ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021   作:松浦南北

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前回に続きドイツ回です。今回をもってシオンちゃんが前倒しで帰国するかも。視点は鳳来寺シオンを予定。
とはいえ、仲喜くんとマルガレーテちゃんの運命やいかに…?


ヴッパータール空中鉄道和親条約

5月4日(現地時刻)、カッセルの外れの町バート・ヴィルヘルムスヘーエにて。今日はここからライン川流域にある小さな町ヴッパータールに抜ける予定だ。そして昨夜はビアホールで飲み放題をやったから仲喜くんが恐ろしく酔っ払ってしまった。

何より変わったのは…、

 

マルガレーテ「昨日1日やってきたけど、山部仲喜の隣にいるのも全然悪くないわね」

 

仲喜「ウィーン・マルガレーテのこと、私は嫌いじゃないかも」

 

昨日まで仲違いしていた2人の態度が少し和らいだこと。これは今日中にイチャイチャが期待できそうだ。

 

月「それじゃあ今日はどうしようね」

 

僕「ここからヴッパータールの街に抜けて現存する世界最古のモノレールに乗る予定です」

 

マルガレーテ「それなら行きましょう」

 

ということで、カッセルの外れのバート・ヴィルヘルムスヘーエからREを2本乗り継いで行くことになる。最初に乗るのはペンデルツーク型客車列車なのだが、後ろに繋がっていた電気機関車は…、

 

僕「念願のタウルスだ!!」

 

182形。主に貨物列車の牽引に充てられる電気機関車で、シーメンス製。日本では全滅したドレミファインバータが今でも聞ける貴重な車両だ。

 

仲喜「ドレミファインバータ楽しみ♪」

 

マルガレーテ「昨日と違ってほっこりするわね」

 

月「さあ、乗ろうか」

 

ということで、後ろから2両目に乗り込もう。

 

〜※〜

 

ビストロ車連結だったので、朝食にはプレッツェルを注文し食べた。

 

月「そう言えばシオンちゃんはお腹を下したりとかはしてない?」

 

僕「僕は大丈夫だよ。定期的に水とか高いけど買ってるから」

 

仲喜「それが大正解だと思う」

 

僕「どういうこと?」

 

月「ここの水道水は硬水だから、お腹を下しやすいんだって」

 

僕「なるほどね」

 

というわけで、そのまま乗っていこう。昨日とは違い、仲喜くんとマルガレーテちゃんが喧嘩することはなくなった。

 

〜※〜

 

乗り換えるのはヴェストファーレン州にある小さな街ハム。ドレミファインバータはご馳走様でしたで良かったのだが、次のREに連結されていた機関車はというと…

 

僕「101形だ〜!!」

 

アドトランツ製の電気機関車。2音インバータも素敵なドイツ鉄道の主力だ。これも前から2両目に乗ろう。

 

アドトランツのGTOインバータは身に沁みる。日本ではめっきり減ったこの手の音も堪能しよう。

 

〜※〜

 

ヴッパータール中央駅到着。これもまた長かった。しかし、仲喜くんとマルガレーテちゃんの態度が完全に和らいだのはこのときだった。

 

仲喜「しかし、マルガレーテちゃんもいざ話してみると、意外に音楽関連の話で盛り上がるなぁ。ごめんねあんなこと言っちゃって」

 

マルガレーテ「山部仲喜が青山由美と同じように、クラシック系の音楽が好きだということを知って私も驚きよ。憎いなんて言って申し訳ない」

 

月「これで不仲は解決だね」

 

仲喜「ということはもう終わり!?」

 

僕「いや、ヴッパータールのモノレールに乗りたいからついてきて」

 

仲喜「ありがとう」

 

月「ワクワクするよ♪」

 

というか、仲喜くんがフルネームで呼ばなくなった時点で大躍進したということだ。

 

そしてヴッパータール空中鉄道の駅にやってきた。ヨーロッパ特有の信用乗車方式のホームだ。

 

ヴッパータール空中鉄道は現存最古のモノレールであり、ランゲン式という鉄輪で動く方式を採用している。湘南モノレールや千葉都市モノレールなどのサフェ―ジュ式や、廃止の噂がある上野動物園モノレールの上野式とはまた違う感触が味わえるはずだ。

やってきたのは2015年に登場したばかりの最新型。ウォームギヤだから回生ブレーキは期待できないだろうけど、乗ってみよう。

 

仲喜「むちゃくちゃ車内がきれいだ…」

 

マルガレーテ「今日は山部仲喜の隣がいいわ」

 

仲喜「じゃあそうするか」

 

座席は片側にのみ2列クロスシートが並ぶだけ。もう片側は通路だから、座っていったほうが色々良い。

 

モノレールは川沿いをものすごいスピードで翔ぶように走る。窓の外には色んな景色が流れていく。まるで空を飛んでいるような感覚になるくらい速くて、そして気持ちいい。山を駆け抜ける湘南モノレールとはまた違った感覚だ。

 

〜※〜

 

終着駅にて、悲劇が起きる。

 

??「仲喜、マリーが探してマーシタ」

 

僕「鞠莉さんのお母様!?どうしてここだとわかったのですか?」

 

鞠莉さんのお母様「仲喜とシオンの行動なんぞお見通しだってマリーが言っていマーシタ!!さあ仲喜、MISSION COMPLETEのようなので行きましょう!!」

 

仲喜「いやあああああああ!!」

 

月「頑張ってねー♪」

 

仲喜「月ちゃんも見捨てるなああああ!!」

 

仲喜くんは鞠莉さんのお母様に連れられ行ってしまった。話によるとこの後鞠莉さんにめちゃくちゃにされたようです。

 

月「シオンちゃんはこれからどうする予定?」

 

僕「ミッションもクリアしたし1日前倒しでフランクフルトから成田に帰ろうかなって思う」

 

マルガレーテ「私も実は明日の夕方地元で公演があるから帰らないと」

 

月「僕はイタリアに一度行って幼馴染に会ってくるよ」

 

僕「全員バラバラか…。だけど由美ちゃんやトワちゃんを心配させる訳にはいかないし、先に帰るよ」

 

マルガレーテ「離れていても、心は一緒。だからまたヨーロッパに来てくれるわよね?」

 

僕「もちろん!!」

 

こうしてみんなで笑い、フランクフルトまで出たところで解散となる。帰りの飛行機は夜に出るので、直ちに由美ちゃんに電話しよう。

 

【通話開始】

由美『はい、青山です』

 

僕「由美ちゃん、明日1日前倒しで僕だけ成田に帰ることになりました」

 

由美『到着は何時頃になる予定?』

 

僕「日本時間の明日18時です」

 

由美『他のメンバーは?』

 

僕「月ちゃんは一度イタリアの幼馴染に会いに行くって話だし、仲喜くんは鞠莉さんのお母様に捕まっちゃった。マルガレーテちゃんも地元でコンサートがあるって言ってた」

 

由美『うわぁ…仲喜くん無事に生きて帰れるといいね』

 

僕「だね」

 

由美『とにかく、無事に事故とかなく帰ってくること。俺からはそれだけ』

 

僕「うん。約束するよ!!」

 

由美『それじゃあまた』

 

【通話終了】

こうして帰国の準備はできた。帰りの飛行機まで時間はあるから、近郊でSバーンを撮影しまくり、鉄道PVの素材にし、夕食だけ食べて日本に帰ろう。

 

だけどカッセルのレギオトラムも、ヴッパータールのモノレールも楽しかったなぁ…。由美ちゃんや鈴乃ちゃんを連れてまた行きたい。




次回は国内に戻ります。シオンちゃんの帰国は次々回以降の予定です。
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