ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
2023年8月19日10時半頃、虹ヶ咲学園前にて。俺は今日から活動を再開するとともに、久々に鉄道同好会の部室に押し掛けることにした。大学院試験?面接では合格っぽいことを言われたけど、どうも筆記でヤケにイジワルな問題が出たからこれがかなりのマイナス要素に働いたと思いました。
さて、そんな虹ヶ咲学園前だが……、
俺「暑い……」
そう。名古屋と同じくらい暑すぎる。先月の活動休止直前もそうだった。まあ、今日は新幹線で東海車に初めて乗れたから、『会いに行こう』を聴けたのは良かった。
とは言うものの……俺は暑さのあまり気を失い泡を吹いて倒れてしまった。
〜※〜
俺「はっ……!!」
目が覚めると俺は部室棟の下のフリースペースにいた。
??「全く……世話が焼けますね、大名古屋工科大学・機械科4年、青山由美さん」
俺「菜々ちゃん!?」
菜々「あれほど夏に名古屋の地上を歩くなと関東方面に注意しておいて、自分が炎天下で倒れるとか……死にたいのですか?」ゴゴゴッ
俺「すみませんでした!!」
菜々「青山さんも21歳の大学生なのですから、その辺りはしっかりしてください。ホラ、これを飲む!!」
菜々ちゃんから渡されたのは綾鷹のペットボトル。
菜々「今回は私の奢りですから」
俺「ありがとう……」
開封し、かなりの量を一気飲みする。
俺「生き返るよ……」
菜々「ところで今日は、鉄道同好会の部室に行く予定でしたよね?」
俺「そうだけど、何か良くなかったのかな?まさか廃部とか……」
菜々「いえ、廃部ではありませんが、簡単には行かせません」
俺「どういうこと?」
菜々「今回は青山さんと一緒に居たいのです」
俺「嫉妬?」
菜々「はい、嫉妬しています。澁川さん、桜木さん、岩槻さんの3人が鉄博に青山さんと行くという話を伺ったので、青山さんからも尋問することにしました。上原さんと高咲さんも一緒ですよ」
うわ、アイツらまで嫉妬したらもう終わりだよ、尾張だけに。
菜々「そういうわけなので、まずは相談室送りです」
俺「そんなああああ!!」
そしてそのまま相談室に送られ1時間くらい取り調べを受け、
歩夢「もう今日は決めました!!今日1日私が付きます!!変なことしたらユルサナイカラ」
歩夢がつくことになりました。
俺「侑ちゃんはこれで大丈夫?」
侑「私は宿題まだ終わってないから見送りかな。でも近日中に私とデートしてもらうから」
こうして地獄の1日が始まった。
直後に向かったのは鉄道同好会の部室。
俺「おーい比奈ちゃん遊びに来たぞー」
比奈「由美、遅かったですね……って歩夢?」
歩夢「暑さで倒れたところを生徒会長が拾い上げてそのまま一緒に取り調べして、私が今日一日監視役でつくことにしたんだ」
カレン「うわぁ…変なマネができなくなったわね」
歩夢「うん。由美ちゃんは家族でも鉄オタでもない人の監視がないとすぐ電車に浮気するから(*1)」
鈴乃「というか由美まで熱中症になったのね」
俺「虹ヶ咲の到着前にお茶を切らしたからね。菜々ちゃんから1本綾鷹は奢ってもらったけど。というか菜々ちゃんにはこの件でもむちゃくちゃ怒られました」
比奈「そこはしっかりしましょうね。もう21歳なのですから」
俺「はい……ごめんなさい……」
鈴乃「ところで由美は国際鉄道模型コンベンションに寄った?」
俺「寄ってないです。1500円で高かったし」
カレン「舞子やせりな、有佐も頑張っているし、寄ってほしかったのは山々なんだけどね…」
歩夢「カ レ ン さ ん?」
カレン「ひっ……」
歩夢「わかっていればいいです」
どうやら俺には行動制限がかかりまくりっぽいです。
俺「そういえばコンベンションに出る予定だったドロシーちゃんがここにいるけど」
ドロシー「モリー姉ちゃんが家族で、私のママ、パパとともに日本で住むことになったんだ。だから私もこれからは留学生じゃなくて在日イギリス人ってことになるの。ついでにコンベンション出場はモリー姉ちゃんに譲っちゃいました♪」
俺「まさかバーミンガムが財政破綻寸前だからこっちに越してきたとか?」
ドロシー「そうだよ♪」
俺「うわぁ…そのうち俺もバーミンガムの旧イギリス国鉄車Class 323に乗りたかったのになぁ……」
歩夢「何言ってるの?今後も乗せないよ?」
俺「はい……」
歩夢がいるとこうなるの真面目に嫌なんだよね。それと財政破綻の街と言われたら行く気をなくす。
比奈「さあ、とりあえず行きましょうか」
鈴乃「そうね」
こうして部室を閉め、俺たちの旅は始まった。
〜※〜
まずは歩いてダイバーシティ東京に向かう予定だったが、
歩夢「また由美ちゃんがぶっ倒れたらいけないからりんかい線で行くよ」
歩夢の一言でりんかい線に流れた。今回来たのはE233系7000番台。2年前に相鉄線でダイヤ、果南と乗ったやつだ。
車内は東京の電車の典型例。オールロングシートに白内装、LCD搭載など、どこぞの贅沢内装の近鉄や313系とは大違い。
1駅210円は高いが、まあいいか。
〜※〜
東京テレポート駅到着。ここから歩いてダイバーシティ東京に向かう。
しかし到着後も食欲が湧かない。そう思いながら中を歩いていたときだった。
俺「あっ、フードコートだ。しかもはなまるうどんまであるぞ」
歩夢「あれ?由美ちゃんははなまるうどんの常連さん?」
俺「常連です。大学の近くにもあるし、食欲湧かないとうどんに流れること多いもん」
ドロシー「あーね」
というわけで、食欲の湧かない俺はまたおろし醤油の小を注文した。しかし名古屋のより数十円くらい高い。人生21年やってきてここまで東京の文化に疎いとは思わなかった。
そして驚いたのは…
俺「わかめがセルフサービスなんですが。名古屋ではこんなことなかったぞ」
そう。セルフサービスでネギ、揚げ玉の他にわかめものせられるということ。俺が東京の文化に疎いことはこれでもう丸わかりである。
歩夢「今後も由美ちゃんは東京に頻繁に呼ぼうね」
ドロシー「どういうことですか?」
歩夢「シオンちゃんほどでもないけど大都会に滅法弱いもん」
カレン「確かに特訓が必要そうねこれは」
歩夢「でしょ?」
不穏な声を聞いたが、とりあえずそれぞれで昼を食べた。うどんは海老天ぷらとともにごちそうさまでした。
〜※〜
食後はりんかい線経由で大宮に抜けることにした。今度当たったのは70-000形。しかも大崎折り返しだ。大崎行ったら湘南新宿ライン乗れるかもしれないから乗ろう。
ドロシー「コイト電工のパッとビジョン、いつ見ても飽きないね」
俺「やっぱりLCDとドアチャイムがあってこそ輝くなぁ」
歩夢「またときめくんだ」
俺「えっ……」
歩夢「もう由美ちゃんは大崎までアイマスクと耳栓の刑ね!!」
なんでこうなるんだよ。一昨年の3月に乗ったVC42編成のときも同じこと千歌っち(*2)にやられたぞ。
〜※〜
大崎到着直前にアイマスクは外してくれたが、もう地上。
歩夢「湘南新宿ライン来るといいね」
比奈「ですね」
しかし、待つこと数分、やってきたのは…、
俺「またコイツかよ」
鈴乃「本日2度目ね」
E233系7000番台、川越行き。ま た お 前 か。しかもあれ新木場発だから損した。
カレン「でもこれで地元大宮に戻れるわね」
歩夢「ダ埼玉さんは相変わらずですから」
カレン「だから歩夢もダ埼玉って言うなぁ!!」
とりあえず乗るしかないだろ。やるとしたら赤羽乗り換えだ。
乗車後はかなりの長旅になる。ロングシート座席でも座れて良かった。
比奈「原宿通過で良かったです」
歩夢「まあ、神宮外苑の女たちに勝手なことされたくないからね」
俺「せやな」
カレン「うわぁ…比奈もヤンデレにやられてたの?」
鈴乃「私もよ。私はメイ、比奈は冬毬、それから由美は四季に追われるのよ」
歩夢「でも私がいるから、もし来たら全員撃退してあげるね♪」
ドロシー「助かります歩夢先輩……」
とりあえず渋谷、新宿、池袋一帯はセーフ。そして板橋、十条、赤羽と続いていく。
俺「しかし分かれ道か…埼京線を乗り捨てて湘南新宿ラインに行ってもいいと思うが」
比奈「停車駅も少ないので湘南新宿ラインに流れてみませんか?」
鈴乃「それがいいわね。歩夢もそれでいいかしら?」
歩夢「大丈夫だよ」
というわけで赤羽下車。後続の湘南新宿ラインに乗って大宮にレッツゴー!!
【挿入曲♪柏木広樹『Bom Dia!』♪】
さすが湘南新宿ラインは速くて素敵だ。E233系3000番台の走りも舐めたものではない。しかし、大宮到着直前のこと。
比奈「また止まってしまいましたね」
先行列車が詰まって赤信号にぶち当たって止まってしまった。
歩夢「とりあえず鉄博に行くのは予定通りだから止めないけど、由美ちゃんは今日1日寝られるとは思わないでね?」
俺「わかりました……」
嫌な予感しかしないが、無事に大宮に到着した。さて、到着後はニューシャトルに乗ろう。
俺「そういえば俺、埼玉初めてだ!!」
歩夢「そうだったの?」
俺「東京見てると時間潰れるし」
カレン「アタシの埼玉をディスってないかしら?」
俺「ひっ……ごめんなさい!!」
カレン「わかってればいいのよ。カレンの前で埼玉イジリはしないでね?」
俺「はい……」
このメンバー、全員めんどくさい。何かと俺が電車へ浮気することを阻止したがる歩夢に、埼玉イジリが嫌いなカレンちゃん、そして付き合いが長いからやりすぎると嫉妬の炎が上がる鈴乃ちゃんに比奈ちゃん、そしてインバータの世界にようやく踏み出したドロシーちゃん……。
俺も含めてまともな奴ゼロじゃねえか。
まあ、それはそれとしてニューシャトルのホームに到着した。やってきたのは…、
俺「また1050系じゃなかった……」
2000系だった。1050系も2本しかないから狙いにくいのはわかっている。だけどここ最近サイリスタ位相制御やサイリスタレオナードが貴重になっている昨今では余計にレトロニムの対象として注目したくなる。
歩夢「だめだよ由美ちゃん、また私の前で電車に浮気するの?」
俺「ごめんなさい……」
本日何度目だこれ……。とはいえ乗るのは1駅だけだ。
〜※〜
鉄道博物館駅着。鉄博までは通路で続いている。
カレン「この前はゆっくり見られなかったからしっかり見回ることにしましょう」
俺「あれ?カレンちゃんは行ったんだ」
比奈「夏合宿で私たちが出発した日に行ったようです」
俺「まあ、俺はあの時点で活動休止だったし、今日ここで楽しむか」
歩夢「由美ちゃんは鉄道関連になると相変わらずだからね。シオンちゃんと同じように私と侑ちゃんだけのものに本当はしたいのに……」
ドロシー「歩夢先輩そこは落ち着いてください」
歩夢「ごめんごめん」
入場券を購入し、全員で入館する。EF55もED75も485系もみんな大切に保存されていた。そしてEF66の中空軸可撓吊り掛け式の実物も見ることができたので、かなり有意義だった。
別館でも鉄道史やE5系のモックアップに触れ、外を見ると宇都宮線E231系15連や川越線E233系10連など、1日いても飽きないレベルに列車たちがひっきりなしに通っていった。
〜※〜
見学後はカレンちゃんとは解散になる。というのも最寄りが鉄道博物館駅周辺なんだって。
カレン「みんなまた明日ね!!」
全員「お疲れ様(です)!!」
そしてニューシャトルで大宮駅に戻るのだが…、
ドロシー「ちびっ子たちも大概にしてほしいよねこれ」
鉄博帰りのちびっ子たちが騒いだせいでで汽笛が鳴りまくり、駅員さんから怒りの声が上がっていた。勘弁してくれよもう…。
大宮到着後だが、
俺「野田線に乗ってみたいなぁ…」
歩夢「ただ乗るだけでしょ?それならJRで帰ろ?」
また黒ぽむ発動。
俺「いや、春日部からスカイツリーライン経由で東京駅に戻るつもりだったけど」
歩夢「それなら行こうか♪鈴乃ちゃんもそれでいい?」
鈴乃「もちろんよ」
この差って何なんですかもう?野田線乗れるならいいけど。
というわけで大宮から野田線急行に乗る。60000系もTHE・東京の電車という感じだ。10030系普通列車を見送ったあとに発車。岩槻、春日部に停車してそのまま下車する。下車後はスカイツリーラインの浅草方面に流れる。
俺「シオンちゃんを連れてこなくて良かった」
歩夢「だよね」
ドロシー「どういうこと?」
俺「シオンちゃんはまだ俺が1歳だった頃、前世で東上線の8000系に轢かれて命を落としたのよ。その関係で東武8000系が好きじゃないってわけ」
比奈「20年以上前の出来事だったので私も鈴乃もまだいませんでした」
ドロシー「なるほどね」
比奈「ですが、一度だけ鬼塚夏美・冬毬さんのペアに連行されたので、その際に少しは苦手が改善されているかと」
俺「え、一度乗ったんだ」
比奈「ダメでしたか?」
俺「良くないよ!!てかDiscordに1枚くらい写真恵んでよもーう!!」
比奈「ごめんなさい……」
歩夢「由美ちゃんが嫉妬してる…可愛い…♥♥」
俺「ぐすん……」
鈴乃「とりあえず東京駅に戻りましょう」
ドロシー「そうだね」
やってきたのはかなりのレアモノである営団08系。急行中央林間行だ。乗ったあとは複々線区間をかなりの爆速で駆け抜ける。途中東急2020系の複数編成とすれ違ったが、むしろ2020系に乗りたかったと感じた次第だった。
曳舟を出ると地下に潜り、半蔵門線で大手町まで各駅停車となる。
大手町下車後のこと。
鈴乃「とりあえず東京駅までは歩きましょうか」
歩夢「うん、そうしよう!!」
大手町から東京駅までは手探りながら徒歩で向かった。
歩夢「そういえば由美ちゃん、大学院試験はどうだった?」
俺「筆記試験でかなりイジワルな問題が出て不合格を覚悟したけど、面接では合格っぽい雰囲気だったよ」
鈴乃「ということは進学ができるってことね」
俺「だと思う」
歩夢「おめでとう由美ちゃん!!というか、来年も学生でいてくれるなんて嬉しいよ♥」
俺「えへへ、ありがとう歩夢」
道中はそんな話をして全員で喜んだ。
比奈「そういえば夜ご飯は梅蘭でも良いような」
ドロシー「またあの味をこの5人で食べられるの?やったー!!」
俺「よし、そうとなれば行くぞ!!」
全員「おー!!」
梅蘭は以前の回でも述べたが名古屋にはもうない。東京駅で食べられるならありがたく入っていこう。
〜※〜
俺「焼きそばいつでも美味しい〜!!」
こういった各地の美味しいチェーン店はしっかり押さえておく。胃の弱い俺にとっての策だ。もちろん今回も1皿平らげた。
食後のお代はもちろん別々にした。とりあえず店を出たところで告知をしよう。
比奈「思い出しました。由美は告知をすることがあったのではありませんか?」
俺「そうだった。僕から告知です。8月26日よりうちの弟のそーちゃんがカナダのトロントに、夫の勇輝くんがアメリカのサンフランシスコに、いずれも約2週間短期留学することになりました」
鈴乃「由美は寂しくないの?」
俺「寂しいけど、何より鈴乃ちゃんと比奈ちゃんとドロシーちゃんがちゃんと2泊5日行けたから無事に行ってこられるとは思うよ」
ドロシー「まあ健闘を祈るしかないね。無事に行っておいでって虹ヶ咲の鉄道同好会のみんなが言ってたって伝えてくれると嬉しいな」
俺「ありがとうドロシーちゃん」
こうしてみんなで拍手をしたは良いのだが…、
歩夢「そういえば由美ちゃん」
俺「どうしたの歩夢?」
歩夢「この後ってどうする予定だったの?」
俺「20時30分過ぎの新幹線で……」
歩夢「やだ」
俺「えっ?」
歩夢「私、言ったよね、今日1日寝られるとは思わないでって」
え、これまた帰れないコースか?
俺「それってつまり……」
歩夢「侑ちゃんの数学の宿題が終わるまでボランティアで泊まり込みをやってもらいます!!」
…どうやら今日は歩夢の家に連行されるようです。
俺「比奈ちゃんも鈴乃ちゃんもドロシーちゃんもなにか言ってよ〜!!」
鈴乃「現役大学生機械科頑張って!!」
比奈「仲喜もましろさんも忙しいようなので由美しかいませんよ」
ドロシー「ウイング団の馬鹿に頼むわけにも行かないし」
俺「ぐすん……」
歩夢「さ、拒否権はないからこれで解散!!行くよ、由美ちゃん♪」
俺「そんなあああああああ!!」
鈴乃「じゃあねー☆」
こうして真夜中の個別指導という形で当面の間侑ちゃんおよび歩夢と泊まり込みになってしまった。俺、本来ならば名古屋に帰るか、中部高速鉄道虎ノ門支社の寮で民泊するつもりだったのに……。
次回は少し重い話になります。
それはそうと、本話の字数また6000字超えてるし。
そして本話より、作者の実体験談をもとにした話には☆をつけました。