ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
ルビィ「どうしよう…」
大学から出されたレポート課題がラプラス変換を扱う問題だけど、全くもってわかんないよぉ!!お姉ちゃんや花丸ちゃんは文系だから聞いてもわかるわけがないし、曜ちゃんは理系だけど富山で実習だから聞きづらいし…。
そうだ!由美ちゃんに聞こう!!
〜※〜
由美「そんなことで俺を呼んだのか…」
ルビィ「いけなかった?」
由美「いけなかったも何も、俺でもラプラス変換は再履修ってこともあってまだ理解できていないぜ?」
ルビィ「そうなんだぁ…理解できていなくてもできる範囲で教えてほしいなぁ…」
由美「えっ…」
ルビィ「…嫌なの?」
由美「わかったよもう…」
ここまでしないと由美ちゃんが乗らないのはもう自明の理なんだから。
〜※〜
由美「というわけで、このホワイトボードとペンを使って説明していきます」
というわけでノートを取ろう。
由美「まず、ラプラス変換は以下のように定義します」
ホワイトボードには以下の式が書かれる。
『L[f(t)]=F(s)=∫(0→∞)f(t)e-stdt』
由美「ラプラス変換というのは、ある時間関数にeの-st乗をかけて更にそれを0から無限大まで広義積分したものです。ということはtが消えてsだけの関数になるのはわかるよね?」
ルビィ「うゅ!」
由美「それで例えばですが」
ホワイトボードの式を写そう。
『f(t)=1』
由美「これをラプラス変換しろとか言われたらどうするか、やっていきましょう」
続きは写しながら聞こう。
由美「とりあえずこういうふうになるはずです。このsは複素周波数と言って、次元は『毎秒』になります」
『F(s)=∫(0→∞)e-stdt』
由美「ここからどうやって積分するか、わかるよね?」
ルビィ「えーっと…」
積分は前期にもやったはずだ。
ルビィ「やってみます」
ノートに続きを書いていこう。
『F(s)=∫(0→∞)e-stdt=×[-e-st/s](0→∞)=-(0-1)/s=1/s』
できた。
由美「これで合っています」
ルビィ「やったぁ!」
由美「ちなみにこれだけは覚えてね」
そう言って由美ちゃん先生はホワイトボードをひっくり返す。
| f(t) | L{f(t)}=F(s) |
|---|---|
| 1 | 1/s |
| t | 1/s2 |
| t2 | 2/s3 |
| tn | n!/sn+1 |
| e-αt | 1/(s+α) |
| tne-αt | n!/(s+α)n+1 |
| sinωt | ω/(s2+ω2) |
| cosωt | s/(s2+ω2) |
| y'(t) | sY(s)-y(0) |
| y"(t) | s2Y(s)-sy(0)-y'(0) |
| ∫y(t)dt | Y(s)/s+∫(0→t)y(τ)dτ |
ルビィ「えっ?これだけ覚えなきゃいけないの?」
由美「とりあえず簡単なところを行くと、指数のやつはさっきのやつのsをs+αに変えてやってみると出てきます。これ読者の皆さんの宿題ね」
ルビィ「じゃあサインとコサインは?」
由美「これなんだけど」
ホワイトボードをひっくり返したあとに書くのは以下の式。
『ejωt=cosωt+jsinωt』
由美「このオイラーの公式が鍵になってきます。これはちゃんと理解できているよね?」
ルビィ「jは虚数単位だよね?」
由美「その通り!iだと電流と被るからjにしているだけで、本質はiのことです。だけど今頃の作者さんだともうjで慣れているとかなんとか。それはさておき、さっきのαを-jωに置き換えて、分母を有理化した上で、サインは虚部、コサインは実部を取るとそれぞれこうなります。これも読者の皆さんの宿題にします」
ルビィ「読者さんに宿題与えて大丈夫?」
由美「工学者はこれくらいできないとやばいかなって思ったもんで。作者さんも苦労しているんだよ?」
ルビィ「なるほどね。それとまさか次のステップがあるとか…?」
由美「あります。これを微分方程式に応用できるはずです」
ルビィ「どうやって?」
するとホワイトボードを由美ちゃんは戻す。
由美「この1回微分と2回微分のラプラス変換を適用すると微分方程式を普通の線形方程式で解けるというからくりがあります。というわけで1つやってみましょう」
そしてホワイトボードを裏返して書いたのは…、
『x''+5x'+4x=6, x(0)=0, x'(0)=0』
2階の微分方程式だけどこれどうやって解くんだろう…。
由美「まずこれを見たら両辺をラプラス変換します」
『(s2+5s+4)X(s)=6/s』
ルビィ「あれ?y(0)とかあのへんは…?」
由美「0だからもう端折っています。それと最後の6のラプラス変換は忘れないでください」
ルビィ「とりあえずここまでできたら…これでいい?」
ルビィは自分のノートに以下のように書いた。
『X(s)=6/{s(s+1)(s+4)}』
由美「よし、これで大丈夫!だけどこれを部分分数分解しないといけないことはわかるかな?」
ルビィ「どうやってやるの?」
由美「ヘビサイドの式を適用します。うまく説明がつかないからこの資料を渡します」
ルビィ「これか!やってみる!」
そして求まった答えは…、
『x=(1/2)(3+e-4t-4e-t)』
由美「よくできました!!」
ルビィ「これで自信ついたよ!!」
これでもう怖いものはしばらくない。
由美「というわけで由美ちゃんの特別講座はおしまい」
ルビィ「ありがとうございました!!ところで由美ちゃん」
由美「何だよ?」
ルビィ「どんな常微分方程式でもラプラス変換すれば解けるんでしょ?」
由美「…で、何が言いたいの?」
ルビィ「ルビィと由美ちゃんの愛の微分方程式はなんでラプラス変換して解いてくれないの?」
由美「それは…その…」
ルビィ「逃げようなんて思わないでね?これから、ルビィの特別講座を始めます」
由美「嫌だあああああ!!」
工学に没頭したからとはいえ、ルビィたちのことは放棄させない。それが由美ちゃんの暴走を止めるんだから。
ちなみに私は作中に出したラプラス変換表はだいたい覚えました。覚えないと工学者やっていけない(汗)
それと読者の宿題とか由美ちゃんに戯言を言わせましたが、興味のある人は各自でやってください。作中で答え合わせはしません。
次回は好感度ナントカネタをぶち込みたいと思います。