ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
2023年10月2日、9月いっぱいで音楽科のカリキュラムにおける留学を終え、今日から私は虹ヶ咲に戻ってきた。最初の授業は音楽科のみんなとの再会を喜び、そのまま授業に入った。
だけど、本番は放課後。私は幼馴染と大事な後輩のいるあの場所に向かった。
カレン「あら?カナエじゃない」
せりな「カナエ先輩おかえりなさい!!」
私「カレンちゃんもせりなちゃんもただいま!!」
向かった先は鉄道同好会の部室。ここに来た目的は、今日から鉄道同好会に入部するため。そして、私の名前は広田カナエだ。
??「あら?もしかしてカレンとせりなの知り合いでしょうか?」
私「そうですけど……あなたは……?」
比奈「普通科1年の澁川比奈です。名古屋市天白区出身で、ここ鉄道同好会で部長を務めております」
私「私は広田カナエ。埼玉県さいたま市出身。音楽科2年だけど、留学先で鉄道の魅力に惹かれたから今日から入部することにしました。よろしくお願いします」
比奈「広田さんよろしくお願いいたします。……というか、カレンもせりなもこのことは知っていて、それで部員全員を今日この部室に臨時で招集したのですか?」
せりな「もちろん!!」
カレン「それ以外のみんなにはカナエが来るまで内緒のつもりだったけど、部長の比奈にあっさりバレちゃったわね…あはは」
比奈「もうっ!!どうして言ってくれなかったのですか!! 1人の仲間としてすごくショックです!!」涙目
せりな・カレン「ごめんなさああああい!!」
鉄道同好会の部長である澁川さんは、噂によれば現在の生徒会長の中川菜々さんレベルに堅苦しい方だと聞いていたけど、本当は仲間想いで寂しがり屋な人だってことを初めて知った。
続いて何人かまたやってくる。
??「せりなちゃんもカレンちゃんもこんにちは」
??「もしかしてこちらのお方のために…?」
??「そういうことなら内緒にしないでよぉ」
カレン「ごめんごめん」
せりな「じゃあカナエ先輩に紹介します。ライフデザイン学科3年の塩津舞子ちゃんと、普通科1年の小磯多英子ちゃん、普通科中等部3年の小川有佐ちゃんです。舞子ちゃんは練馬区、有佐ちゃんは阿蘇市出身だけど、多英子ちゃんは幼稚園の頃この近辺で暮らしてて、小学校時代は名古屋市天白区、中学からは大阪市の咲ノ浜に通っていたけど、昨日ここお台場に戻ってきたそうです」
聞いていると、正直部員のみんなが異色なように感じた。それよりも気になったことがある。
私「…気になったんだけど、この部活ってまさかの先輩禁止ルール!?」
せりな「その通りです」
そう。みんなが先輩呼びをしていないこと。もちろんせりなちゃんとはもっと仲良くなりたいから先輩禁止ルールを今から適用しよう。
私「だったらせりなちゃんも、敬語や先輩呼びやめてよ」
せりな「じゃあカナエちゃん、改めてよろしくね」
私「鉄道同好会の一員としても頑張るからね」
せりな「ちなみに、こっちは音楽科2年の広田カナエちゃん。埼玉県のさいたま市出身。今日音楽科の留学から帰ってきたばっかりで、留学先で鉄道の魅力に惹かれて入部することにしたんだって。カレンちゃんとも幼馴染らしいよ」
比奈「私も今日ここに来るまで一切情報を知らされていなかったので、ものすごくショックでした」
多英子「私ははっきり言って嬉しいよ。だって私も昨日咲ノ浜から転入して、入部もしたばかりなんだから」
有佐「でも2日連続って珍しいね」
せりな「でしょ?」
舞子「サプライズだったとしても、先にやっぱり言って欲しかったなぁ……」
カレン「ごめんね舞子」
こうして話せる場があることが、私としてはほっこりする。そう感じたその時。
また別の4人がやってきた。
??「早速騒がしいわね〜…」
??「というか、カレンもせりなも目的を黙っているなデス……」
??「それでも部員が増えるという話だけで良かったではありませんか」
??「だよね、モリー姉ちゃん」
私「えーっと…これで部員は全員かな?」
比奈「はい。まず国際交流学科中等部3年で副部長を務めている、イオ。インドネシアのジャカルタから留学しています。続いて、普通科1年の桜木鈴乃。名古屋市天白区出身で、私とは中学3年の頃から知り合いです。そして、普通科2年のモリー・ハーレー。イギリスのバーミンガム出身で、当初は短期留学でここ虹ヶ咲に来ていましたが、バーミンガムが財政破綻寸前だったので、家族とともに今は東雲に引っ越して暮らしています。最後に、情報処理学科中等部1年のドロシー・ダビッドソン。同じくイギリスのバーミンガムからの留学生でしたが、財政破綻寸前でこちらに永住しています。ドロシーとモリーは従姉妹の関係です」
私「都民が1人だけっていう部活が異色すぎる……」
カレン「でしょ?でもその異色さが売りなのよね」
私「それなら楽しく過ごせそうだね」
こうして全員で笑い飛ばす。ここまで出自が大学レベルに異色なところは初めてだ。
比奈「気を取り直して、全員揃いましたので部会を始めていきたいと思います」
全員「よろしくお願いします!!」
比奈「さあ、まずは新入部員の広田さんに改めて自己紹介していただきましょう」
結構緊張する。
私「はい。改めまして、音楽科2年の、広田カナエと言います。出身は埼玉県さいたま市。お母さんが韓国人のハーフです。先月まで留学先のドイツ・ベルリンにいましたが、そこで黄色い地下鉄が走ってるのを見て、レールの敷かれた道を難なく走れることに感動し、鉄道趣味に目覚めました。鉄道初心者ですが、よろしくお願いします!!」
なんとかなった。でも全員から温かい拍手をもらうことができた。
比奈「さあ、現役部員の皆さんも自己紹介しましょう」
するとみんなの自己紹介が進む。
鉄道系スクールアイドルの延暦寺レオナとしても活動する、鉄道同好会の現在の部長、普通科1年の澁川比奈ちゃん。
719系とYR-880形が大好きで、他にも学内外のスクールアイドルやバンドに楽曲提供を行う、私の大事な後輩、音楽科1年の丸山せりなちゃん。
イギリス国鉄のクラス323と近鉄1233系電車、そしてKRLジャボタベックのHOLECとHitachi電車が大好きなインドネシア人留学生で鉄道同好会の副部長、国際交流学科中等部3年のイオちゃん。
前世が米軍兵士で、イラク戦争にて戦死したこともあり平和を探しながら鉄道趣味も楽しむ比奈ちゃんの親友、普通科1年の桜木鈴乃ちゃん。
練馬区の石神井公園駅を最寄りとして活動する、各地の鉄道駅が大大大好きな鉄道同好会の先代部長、ライフデザイン学科3年の塩津舞子ちゃん。
阿蘇市出身で、旧・バス同好会から流れてきたにわかバスオタク・にわか鉄道オタク、普通科中等部2年の小川有佐ちゃん。
イギリスのバーミンガムからやってきた永住者の女の子でディーゼルエンジンが大好き、情報処理学科1年のドロシー・ダビッドソンちゃん。
校則が大規模ブラック化した大阪の咲ノ浜高校から昨日転校してきたばかりだけど、出身自体はこの近辺という、普通科1年の小磯多英子ちゃん。
7月から従妹のドロシーちゃんに次いでイギリスのバーミンガムから短期留学にやってきたけど、帰国の際に永住が決まってこの付近で両親と暮らしている、普通科2年のモリー・ハーレーちゃん。
そして、埼玉をこよなく愛し、ダ埼玉やカゴハラスメントといった言葉が大嫌いで、元バス同好会部長の私の幼馴染兼重度のバスオタク、岩槻カレンちゃん。
私「こうして自己紹介を聞いていると、みんなが十人十色だし、カレンちゃんやせりなちゃんのことも、もっと好きになっちゃったかも」
自己紹介の直後に、思ったことを私は言った。
カレン「そう言ってくれると、カレンは嬉しいわ♪」
せりな「鉄道同好会の一員としても、仲良くやっていこうね♪」
私「ありがとう」
比奈「後輩や幼馴染のことは、大事にしてくださいね」
私・せりな・カレン「もちろん!!」
そして全員でまた拍手をする。すると今度は…、
比奈「続いて、この同好会でのルールを説明しましょう。既存の部員の皆さんや読者の皆さんもよく聞いてください」
同好会のルールが成文化されているというのはすごいけど、読者の皆さんのためにもここに書いておきたい。
1. 部費は月1000円で、8月分と3月分は免除となり、年間1万円。
2. 入部、退部は自由だが、部外者でも部室の出入りは自由。
3. 基本的に木曜日夕方に部会を行う。授業がオンデマンドとなった際など、部室が使えないときはオンライン、それ以外は対面で実施。参加も任意。テスト1週間前からは部会を中止。何らかのニュースがあったときはこれ以外にも緊急で部会を開くことがある。
4. すべてのイベントは自由参加。文化祭にはようやく参加できるようになったが、こちらも参加は自由。
5. 違法薬物はもちろんのこと、タバコ、飲酒は禁止。これらを勧めることも禁止。
6. 列車撮影のための線路内立ち入りは厳禁で、発覚した場合即除名(強制退部かつ出禁)の上で、生徒指導部送りになる。
7. 名前呼びや先輩禁止、タメ口OKは学内外のどこにおいても、部員に対しては原則。学外の関係者でも、鉄オタかつ部員の友人であればこのルールを適用する。
8. 廃部は校則、または生徒会長の判断に従う。校則に従わない条件で部長が廃部を宣言したり、部員全員で廃部に合意したりしても生徒会長が認めない場合は廃部にしない。
せりな「ここまでしっかり成文化していれば、治安が悪くなりにくいね」
有佐「他のみんなには広めたいな」
比奈「せりなも有佐もそう言うと思いました」
私「同好会ルール、ちゃんと理解しました」
比奈「カナエがそう言っていただけるだけで嬉しいです。ここまでで皆さん質問はございませんね?」
でも気になったことがある。
私「そういえば気になったんだけど、役職って部長と副部長だけだっけ?」
そう。部長と副部長だけしか役職がないこと。
比奈「あ、全然決めていませんでしたね……」
舞子「カナエちゃんも多英子ちゃんも入部して11人になったことだし、会計とか書紀とか決めなきゃね」
イオ「じゃあ決めていきマショウ!!」
というわけで、今回の部会は終わりではない。
比奈「まず、決めたい役職は会計、書記、広報くらいですかね。他にあればお願い致します」
せりな「これで十分だと思う」
比奈「ですよね。それではまず、会計をやりたいよという方は、挙手をお願い致します。とりあえず3年生の舞子と、予備校通いのカレンは抜いたほうが良さそうです」
すると手を挙げたのは多英子ちゃん。
多英子「私、昔から目立たないけど役に立つって幼馴染のシオンや侑に言われたことがあって、だったらここは私がやるべきなんじゃないかなって思ったんだ」
舞子「じゃあ多英子ちゃんで決まりだね」
これで会計は決まった。
私「そういえばシオンってまさか……」
多英子「鳳来寺シオンちゃんだけど、カナエちゃんは知ってるの?」
私「知ってるも何も、現地で見たSバーンの鉄道PVが忘れられないなって。もしかしてみんな知り合い?」
比奈「はい。部室によく遊びに来てくれる1人です。他に中野郷、湯山すずか、青山由美がよく遊びにやってきます」
実はみんな名前を聞いたことがある。鳳来寺チャンネルに出てきてくれたみんなだ。
私「ホント!!みんな知ってるよ!!また中部高速鉄道の学生社員登録申請するね♪」
カレン「これでカナエももう仲間ね♪」
全員で笑い飛ばしたあと、次に決めるのは書記。
鈴乃「私がやるわ。1年生の中でなんの取り柄もないもの」
比奈「書記も決まりですね。最後は広報ですが……私以外に動画とか作れる人いますかね……?」
せりな「実は私、ここ最近『米沢咲世・米沢のぎゅうどん』名義で鉄道PVやピアノの動画の投稿を始めてみたの。もし力になれるなら、『Rainbow RFC広報』ってチャンネルも作ろうかなって思ってたけど」
比奈「それならせりなにぜひお任せしたいですが、よろしいでしょうか?」
せりな「もちろん!!」
こうして全員で拍手をし、
比奈「さあ、他にやることはありませんね」
この一言で全員が頷き、
比奈「それでは部会としてはお開きにしましょう。お疲れ様でしたー!!」
全員「ありがとうございましたー!!」
部会としてはお開きとなった。
比奈「そういえば忘れていましたが、次の木曜の部会、テストが近いからどうしようかなと」
舞子「成績不振が私を含めて2人もいるから、中止でいいと思うんだけど」
せりな「それ言って虚しくならない?」
舞子「もう諦めモードだし、虚しくなってもいいかなって」
比奈「止まってそこで終着駅になったら終わりですよ?」
すると、ドアがノックされる。
??「失礼します」
比奈「どうぞ……って、会長でしたか」
やってきたのは当校の生徒会長、中川菜々ちゃん。
私「こういうことって日常茶飯事?」
比奈「はい。というのも、イオと舞子が異常に成績不振で……」
イオ「ちなみに舞子が部長を強制交代させられたのもこれが原因デス……」
舞子「私は留年しないか否か、イオちゃんはエレベーター方式で進級できるか否かが懸かってるんだ……」
うわ、成績不振で部長解任って、どれだけ成績が悪いのか計り知れないよ……。
菜々「先程の皆さんの言うとおりですが、実は本日以降、音楽科2年の広田カナエさんも該当するようになってしまいました」
比奈「えっ……!?」
せりな「中川会長がなんで知ってるの!?」
菜々「生徒会長たる者、全校生徒の成績をすべて把握しているのは当然のことです」
せりな「バレちゃったね……」
私「うん。私、先輩としては結構情けない方で、いつもせりなちゃんに助けられることが多いし、何なら留年ギリギリなんだ……」
カレン「ごめんね黙ってて……」
比奈「いえ、大丈夫です」
菜々「話を続けます。テストが近いため部会の中止は賢明な判断だと思います。ただ、広田さんも場合によれば生徒会主導の勉強会に参加していただく可能性があります」
私「勉強会の場ができるだけでも私はちょっと嬉しいかも」
舞子「でもあの会長、実は勉強会のときは鬼教官なんだよ……?」
イオ「ものすごく怖かったデス……」
私「そうなんだ……」
しかし、舞子ちゃんとイオちゃんが地雷を踏んだのはその時だった。
菜々「また、鬼教官や怖いなどと言いましたね、ライフデザイン学科3年の塩津舞子さんと、国際交流学科中等部3年のイオさん。前回の勉強会においてもう言わないと誓ったのに、約束を破りましたね」ゴゴゴッ
舞子「ひっ……」
菜々「前回の勉強会で『あなたの命を焼き尽くす』と言ったのは冗談ですが、留年になったり、内部進学ができなくなったりするほど成績が良くないという以上、誰だって鬼になります。とりあえず、塩津さんとイオさんと広田さんは親睦会と題して、只今より生徒会主導の勉強会に付き合っていただきます。広田さん以外のお二人は私を鬼教官扱いした罰です。それ以外の皆さんは解散で差し支えありません。寄り道や撮り鉄をせずに帰宅し、中間試験に備えましょう」
舞子ちゃんに後から聞いた話によると「次に私を鬼教官と言った場合、あなたの命をスカーレットの炎で焼き尽くします」と言われたそうな。冗談でも言って良いことと悪いことがあるが、まあそんなツッコミをしたら間違いなく怒られるだろう。
比奈「わかりました」
菜々「それでは御三方、行きますよ」
私・舞子・イオ「いやあああああああ!!」
こうして完全にお開きとなり、私と舞子ちゃんとイオちゃんは生徒会主導の地獄の勉強会の時間になってしまった。正直菜々ちゃんは怖かった。そりゃ舞子ちゃんやイオちゃんが鬼教官呼ばわりするのもわかるよ……。
ちなみに生徒会長に対しては鬼教官の他に、ヤンデレも禁句だってことを初めて知った。特にあの中野郷くんのことが大好きなのに、恋心を蔑ろにするのが良くないんだってさ。
次回は虹ヶ咲の2学期中間試験の関係でAqours側のリクエストを書く予定です。その次は鉄道の日まで飛びます。
【広田カナエ】
虹ヶ咲学園の音楽科2年
埼玉県さいたま市出身で、岩槻カレンとは幼馴染。
母が韓国人のハーフで、本人はそれに誇りを持っている。
カリキュラムの関係で行った短期留学の間に鉄道の魅力に惹かれ帰国後直ちに鉄道同好会に入部した。
成績は朝香果林や塩津舞子レベルに悪く、いつも後輩のせりなに救われている。
《余談》
実は最初は「岩槻カナエ」としてカレンの双子の妹の扱いにしようと考えていたが、後に苗字を西園寺に変更し幼馴染という設定にする。しかし、YouTuber西園寺さんのことを考えると不都合が生じると考え、本登場の際に苗字を広田に変更した。