ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021   作:松浦南北

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新庄雄太郎さんからリクエストをもらいましたが、エルチューバーYouTuber西園寺さんの鉄オタ強制連行ネタが新たに投稿されたため、こちらのパロディも盛り込みます。視点は上原歩夢を予定。


【GPS禁止】鉄オタでない人を長崎市内に強制連行(拉致)して放置するとどうなるの?

2023年7月8日、朝6時半。急に家の呼び鈴が鳴った。

 

お母さん「歩夢ー、お友達が遊びに来てるわよー」

 

私「今着替えてそっち行くから待ってて」

 

今日は来週分の予習も終わっていたから、侑ちゃんと一緒にゆっくりまったりする予定だったけど、侑ちゃんがそんなに早起きする訳がないし、こんな朝早くに呼び出すのって、誰なんだろう…?

 

出てみると、やってきたのは…

 

せりな「おはよう、歩夢ちゃん」

 

音楽科1年、鉄道同好会所属の丸山せりなちゃん。

 

私「おはようせりなちゃん…って、制服姿で色々旅行の用意持ってどうしたの?」

 

せりな「急に思い立ったから長崎に一緒に行こうかなって」

 

私「えっ、侑ちゃんは?」

 

せりな「比奈ちゃんが今日明日、キハ85のラストランを見せるために名古屋まで連れ出すって言ってた」

 

さては鉄道同好会の策略だなこれ?だけど、侑ちゃんも連れ出されるなら、準備だけして行くことにしよう。

 

私「じゃあ今から準備するから、一緒に行こうか」

 

せりな「一応お金は出すからね」

 

私「ありがとう!!」

 

しかし、これが悲劇の緒であることを知らずに…。

 

〜※〜

 

まず豊洲駅から有楽町経由で品川駅に出る。有楽町まではPASMO利用で、残金もそこそこあったからセーフ。

 

有楽町到着後、学割付きの切符と特急券・指定券をせりなちゃんから渡された。額面に書いてあったのは…、

 

私「えぇっ!?これ、長崎駅まで新幹線と特急を乗り継ぐ…ってコト!?」

 

東京都内→長崎の乗車券、品川→長崎の特急券、品川→博多の指定券。

 

せりな「そうだよ♪」

 

確実に飛行機より時間がかかるけど、耳に大きく響くわけじゃないからその分辛くはない。5時間半の長旅をクリアした私にとってはね。

 

というわけで、品川駅でカツサンドを購入し、5時間近く乗りっぱなしになる。

 

〜※〜

 

乗り込んだ新幹線のぞみ13号は定刻通り、7時55分に品川駅を発車した。指定席だけど、せりなちゃんたちは家族揃ってEX会員だから、通常の自由席料金と比べても安く取れたんだって。

 

そういえば侑ちゃんはどうしたんだろう?比奈ちゃんと名古屋に行っているのかな?

 

私『おはよう、侑ちゃん』

 

10分後、既読がついた。

 

侑『おはよう歩夢、っていまどこにいるの?家に行ってもいなかったけど…』

 

私『せりなちゃんに連行されて、朝早くから新幹線長崎行きになっちゃった。新幹線かもめ号に乗るってせりなちゃんは言ってたよ』

 

侑『私も今家の呼び鈴で二度寝から覚めたけど、早速比奈ちゃんがラストランのキハ85を見たいとか言い出して、それでもう名古屋行きが確定したんだ。明日まで帰さないって』

 

私『じゃあ、東京に戻ったら必ず写真を見せ合おうね、約束だよ!!』

 

侑『うん!!』

 

侑ちゃんの無事を確認したところで、カツサンドを食べながら、博多に向かっていこう。

 

〜※〜

 

5時間近くののぞみ号乗車を終えたあとのこと。博多でも駅弁を購入し、次に乗るのは特急リレーかもめ。車両は885系で、白い車体と振り子装置が特徴。

一方、明太子が丸ごと1本入った黒豚弁当もかなり美味しいよね。侑ちゃんがいれば食べさせてあげたかったなぁ。

 

武雄温泉下車後は6両編成の新幹線かもめ号に乗り換え、定刻通りに長崎駅に到着した。とはいえもう昼の2時を過ぎていた。

 

到着後のこと。

 

せりな「そうだ!!歩夢ちゃんに今から7万円渡すよ」

 

私「えっ、どういうこと?」

 

せりな「歩夢ちゃんには、これからミッションを与えます。それは、GPSを使ったり、侑ちゃんに連絡を取ったりすることなく、ここからお台場まで1人で帰ってくること。ついでにサブミッションとしてこれだけ行ってきてもらいます!!」

 

まず侑ちゃんに連絡してはいけないということに心が折れそうだ。そんなのは関係なしにせりなちゃんは1枚のチラシを渡してきた。

そこに書いてあったのは、訪問推奨場所リスト。原爆資料館、眼鏡橋、稲佐山、新地中華街、大浦天主堂、グラバー園、出島の7つ。

 

せりな「ついでにこのカメラも渡すから、これで訪問場所の写真を撮ってきてね。またチェックするよ♪」

 

私「うん……」

 

赤いコンデジ。おそらく鉄道同好会の私物だと思う。

 

せりな「じゃあ、ちょっと侑ちゃんにも言っておくね。『歩夢ちゃんがお台場に帰るか、会うかするまで連絡は取っちゃダメだよ』…と」

 

私「そんなの不公平だよ!!」

 

せりな「だってしょうがないじゃん。共依存の傾向があるの、私知っているんだからね?」

 

私「…で、せりなちゃんはどうするの?」

 

せりな「私はこれから、肥前浜の青いキハ47を見ながら帰りまーす」

 

私「あっ、待って!!」

 

せりな「じゃあね☆」

 

そう言って、せりなちゃんは佐世保行きの3両編成のYC1系区間快速シーサイドライナーに乗って去っていった。

 

…もういい。帰ったら絶対にぜーったいに、思いっきりせりなちゃんのこと、油を絞ってやる!!

 

〜※〜

 

とはいえ、学校をサボるわけにはいかないから、明日までにこのミッションはクリアしないといけない。とりあえず長崎駅の観光案内所で地図だけ貰って、赤迫行き3系統の電車に乗ろう。まず向かうのは原爆資料館だ。しかし長崎は新幹線でせりなちゃんが言ったように、緑と白の、吊り掛け式の旧型車が多い。今乗った車両も緑と白で、番号は364だ。

 

長崎にも78年前の8月9日に、広島に次いで原子爆弾を投下された。爆弾の大きさは広島のより大きかったけど、山があったから広島より被害は甚大ではなかった。噂によると3発目が東京湾や名古屋に落とされる可能性があったから、シオンちゃんたちが私たちに会えず、世界が変わっていたかもしれないと考えると、涙が出てくる。

 

次に向かったのは大浦天主堂とグラバー園。路面電車を新地中華街で乗り継ぐ。最初に乗ったのは赤白広告の低床電車6001で、乗り換えたあとに乗ったのは青ベースの1205だ。低床車以外は吊り掛けの重低音がとにかく響き渡る。

 

先に向かうのは大浦天主堂。17時30分までしか開いていないから、夜まで空いているグラバー園は後回しにしよう。

 

中に入ると荘厳な雰囲気が漂う。私や侑ちゃんは無宗教だし、宗教信者の人でも仏教徒の由美ちゃんや聡平くんあたりしかいないから、教会に入れるのは貴重だ。

 

続いてグラバー園。レトロ写真館は帰京するためのお金を確保すべく見送る。このまま坂を降りていき、松ヶ枝ターミナルに向かう。そろそろ夜も遅いし、新地中華街で飯にしよう、そう思ったその時だった。

 

??「あのー、すみません」

 

私「えーっと…私ですか?」

 

??「はい。従妹のドロシーから、長崎に着いたら赤髪のシニヨンの、上原歩夢様に声をかけるべきと言われまして……」

 

私「私が上原歩夢ですけど……」

 

??「私はモリー・ハーレーと申します。初めまして、歩夢様。日本の鉄道を知りたくて、イギリスのバーミンガムから参りました。明後日からお台場の虹ヶ咲学園に約3週間留学する予定です。よろしくお願いいたします」

 

私「よろしくお願いします…モリーさん」

 

というか、いきなり出先で、私の知り合いの従姉の人に出会うこと自体が驚きだった。やっぱりこんなにいい出会いがあった以上、せりなちゃんを帰ったらしばくのはやめよう。

 

モリー「これから歩夢様はどうされる予定だったのですか?」

 

私「新地中華街でご飯を食べて、稲佐山を見て、それから今日は長崎で1泊するつもりでした」

 

モリー「それなら一緒に行きましょう」

 

私「そうですね」

 

こうして、ここからはモリーさんと2人で行動することになった。路面電車で新地中華街への移動後は皿うどんを食べる。

 

私「意外と甘い…」

 

シオンちゃんに勧められて新橋周辺でリンガーハットの皿うどんを食べてみたけど、それより甘かったのが驚き。ソースを加えていいそーす、なんてね、と言いたいくらいに味変が利くのもいい。

 

そして食べてからは長崎駅前までまた路面電車で戻り、バスで稲佐山まで向かう。ここから見下ろす夜景は世界新三大夜景と言われるくらいの場所で、鉄道同好会のみんなも大好きな葉加瀬太郎さんによる曲『長崎夜曲』も作られた。プライスレスのこの夜景、山の少ない関東平野ではなかなか見られないから貴重だよね。

 

そして、今日泊まるホテルは長崎駅前の東横イン。この前松本で侑ちゃんたちといざ宿泊したら最高だったから、少々高くてもここにしよう。明日は出島と眼鏡橋を巡って、羽田に向かうんじゃなくてセントレアに流れ、そして比奈ちゃんと侑ちゃんを驚かせ、合流することに決めた。

 

モリーさんとは別の部屋だから、今日はここで解散にしよう。

 

〜※〜

 

次の日の朝、部屋を出る準備だけしたら無料朝食を頂く。郷土料理「にごみ」は味をちゃんと覚え、また侑ちゃんに作ってあげることにしよう。落花生が入っているのが斬新だ。

 

さて、チェックアウトを済ませてホテルを出よう。

 

モリー「おはようございます、歩夢様」

 

私「おはようございますモリーさん」

 

モリー「今日は昨日ぶりの飛行機が楽しみです」

 

私「まずは昨日私が行けていない出島と眼鏡橋は行かせてください」

 

モリー「もちろんです」

 

こうしてまず出島に向かう。埋め立てられたあとだから塀だけが残り、島だった面影はない。中の建物は保存され、川越に似たものを感じさせる。

 

続いて向かうのは眼鏡橋。今日は生憎雨だけど、内山田洋とクールファイブさんの『長崎は今日も雨だった』を思い出した。

 

ここまで見学を終えたところで、長崎空港までバスで向かい、そこでカレーだけ2人で食べてセントレアに向かう…予定だったけど、飛行機がないから羽田から京急・新幹線経由で名古屋駅に向かおう。

 

モリー「航空機、ワクワクしますね」

 

私「私も同じ気持ちです」

 

無事にお金を現金で支払い、搭乗口に向かい、乗り込んでまもなく離陸した。名古屋で侑ちゃんと比奈ちゃんを取っ捕まえて、尋問こそしないけど、私も一緒にキハ85のお別れイベントに参加してやるんだから!!

 

待っててね、みんな♪




次回は侑ちゃん回で、キハ85のザ・ラストランを予定。つまり次回でキハ85ともおさらばです。
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