ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
初稿にはふと思いついたネタをぶち込みましたが、今後の小説のさらなるカオス化を防ぐべく取りやめにしました。
菜々「早速発見致しました」
俺「いやいや、虹の生徒会長がなんでいるの!?」
菜々「青山さんの電車への浮気対策です」
2023年12月17日、近鉄名古屋駅にて。まさか話が始まって1行で単独遠征を妨害されるとは思ってもいなかった。しかも今日の妨害要素は虹ヶ咲学園普通科1年・現役生徒会長の中川菜々ちゃん。ここ最近はチケット不正転売禁止法に触れる行為をやって先生方と比奈ちゃんたち風紀委員に怒られたって聞いているから、生徒会長として少々問題があるのは確かである。
菜々「ところで青山さん、今日はどのようなご予定で?」
俺「適当に乗ってどこかで降りて名古屋駅に引き返す、ただそれだけ」
今日は息抜き目的だから、そこまで遠方に行く気はない。
菜々「それではあのVC42編成に乗りましょう」
菜々ちゃんが指した方向は3番線。この前も乗ったVC42編成がいた。正直、もう愛車ではないし、一度乗ったからもう乗る気はない。
俺「嫌です。一度乗ったもん」
菜々「何を仰っているのですか?青山さんの元・愛車だと伺いましたが」
俺「2番線のVC48編成と比べたら2番線のほうがいいに決まってるじゃん」
菜々「やれやれ…スクールアイドルのスポンサー代表だと言うのに、懲りない人ですね……」
スクールアイドルのスポンサーだが、とにかく鉄道関連の趣味・趣向は独自路線を貫きたい。ドアチャイムもLCDも容赦なく撤去してくるだなんて、そんなの俺には御免だ!!
菜々「わかりました。それなら2番線の2両編成に乗りましょう」
俺「やったぁ!!」
というわけで2番線の準急四日市行に乗り込み、3番線のVC42併結運用は見送る。
菜々「それにしても、電車も嫉妬してきましたね」
俺「確かに。愛車じゃないって言った瞬間、2回も遭遇するとか聞いていないぞ。俺甘く見てたわ、電車が嫉妬しないとか言って」
菜々「鉄道関連ではもう二度と推し変しませんね?」ゴゴッ
俺「はい……」
アイドル関連で推し変したら元の推しがヤンデレ化する話はすでにWebサイトのラノベ系で時折見かけるが、まさか元の推しの電車が俺に対してそうなるとか、考えもしなかったことだ。ただ、はいとは言ったが、全く反省する気はない。
さて、乗り込んだVC48編成はドアチャイムを鳴らさずドアを閉め、日立GTOインバータの音を奏でて名古屋駅を発車する。
俺「そういえば今日は六本木でスクールアイドルのライブをやっているって聞いたけど、今日ここに菜々ちゃんがいるでしょ?せつ菜ちゃんの代役は誰を立てたの?」
菜々「米沢咲世さんに頼みました。何より優木せつ菜さんの活動を、この前私がしでかした違法オークション未遂もあり、すべて自粛していたのです。そこで延暦寺レオナさん、小磯多英子さんを含めた3人から彼女を選びました」
俺「まあ、音楽科のその子に頼めば安心だわな」
菜々「ですよね」
米沢咲世ちゃんの正体が虹ヶ咲学園音楽科2年の丸山せりなちゃんだってことは俺も知っている。とりあえずほとんど活動しない中でも音楽に携わっているせりなちゃんに頼めば俺としては安心だ。
そんな会話を繰り広げながら列車は進み、爆速で駅を次々と通過していく。次の停車駅は蟹江。俺は地図を見ながら、下車駅を長島に決めた。長島なら至近距離でJRと乗り換えができるからだ。
〜※〜
そして近鉄長島駅下車。蟹江から先はすべて各駅停車だし、もう駅を全部覚えてしまっている。
下車後、2両編成のVC48編成準急は、日が沈みながらもまだ少し明るい、曇り空の方面に去っていった。それと同時に対向からしまかぜが通過していった。
菜々「青山さん」
俺「はい?」
菜々「撮影する気満々ですね」
俺「ダメ?」
菜々「私だからダメではありませんが、上原さんやAqoursの皆さんが居合わせて同じことをやった際に、粛清されないようにしてください」
俺「なんでそのことを知ってるの?」
菜々「生徒会長たるもの、鉄道同好会の学外協力者かつスクールアイドルのスポンサー代表の情報は常に把握していて当然のことです」
俺「うわぁ……」
聞かないほうが良かったなこれ。でも絶対建前だろ。
〜※〜
とりあえず改札だけ出て、踏切を渡りスマホをカメラモードにする。
するとまずやってきたのは3両編成の普通列車と、特急ひのとり。その後、驚愕の出来事が起きる。
なんと!!6両編成の急行が長島駅に止まったのだ。
菜々「何かあったのですか?」
俺「そういえば今日はなばなの里が開園日だった」
菜々「急行が止まると思ったらそういうことだったのですね」
俺「流石に菜々ちゃんは知らなかったか。自分はすっかり失念していました」
菜々「はい。非鉄かつ、近鉄初心者ですので」
俺「やっぱり」
そしてもう1つ気付いた。長島で降りるのであれば、乗るのはVC42編成で良かったのだと。何たる失策であったことか。
俺「ま、そろそろ帰るか」
菜々「そうですね由美さん」
菜々ちゃんは生徒会長モードをオフにし、2人でJRの長島駅に流れる。
JR長島駅は改札も券売機も駅舎も、ひいては乗車駅証明書発行機すらついていない無人駅。ホーム長は6両分ある。こんな駅があるのに315系の都市型ワンマンをぶち込んだら、間違いなく不正乗車の温床になるとしか思えない。改札と券売機の整備するんだよあくしろよ東海さん。
菜々「それにしても、この駅はザルですね」
俺「その気持ち、ものすごくわかります。しかもこの状態でワンマン運転なんてやったら絶対嫌な予感しかしないよ」
菜々「私も同じ気持ちです」
菜々ちゃんは鉄オタでもないのにわかってくれる。おそらく比奈ちゃんあたりから事情等を聞いているかもしれないが、今回は放っておこう。
あっ、木曽川の方面から315系がやってきた。もう空はすっかり真っ暗だ。これで名古屋に帰れるね。
乗車後のこと。
俺「なんかさ……」
菜々「どうしたんですか?」
俺「やっぱり、これまで近鉄祭りとかトキメキ珍道中とか2年半以上にわたって40回近くやってきて、非鉄要員で一緒にいて一番楽しいのは、菜々ちゃんだと思う。こうして俺を含めたみんなの大好きを尊重することの大切さがわかるもん。だから、今後も生徒会長として、みんなの大好きを尊重すると、大名古屋工科大学・機械科4年の青山由美と、約束してくれますか?」
菜々「もちろんですよ!!」
こうして2人で笑い飛ばしながら、無事に名古屋駅に向かうのであった。
〜※〜
名古屋駅到着後のこと。急に携帯が鳴り出す。誰からだ……?
【通話開始】
俺「はい、青山です」
比奈『由美?菜々は隣にいらっしゃいませんか?』
俺「いるけど」
比奈『直ちに中央改札に来てください。もらっていきます』
俺「わかりました」
【通話終了】
すると、菜々ちゃんが真っ青になる。
俺「青ざめてどうしたの?」
菜々「実は、近鉄に乗ったのは今回で2度目なんですけど、最初に乗った際が比奈さんと一緒で、下手をしたら嫉妬されている可能性が……」
俺「それはいかん。行くぞ」
菜々「はい」
改札を出たあと、比奈ちゃんが待っていた。
比奈「菜々、私に何も言わずに由美と近鉄に乗るとか、かなり良い度胸をされていますね……」ゴゴゴッ
菜々「いけませんでしたか?」
比奈「たとえ活動自粛中だとしても、せつ菜の公式SNSに一言くらい投稿してくださいよ!!私、寂しかったのですよ!?」
菜々「失礼しました……」
比奈「とにかく、菜々のことはもらっていきますので、由美は解散で問題ありません」
俺「わかりました」
比奈「さあ、行きますよ菜々」
菜々「いやあああああああああ!!」
こうして今回はお開きとなったが、まさか版権キャラがオリキャラに嫉妬されるとは思ってもいなかったぞこれ。
次回は未定です。リクエストは次々回になります。