

「取り敢えずさ、続きはお風呂に入ってからにしようよ。ミヤコさんもまだ来てないし、お喋りに華を咲かせるのは皆が揃ってからって事で」

 

 一旦話は中断させて、浴場に向かおうという彼女の言葉に反対の声は無かった。アンナもなし崩し的に向かう流れである。

 まぁ、仕方ない。僅かにでも存在する隊長とのお風呂の可能性を諦めるのは惜しかったが……ここにきてまだゴネるのも空気を読めていない気がする。

 未練の籠った溜息を、一度だけ吐き出して。

 用意して来た着替えの入ったバック片手に、アンナも皆と連れ立って移動を開始したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――そして現在。

 

 手早く身体を洗い終えたアンナは、片手にぶら下げたタオルを軽く振り上げ、バシン、と肩に当てて担ぐ様に持つ。

 空いた方の手を腰に当て、そのまま仁王立ちで浴場を見渡した。

 

 浴場は相当に広く、豪華な作りだ。

 おそらくだが、貴族でもここまで力を入れた湯場を持っている家はあまり無いのではないか?

 ちょっと位なら泳ぐことも出来そうな浴槽には、今も獅子の形をした蛇口からお湯が注がれ、湯面には良い香りのする花びらが入浴の邪魔にならない程度に浮いている。薬湯の元でも混ざっているのか、湯は白い濁り湯であった。

 

 最大の友好国である教国からの国賓が逗留する屋敷としては、少々年代物な感じのする建物だと思ったが……この浴場もあって選ばれたのかもしれない。転生者や転移者の多くを占めるニホンジンは程度の差こそあれ、皆風呂好きであるというのは割と周知された知識だ。

 浴槽の規模的にも普通に薪で沸かすタイプでは無く、魔道具を用いているのだろう。というか、こうして見回すだけでも浴場内にはちらほらと魔道具を組み込んで作ったらしき物が見える。

 建築費もそうだが、維持費も中々のお値段になっていそうだ。この屋敷を設計した人物の風呂への強烈な拘りが見て取れる。

 

「……アンナ副長、入りませんの?」 

 

 湯気の立ち込める浴場を観察していると、先に湯舟に浸かった部下から声が掛かった。

 ローレッタは湯着を身に着けていない。貴族の婦女子は同性であっても大きく肌を晒すのを恥じらう娘も多いと聞くが、彼女の場合は祖父の「タオル付けて入浴はマナー違反だ」という主張に影響されて湯着は着ないらしい。

 姉妹と半吸血鬼(ダンピール)の娘は身に着けているが、ぶっちゃけ必須という訳でもないので個人の好みの範疇、という事だろう。かく言うアンナも身体を洗うときに面倒、という理由で着けない派である。

 

「ま、風呂は眺めるものでも無いか。それじゃ、お邪魔するわ」

 

 軽く肩を竦め、広々とした浴槽を跨いで湯舟に身をつける。

 秋真っ只中の夜に浸かる湯は、身体に染み込む様であった。

 

「あ"ー……あんまり入る機会もないけど……悪くないね」

「全くですわ……湯に疲れが溶け出す様ですの」

 

 なまじ優れた魔導士が周囲に多い環境だと、身の清潔さという点では浄化魔法一つで片付いてしまう場合も多い。

 王城に勤務する騎士――しかも最精鋭部隊の所属である彼女達も、当然その恩恵を得られる立場だ。女性騎士であるが故に、男連中と違って鍛錬後に半裸になって井戸で水浴び等が気軽に行えない、というのもある。

 連日の激務中や戦場ならば衛生を保てるというだけでも十分過ぎるのだが、やはり平時に何日も湯浴みをしないというのは、なんというか精神面での衛生的によろしくない。なので、入浴やシャワー自体は普通に行う者が殆どである。

 ――が、流石にこうやって全身を伸ばして肩まで浸かれる大きな風呂となると、中々機会が無い。帝都には公衆浴場もあるが、王城勤めではわざわざ足を伸ばすには距離があった。

 

 アンナは湯舟の中で軽く掌でお湯を掬う。微かな薔薇の香りが鼻腔を擽った。

 それを見ていた隣で湯に浸かるアリアが、香りの元である花びらを指先で摘まみ上げる。

 

「お風呂入る度に使われてる花とか果実が変わってるんだよねぇ……昨日は柚子っぽい香りがしたし」

「……毎回準備も大変そうだし、無理はしないで良いって執事さんやメイドさんにも言ってるんだけどな。仕事が早い上に完璧過ぎる」

 

 気持ち不機嫌そうな半眼で鼻先まで浸かっていたレティシアが、思い出した様にボヤいた。

 なんでも、夜に風呂に入って朝に起きると既に掃除を終えて湯も張り替えられた状態になっているらしい。その日のスケジュールによっては入浴せずに浄化魔法で済ませてしまう日だってあるので、なんだか申し訳ない気持ちになるそうだ。

 

「おそれながらレティシア様。彼らも陛下が直接行った人選でこの仕事を任される程の方々ですわ。己の仕事に矜持というものがございます」

 

 貴族の令嬢である為、家人という職に在る者達と長く触れ合って来たローレッタが聖女へと諫めの言葉を向ける。

 聖女の逗留する屋敷の完璧な管理――それが此処の使用人達の仕事だ。全員が国賓を持て成す任を受けるに相応しい、一流の仕事人である。

 彼・彼女達からすれば日毎の浴場の用意などやって当然の水準なので、変に遠慮して手を抜け、という方がよほど困らせる事になる、という事らしい。

 

「申し訳無さでは無く、ありがとうと。毎日助かっていると伝えるのがよろしいかと。(わたくし)の実家でも、家人達に感謝の言葉を伝えた際には喜んでくれた様に思います」

 

 微笑んで両の掌で花薫る湯を掬い、その微かな芳香を堪能する様は華やかな美貌も相まって実に絵になっている。

 年齢的にはこの場の面子の中でアリアの次に年若いローレッタであるが、やはり既に御相手がいるからだろうか? しっとりとした穏やかな笑みと入浴の為に髪をあげた事で覗くうなじが非常に色っぽい。

 更にこの部下、何気にスタイルも良いのである。まだ成長期である事も考えれば、将来は隊長に匹敵するプロポーションとなっているかもしれない。

 

「ウギギギギ……と、年上の威厳が……おかしい、こんなりふじんが、あってよいのか」

 

 耳元の後れ毛をかき上げたローレッタの胸元――白く濁る湯面から半分だけ覗く豊かな双丘を見つめ、金色の聖女の口元から歯軋りっぽい音が聞こえた。

 

「まーた言ってるわこの聖女。そこまで気にするモンでもないでしょうに」

「知ってるか、アンナ。持つ者の悪意の無い慰めは、ときに罵声よりも持たざる者の胸を抉る――って誰の胸が抉れてるってんだオラァ!?」

「自爆でしょーが。知らんがな」

 

 キレ気味に水面を叩いて水しぶきを跳ねさせる残念聖女であるが、その剣幕の原因たる胸囲云々の話もアンナからすれば『隣の芝は青い』という感想しか出てこない。ちなみにこれも元は転移者達の世界の用語らしい。

 

《金色の聖女》の通り名が示す、優しい陽の光を閉じ込めた様な美しい金の髪と、黄金比、という単語を顔面で表現した様な整った美貌。

 染み一つない白い肌は、今は湯に浸かる事でうっすらと色付き、いっそ精緻精巧な人形染みたレベルで整った容姿に確かな命の脈動を感じさせる赤みが差していた。

 儚げでありながら、纏う魔力は輝く陽光の如く。使う言葉が男勝りの荒っぽい口調である事すら、品が悪いより先に快活なイメージを他者に与える。

 本人はバストサイズが貧相な事を気にしている様だが、逆を言えば胸以外は全てを持ち合わせている少女なのだ、レティシア=ディズリングという娘は。

 身も蓋もなく言うと「お前その見た目で持たざる者とかふざけてんじゃねーぞ」と言った感じである。

 実際、容姿やスタイルと言った点ではレティシアと似通っているアリアは姉ほど気にしていない――お胸も同じく慎ましやかとはいえ、姉には勝っている事もあってなのかもしれないが。

 

 そもそもこの場の面子自体、どうにも自覚が薄い者達ばかりだが見目麗しい美人揃いだ。

 

 

 

 神秘の業たる魔法の源――魔力という"力"があるこの世界。

 精霊種などの霊的な存在は例外として、本来、生物が生命活動を行う上では必須では無いその力を扱えば、自然とそれはその身に『あって当然のもの』として馴染んでゆく。

 身体・精神との同調で様々な効果・恩恵を齎す魔力。

 それは、扱える量や使用時の精度が高まれば高まる程、やがては使い手の肉体に『最適化』にも近い現象を引き起こす。

 その行き付く先が人外級と呼ばれる、戦士・魔導士の最高峰に立つ者達だ。

 肉体強化や魔法行使、魔力操作の精度において人類の枠を超えた高位精霊にも近い域に達したが故、魂の位階や強度と言ったものが一段上に上がり、それを収めるに相応しい器へと肉体が変質した存在。

 彼・彼女らが同族の人類種よりも長命になるのはその辺りが理由である。副次的に『最適化』の過程で見目が良くなる場合も多い。

 現在浴場に居るのはそんな者達――既に人外級にある者やその予備軍、或いは将来的にそこに近づける可能性がある少女達だ。自覚の有無に関わらず顔面偏差値がアホみたいに高いのは当然であった。

 

 ちなみに例外中の例外ではあるが、肉体的素養や魔力への『馴染み』なぞほぼ無い癖に、無理矢理に魂の位階だけを一時的・一足飛びに神格の領域まで押し上げ、その所為で魂に引き摺られる形で肉体に『最適化』が起こった頭のおかしい奴もいる。何処の駄犬とは言わないが。

 

 

 

 閑話休題。

 兎に角、世間一般と比べて十分に持つ者側である少女達ではあるが、やはり足りぬ部分を羨む人の性からは逃れられないらしい。

 人類種の中でもほぼ最高レベルに近い『最適化』の深度を誇る金色の聖女様は、友人の胸部装甲を眺めて更に恨めし気な表情となる。

 

「……お前はいいよな、まだ成長期っぽくて。この間、アリアと下着を新調しに行ったのは知ってるんだぞ」

「僻んでも増えるもんじゃないでしょうに。それに、私相手にンな事言ってたら()()はどうするのよ」

 

 そう言ってアンナが視線を転じた先には――この場において殆ど口を開いていない《陽影》の姿があった。

 

「ふぁぁぁ……喧嘩は良くないよ皆……折角のお風呂なんだから仲良く入ろうよ……」

 

 頭に巻いたタオルはずり落ち、蜂蜜色の髪が零れ落ちてその先端が湯面に拡がっている。

 複数人で入浴するという経験が無かったのか、単に肌を晒すのに慣れていないのか。

 湯着を着けているにも関わらず、恥ずかしそうにそそくさと髪と身体を洗って湯舟に入ってしまった彼女であるが、最初の緊張は何処へやら。

 心身共にリラックスして蕩け切った、脱力した声色で呟くその様は、本来の貴公子然とした立ち振る舞いからは程遠い。間違いなくこの場で最も風呂を堪能しているのが見て取れた。

 そのほややんとした顔もギャップが激しくて中々に可愛らしいのだが、凄まじいのはその()だ。

 

 お湯に浮かぶ、大きな……そう、とても大きな柔らかそうな二つの球体。

 身に着けた湯着など、既に役にも立っていない。巨大な果実が並ぶ事で生み出される谷間の中に埋もれてしまっている。

 

「う、浮いてる……」

「確かに水中では軽くなると知ってはいましたが……これまた見事に浮いてますわねぇ……」

「グギギギガギギッ……ガガッ、ピーッ!!」

 

 巨峰の持ち主とアンナを除く面子から、三者三様の反応が漏れる。あとレティシアはなんか別の意味で凄い事になっていた。

 

「うん……こんなに胸が軽くなったの、ひさびさ……薔薇の香りも良いし、立派なお風呂ってこんなに素晴らしいんだね……もってかえりたい……」

 

 緩んだ顔に負けず劣らずな、ふやけた言葉が《陽影》の唇から流れ落ちる。

 割とぽんこつな事を言っている様に思えるが、それだけ気持ち良いという事だろう。

 軽くなった、そう聞いた辺りでとうとうレティシアが顔面を湯に着け、ブクブクと泡を吐き出しながら沈みだす。帰って来い聖女。

 

 しかし、改めて見ても見事なお胸である。

 単純なサイズという点では自身の敬愛する隊長ですら上回るたわわに実ったソレを前に、アンナは自然と手を合わていた。御参拝。

 

「副長、何故御祈りを……」

「いや、あんまりにも見事な光景なんでつい」

 

 訝し気な部下の声に、真顔で応える。

 アンナにとって最高の曲線美とは隊長のボディラインを差すものであるが、それはそれとしてストレートに大きい《陽影》の双丘にはいっそ感激すら覚える。大きい事は良い事だ、とは誰の言だったか。

 

「シャマの奴じゃないけど……ぶっちゃけちょっと持ち上げてみたいわ」

「うん……べつにいいよぉ……」

「マジか」

 

 冗談で口にしたつもりが半分融けた口調の本人から許可が出てしまった。

 チラッと横目を向けると、浴槽の底に沈没した姉を引き上げているアリアが悩まし気に唸る。

 

「う~ん……本人が許可出してるし、セクハラ……じゃないよね、うん」

 

 この場で一番の良心担当からお赦しまで出た。

 折角だ、ちょっと体験させてもらうとしよう。これも裸の付き合い故の無礼講というやつだ。

 部下であるギャル系騎士が聞けば「マジで!? あたしちゃんも参加すれば良かったー!」と悔しそうに叫ぶであろう機会を前に、わきわきと手を開閉させる副隊長(その上司)

 

「では早速……おぉ、これは凄いわね、ちょっと感動する」

 

 捏ね上げたパン生地を思わせる、きめ細やかな手触りと柔らかさ。

 下からそっと掬い上げるように持ち上げたというのに、自重だけでアンナの掌に沈み込む様なその感触。

 世のおっぱい好きの男共へと確かな共感を抱いてしまった瞬間である。

 アンナ自身もトップとアンダーの差は平均以上の自覚はあるのだが、この圧倒的なボリュームは単純な大きさに依って生み出されるものだ。レティシアの言う処の、持つ者の極致というやつだった。

 

「うーむ、凄い。やわらかい……でも何でだろう、隊長への背徳感というか、罪悪感の様なものが……」

「浮気した殿方では無いのですから……とはいえ、素でこのサイズはやはり凄いですわね。(わたくし)も先生とお付き合いを始めて少々大きくなった様な気はするのですが……」

「アリア、アイツかえってきたらおしたおそう。やっぱりもませたらおっぱいおおきくなるって」

「よし、正気に戻ろうレティシア。斜め四十五度チョーップ!」

「……ぁ、なんか、ねむ……すぴー……ムニャ……」

 

 わいわいと、少女達の姦しいやり取りは続く。

 

 未だ全員は集まり切らず、まだまだ本番ですらない今宵の集いではあるが。

 波乱と、楽しさと、年相応の女子らしい騒がしさを予感させる夜は確かに始まっているのだろう。

 

 その結末――それが喋り疲れて仲良く眠りにつく少女達か、はたまた屋敷もぶっ飛ぶ人外級とその予備軍だらけの乙女大戦となるのかは、女神のみぞ知る、と言った処か。

 

「――ふぅ、思ったより遅れちゃった……もう始まってるのかしら」

 

 最後の参加者(ピース)たる黒髪の少女の到着を期に、後半戦へ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 







アンナちゃん

上司と友人にちょっと屋敷(こうしゃうら)来いされた刃衆副隊長。
なんで私ばっかり、なんて思っていた半月前までと違い、例の組織の本拠地とか王城のバルコニーとか微妙に心当たりがあるせいで実は気が気でない娘。
最高の肉盾が飲みに出て不在なので、せめてもの道連れとして部下を召喚した。鬼か。


ローレッタ

恋愛(ぜったい)強者(クエスト名風。
圧倒的な押しの一手で思慕を寄せる相手を喰らった肉食系乙女。
人外級入り乱れる鞘当てに巻き込まれた被害者枠であるが、上記の一点において他の面子を置き去りにする高みにいる。
或いは、それが今回の夜を無事に乗り越える為の強みとなるかもしれない。


レティシア

複数でお風呂に入るのが苦手な娘。
妹に引っ張られて入ってみたが案の定、凶悪な戦闘力の持ち主ばかりの環境のせいで故障した。風呂はね、なんというか自由で救われてなきゃダメなんだ……静かで、孤独で、豊か(一部除く)で……。


アリア

お泊り会なのでイメージしてるキャッキャウフフを全部やりたい娘。
その第一弾として姉のSAN値を犠牲に『皆でお風呂』を提案する。尚、姉程ではないにせよ自分もノーダメでは無い。
だが楽しいので問題無し。一人遅れて不在だったので、今度はフル面子でもう一回お風呂に入れたらなーとか思ってる。その場合姉の説得が最大の障害になる。


陽影(クイン)

複数でお風呂に入るのが苦手な娘二号。
金とは別ベクトルで身体的お悩みがあるので、今回みたいなケースでは湯着が必須。
北方の寒村で暮らしていた頃は大きなお風呂に浸かった経験など無く、魔族領に来てからは種族柄、風呂入る必要性自体が薄く。
今回の初体験で無事、風呂の良さに目覚めた。
既に高給取りの身ではあるので、どうにかして家にでっかいお風呂を作れないかとか考えている。


ミヤコさん

最後の一人、到着。本番の始まりである。








だけん

男連中で飲みにいった先で《狂槍》とネイトの喧嘩が始まり、巻き込まれて手近な屋台に頭から突き刺さってる最中。


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