ハイスクールD×D〜転生して作る物語〜   作:傘理

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三話

コカビエル襲撃事件から数日後、一方通行(アクセラレータ)は駒王町に来ていた。

目的は二つ。

近々開かれる3代勢力のトップ会談場。駒王学園の視察。

そして今日の朝、アザゼルに貰った一方通行の歩行補助機能を追加したチョーカーのテストだ。

一方通行は数年前、ある事件で脳に大きなダメージを負ってしまった。その際。理由は不明だがどんな治癒魔法をかけても治らなかったのだ。そのため、一方通行はアザゼルに貰ったチョーカー型電極から脳に流れる特殊な電流で日常生活の補助をしている。普段は杖をついて歩行補助をしているが、昨日アザゼルによる一ヶ月に一度のメンテナンスがあり、そこでアザゼルは「折角電極の調整をするんならこの際歩行補助機能もつけちゃおうぜ」、などと言い始めた。最初は拒否していたが、アザゼルの熱意に押され渋々承諾した一方通行だったが、まさか一日で終わらせてしまうとは思わなかった。そのため、会談場の視察もかねて電極のテストをしているのだ。

 

そして現在、一方通行は非常に面倒な状況になっている。

 

「おい、シカトしてんじゃねぇぞコラァ‼︎」

 

「女の子助けて善人気取りですかぁ?かっこいいですねぇ?」

 

「面倒くせェなァ・・・・」

 

時は少々遡り、

こんな暑い日は太陽の下を歩きたくない為、日陰が多い路地裏を歩いていた一方通行は主人公特有の「ナンパされて困っている女の子に遭遇!」的なラブコメイベント(本人は全く自覚していないが)発生中なのだ。

ことの成り行きは、

路地裏を歩いていた一方通行。

ナンパされて困っている少女を発見。

面倒臭いことになる前に引き返そう。

そこまで考えて後ろを向こうとしたら不良(笑)と目が合う。

なんじゃてめぇこらぁいてまうぞおらぁ

少女がこっちに走って来て背中に隠れてしまう。

不良(笑)A、B。一方通行が少女を助けに来たと勝手に解

釈。

不良(笑)「シカトしてんじゃねぇ」少女「(期待の眼差し)」

一方通行(面倒臭い)

 

 

別に一方通行は少女を助けようとしている訳ではないが、このまま少女を見捨てるというのは流石に後味が悪い。と言うわけでまずは平和的に解決する為、話し合いというコマンドを選択してみる。相手は男だが。

 

 

「見逃せ」

 

「何様だてめぇ‼︎」

 

「ケンカ売ってんのかゴラァ‼︎」

 

話し合いとは何なのだろうか。

 

 

 

 

 

(あーもー最悪・・・)

 

目の前にはニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべている2人の世間一般でよく言う不良という存在がいる。

 

「なあ、俺達ちょーっと暇してんだよねぇ、変な事しないからさ、暇潰しに付き合ってくんね?」

 

チェーンをジャラジャラと鳴らしながら金髪のガタイのいい男が話しかけてくる。

気持ち悪い。

 

「キミ外人さん?綺麗な顔してるねぇ、モデルか何かやってんの?」

 

次はピアスを大量に付けた細身の男が話しかけてくる。

ああ、気持ち悪い。

 

(はぁ、こんなことなら近道して路地裏なんか通るんじゃなかった・・・)

 

今までもナンパなんて数え切れない程されている。基本的にはその度に相手をぶっ飛ばして(・・・・・・)いるが、ここは日本。自国以外では一番好きな国で、あまり揉め事を起こしたくはない。

どうしようかと考えている時、

 

「あ?おい、てめぇ何見てんだよ?」

 

「ああ?」

 

不良の1人が横を向いてドスの効いた声を出す。それにつられもう1人の方もそちらを見る。

何事かと視線を向けると、白い髪に赤い目。首元にチョーカーのような物を付けた上下とも白い服の目つきの悪い少年が立っていた。

少年は面倒臭い事になった、と言いたげな顔をしている。

少女はできるだけ困っている感じの顔をして少年の背中に隠れる。気のせいか、少年に睨まれた気がした。

 

(この際この人でいいや、頼むぞ〜男の子、このか弱いな少女を助けておくれ!)

 

なんかめちゃくちゃ失礼なことを考えているが、か弱い少女は恐らくナンパしてくる男達をぶっ飛ばしたりはしない。そんなツッコミを受けたような気がした。

 

「おい、シカトしてんじゃねぇぞコラァ‼︎」

 

「女の子助けて善人気取りですかぁ?かっこいいですねぇ?」

 

不良達が近づいて少年の目の前に来る。とても近い。少年の顔をジロジロ見ている。すると、そこで少年が始めて口を開いた。

 

「見逃せ」

 

「何様だてめぇ‼︎」

 

「ケンカ売ってんのかゴラァ‼︎」

 

ごもっともである。

不良達がブチ切れる。ガタイのいい方の不良が少年に殴りかかってくる。思わず目を瞑るが、殴られたような音は聞こえてこない。それどころか、

 

(今、パシッて鳴らなかった?)

 

恐る恐る目を開くと少年が不良の右拳を左手で受け止めていた。

 

「ハァ。どォしてこう、面倒な事に遭遇しちまうンだァ?」

 

ドガッ‼︎

拳を受け止めた少年はそのまま右拳を不良の顔面に叩きつける。不良はそのまま数メートル吹っ飛び動かなくなる。細身の方は何が起こったのか理解するのに数秒かかり、我に返ると怯えながら後ずさりを始める。

 

「失せろ」

 

少年がそう言うと男は倒れている大男を細い体で必死に担ぎ、全力で逃げ出していく。少女は呆然としていた。彼女が再起動したのはそれから数分後のことだった。

 

「ハッ‼︎あれ⁉︎あの人は?」

 

気付いた時には少年は居らず、静かな路地裏に1人残されていた。

 

「うーん、また会えるか分からないけど、次会えたらちゃんとお礼しなきゃね!」

 

そう言って少女は歩いていく。あの白い少年とは意外な形で再会することになるとは思いもせずに。

 

 

 

 

 

「なにしてンだ?ヴァーリ」

 

少女救出ミッションを完遂した一方通行は駒王学園に着き、そこで知人に遭遇した。

 

「一方通行、奇遇だな。会場の下見かい?」

 

銀髪の青年、ヴァーリは駒王学園の校舎を見上げていた。

 

「まァな。そォいうオマエは「ああ‼︎お前‼︎」あァ?」

 

突然驚いたような声が一方通行の言葉を遮る。

そちらを向くと信じられないような物を見る目でこちらを指差す男子高校生がいた。

 

「お、お、お前‼︎なんでここに⁉︎」

 

なにやら自分の事を知っているようだが、生憎記憶に無い。

 

「あァ?誰だオマエ」

 

「赤龍帝だよ、一方通行」

 

「赤龍帝・・・?ああ、そォいやコカビエルの時にいたな、オマエ」

 

ヴァーリに言われてようやく気づく。するとヴァーリが赤龍帝に話しかける。

 

「俺はヴァーリ。白龍皇。『白い龍』(バニシングドラゴン)だ」

 

あまりの展開に赤龍帝は言葉を失っている。

 

「え・・・・・・は?」

 

「ここで会うのは二度目か、『赤い龍』(ウェルシュ・ドラゴン)。赤龍帝、兵藤一誠」

 

しばらく呆然としていた一誠は我に返ると、とっさに身構える。

 

「遅ェよ」

 

警戒するまでの時間が長すぎる。

それでは一瞬で殺される。と一方通行は思う。

するとヴァーリは不敵な笑みを浮かべ、

 

「そうだな。例えば、俺がここで兵藤一誠に魔術的な物をかけたり」

 

と言って一誠の鼻先に手を伸ばした時

 

ザッ!

 

突然ヴァーリと一方通行の首元にそれぞれ刀が添えられる。今度は思い出せた。聖魔剣の木場とデュランダルのゼノヴィアだ。ゼノヴィアの方からは悪魔の気配がする。転生してリアス・グレモリーの眷属になったのだろう。

 

「何をするつもりか分からないけど、冗談が過ぎるんじゃないかな?」

 

「ここで赤龍帝との決戦を始めされる訳にはいかないな、白龍皇。そして一方通行。お前も妙な真似はするなよ」

 

木場とゼノヴィアのドスの効いた声が響く。だがこの程度では全く動じない。

 

「やめておいた方がいい、手が震えているじゃないか」

 

ヴァーリの言うとおり、二人の手元は震えていた。

 

「つゥか、コカビエル程度にあれだけボロボロにされてンだ。俺らに勝てると思ってンのか?」

 

事実、あの場ではヴァーリがコカビエルを圧倒していたが、それぐらいなら一方通行でも出来る。

 

「兵藤一誠、キミはこの世界で自分が何番目に強いと思う?」

 

突然一誠にヴァーリが問いかける。赤龍帝の力は異常だと言われている。だが兵藤一誠はまだ未熟過ぎる。一誠は返答に困っている。

 

「未完成の禁 手(バランスブレイカー)としたキミは、上から四桁。千から千五百の間ぐらいだ」

 

「コイツのスペック的にはもっと下じゃねェのか?」

 

一誠は怪訝な表情をする。何が言いたいのかわかっていないようだ。

 

「この世界は強い物が多い、『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』と呼ばれるサーゼクス・ルシファーでさえ、トップ10内には入らない」

 

ヴァーリは指を一本立て話を続ける。

 

「だが、一位は決まっている。不動の存在が」

 

「・・・?誰のことだ?自分だとでも言うのかよ?」

 

ヴァーリは肩をすくめる。

 

「いずれわかる。ただ俺じゃない、一方通行でもないけどね。

ーー兵藤一誠は貴重な存在だ。十分に育てたほうがいい、リアス・グレモリー」

 

ヴァーリが視線を一誠の後ろの方へ向けると、リアス・グレモリーとその眷属。アーシア・アルジェント、姫島朱乃、塔城子猫が立っていた。朱乃と子猫は臨戦態勢だ。

 

「白龍皇、そして一方通行。何のつもりかしら?あなた達が堕天使とと繋がりを持っているのなら、必要以上の接触はーー」

 

「二天龍と称されたドラゴン。『赤い龍』(ウェルシュ・ドラゴン)『白い龍』(バニシングドラゴン)。過去、関わった者はろくな生き方をしていない。

あなたはどうなるんだろうな?」

 

「・・・ッ‼︎」

 

リアスは言葉を詰まらせ、一誠が心配そうにリアスを見る。

 

「今日は別に戦いに来たわけじゃない。ちょっと先日訪れた学舎を見てみたかっただけだ。アザゼルの付き添いで来日していてね、一方通行と会ったのは本当に偶然さ。

それに、俺もやることが多いからさ」

 

「なンだよ、アザゼルの野郎ォ来てンじゃねェか。下見をしてこいって言ったのはアイツだろォがよ・・・」

 

一方通行は不満を口にしながら学園を後にする。それに続き、ヴァーリも踵を返し歩いていく。リアス達、グレモリー眷属はしばらくその場を動くことが出来なかった。

 




一方通行の電極については出来るんじゃないかな的な考えで付けました。
間違ってたら申し訳ありません。ご都合主義ってことで。
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