ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
2023年5月3日(現地時間)、ミュンヘン空港にて。
仲喜「やっと着いたぞ!!」
僕「仲喜くんすごく楽しそうだね」
月「2人が楽しめれば、僕は満足だからね」
関西空港から半日以上の長旅だったが、無事に到着することができた。緊張ばかりで一睡もできず、食欲もあまりないせいで機内食をチキン(Beef or Chicken)およびサラダ(Soup or Salad)にしてしまうほどだったが、一応僕は元気だ。
仲喜「さあ、Sバーン乗るか。国外の吊り掛けは楽しみだ」
この近辺のSバーンでは西ドイツ時代に設計された通称オリンピック電車こと420形が現役である。E231系やE233系といった最新車両が大好きな彼だが、吊り掛けだけは別らしい。
いざホームに行ってみると、2編成を連結した420形が停車していた。
僕「名鉄みたいで好きだね」
それでも2025年までに消えるようなので読者の皆さん乗るのはお早めに。
〜※〜
仲喜「近鉄にキチガイって言った私が馬鹿だった」
月「まだそのこと引きずっているの?」
仲喜「うん…」
月「そんなんだから進歩できないんだよ?」
仲喜「ごめんなさい…」
こんな会話もあったが、無事にミュンヘン中央駅まで到達できた。
しかし到着後、悲劇が起きる。
??「鳳来寺シオン、どうして山部仲喜なんかと一緒にいるの?」
僕「マルガレーテちゃん!?」
仲喜「そういうウィーン・マルガレーテだって、なぜミュンヘンまで出てくるんだよ!?普通は現地集合じゃないの!?」
月「僕が呼びました♪」
仲喜「ふざけんなよ!!」
マルガレーテ「山部仲喜とここで一緒になるとか最悪よ!!」
僕「2人とも落ち着いてください。仲喜くんにはもう一度言いますが、仲喜くんとマルガレーテちゃんにはこれからお互いに仲良くしてもらいます。これは僕からの命令です。仲良くするまで母国に帰しません」
そう。いつも通り、「家に帰さない」ならぬ、「母国に帰さない」と言い放ちなんとかしようという作戦だ。
マルガレーテ「それはそうと青山由美はどこよ」
僕「アイツは日本での旅行計画と、大学院試験の関係でここドイツには来ません」
マルガレーテ「次日本に行ったら青山由美にはお説教が必要ね」ハイライトオフ
仲喜「これだからウィーン・マルガレーテは嫌いなんだよ」
僕「はい、嫌いは禁句ね」
仲喜「うわぁ…制約が恐ろしいことになってるのなんとかしないと…」
月「とにかく、仲を深めるために行くよ!!」
仲喜・マルガレーテ「待ってええええ!!」
こうして今回の不仲解消物語は始まった。
〜※〜
向かう先はドイツの都市カッセル。日本では見られない、乗りたい路面電車に乗るつもりだ。
仲喜「4時間半乗りっぱなし、しかもウィーン・マルガレーテと隣合わせとか最悪だ…」
マルガレーテ「私もよ」
僕「これも一種の武者修行です!!わがまま言わない!!」
移動の際に乗るICE3では仲喜くんとマルガレーテちゃんを意図的に隣の席にした。
僕「しかしビストロで買ったソーセージは美味しいなぁ」
英語だけでなんとか通じたから良かった。
マルガレーテ「私にもちょうだいよ!!」
僕「んなのは自分で買いなさい」
マルガレーテ「何よ。鳳来寺シオンったらケチね」
由美ちゃんと同様、奢りは絶対にしません。
〜※〜
カッセル中央着。4時間半の長旅だったが、シーメンスのIGBTインバータ制御は最高だった。途中で立ったからエコノミークラス症候群になることはなかった。
その時、電話がかかってきた。誰からだ…?
【通話開始】
僕「はい、鳳来寺です」
しずく『シオン先輩早く日本に帰ってきてください!!私はもう限界なんです!!』
僕「ダメです。これは鉄道系アイドルを活性化させるためのミッション。ドイツから帰るなんてとてもできません」
しずく『それなら帰ってきたら一生懸命に犯しますから、カクゴシテオイテクダサイ♥』
【通話終了】
いや、誰だよ吹き込んだ奴。とはいえ、ICEの車内でアップしていた420形電車の発車動画を僕自身がアップしたせいでバレたかもしれない。自業自得の可能性が高い。諦めよう。
仲喜「誰からだったの?」
僕「しずく」
仲喜「うわぁ…日本に着いたら絶対江ノ島送りだぞ…」
マルガレーテ「私が日本を再訪したら鳳来寺シオンの恋愛対象を全員成敗するしかないようね」
月「そこは抜かりないんだ」
そんなことを言っているとストリートピアノを発見した。弾いてみよう。
【♪西村由紀江『終わらない旅』♪】
まだ2人の不仲は続いている感じがする。そのため、この曲をチョイスした。演奏を終えると拍手の嵐だった。
マルガレーテ「やはり鳳来寺シオンの音色は本物ね」
仲喜「うん。聴いているだけで眠気を誘ってくるよ」
マルガレーテ「あっ…」
仲喜「シンクロした」
マルガレーテ「山部仲喜と同じこと思っていたなんて、恥ずかしいわ」
月「仲良くなれそうだね」
仲喜・マルガレーテ「ならない(わ)よ!!」
というわけで、こんな無駄話をしているくらいなら噂のトラムに乗りに行こう。
〜※〜
向かった先に止まっていたのは3車体連接のRegioCitadisである。
仲喜「これが非電化に入るのか…」
僕「そうっぽいです。しかもこの見た目でディーゼルエンジンを積んでいるとか」
マルガレーテ「ディーゼルは今どきのロック・ミュージックみたいでなんか嫌ね」
仲喜「現地のディーゼルとかときめくなぁ…」
クラシックベースで生きてきた人にとってはそうかもしれない一方、仲喜くんは地元が北海道の札幌でディーゼルと親しかったのもあり、ときめきが溢れている。
乗り込むや否や、エンジンがかかった。しばらくしてドアが閉まり、甲高いモーター音とディーゼルの爆音を響かせ発車した。乗るのはアーナタールまでで、30分に1本しか来ないので折り返す予定だ。
乗ってみると当然ディーゼル特有のうるささはあったが、ディーゼルとは思えない加速と高速走行に圧倒された。
月「シオンちゃんがポカンとしているけど」
僕「この走りに息を呑んでそれどころじゃないの」
月「なるほどね」
そして途中から架線のない区間に入り、無事にアーナタールまで到達した。
〜※〜
それでもこういう非電化直通トラムが日本にも普及してほしい。去りゆくトラムを見ながら僕はそう思ったのだった。
仲喜「そういえば明日はどうするんだよ?ウィーン・マルガレーテがいる以上私はどこかでゆっくりしたいんだが」
僕「明日はこのままヴッパータールまで抜けます。当然マルガレーテちゃんも仲喜くんも強制連行だからね」
マルガレーテ「また明日もアイツと一緒!?」
月「だってとても不仲が解消したとは思えないもん」
仲喜「まじかよ…」
というわけで、明日に備えることにしよう。
とりあえず誤解のないように言っておきますが、山部仲喜の読み方は「やまべ なかのぶ」のつもりでした。
次回も海外ネタ。それが終わり次第国内に戻ります。