ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
ネタバレしますが、本話で結論まで持っていく予定です。
私「只今より、緊急部会を始めます」
2023年11月13日の放課後、部員全員に加えて生徒会、風紀委員の全員を集め神妙な雰囲気が漂う部室。本日は文化祭を無事終えた翌日、かつ名義上における多英子のスクールアイドルデビュー日であるにもかかわらず、とあることがきっかけで、緊急で全員招集することを自ら決定しました。
全員「よろしくお願いいたします」
私「今回、緊急で部会を開いた理由ですが、この虹ヶ咲学園鉄道同好会を、2度目とも言える廃部の危機に曝す出来事が確認されたためです。ここまでで質問がある方は、挙手をお願いいたします」
手を挙げたのは生徒会書記のうちの1人。
私「それでは、そちらの生徒会書記の方」
生徒会書記A「はい。その鉄道同好会を廃部の危機に晒す出来事というのは…?」
私「かなり良い質問ですね。今から解説するつもりでした」
というわけで、解説しましょう。読者の皆さんもよくお聞きください。
私「廃部の危機に晒す出来事というのはズバリ、私人逮捕系YouTuberが相次いで逮捕されたことを受け、鉄道各社が営利目的での撮影の規制を宣言したことです。私たちは撮り鉄をメインに活動しており、当然、部長の私としても廃部には断固反対の立場ですが、この出来事を重く受け止めた以上、廃部を検討せざるを得ない状況になってしまったのです。とりあえず、生徒会長やその他皆さんも廃部に賛成・反対等の意見がございましたら、コメントをお願いいたします」
私人逮捕系YouTuber逮捕騒動による鉄道各社の撮影規制。撮り鉄も排除したという風潮が高まった以上、鉄道同好会部長として見過ごせませんでした。
まず、中川生徒会長が挙手します。
私「生徒会長、どうぞ」
菜々「はい。私は、生徒会長の立場としても鉄道同好会の廃部には反対いたします。鉄道同好会があることで、生徒の皆さんが救われたというご意見が多数寄せられているからです。ただ、私もその私人逮捕系YouTuberによる撮影規制宣言は重く受け止めております。しかし、模型や道案内専門に切り替えるということで、鉄道同好会は存続できると考えましたが、いかがでしょうか?」
私「ありがとうございます。確かに、その方針に切り替えることも考えておりましたが、撮り鉄を取りやめると言った瞬間、部員の皆さんが猛反対すると思います。撮り鉄一切禁止と言ったら猛反対する部員の方は、挙手をお願いいたします」
すると部員全員が手を挙げました。
私「この通りです。撮り鉄禁止に全員が反対している以上、撮り鉄を規制すると存続が厳しくなります」
菜々「撮り鉄の規制の影響をもろに食らってしまうとは……少々驚愕いたしました」
撮り鉄命の私たちですが、それを失うと廃部危機、これは部員全員が同じ意見でした。
私「ありがとうございます。他、質問やご意見等ございましたら、挙手をお願い致します」
次に手を挙げたのは生徒会副会長。
私「はい、生徒会副会長の方」
生徒会副会長「はい。私も生徒会副会長の立場として廃部に断固反対の立場ですが、廃部を検討している旨を伝えて、廃部に賛成した人はいらっしゃったのでしょうか?廃部に賛同する理由を含め、ふざけた理由でも良いので、回答をよろしくお願いいたします」
私「ありがとうございます。一部の知り合いに伺ったところ、廃部に賛同していらっしゃった方は2人おりました。まず、当校の普通科1年、上原歩夢さん。話によると、上原さんの幼馴染であるそちらの小磯さんと、鉄道同好会の学外協力者の1人である愛知県立西白壁高等学校・普通科1年の鳳来寺シオンさんが、電車に夢中になるとその電車に嫉妬しておかしくなってしまうからという、あまりにも自己中心的すぎる理由でした。もう1人は茨城県の公立中学に通う1年生の鬼塚冬毬さん。こちらは鉄道趣味自体が、無機物を愛しており、鉄道車両から愛されないため無駄だと思っているお方で、これを機に廃部すべきと伺っております」
生徒会副会長「上原さんと鬼塚さんの言い分は無視したほうがよろしいでしょう。聞いているだけでも私は呆れました」
特に冬毬さんは私に対してときに狂愛を振りまくので、正直辟易しました。
私「ありがとうございます。他にご意見等あれば、挙手をお願い致します」
次に手を挙げたのは、風紀委員長のミミさん。
私「それでは風紀委員長」
ミミ「はい。風紀委員会としても、鉄道同好会の廃部には反対の立場です。各地の鉄道系YouTuberの皆さんからコメントはいくらか届いていらっしゃいます。まず、鉄道系YouTuberの代表格とも言えるセビロ交通さんによると、『今まで通り活動を続けてまいります』と語っていらっしゃいました。その他複数の方々から、引き続き今まで通り活動するというコメントを頂いております。これについて、鉄道同好会部長として、および部員の皆様方からもご意見・ご感想等あれば、よろしくお願いいたします」
私「ありがとうございます。鉄道同好会の部長として、それらの確認を怠っておりました。部員の皆さんも、この話を初めて聞いたよという方がいれば、挙手をお願い致します」
すると全員が挙手しました。なんというか、他の鉄道ファンの皆さんのコメントの確認を怠っていたことが赤っ恥です。
私「その中で、他の鉄道ファンの皆さんのコメントを踏まえたうえで、それでも廃部や撮り鉄の禁止がやむを得ないと感じた人は、手をおろしてください」
全員が手を下ろしませんでした。これは意外な結果でした。
多英子「横から失礼します部長。これはもう同好会は存続で確定ではありませんか?」
ヨナ「そうですよ。澁川さんはあまりにも厳しく見すぎです」
私「はい……大変申し訳ございません……」
菜々「澁川さん、ここは生徒が自由にのびのびと活動できる虹ヶ咲学園であり、鬼のような世界ではありません。廃部案は、ボツにしましょう」
私「わかりました……会長本当にありがとうございます……とりあえず全員手をおろしてください。そして、廃部は取りやめにしましょう」
こうして、鉄道同好会の存続は決定し、全員で拍手をします。
私「最後に、鉄道同好会の皆さんからコメント等あればよろしくお願い致します。部員の皆さんはここからタメ口で構いません」
挙手したのはせりなと多英子。
私「まずはせりなから」
せりな「はい。まあ、鉄道同好会の広報担当として、『今後も今まで通り活動を続ける』って、部の公式YouTubeとTwitterで流そうと思うんだけど、大丈夫かな?」
私「別に問題ないどころか、やってほしいくらいです」
せりな「ありがとう。このあとちゃんとやるね」
そしてまた全員で拍手をしました。
私「それから多英子も何か言いたそうでしたが……」
多英子「はい。まず、幼馴染の歩夢を電車に嫉妬させちゃったってここでわかったし、何しろ存続確定って言ったの私だから、仮にこれで世間で大炎上が勃発したら、私が責任者として何らかのペナルティを受けたほうがいいと思うんだ」
菜々「小磯さんの仰る通りですね。大炎上した際、除名、退学や咲ノ浜に戻るという選択肢は流石に嫌でしょう?」
多英子「もちろんです」
菜々「当然、理事の皆さんからも小磯さんは手放したくないというご意見を伺いました。そこで生徒会長の私として、提案があります」
ゴクリ。
全員がまた緊張した面持ちになります。
菜々「大炎上した際は、来年の1月15日から2月21日まで、アメリカのニューヨークにある高等学校に短期留学する。理事の方々が当該高校と連絡を取った際、2学期中間試験の結果や咲ノ浜時代の試験結果を総合的に踏まえても成績が比較的良好な小磯さんであれば、無事に授業を受けられると判断できたため、小磯さんを受け入れるという話を伺ったそうです。21日までであれば、確実に卒業式に間に合うので、塩津さんの卒業も見届けられます」
多英子「それなら、大炎上した際はお引き受けいたします」
こうして、鉄道同好会が炎上した際の多英子の留学が決定しました。
私「留学時点ではまだ多英子の入部から3ヶ月しか経っていませんが、笑顔で送り出すことにしましょう」
有佐「うん。それがいいね」
せりな「思いっきりパワーアップした多英子ちゃんも、楽しみになるよ!!」
モリー「多英子の英語力も確認しましたが、現地でもやっていけるように感じましたからね」
ドロシー「モリー姉ちゃんの言う通りだよ」
ですが、一部の方が固まってしまいます。
菜々「その割には部員の一部の方が固まったままですが……」
舞子「……やだ」
多英子「えっ?」
舞子「行っちゃ嫌だよ!!だって学年末試験が赤点だったら……」ポロポロ
鈴乃「私も行っちゃ嫌!!私、多英子ともっと名古屋の鉄道について語り合いたかった!!」ポロポロ
カレン「そうよ!!この11人でこそ今年の鉄道同好会なのに!!」ポロポロ
イオ「ワタシだって、内部進学できなかったらって考えると、多英子の存在がなければ士気が下がりマス!!」ポロポロ
カナエ「多英子ちゃん考え直そ?」ポロポロ
多英子「でも、来年3月のダイヤ改正とか、来年秋に予定している近鉄の新車が待ってるよ?そう思えば頑張れるでしょ?」
舞子「あー……」
多英子「だから、それを糧に頑張らなくちゃ。それにまだ決まったわけじゃないから、もし流れたら、私も一緒に頑張るよ!!」
イオ「ありがとうございマス!!」
カレン「それならカレンも頑張れるわね!!」
鈴乃「もし多英子がいなくなっても、その間は今まで通り頑張るから」
舞子「確かに。由美ちゃんが活動休止を宣言したときでも、夏合宿とか国際鉄道模型コンベンションとか、無事にできたから、なんとか私、挽回するよ!!」
カナエ「前にもそんなことがあったんだね」
せりな「うん。由美ちゃんは鉄道同好会に学外からかなり協力してくれているけど、いなくてもそれなりに頑張れたから」
私「これでなんとかなりそうですね」
菜々「はい。部員の皆さんの杞憂も解消して、笑顔や和気あいあいとした雰囲気が戻ってきたことなので、これで部会としてはお開きにしましょうか」
ミミ「それでも廃部と言い出したときはかなり驚きました」
私「申し訳ありません……。さあ、最後に言い残したことはありませんね?」
全員で頷きます。
私「それでは、今回の部会はお開きとしましょう。お疲れ様でした〜!!」
こうして部会としてはお開きになり、風紀委員会と生徒会幹部の方々は退出しました。
せりな「とりあえず、私はTwitterとYouTubeの更新のために残るけど……なんかイヤ〜な予感が……」
私「えっ?」
すると、今度は容赦なくドアが勢いよく開けられます。やってきたのは……、
鈴乃「歩夢!?侑まで!?」
あまりにもドス黒いオーラを発した歩夢と、なんのオーラもない侑でした。
歩夢「やっぱり鉄道同好会は存続なんだ……まだおたえちゃんは電車に浮気し続けるのかな?ん?」
多英子「だから誤解だって歩夢!!」
せりな「侑ちゃんはなんでいるの?」
侑「歩夢が鉄道同好会存続の話を聞いて暴走しているからその暴走を止めるために付き添いでいるだけだよ」
歩夢「私、暴走なんかしてないもん!!鉄道同好会を存続に導いた比奈ちゃんとおたえちゃんを許せないだけなんだから!!」ハイライトオフ
全員「えぇ〜っ!?」
歩夢「だから、今日は2人を裏に連れ出してお説教する。無駄な抵抗はやめてね?」ハイライトオフ
私「嫌ですよそんなの!!」
歩夢「比奈ちゃんも電車が大事だってまだ言うんだ!!許さない許さない許さないっ!!だから、覚 悟 し て ね?」ハイライト真っ黒
私・多英子「そんなのごめんだよ(です)!!」
侑「私はどうすればいいんだっけ?」
歩夢「侑ちゃんは先に帰って、宿題をやってね。おたえちゃんと比奈ちゃんのことは、じっくり、ねっとりとわからせなきゃいけないから」
侑「わかったよぉ……」
歩夢「じゃあ行くよ!!」
私・多英子「待ってええええ!!」
こうして私と多英子は歩夢に連れ出され、20時近くまでお説教を受けました。同好会も無事に存続が決定し、流れ解散になりましたが、最後にお説教展開とか、そろそろ勘弁してくださいよ……。