ハイスクールD×D〜転生して作る物語〜   作:傘理

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遅れて申し訳ありません。
受験勉強という言い訳しか出来ませんが、本当、すいません。


五話

「アザゼル、明日の会談に俺も出席しなければダメかい?」

 

「当然だ、ヴァーリ。おまえは白龍皇だからな」

 

「コイツが出ンなら俺はいらねェな」

 

「残念ながら一方通行(アクセラレータ)。お前も参加だ。というか、コカビエルの一件に関与した者は全員出席することになってる」

 

「チッ、面倒臭ェ」

 

「・・・なあ、アザゼル。もう、戦争は起こらないのかな?」

 

「ただ戦いを求める。典型的なドラゴンに憑かれた者だな、おまえは。長生きできないタイプだ」

 

「いいさ、長生きなんて興味無い。ただ、俺はこの時代に生まれたことを残念に思うよ。ーー俺は神を倒してみたかった」

 

「白龍皇らしい限りだ」

 

「・・・強い奴を全部倒した後、オマエはどォするンだ?」

 

「ーー死ぬよ。そんなつまらない世界に興味無いんだ」

 

 

 

 

 

 

 

「着いたぞ」

 

会談当日、一方通行とヴァーリはアザゼルと共に駒王学園の新校舎、職員会議室の前に来ていた。すでにこの学園全体には強力な結界が張られ、会談が終了するまで誰も出入りできない。さらに結界の外には、天使、悪魔、堕天使の軍勢が囲んでいる。まだ和平を結んでいる訳では無いので、一色触発の空気だ。

アザゼルがドアを開き中に入る。

中には悪魔陣営の魔王サーゼクス・ルシファー、そして駒王学園生徒会長、ソーナ・シトリー。そしてその姉であり現魔王。セラフォルー・レヴィアタン。そしてサーゼクスの眷属悪魔であり、冥界最強の女王、銀髪の殲滅女王(クイーンオブディバウア)こと、グレイフィア・ルキフグス。

天界陣営は天使長ミカエル、背中から金色の十二枚の翼を出し、隣には女性の天使が座っている。

アザゼルも席に着き、一方通行とヴァーリはアザゼルの後ろ側の壁に寄りかかる。

アザゼル達、3大勢力のトップ陣営がそれぞれ挨拶を交わし何回か話した後、部屋の扉がノックされた。

 

「失礼します」

 

扉が開く。中に入って来たのはグレモリー眷属達。

 

「私の妹と、その眷属だ」

 

サーゼクスが紹介し、リアス・グレモリーが会釈する。

 

「先日のコカビエル襲撃事件で彼女達が活躍してくれた」

 

「報告は受けています。改めてお礼を申し上げます」

 

ミカエルがリアスへ礼を言い、リアスは再び会釈する。

 

「悪かったな、俺のところのコカビエルが迷惑をかけた」

 

全く悪びれた様子もなくアザゼルが言う。これにはさすがのリアスも目元をひくつかせていた。

 

「そこの席に座りなさい」

 

サーゼクスの指示を受け、グレイフィアが壁際に設置された椅子に促す。ソーナ・シトリーはすでにそこに座っている。

 

ソーナからリアス、一誠、朱乃、木場、アーシア、ゼノヴィア、小猫と座る。

 

「全員がそろったところで、会談の前提条件をひとつ。この場にいる者達は、最重要禁則事項である『神の不在』を認知している」

 

サーゼクスが最後に確認する。

 

「では、それを認知しているとして、話を進める」

 

そう締めくくり、3大勢力の会談が始まる。

 

 

 

 

 

会談は順調に進む。

 

「というように我々天使はーー」

 

ミカエルが喋り、

 

「そうだな、その方が良いのかもしれない。このままでは確実に3勢力とも滅びの道をーー」

 

サーゼクスも発言する。

 

「ま、俺らは特にこだわる必要も無いけどな」

 

たまに喋るアザゼルの一言で場が凍りつくこともあるが、アザゼルはわざとその空気を作って楽しんでいるようだ。

 

 

 

 

 

一方通行は会談の内容を聞き流していながらもう一つの来訪者へと意識を向けていた。

 

(……見られてやがるな。大方テロリストどもだろォが、まだ様子見の段階だとすればこっちから動く必要はねェが仕掛けてくればすぐに動けるようにしておくか)

 

目を閉じて壁に寄りかかりながら一方通行は会談場に突き刺さる視線に苛立ちながらも首元の電極に意識を向ける。

 

(アザゼルが改良した電極の能力使用モードは30分程度……余分に残しておかねェと立つことも出来なくなっちまう。時間は15分程度と考えておくか)

 

現在の一方通行が能力を使用しないで普段の生活を送るだけなら約48時間は持つが、バッテリーの消費が多い能力使用モードでの戦闘時間はバッテリーをフルで使っても30分程度しか動くことができない。そのため一方通行は時間配分というのをきっちりしている。ちなみに一方通行は時間制限があるため時間は確実に守る男として別の意味で有名である。

 

「さて、リアス。そろそろ、先日の事件について話してもらおうか」

 

「はい、ルシファー様」

 

普段自分に関係が無いことは関わろうとしないが、先日の事件というのは一方通行も関わっていた為、目を開けて聞く姿勢になっている。

リアスはサーゼクスに促され、朱乃とソーナと共に先日のコカビエル戦での一部始終を話す。

この会談場には各勢力のトップがいる以上、自分の発言一つで大きく傾いてしまうもしれない。各勢力のトップ陣が注目している以上、リアスの手は極度の緊張から少し震えている。

 

「以上が、私、リアス・グレモリーとその眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

報告を受けた各陣営トップはため息を吐く者、顔を顰める者、笑う者と反応が違った。

 

「ご苦労、座ってくれたまえ」

 

「ありがとう、リアスちゃん☆」

 

サーゼクスとセラフォルーの言葉で着席する。

 

「さて、アザゼル。この報告を受けて堕天使総督の意見を聞きたい」

 

全員の視線がサーゼクスの言葉によってアザゼルへと集中する。アザゼルは不敵な笑みを浮かべて話し始めた。

 

「先日の事件は我が堕天使中枢組織

神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部コカビエルが、他の幹部及び総督の俺に黙って単独で起こしたものだ。奴の処理は『白龍皇』と『一方通行』がおこなった。その後、組織の軍法会議でコカビエルの刑は執行された。『地獄の最下層(コキュートス)』で永久冷凍の刑だ。もう二度と光は見れねぇよ。ま、白龍皇が回収してきた時にはすでに虫の息だったがな、その辺りの説明はこの間転送した資料に全て書いてあっただろ?それが全部だ」

 

ミカエルが嘆息しながら言う。

 

「説明としては最低の部類ですが、あなた個人が我々と大きな事を起こしたくないという話は知っています。それに関しては本当なのでしょう?」

 

「ああ、俺は戦争になんて興味ない。コカビエルも俺のことをこき下ろしていたと、そちらの報告でもあったじゃないか」

 

次はサーゼクスがアザゼルに訊く。

 

「アザゼル、一つ聞きたいのだが、どうしてここ数十年『神 器(セイクリッドギア)』の所有者をかき集めている?最初は人間達を集めて戦力増強を図っているのかと思っていた。天界か我々に戦争を仕掛けるのではないかと予想していたのだが……」

 

「そう、あなたはいつまで経っても戦争を仕掛けてはこなかった。『白 い 龍(バニシングドラゴン)』を手に入れ、そして神器所有者ではないのに白龍皇と同等かそれ以上の実力を持つ一方通行(アクセラレータ)の情報を掴んだ際には強い警戒心を抱いたものです」

 

ミカエルもサーゼクスと同様に発言する。

二人の意見を聞きたアザゼルは苦笑し。

 

「神器研究のためさ。なんなら、一部研究資料もお前達に送ろうか?って研究していたとしても、それで戦争なんざ仕掛けねぇよ。戦に今更興味なんてないからな。俺は今の世界に十分満足している。人間界に必要以上に干渉はしてねぇし、宗教にも介入するつもりもねぇ、悪魔の業界にも影響を及ぼすつもりもない。ったく、俺の信用は三すくみのなかでも最低かよ」

 

「それはそうだ」

 

「そうですね」

 

「その通りね☆」

 

サーゼクス、ミカエル、セラフォルーの意見がここぞとばかりに一致していた。

アザゼルはそれを聞き面白くなさそうに耳をほじる。

 

「チッ。神や先代ルシファーよりもマシかと思ったが、お前らもお前らで面倒くさい奴らだ。こそこそ研究するのもこれ以上性に合わねぇか。あー、わかったよ。なら、和平を結ぼうぜ。つか、もともとそのつもりだったんだろう?天使も悪魔もよ?」

 

アザゼルの和平を結ぶという一言で会場が驚きに包まれた。アザゼルの一言に驚いていたミカエルが微笑む。

 

「ええ、私も悪魔側とグリゴリに和平を持ちかける予定でした。このまま三すくみの関係を続けていても、今の世界の害となる。天使の長である私が言うのも何ですが、戦争の大本である神と魔王は消えたのですから」

 

ミカエルの言葉にアザゼルは噴き出す。

 

「ハッ!あの堅物ミカエルさまが言うようになったね。あれほど神、神、神様だったのにな」

 

「……失ったものは大きい。けれど、いないものをいつまでも求めても仕方がありません。人間達を導くのが我らの使命。神の子らをこれからも見守り、先導していくのが一番大事な事だと私たちセラフのメンバーの意見も一致しています」

 

「おいおい、今の発言は『堕ちる』ぜ?ーーと思ったが、『システム』はお前が受け継いでいるんだったな、いい世界になったもんだ、俺らが『堕ちた』頃とはまるで違う」

 

サーゼクスも同様に口を開く。

 

「我らも同じだ。魔王なくもの種を存続される為に、我々も先へ進まねばならない。次に戦争が起これば、悪魔は滅びる」

 

アザゼルが頷く。

 

「そう、次の戦争が起これば三すくみは共倒れだ。それに人間界にも影響を及ぼし、世界は終わる。俺らはもう戦争を起こせない。起こしてはならない」

 

アザゼルは一転して真剣な面持ちとなる。

 

「神がいない世界は間違いだと思うか?神がいない世界は衰退すると思うか?残念ながらそうじゃない。俺もお前らも今こうやって元気に生きている」

 

アザゼルは腕を広げる。

 

 

 

「神がいなくても世界は回るのさ」

 

 

 

アザゼルの一言により会談は今後の戦力、各陣営の対応、これからの勢力図とやらの話に移る。どの勢力も戦争を望んでいなかったせいか、先ほどよりも若干空気が軽くなった。

 

「と、こんなところだろうか?」

 

サーゼクスの一言で各陣営のトップは大きく息を吐いていた。会談が始まって約一時間、一通りの重要話が終わった。するとミカエルが一誠の方へ視線を向ける。

 

「さて、話し合いもだいぶいい方向へ片付いてきましたし、そろそろ赤龍帝殿の話を聞いてもよろしいですか?」

 

視線が一誠へと集中し、一瞬あたふたした後、一誠はミカエルの方へ質問をする。

 

「どうして、アーシアを追放したんですか?」

 

一誠の問いに全員が「なぜ今その話を?」という顔をしている。一方通行も同様に一誠の方へ視線を向けている。

 

アーシアは神を信じていた。それをどうして教会は追放したのか、一誠はどうしてもそれが聞きたかった。

 

ミカエルは真摯な態度で応じる。

 

「それに関しては申し訳ないとしか言えません。……神が消滅した後、加護と慈悲と奇跡を司る『システム』だけが残りました。『システム』は神が奇跡を起こすためのもの。神は『システム』を作り奇跡を地上にもたらしていました。例に上げれば悪魔祓い、十字架などの聖具、聖水などがもたらす効果の事です」

 

一誠は理解した後、さらに疑問をぶつける。

 

「神がいなくなって、その……『システム』に不具合が起こったっていうことですか?」

 

ミカエルは頷き答える。

 

「『システム』を神ではないものが扱うのは困難を極めます。私を中心にセラフ全員で『システム』をどうにか起動させていますが……神がご健在だった頃に比べるとどうしても劣ってしまいます。ーー残念なことですが、救済できる者は限られてしまうのです」

 

 

……神がいないために救えるものには限界がある。その言葉を聞き、一方通行は一人の女性を思い浮かべていた。暗闇の中に一筋の光を灯してくれた人を。死ぬことしか考えていなかったあの頃を救ってくれた女性をーー。

 

「そのため、『システム』に影響する可能性のある物を教会に関するところから遠ざける必要があったのです。

例として、一部の神器。『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング』)や『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』、そして『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング』)なども」

 

「アーシアの神器がダメなのは、悪魔や堕天使も回復できるからですか?」

 

ミカエルは再び頷く。

 

「はい、『悪魔や堕天使を回復できる神器』持つ者がいれば、周囲の信仰に影響が出ます。信仰というのは天界に住む者の源。その為、『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング』)は禁止神器としています。それと、影響を及ぼす例にーー」

 

「神の不在を知る者ーーですね?」

 

ミカエルの言葉を遮ってゼノヴィアが続ける。

 

「ええ、そうです、ゼノヴィア。我々セラフと一部の上位天使以外で神の不在を知ったものが本部に直結した場所に近づくと『システム』に大きな影響が出るのです。

申し訳ありません。貴方達二人を異端とするしかなかった」

 

ミカエルが二人へと頭を下げる。二人は目を丸くするが、ゼノヴィアはすぐに首を振り、微笑む。

 

「いえ、ミカエル様、理由を知れた以上、どうということはありません」

 

「ミカエル様、私も今幸せだと感じております。大切な人達が沢山出来ましたし、憧れのミカエル様にお会いしてお話も出来たのですから光栄です!」

 

ミカエルは安堵の表情を見せる。

 

「すみません、あなたたちの寛大な心に感謝します。デュランダルはゼノヴィアにお任せします。サーゼクスの妹君の眷属ならば下手な輩に使われるよりも安全でしょう」

 

すると、今まで黙っていたアザゼルがアーシアを見つめている。

 

「俺のところの部下が、そこの娘を騙して殺したらしいな。その報告も受けている」

 

一誠は私情を剥き出しにアザゼルへ吠える。

 

「そう、アーシアは一度死んだ。お、俺も堕天使に殺されたけど、それ以上にアーシアだ!あんたの知らない所で起きた事かもしれないが、あんたに憧れていた堕天使の女性があんたの為に、アーシアを一度殺したんだ!」

 

完全な私怨からの一言、この場で一誠に発言権は無い。リアスも隣で一誠をいさめている。

 

「俺達堕天使は、害悪になるかもしれない者を始末している。それは確かだ。だが、組織としては当然だろう?お前も同様だ。なんの才能もないお前では赤龍帝の力を暴走させて世界へ悪影響を及ぼしかねないからだ」

 

「おかげで俺は悪魔だ」

 

「嫌か?少なくともお前の周囲の者達はお前が悪魔になったことを喜んでくれているんじゃないのか?」

 

確かに赤龍帝の力は凄まじい。そんな力を持った者は悪魔陣営に限らずとも、喜ばれるだろう。

 

「い、嫌じゃない!皆が良い人で、優遇してもらっているのもわかる。けど!」

 

 

「なァ」

 

 

 

一誠の声を遮る。声の主は一方通行だ。この会談で初めて発言した一方通行に視線が集まる。アザゼルやヴァーリも意外な顔をしていた。

 

「な、なんだよ?」

 

「話ぶった切って悪ィンだけどよ、ちょっと聞きてェことがあンだ」

 

「聞きたいこと?それは一体?」

 

サーゼクスが一方通行に問いかける。

 

「あァ、赤龍帝。オマエはこの世界をどうしたい?」

 

「へ?え?い、いきなり何を……」

 

「だからすまねェっつってンだろォが。オマエの言いてェ事は理解出来るけどよ、今この場で話すことじゃねェよな?ありゃ完全にオマエの私怨だ。この会談はオマエの私情で話が進ンでるわけじゃねェのは理解出来るか?」

 

一方通行の言葉に一誠はだんだん頭が冷えてきた。それを確認した一方通行は言葉を続ける。

 

「簡単な話だ。オマエとヴァーリ、あと俺か?この世界をどうしたいって聞いてンだよ。割と重要な話だ。俺らは世界に良し悪しに限らず影響を与えるのはわかるか?」

 

一方通行の言葉を聞き各陣営のトップも言葉を挟む。

 

「そうだな、俺も聞きたいと思っていたんだ。この中には無敵のドラゴン様にそれと互角に張り合える奴もいるわけだ」

 

「私も同意見だ。大きな力を持つからにはその使い方を誤れば取り返しのつかないことになる」

 

「彼らに限った話ではありませんが、この場で聞いておきたいのは私もです」

 

それを聞いた一方通行は改めて口を開く。

 

「ンじゃァ、まずオマエから聞こうか?ヴァーリ」

 

一方通行の問いかけにヴァーリは笑みを浮かべる。

 

「俺は強い奴と戦えればいいさ」

 

「だろォな。聞くまでもなかった」

 

「まず一方通行。キミと戦いたいんだが」

 

ヴァーリが一方通行に視線を向けるが一方通行は無視して一誠に聞く。

 

「赤龍帝。オマエは?」

 

一誠は頬を掻きながら答える。

 

「正直、よくわからないです。なんか、小難しいことばかりで頭が混乱してます」

 

確かについ最近まで普通の男子高校生だった一誠はあまり実感がないだろう。

 

「だが、お前は世界を動かすだけの力がある。選択を決めないと各勢力の上の奴らが動きづらくなるんだよ」

 

アザゼルに言われても困った顔をする。

 

「では恐ろしいほど噛み砕いて説明してやる。戦争が起こればリアス・グレモリーを抱けないぞ?」

 

一誠に雷が落ちた。

あまりの衝撃的な一言に思考が一瞬停止してしまった。

固まっている一誠はそのままアザゼルは言葉を続ける。

 

「和平を結べば戦争はしなくて済む。そうすればあとは種の存続と繁栄だ。どうだ?ここまで説明すればもう理解出来るよな?」

 

「和平でひとつお願いします!ええ!平和ですよね⁉︎平和が一番です‼︎部長とエッチがしたいです‼︎」

 

欲望をそのまま口にした。さっき一方通行から言われた言葉などお構いなしに私情をぶち撒けた。

隣ではリアスが顔を真っ赤にし、一方通行も呆れたように一誠を見ている。……いや、見ていなかった。窓の外を見て聞かなかったことにしている。

 

「イッセーくん、サーゼクス様がおられるんだよ?」

 

木場がやれやれと苦笑しながら言う。

サーゼクスは小さく笑っていた。

一誠はハッとして慌てて話を戻す。

 

「えっと……俺、バカなんでこの会談の内容も9割くらい意味不明です!さっき一方通行から言われたように俺の力が世界に何らかの影響を与える程の力があるならその力を仲間の為に使います。部長やオカルト研究部の皆が危険に晒されたら俺が守ります!……って、俺まだまだ弱いんですけどね。けど、俺が出来るのはそれぐらいですから。体張って仲間と共に生きていこうかなってーー」

 

その瞬間、一誠の言葉が途中で途切れる。

 

それと同時に全てが停止する。

 

理由は一つ。

 

時間が止まった。

 

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