ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
2023年9月16日、京都駅にて。今日は侑ちゃん、ぽむちゃん、しずくとともに城崎経由で明日までかけて山陰に抜ける予定だったが…、
郷「歩夢ちゃんたち遅いね……」
しずく「でもシオン先輩といられるだけで、私は幸せです♪」
侑ちゃんとぽむちゃんが待ち合わせ場所の京都駅周辺に、3時を過ぎても来ない。今日は京都駅で全員集合して、そのまま特急きのさきで城崎温泉まで抜けるつもりだ。
その時だった。
ぽむちゃん「ごめんね遅れて」
侑「舞子さんとイオちゃんの勉強会が長引いちゃったんだ」
やっと2人がやってきた。
郷「何遅刻してんのさ!!」
僕「郷くんあまり目くじら立てちゃダメだって。あそこの鉄道同好会の舞子ちゃんとイオちゃんの成績が壊滅的だってことはわかってるでしょ?」
郷「そう言われると言い返せない……」
実はイオちゃん、舞子ちゃんの成績不振の情報は菜々ちゃん経由で僕にも伝わっていた。2人とも留年するかもとか、内部進学ができない可能性があるとか言われている以上、流石の僕でも看過することはできない。由美ちゃんみたいになんとか挽回してほしいものだ。
しずく「とりあえず揃ったことですし、行きましょうか」
僕「そうだね」
話し込んでいてもあれなので、このまま特急きのさき9号に乗って城崎温泉まで向かうことにしよう。車両は旧しらさぎ用683系を改造した289系だ。
終点の城崎温泉まで乗るんだけど、郷くんを1人にしちゃった挙げ句……
しずく「はぁ……♥シオン先輩の身体、温かくて柔らかくて気持ちいいですぅ……♥」
僕「しずくやめてよ……」
しずく「やめませんよ♥だってシオン先輩のことが大大大好きなんですから♥」
しずくがべったりなのだ。侑ちゃんとぽむちゃんは2人隣り合わせになったからまだ良しとしても、流石に泣きそうだ。
〜※〜
城崎温泉着。今日泊まるのは大江戸温泉物語。全員同じ部屋だけど、僕と郷くんはフタナリだから気にしない気にしない。
僕「明日の山陰本線楽しみだね」
郷「いや、不安ばかりなんだけど」
しずく「でもシオン先輩の行程は気になります♪」
侑「うん。シオンちゃんは山のローカル線大好きだって聞いてるし」
ぽむちゃん「そうそう。疚しいことなんてないはずだよ?」
郷「そうは言われても……」
僕「まあ、気にせず行くぞ」
全員「おー!!」
こうして今日は夜だけ食べて寝ることにしよう。マグロは美味しかったなぁ。
〜※〜
次の日は7時起き。というか10時49分まで特急はまかぜが来ないからこの時間で良かった。
郷→トワ「不安を払拭するために、今日はトワちゃんになろうかな」
しずく「郷さんでもトワさんでもやっぱり素敵ですね」
僕「僕の自慢の幼馴染だからね」
今日の郷くんはトワちゃんモード。山陰本線で不安になっているくらいなら郷くんモードじゃないほうがいいと考えたんだって。
さて、朝からご飯とみそ汁を食べ、元気に向かおう。
城崎温泉駅にて。
ぽむちゃん「特急はまかぜ、楽しみだね」
そんな事を言っていると入線してきた。キハ189系の3両編成、行き先は鳥取。発車後はコマツ製エンジンの爆音が車内全体に響き渡る。しかしまたトワちゃんを1人にして、しずくがベッタリになる。こんなのごめんだよぉ…。
僕「…で、飽きないのしずくは?」
しずく「飽きるかどうかだなんて、よくもそんなひどい質問ができますね。シオン先輩の身体に加えて温かさに柔らかさ、そしてこのいい匂い、更には声、話す内容、仕草、みんなみんな好きなんですよ?そんなにベストな人間がここにいる以上、飽きるわけがないじゃないですか♥」ハイライトオフ
僕「まじかよ…」
しずく「そうやって暴言を吐いて落ち込むシオン先輩も可愛い♥」ハイライトオフ
このしずくはもう手遅れだ。
ぽむちゃん「しずくちゃんのあれは手遅れ。私だって侑ちゃんにあんなこと言ったことはないよね?」
侑「うん。シオンちゃんについてもあそこまで言えるのはしずくちゃんくらいだと思う」
ぽむちゃん「でしょ?」
一方トワちゃんは寝てしまった。
そして鎧駅を通過してしばらくすると川が見えてきた。余部鉄橋だ。高い位置から見下ろすことになるから侑ちゃんはぽむちゃんにしがみついている。一方僕はときめきすぎたせいなのか……、
しずく「シオン先輩、そんな景色に夢中にならないでくださいね?」
僕「……はい」
ここ最近これだからしずくは困るんだよ……。
〜※〜
そんなドタバタがありながら無事に鳥取に到着。到着時刻は12時08分。もうお昼。
トワ「もう昼か……泣きそう」
確かにもう昼というのは遅すぎる。列車が来ない、しかも遅いっていうのはかなり辛いと思うが、僕は山のローカル線が大好きだからそんなのはあまり気にするタチではない。
さて、ここからはこのまま昼だけ食べて13時46分のスーパーおき5号に乗って出雲市まで向かうつもりだ。まあ、全員嵯峨野線・城崎温泉・山陰本線経由の出雲市行きで学割利用の乗車券を取ってあっただけマシと考えよう。
昼飯は鳥取カレー。こういうときは名物を食べて元気を出そう。
そして、食後はそこそこ時間があるけど、砂丘を見ている暇はない。
しずく「いっそのこと日帰り入浴でもしましょうか」
僕「しずく、僕をナマで犯す気でしょ?僕はフタナリだからだいたい分かるよ?入浴はダメ!!」
ぽむちゃん「そんなことが言えると思うのかな?私だってあの感触を忘れたくないのに、ねえ侑ちゃん?」ハイライトオフ
侑「そうだよね歩夢」
僕「ごめんなさい……」
しずく「わかってればいいです」
トワ「まあ、考えていても仕方ないし行こうか」
ぽむちゃん「だね」
こうして不本意にも日帰り温泉に入ることが決まった。結局犯されることはなかったからよかったけど。
〜※〜
改めて、時刻は13時40分になり、鳥取駅に戻ってきた。
僕「さあ、スーパーおきに乗っていこう」
乗るのはキハ187系スーパーおき。2両編成で、今回使うのは流石に自由席。今回は取材の関係で中部高速鉄道から予算が降りたからあれだけど、流石にここまで来て贅沢するのは勿体ない。
発車後、湖山池を過ぎると山に入り込む。そして松崎あたりで東郷池にあたり、そのまま倉吉に列車は止まる。その頃だった。
トワ「そういえばウイング団のぼたちゅんの話を最近聞かないんだけど……」
僕「すっかり忘れてた。というかウイング団も最近おとなしいんだよねぇ……。とりあえず調べてみるよ」
調べると衝撃の事実が書かれていた。
トワ「嘘だろ……」
ぽむちゃん「トワちゃんもシオンちゃんも固まってどうしたの?」
僕「ウイング団のぼたちゅんが先日、家族で車に乗って海に飛び込んで心中したって。敵とはいえど、流石にショック」
侑「原因とかは……?」
トワ「話によると、家族全員が一度警察のお縄になって、釈放されたあと心中を決意したらしいよ……」ウルウル
しずく「確かに、ぼたちゅんさん自体も風呂場にカメラを持ち込んだり、串カツの二度漬け未遂をやったりしていますからね……。それでも涙が出てきます……」ポロポロ
それからというもの、僕たちは出雲市に到着するまで大泣きした。敵なのは敵なんだけど書類上だけで、本当は仲間だったんだもん!!
とはいえ、誰かが死亡するニュースが最近多い気がする。一番死んでほしくないのは大名古屋工科大学・機械科4年の青山由美ちゃんだけど、あの人も自殺未遂沙汰になったことが何回かあるから、気が気でない。
〜※〜
スーパーおきは15時46分、定刻通りに出雲市に到着した。出雲大社は19時まで開いているから、ゆっくりのんびり参拝できる。宝物館は16時30分で閉まっちゃうけど。
そのまま電鉄出雲市駅に向かい、一畑電車7000系1両編成に乗り込む。
しずく「それにしても出雲も1年ぶりですね」
僕「そうだね」
トワ「え、一度行ってるんだ2人は」
僕「だって由美ちゃんと四季ちゃん、それから僕とメイちゃんの仲がものすごく悪かったのもあったからね」
しずく「というか、シオン先輩も島根を侮辱していませんでした?」
僕「俺の黒歴史を掘り返すな!!」
そう。僕は島根を小馬鹿にしたことがある(過去話参照)。
歩夢「まあでも、そんなシオンちゃんも私は好きかな」
侑「埼玉を馬鹿にするよりはマシだと思うよ」
僕「何と言えばいいのやら……」
トワ「それにしても、ウイング団のあっきーがいないのは寂しいよね……」
僕「うん……」
島根出身のあっきーがいないのはやはり寂しい。さっきのぼたちゅんの心中事件があったせいかもしれない。
そんなこんなで川跡で乗り継ぎ、無事に出雲大社前駅に到着した。到着後は歩いて出雲大社に向かう。
もちろん願う内容はこれだ。
僕(無事に中部高速鉄道が末永く運営できますように。そして自分も成績を維持して無事に大学現役合格できますように)
まず中部高速鉄道では2024年春に山陰、九州、四国、北海道の会社を廃業にするか、その規模を縮減するかを検討しているが、とにかく新居町本部の荒廃だけはなんとかしてでも避けたいものだ。
それから自分は比較的成績は良好と言われているが、西白壁では浪人率が異常に高いからあまりうかうかしてはいられないのだ。由美ちゃんも体調不良になりながらよく頑張ったと思う。
お参りを終えたあとは早めに出雲そばを食べる。大社の周辺で食べる出雲そばは最高だね。
トワ「鈴乃ちゃんや比奈ちゃんたちにも食べさせてあげたかったなぁ」
僕「だよね」
さて、食後はまた出雲市まで戻り、今度乗るのはというと……
トワ「サンライズ出雲!?良かったこれ、僕乗りたかったんだ〜!!」
寝台特急サンライズ出雲。このまま車内で泊まり、トワちゃんと僕は静岡まで、しずくは大船まで、ぽむちゃんと侑ちゃんは東京まで乗る予定だったけど……。
僕「すみません、静岡までの切符をこちらで……」
ぽむちゃん「何しれっと帰ろうとしているの、シオンちゃん?上から言われていたよね、私たちを見捨てないルールだって」
僕「ごめんなさい……」
侑「そういうわけだから、東京までの切符を取ろうね?」
僕「わかりました……」
そう。今回中部高速鉄道から資金を渡されたのは、ぽむちゃん、侑ちゃん、しずくを悲しませないことを条件に旅するため。だから結局、東京までの切符を取ることになってしまった。
さて、サンライズ出雲に乗り込むと、列車は18時55分、定刻通りに発車した。今回はシングル一人部屋だけど、ぽむちゃんから岡山で降りて連結を見ると嫉妬しちゃうと言われているからそこは下車して連結の様子を拝見するなんてことは考えない。そんなこんなで早いところ眠りについてしまう僕だった。
ちなみにトワちゃんはサンライズに乗る際、ボソッと「もう城崎経由で出雲には行かん」と言っていた。今回の乗り継ぎの悪さに辟易したんだと思う。今後トワちゃん・郷くんがいるときは岡山経由で行くことにしよう、僕はそう誓ったのだった。
〜※〜
翌朝6時50分起床。よく眠れたけど、もう横浜を過ぎていた。侑ちゃんもぽむちゃんも起きていて、しずくとトワちゃんはそれぞれ鎌倉、静岡で下車していた。
そして7時08分、サンライズ出雲は定刻通りに東京に到着した。
下車後のこと。
侑「おはようシオンちゃん」
僕「おはよう、侑ちゃん、ぽむちゃん」
ぽむちゃん「シオンちゃんも無事で良かった♪」
僕「まあね」
侑ちゃん、ぽむちゃんの無事を一応確認した。その時だった。
侑「そういえば、明日の予習してなかった!!」
ぽむちゃん「じゃあ侑ちゃんはこれでお開きだね」
これで侑ちゃんは帰れることが決まった。
僕「しまった僕も宿題が……」
もちろん宿題が終わっていないというのは嘘である。土曜の朝に全部終えてきたから、京都駅に無事に集合できた。本音を言うと地元天白に帰ってゆっくりしたい。
ぽむちゃん「もちろんシオンちゃんも帰れる……」
僕「やったぁ!!」
しかし、次のぽむちゃんの一言が僕を地獄のどん底に陥れる。
ぽむちゃん「訳ないでしょ」
僕「えっ?」
ぽむちゃん「私、トワちゃんから聞いちゃって、そしたら宿題も予習もあっさり終わってたって言ってた。シオンちゃん嘘つかないでよ」ハイライトオフ
しまった、落とし穴だった。
ぽむちゃん「それに、一昨日に京都駅でトワちゃんに、私たちがイオちゃん、舞子さんとの勉強会で長引いて遅刻したくらいで血相を変えて怒るなって言っていたよね?」ハイライトオフ
僕「それって……」
ぽむちゃん「今日も私の家で2人の勉強会をやるんだけど、シオンちゃんには指導教員になってもらいます!!」
僕「ちょっと待って!!僕そんなに成績良くないんだけど」
ぽむちゃん「良くないわけないよね?数学とか古文とかで、高校生の割に雑談交じりながらも丁寧な解説動画を上げている鉄道系YouTuberかつ、西白壁高等学校普通科1年の鳳来寺シオンさんが何を言っているのかな?」ハイライトオフ
ダメだ。もう逃げられない。ここ最近は鉄道チャンネル鳳来寺で数学Iや数学Aの、ピアノチャンネル豊川稲荷(*1)で古文や地理、現代社会の解説動画を上げているってことがぽむちゃんにまでバレてしまった。
僕「てか、侑ちゃんがいない!!」
侑ちゃんに助けを求めようとしたけど、いつの間にか消えていた。
ぽむちゃん「さあ、もう選択肢は1つしかないよ?シオンちゃんは2人の勉強会を指導してくれるよね?」
僕「…はい」
ぽむちゃん「やったぁ♥今日1日、シオンちゃんのことは離さないよ♥」
こうして僕は日が暮れるまで、ぽむちゃんの家で虹ヶ咲学園国際交流学科中等部3年のイオちゃんとライフデザイン学科3年の塩津舞子ちゃんの勉強会の指導をすることになった。何も、金曜日の放課後も生徒会主導で勉強会をやっていたらしく、相当お疲れだったらしい。ぽむちゃんたちも暇じゃないと思うし、そろそろみんな休もうよ……。
二度とサンライズ乗らんと思ってはいたけど、これを書いていてまた乗りたくなっちゃったじゃないか……。
次回は名古屋・高山ネタでリクエストが届いているのでそれにします。更にその次に本作初のあのネタをぶち込む予定。