ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
授業後(*1)、今日も鉄道同好会はないため、私は中庭にバイオリンを持ってやってきました。
舞子「今日も楽しみだね」
私「ぜひこのお台場一帯にまた届けようと思います」
鈴乃「ワクワクするわね」
舞子と鈴乃は私のバイオリンを気に入ってくれているため今日も見に来ています。今日弾く予定の曲は葉加瀬太郎さんの『シェットランド・エアー』でした。
さあ、弾いてみましょう。
…と思い、体制を整えると、
私「…あれ?思うように体が動かない…」
そう。うまく手が動かせず、震えるのです。
鈴乃「嘘でしょ……!?」
私「弾けない…。音楽は出てくるのに……」
まだ春なのに、恐ろしく汗をかいてしまい、近くのベンチで座り込んでしまいます。
私「バイオリンを失ったら…、私の取り柄は何もなくなります……。中学時代の生徒会長とか…虹ヶ咲学園普通科選抜首席合格とかだけでは……B型かつ鉄オタゆえ、肩身が狭く、不名誉なレッテルばかり貼られるというのに……」
1人になりたい。そういう気持ちが強まるばかりでした。
鈴乃「比奈、そんなに落ち込んでどうするのよ」
私「ほっといてください!!」
私は全力でロビーに逃亡しました。しばらく誰も話しかけて来ないでほしい。そう思い椅子に腰掛け、手元にあったスマートフォンとイヤホンを取り出し、大音量で葉加瀬太郎さんや柏木広樹さんなどの、お気に入りの音楽を流します。
〜※〜
しばらくして、
??「おや?澁川さん珍しいですね」
私「中川さん!?」
中川菜々さんがやってきました。
菜々「ものすごく落ち込んでいたので声をかけさせてもらいました。桜木さんや塩津さんが心配してましたよ?」
同級生にバレてしまいましたねこれ…。
菜々「何かあるなら私に正直に話してください。さっきみたいに1人になりたいとかは私が許しません」
もう話すしかないようです。
私「実は…」
私はさっきのことを話しました。
菜々「比奈さん、鉄道ファンであることや、血液型がB型であることが不名誉だって言い切れますか?」
私「日本でかなり多いA型と相性の悪いB型、かつ最近のテレビにおける報道で鉄道ファン自体が悪趣味という印象が強いのです」
菜々「いい加減にしてください!!」
バッチーン!!
菜々さんは私の頭を思いっきり叩きます。
菜々「まずA型の鈴乃さんとあなたが仲睦まじいことはしっかりわかっています。それから、あなたの入部した鉄道同好会の黒歴史も全部聞きました。厳しい人だと聞いただけでも容赦なく即廃部にしそうに感じました。それでも無事に猶予を持たせてくれたのは生徒会長の、鉄道趣味への正しい理解のおかげだと思います。それなのにB型や鉄オタが不名誉!?悪趣味!?ふざけてるんですか!?オタクとしても何様のつもりなんですか!?」
私「申し訳ないです……」ポロポロ
読者の皆さんにも黙っていて申し訳なかったのですが、バイオリンをやっていればそれなりの自身の名誉が保たれると思っていました。
菜々「ですから、1人のサブカルファンとしては、比奈さんにはもっと鉄道ファンであることを誇りに思って欲しいんです!!」ポロポロ
私「そんな…菜々さん…うわあああああん!!」
私は泣いてしまいました。鉄道趣味を心の底から肯定してくれるだけで、今の私は嬉しかったのですから。
菜々「比奈さん…鉄道だけはとにかく嫌いにならないでくださいね」
私「ありがとうございます!!」
こうして菜々さんとまた1つ、仲が深まったのでした。
〜※〜
十数分後、舞子と鈴乃もやってきました。
鈴乃「比奈、心配したのよ!?」
私「ごめんなさい舞子、鈴乃…って、そのバイオリン!!」
鈴乃「実は比奈がいない間に練習していたの。そしたら…」
【♪葉加瀬太郎『Angel in the Sky』♪】
すごい…練習時間が1時間だけなのにここまで上達しているとは…。
私「鈴乃、そのバイオリンは譲ろうと思います」
鈴乃「えっ?」
私「私はもうバイオリンが弾けないように感じました。ですがバイオリン要員は天白民に1人でも必要と思っています。ですから、今後はバイオリン奏者としての鈴乃も目指していただけませんか?」
鈴乃「もちろんよ!!」
舞子「一件落着だね」
菜々「やれやれですね…」
全員で笑い飛ばして今回は解散になりました。直後に病院に行ったところ、イップスと診断され、いつ治るかわからないということだったので、今後は鉄道1本で頑張っていきたいと思います。
次回は週末ネタで1個書きたい…。
【お知らせ】
本作品は2024年3月末にあった出来事を書ききった際に完結とし、その後は設定を引き継いだまま新作に移行します。タイトルは『ラブライブ! 虹ヶ咲学園鉄道同好会と高咲侑となかまたち(仮)』あたりを予定。近鉄の新車の運用開始ネタは次回作に持ち越すことを見込んでいます。