ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021   作:松浦南北

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近鉄1233系電車のVC42編成(*1)のアイデンティティと言って良いLCD式車内案内表示器が撤去されたので怒りと絶望のあまり急遽書きました。視点は鳳来寺シオンを予定。

*1
車両番号が1242-1342の2両編成。




【緊急特番】近鉄1233系もオワコンに!! VC42編成のLCDが天国へ召されました。

僕「よし、今日はVC42編成に乗るぞ!!」

 

比奈「楽しみですね、シオン」

 

2023年10月7日、近鉄名古屋駅にて。今日は名古屋線非ワンマンVVVF車で初めて車体更新されて戻ってきた、僕や由美ちゃんの愛車VC42編成に比奈ちゃん、鈴乃ちゃんと乗るつもりだ。由美ちゃんは研究室の中間発表が近いから来ないけど、今日は存分に楽しむことにしよう。

 

比奈「あっ、白いLEDが見えました!!」

 

鈴乃「そろそろね」

 

そして3番ホームに完全に停車したところで…、

 

僕「せーのっ!!」

 

3人「お帰りなさい!!」

 

パシャン!!という非常ブレーキの音と共に、VC42編成に再会することができた。前照灯と標識灯・尾灯の位置はトレードされ、前面に転落防止幌まで設置されており、数年前とはまた違う面目になっていた。

前方に連結されていたのは1400系FC07編成。今日はここから桑名まで乗るつもりでいる。

 

さて、車内を確認してみる。すると…、

 

僕「嘘だろ……」

 

2画面準備工事までしてあったLCD車内案内表示器が横長LCD準備工事の筐体に取り替えられ、完全に撤去されていた。さっきまでのときめきは一瞬でなくなり、近鉄に対する怒りが爆発してしまった。

 

僕「もういい僕帰る!!」

 

ガシッ!!

2人は一気に僕の腕を掴む。

 

比奈「どうして帰るのですか!!」

 

僕「離せ!!比奈ちゃんも鈴乃ちゃんも離してよ!!VC42編成(コイツ)のせいでときめきを完全に失ったの!!」

 

鈴乃「嫌よ!!この編成に乗る約束だったでしょ!?」

 

僕「LCDがなくなってるのがあまりにも腹立たしいんだよ!!」

 

僕は鈴乃ちゃんと比奈ちゃんを振り払い、1番線の2000系XT11編成の普通列車に乗り込むことにした。もう八田で下車し、明日から近鉄には趣味目的で二度と乗りに行かない。

VC42編成のLCDが撤去されたら、次はVC43編成、そしてVC47編成にも車体更新による撤去が及び、LCDと盲導鈴がなくなる危険性があり、非常に残念でならない。それくらいなら近鉄への推し活を完全に見限ったほうがよい。

 

比奈・鈴乃「シオン!!」

 

僕「放っといて!!僕の気持ちなんてわかるわけがないでしょ!?」

 

なんとか乗り込み、モ2022の先頭部に向かう。それでも比奈ちゃんと鈴乃ちゃんは追ってきた。

 

比奈「シオン、少し落ち着いてください」

 

僕「嫌です!!僕はこの列車に八田まで乗ったところで、近鉄趣味生活に終止符を打つんだ!!」

 

鈴乃「LCDもドアチャイムもなくなって辛い気持ちは誰にだってわかるわよ!!」

 

比奈「そうですよ!!バリアフリー化とは逆行していて、恐らく障がい者団体の皆さんからも批判の声が上がると思います!!」

 

鈴乃「だけど、LCDやドアチャイムがなくなっても新しくなったVC42編成に私はシオンと一緒に乗りたいの!!」

 

僕「バリアフリーから遠ざかるようなマネをしていては本気でこの会社を許せるわけがない!!そんなにも僕にしつこくするなら、今すぐこの普通列車を降りなs…」

そう言いかけた、その時だった。

 

ドカッ!!

 

突然、何者かに背中を蹴られ、電車内で尻もちをついてしまう。誰かと思えば、虹ヶ咲学園の生徒会長、中川菜々ちゃんだった。

 

菜々「西白壁高等学校・普通科1年、鳳来寺シオンさん、それは本気ですか?」

 

菜々ちゃんの声は極めて低く、怒りをはらんでいる。

 

僕「…本気です。今すぐにでも近鉄と決別したいくらいなのに、それでも2人が僕と一緒にLCDもドアチャイムもなくなったVC42編成に乗りたいと言い出すので、正直迷惑です」

 

比奈「シオン……そんな……」ポロポロ

 

鈴乃「酷い…酷いわ……!!」ポロポロ

 

ガシッ!!

 

2人のその声を聞いて、菜々ちゃんは思いっきり僕を踏みつけた。

 

菜々「今の発言は、近鉄とそれを愛するすべてのものに対する侮辱です!!冒涜です!!今すぐに比奈さんと鈴乃さんとVC42編成、いえ、すべての近鉄ファン・社員の方々と車両たちに謝罪してください!!」

 

かつてないほどのものすごい剣幕で怒鳴られてしまった。

 

菜々「…と、私が怒鳴ってもおかしくありません。だいたい、シオンさんが近鉄を失ったらどうするのですか?大都会が苦手だから東京・大阪・名古屋のいずれでもない何処かに移住すると言い出したら、私ですら呆れますよ」

 

僕「…申し訳ありません」

 

菜々「それに、VC42のLCDがなくなっても、皆さんの大好きなあの走行音は健在ですよ?それはVC43やVC47からLCDがなくなっても、仮にVC69やDG12からドアチャイムがなくなっても同じなはずです」

 

僕「菜々ちゃん……」

 

菜々「ですから、近鉄への推し活キャリアを終えるとは二度と言わせません!!」

 

僕「……わかりました」

 

僕が近鉄推しを辞めないと誓ったところで1番線の電車を降り、まだ停車中のVC42編成に戻る。

余談だが後で聞いた話によると、菜々ちゃんは比奈ちゃんから聞いて今言ったすべての編成の特徴を書き留めていて、全て覚えていたらしい。

 

そして日立GTOの音を響かせ、列車は発車した。

 

僕「比奈ちゃんも鈴乃ちゃんもさっきはごめんね、あんなこと言って……」

 

比奈「わかってくだされば大丈夫です。こんなことで近鉄を嫌いになったら、名古屋に戻ってシオンを調教しますよ?」

 

鈴乃「そうよ。近鉄嫌いな鳳来寺シオンは、もう鳳来寺シオンじゃないんだから!!」

 

僕「うわあああああんごめんなさいごめんなさい!!」

 

僕は泣き出してしまった。

 

菜々「一件落着ですね」

 

こうして僕たちは桑名駅まで乗り通す。たかがただのLCD、ただのドアチャイム、それが撤去されたくらいで文句を言うのはバカバカしい。僕はそういうふうに感じたのだった。

 

〜※〜

 

桑名到着後のこと。

 

??「見つけましたよ、シオン先輩♪」

 

比奈「しずくさん!?なぜここに!?」

 

なんと、しずくが現れていた。

 

しずく「当然、シオン先輩を捕獲して鎌倉に連れ出すためです♪」

 

僕「またこのオチか」

 

菜々「シオンさんを連れ出して何が楽しいのですか!?」

 

しずく「中川さん、私がシオン先輩を思う気持ちはエベレスト山よりも高く、マリアナ海溝よりも深いんですよ?ですからシオン先輩には存分にご恩を返してもらわないといけないんです!!」

 

鈴乃「いや、桜坂しずく=北条政子説やめなさい」

 

しずく「鈴乃さん、シオン先輩は鎌倉幕府にでもならないと乗り気にならないの、わかりますよね?」ゴゴゴッ

 

鈴乃「ひっ…」

 

しずく「さあ、行きますよシオン先輩♪」

 

僕「いやあああああああああ!!」

菜々・鈴乃・比奈「待ちなさああああああい!!」

 

こうしてまたしずくに連れ出された僕でありました。もうなんでこうなるのやら…作者さん文字数稼ぎで通報されるのだけは避けてよ。




次回は本編に戻ります。

本話は以下に転記しました。
https://novelcake.net/works/novelcake/?mode=NovelJump&USER=NCUN2539PN&NO=1
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