「ンで?何の用だ」
一方通行は暗闇の中へ問いかける。
「やっぱ、バレてたか・・・」
出て来たのは危険なオーラを出している槍を持った男だ。
「いつから気づいていたんだい?」
「駒王学園を出た時からだ」
睨みながら答える。
「オマエは誰だ」
気は緩めない。男は特に構えていないが隙が無い。
「初めまして、曹操という」
「勧誘か?」
三国志で有名な曹操を名乗っているということはアザゼルが言っていた
「話が早くて助かる。一方通行、英雄派に加わってくれないか?」
「断る」
一方通行は即答した。曹操は目を細める。
「理由を聞いても?」
「聞く必要があンのか。さっきから俺を取り囲んでる視線からして最初から断られる前提で来てンだろォが」
曹操と話し始めた時点から一方通行は自分を取り囲んでいる視線に気づいていた。それと同時に、自分が
曹操は肩をすくめながら苦笑する。そしてニヤリと笑い、
「分かった。それじゃあ、やろうか?」
そう言い一方通行へ向けて突っ込んでくる。槍の先端を一方通行に突き刺そうとするが、何かに気づいた曹操は急停止し、後ろに後退する。
曹操がいた場所には地面がえぐられた後が残っていた。
「危ない危ない。いつ、そのチョーカーのスイッチを入れたんだい?」
「
まァ、答える意味はねェけどよ」
「ま、それもそうか」
それだけ言い合い、一方通行と曹操はお互いに突っ込み激突する。
ズガァ!!!!
激しい音がする。
吹っ飛ばされたのは曹操の方だ。
「・・・ッ‼︎」
一方通行は飛ばされた曹操に再び接近して腕を突き出すが、素早く体制を立て直した曹操は一方通行の頭上を飛び越え、彼の後ろに着地する。
「・・・やっぱその能力はとんでも無いな。ベクトル変換だっけ?この最強の
「そォでもねェよ。俺はベクトルを制御しているだけの能力だ。対処法は幾らか思いついてンだろ」
一方通行のベクトル変換能力は触れた物のベクトルを観測し、変換することができる。能力使用時は反射のベクトルに設定してあり、身体の周囲を覆うわずかな保護膜に触れた全ての攻撃を自動的に跳ね返している。
「頭の中で考えるのと、実際にやるのとは違ってくるものさ」
曹操は短く息を吐く。
「そンで?感想は?」
「無理だね、今のままじゃ勝てない。また日を改めることにしよう」
そう言って曹操は指を鳴らす。するとさっきまでの戦闘の傷跡が全く無い元の路地に戻っていた。
「オマエが転移させてたのか?」
「いいや、今のは合図さ。
「‼︎・・・チッまた
一方通行が苦虫を噛み潰したような表情をするが、曹操は不敵な笑みを浮かべている。
「どうせいつか知られることさ。それに、この力はキミに通用することが分かっただけでも十分な収穫だ」
そう言い曹操は踵を返す。
「次はせめて傷を付けるぐらいのことはして見せる」
闇に紛れた曹操はそれだけを言い残し去って行く。周りにあった視線も消えていた。一方通行はしばらく様子を見て、もう他に誰もいないことを確認するとチョーカーのスイッチを切り、闇の中を歩いていく。
「何?曹操と?」
「
曹操と戦った一方通行はアザゼルが泊まっているホテルへと来ていた。
「曹操・・・英雄派を仕切っている男だな。他に何かあったか?」
「
アザゼルは目を見開いた。
「
「上位
「上位
アザゼルはそこまで説明して壁を背にして立っている一方通行の方を見る。
「それにしても、
「過大評価しすぎだ。俺の能力はチートって訳でもねェよ。確かに普通の攻撃なら全部反射するが、対処法は探せば幾つか見つかる」
一方通行は不満そうに答えるが、アザゼルは気にせずに笑う。
「それでも、実際
「チッ」
舌打ちをして一方通行は部屋から出て行く。部屋に残ったアザゼルは昔を思い出すような目をする。
「そう、強くなったよ。一方通行」