ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021   作:松浦南北

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今回から近鉄2連発。ただし1発目は完全オリジナルストーリーです。視点は澁川比奈を予定。


近鉄電車秋のトキメキ珍道中2023 #2 異常に個性溢れる南大阪線、閑古鳥が鳴く志摩線

2023年9月9日、大阪阿部野橋駅にて。

 

菜々「それにしても、昨日の咲ノ浜高等学校は噂以上でしたね」

 

私「はい。非常に保守的な校風でしたが、あそこの生徒会長がスクールアイドル活動どころか撮り鉄・乗り鉄すらも認めない旨を述べていたことには驚きでした」

 

菜々「確か、音楽科1年の丸山せりなさんが一度従妹の桜田陽凪さんからの避難転校先として検討されていましたよね」

 

私「その通りです。歩夢や侑、舞子が『従姉妹は大事にしないとダメ』と言っていたので未遂に終わりましたが」

 

菜々「あれほど厳しい校則では、転校した場合丸山さんにはむしろ従姉妹の桜田さんがべったりになるより恐ろしい展開しか待っていないと思いました」

 

私「でしょうね」

 

昨日の放課後から、来年運営母体が虹ヶ咲になる予定の咲ノ浜の下見に向かった私と菜々は、天王寺周辺で1泊し帰り際に近鉄南大阪線に乗ることにしました。それにしてもあの高校は校則がここ最近かつてないほどブラック化したことにより悪名高いことで知られていましたが、その実態が想像を大きく上回っていたことに、未だに開いた口が塞がっていません。

さて、今回使う切符は近鉄全線2日間フリーきっぷ。1日目は私たちが使用し、2日目は由美とメイさんに手渡しして使ってもらうつもりでいました。当然、お代はそれぞれで持ちました。

 

菜々「そんなことを考えていても仕方がないので、とりあえず乗っていきましょうか」

 

私「そうしましょう」

 

そのまま改札に入り、乗り込んだのは6020系C57+6413系Mi17による準急河内長野行き。このまま古市まで乗り、そこから普通列車に乗り換えるつもりです。

 

私「近鉄も乗ること自体3ヶ月ぶりです」

 

菜々「実は、近鉄に乗ること自体は私初めてでして」

 

私「そうだったのですか?」

 

菜々「はい。一度もこれまで名古屋経由で大阪に向かう用事がありませんでしたので」

 

私「でしたら今日は楽しんで行きましょうね」

 

菜々「ありがとうございます」

 

そのまま列車は発車し、私たちの旅は始まりました。

 

〜※〜

 

列車は日立製のGTOインバータの音を響かせ加速し、河内松原駅まで止まりません。そして藤井寺から先は各駅停車となり、古市で下車しましたが、そこに待っていたのは…

 

私「Mi30編成!?」

 

6422系Mi30編成。日立SiCを適用したVVVFインバータ制御に交換されています。

 

菜々「他と何が違うのですか?」

 

私「乗っているとわかると思います」

 

ここの醍醐味はインバータ音。まだ汎用通勤車に一切普及していないこの音を楽しむことにしましょう。

 

発車後、先程とは異なる甲高いインバータ音が聞こえてきましたが、

 

菜々「先ほどと異なり、あまりうるさくありませんね…」

 

私「はい。とはいえ、この音が聞けて良かったです」

 

この音を生で聞けたのは初めて。戻ったら由美に自慢してやりましょう。

 

〜※〜

 

そして各駅に停車し橿原神宮前に無事到着。2両編成ははっきり言って短かったです。

 

私「しかしもうお昼ですか……」

 

気がつくと正午。

 

菜々「このあとどうします?」

 

私「昼を食べたら志摩線に流れましょう」

 

菜々「そうですね。一応私も予習は終えてきましたので明日まで時間はあります」

 

こうして橿原神宮前駅で一度途中下車し、近くのカフェでランチにしました。次の時間の予習は全部終えておいて良かったです。

そしてMi30のSiCインバータを堪能したあとのレーライスは最高ですね。

 

〜※〜

 

昼食後は橿原線に乗り大和八木まで抜けます。乗ったのは8810系FL24編成普通新田辺行き。界磁チョッパ制御の黒内装も味がありますね。

そして大和八木からは地獄の山越えが始まります。大和八木から乗ったのは2610系X18編成と2410系W12編成の急行伊勢中川行き。オールロングの抵抗制御なので非常につまらない車両でした。

 

菜々「丸屋根が来た瞬間、澁川さんのテンションがだだ下がりなのですが」

 

私「無味乾燥なドアチャイムなし直流モーターに辟易しているだけです。気にしないでください中川会長」

菜々「気にしますよそんなことは」

 

私「申し訳ありません……」

 

菜々「こうなったら伊勢中川で優木せつ菜さんを呼ぶしかありませんね」

 

私「助かります……」

 

士気が下がってばかりではあれなので、寝て気力を戻しましょう。

 

〜※〜

 

伊勢中川下車後、菜々により駅構内の通路に連れ出されます。

 

菜々「今周りに誰もいらっしゃいませんね」

 

私「はい……ってもしかして……」

 

すると、菜々は髪を解き、メガネを取り、

 

菜々→せつ菜「はい。ここからは優木せつ菜が参戦します!!」

 

せつ菜に変身したのです。

 

私「私のために……ですか?」

 

せつ菜「もちろんですよレオナさん。元気のないレオナさんは、レオナさんな気がしませんから。さあ、ここから2両編成のワンマン列車に乗りましょうよ」

 

私「はい!!」

 

というわけで、乗っていきましょう。

 

私「今回はVC69編成だ!!」

 

やってきたのは1259系VC69編成。乗り込んで間もなく列車は発車しました。

 

せつ菜「今回の編成は何が違うんですか?」

 

私「由美の元・愛車らしいです。小学校時代よく遭遇したという話を伺いました」

 

せつ菜「あの由美さんも推し変するんですね」

 

私「常習犯っぽいです。ここ最近はAqoursへの熱も醒めたようなので」

 

せつ菜「うわぁ…もし私を推しにしたあと更に推し変とか言い出したら、即お仕置き案件ですね」

 

私「でしょうね」

 

伊勢中川を出ると田んぼが広がります。そろそろ稲穂が実り、収穫も近くなっています。そして個性溢れる日立GTOと閑古鳥が鳴く車内。これぞ山田線の列車だと、つくづく感じました。

 

そして鳥羽を過ぎると乗客はほぼゼロに。

 

私「なんか…」

 

せつ菜「どうしたんですかレオナさん?」

 

私「スクールアイドルの肩書きを持ち始めても、自分には成長を感じていません。相変わらず自己評価も低く、まだ自分に縛りを持ち続けている感じが……」

 

せつ菜「そんなことはありませんよ?」

 

私「えっ?」

 

せつ菜「近鉄初心者でも怖気づくことなく初めての路線を乗り潰そうとする、その時点でもう縛りなんて解除してるはずです。レオナさんは中学時代まで一切近鉄に乗ったことがなかったですよね?」

 

私「はい」

 

せつ菜「それでも志摩線各駅と南大阪線を踏破する、その時点でもう中学から鉄道ファンとして大進歩ですよ!!もっと自信を持って生きて大丈夫です!!」

 

私「…そうですよね。私はもう、かつての私とは全然違う。よく考えると意外と話したがりで、そして趣味の否定が嫌い。そんな私ですが、今まで以上にずっと自信を持って生きていこうと思います」

 

せつ菜「何ならレオナさんから敬語が完全に抜けた世界線も楽しいと思いますよ♪」

 

私「まだそこまでは行き着けないかも……」

 

こうして2人で笑い飛ばし、賢島駅まで向かいました。

 

〜※〜

 

賢島駅到着。

 

私「ですが、1時間に1本しか無いとなると……」

 

せつ菜「お金もないので、折り返しましょうか」

 

私「ですね」

 

帰りは流石に特急利用で名古屋まで向かいます。名古屋駅到着後については…、

 

せつ菜「とりあえずこの切符はレオナさん持ちでお願いします」

 

私「どういうことですか?」

 

せつ菜「私はこのまま帰宅しますが、明日由美さんとメイさんが近鉄に乗るとか言ってませんでしたか?」

 

私「はい」

 

せつ菜「ですから今日レオナさんは一旦実家に帰ってもらい、明日朝お二人にこの切符を渡してから東京に帰るのほどうですか?」

 

私「その手がありましたか。それなら建て替えで1500円払うのでこれで解散にしましょう」

 

こうして支払いを終え、今回はお開きとなりました。そのまま一度実家に帰りましたが、お母様が抱きしめてくださり温もりを感じたので、また元気が出ました。まあ、スクールアイドルの話はあっさり認めてくれたというのが驚きでしたが。




次回も近鉄ネタ。ただし今度は作者の実体験を元ネタにします。
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