ラブライブ!シリーズ Linked by Trains since 2021 作:松浦南北
僕「よし、今日は午後から暇だし名古屋駅をうろちょろするか」
今日修了式だった僕は午後から名古屋駅にやってきていた。今度こそ街中を勉強して繁華街に疎い名古屋の中学生という肩書から脱却してやるぞ(*1)。えっ?成績だって?まあ、40以上はあったとだけ伝えておこう。
というわけで、名古屋駅の改札を探し…
トントン
誰?
??「また会ったね、シオンさん」
僕「しずく!?ごめん、今日この名古屋駅を探索したいから離してよ」
しずく「えっ、何言ってるの?離さないよ?」ハイライト消し
僕「お願いだから名古屋駅の中身を見せてもらえる?」
しずく「やーだ♥今日はもう2人だけの旅行計画立てちゃったもん♪」
あ、逃げられない。
どうしよう…鉄球でも持っていない限り逃げられないけど…、
僕「よし、これを使おう」
自前のパチンコ玉をしずくに投げた瞬間かわされた。
しずく「どうして物騒なものを使ってでも私を避けようとするの!?こんなにもシオンさんを愛せるのは私だけなんだから、ちゃんとその愛を受け取ってほしいの!!わかる!?ねえ!!聞いてるの!?ねえ!!ねえ!!」
しずくは全力で怒っていた。しかし僕も内心ブチ切れていたのでしずくの言葉なんぞ頭に入るわけがなかった。それどころかこちらも怒りは爆発。
一発殴ろうとしたその瞬間、体に電撃が走り意識が途絶えた。
しずく「フフッ♥スタンガンを常備しておいて正解でした♥♥」
そして目が覚めると列車の車内だった。起きたら怒りは収まった。
僕「あれ…?僕今からどこに行くの…?」
しずく「このまま福井に行ってライトレールに乗ろうよ」
僕「…いいけど」
特急しらさぎ号は夕暮れの琵琶湖周辺、日本海を駆け抜ける。
僕たちは武生で降りた。
〜※〜
由美ちゃんたちも乗ったライトレールだが、今回乗るのは普通列車の田原町行。福井駅に寄る列車だ。
車両はこの前更新されたばかりの888F。高床車初のVVVF更新車だ。お母様から聞いた話によるとかつて名鉄の美濃町線で走っていたのをこっちに持ってきたとのこと。美濃町線や岐阜市内線は僕が産まれる前に廃止になったからここで乗れること自体が貴重だ。
当然、空気ばねだから乗り心地が良い…、
訳が無い。
三岐鉄道三岐線よりはずっと良いが、静シスオールロングの313系に比べれば良くはない。何より回生ブレーキが空制非連動だから減速時の衝動が激しい。
踏切動作反応灯は名鉄や近鉄、明知鉄道とは全く違うパターン。上が赤2灯、下が白2灯で、普段は踏切が鳴ると下の白2灯が交互に点滅する。
そして鉄軌分界点から先は複線。路面電車になって福井の市街地を駆け抜ける。
福井城址大名町駅に到着すると、スイッチバックして福井駅方面に入っていく。福井駅にて下車し、福井鉄道の旅は終わりだ。
その時だった。
??「シオンちゃん助けて!!」
僕「由美ちゃん!!慌ててどうしたの?」
由美「アニメイト寄らないって言ったらマルとヨハネがヤンデレ化したから逃げてきた」
僕「それがいいと思うよ」
しかしそれでも花丸ちゃんとヨハネちゃんは追ってきた。
花丸「ミツケタズラヨ、ユミチャン♪」
ヨハネ「これ以上逃げたら地獄に落ちるわよ?」
由美「あ、終わった」
僕「じゃあ僕はアニメイトに…」
しずく「行かせないよ?」
僕は由美ちゃんと真逆の立場だ。しずくのグッズはないのでアニメイトやゲーマーズには寄らせてもらえない。
そして由美ちゃん達が帰ってくるまでしずくに耳元で愛を囁かれるのでありました。
〜※〜
夜は8番ラーメン。美味しいよね。花丸ちゃんは麺類が苦手だけどチャーハンがあったからそれにした。
福井駅からは2両編成のワンマン普通列車で金沢駅に向かう。もう夜9時半くらいだからついたら夜10時45分だ。
というわけでこの日は金沢にて泊まることにしよう。
しずく「やっぱりシオンさんと一緒の部屋がいい」
僕「うん!わかった!!」
よし、明日に備えるぞ!!
しずく「明日の高岡楽しみ♪」
高岡に関しては電車内で明日行くって聞いていた。高岡雅美と雨晴海岸は楽しみだなぁ。
〜※〜
次の日の朝、泊行の普通列車に乗って高岡に向かうのだが…、
僕・由美「ヨハネ(ちゃん)がいない!?」
花丸「善子ちゃんなら北陸新幹線に乗りたいって言って先に行っちゃったずら」
僕「僕も北陸新幹線乗りたかったなぁ」
しずく「何を言っているの?野放しにはしないよ?」ハイライト消し
やられた。まただ。諦めよう。
~※~
521系の4両編成は倶利伽羅トンネルを難なく越えていく。だけど朝ラッシュにぶち当たったから車内はすし詰めだ。
由美「去年の秋に行った時もこんな感じだったよ…」
花丸「昨日アニメイトで買った小説すら全然読めないずら…」
~※~
高岡着。ヨハネちゃんはもう到着していた。
ヨハネ「朝からはくたか号は全然混んでいなかったわ」
花丸「こっちは散々だったずら…。朝ラッシュにぶち当たったからおかげで駅は芋洗い、車内はすし詰め…転換クロスシートもある意味地獄ずら…」
僕「何よりしずくが僕と一緒に普通列車に乗りたいって」
しずく「私のせいじゃないよね、シオンさん?」ハイライト消し
いや十分あなたにも責任あるんですけど。一番の理由はお金を節約するところなんだけどね。
というわけでまずは万葉線に乗って高岡を満喫しよう。
やってきたのはデ7071。都電8000形の流れをくむ車両で、全鋼製ながら吊り掛け駆動の独特な重低音が響く。空調装置はついているが3月末では稼働していない。
このデ7071は地元で有名な居酒屋さん八五郎のラッピングをしている。そして降車ボタンは刷新されている。
放送『次、止まります』
隣の末広町駅で僕たちは下車する。ここから高岡の大仏まで歩く。
~※~
高岡大仏着。ここまで徒歩5分。その時だった。
花丸「あっ、大伴家持像ずら!!」
僕「おっ!!」
文学史は中学3年生の最後に軽くやる予定で、下手をしたら受験に出るかもしれない。だけどこの遠征のためだけに予習もしてきたのでここで触れよう。
大伴家持は万葉集の編者の1人。百人一首にも載っており、以下のような歌を詠んでいる。
鵲の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける
季節外れの歌だが、教科書に出てきた記憶がある。…あ、帰ったら坊主めくりまたやりたいな(唐突)
そして僕としずくで写真撮影。
しずく「ベストショットだね♪そうだ、シオンさんの待ち受けはこれにしてくれるよね?」
僕「えっ…」
しずくは僕の携帯も勝手に覗いてくるし、パスワードロックまで勝手に解除してきたからセキュリティがガバガバだった。
しずく「シテクレルヨネ?」
拒否権があるわけがない。
僕「…はい」
写真撮影のあとは高岡大仏の方に向かう。1907年から26年かけて建造され、高さは16m。もとは承久の乱期に建てられたが、何度も焼失しながら今の形になったとされる。台座の内部にも今の時間なら入ることができて、最深部には1900年の大火で焼けてしまった2代目の頭が安置されている。
もちろん写真は撮る。今後の夏休みの自由研究のタネにできたらいいけど、突然ヤンデレにカメラごと没収されて写真を消されることもあるからなぁ…。
高岡大仏の見学後は木田芳香園に出てお茶をする。
僕「そういえば由美ちゃんと花丸ちゃんはいつ知り合ったの?」
花丸「マルが高校1年生のときずら。由美ちゃんが沼津に出張したときに偶然出会ったときがきっかけだった。次の年からたくさん会うようになって仲を深めていったの♥」
由美「しかし俺が鉄ヲタだとバレたからヤンデレになったとしか思えないのだが」
花丸「そうずら」
ヨハネ「まあ私もそうなんだけどね」
しずく「このお茶美味しいね」
僕「だね」
そう言って一服した…というよりまだ9時か(*2)。次どこ行こう。
花丸「山町筋に行こうか」
由美「そうしよう」
このくらいなら歩いても知れている。
山町筋は前田家の2代目当主利長によりつくられた商人町の1つ。今も一部が残っているのは1900年の再建の際に防火構造が採用されたから。しかも洋風建築が一部混じっているから明治期の要素も一部混じっている。
というわけでここで一度解散にして色々回ろう。
僕としずくは銅板体験を行うことに。
しずく「シオンさん、いい色が出たね」
僕「しずくもじゃん」
一方和菓子が好きな花丸ちゃんとその付添の由美ちゃん、そしてヨハネちゃんは美都家で万葉ロマンや家持巻を頂いていた。
由美「大丈夫かな血糖…」
花丸「オラよりはずっと無事ずら」
由美「逆にこれだけ食べて血糖値が110割っていたらそれこそ異常だぞ」
ヨハネ「ズラ丸も気をつけなさいよ」
花丸「善処しますずら」
〜※〜
高岡駅まで戻って昼は海鮮丼にしよう。麺類が苦手な花丸ちゃんとか食べてすぐ胃もたれする由美ちゃんとか色々ネックな人はいるからね。
由美「曜ちゃんが一緒だったらもっと大変だったんだろうな…」
ヨハネ「全員一緒の食事って大変なのね…」
ということで食べ進めよう。
〜※〜
昼からは氷見線に乗って万葉巡りを行う。万葉線はMLRV1000形にも乗ったからこれで満足。
氷見線を走るのはキハ40だけ。コマツ製の330馬力エンジンが響くけど、万葉線に比べても乗客は少ない。日中1両で運転して空気輸送だとかなりヤバい。早いところLRT化されてもこりゃおかしくないぞ…。
まず伏木駅で降りる。かつては加越能鉄道伏木線が米島口駅からここまで伸びていたけど僕が生まれるずっと前にあっさり廃止に。LRT化の際に復活しそうとか言っているどこかの中京民(*3)もいるけど本当に一度乗りたかった。
まずは勝興寺。
春の苑 紅匂ふ 桃の花 下照る道に 出で立つ乙女
これは乙女たちが樹下美人像を見ているようだという意味である。まだ純粋な恋愛をほとんどしたことがない僕みたいな中学生の女ヲタクにはかなり無縁だ。
続いて二上山を見上げる。登っている暇はなかった。
玉くしげ 二上山に 鳴く鳥の 声の恋しき 時は来にけり
家持は二上山をよく題材にしていたらしく、彼の住んでいた国守館跡から当時は二上山がよく見えたと言われる。そして同名の二上山のある都を恋しく思いながら朝夕眺め、この越中の二上山の四季の美しさに感動してこの歌を詠んだとされる。守山城に関しては後に前田家の城となったが、最終的に1615年をもって廃城となった。
最後に、氷見線を乗り進めて雨晴海岸に出る。
馬並めて いざ打ち行かな 澁谿の 清き磯廻に 寄する波見に
これは澁谿の磯辺に寄せる波を見に馬を並べて出かけましょう、という意味が込められている。倒置法や脚韻など色々技法が凝っているなぁ。
おっ、雨晴海岸に夕日が沈んでいく。
僕「いやしかし…」
しずく「どうしたの?」
僕「僕がこのまま結婚しないまま一生を終えるかと思うとかなり不安です。僕みたいな女オタクを病むレベルに愛するのはみんな女の子。このまま結婚なんてしないまま終わりなんて、そんな未来は嫌です!!」
由美「そんなことはないよ」
僕「えっ?」
花丸「春の苑 紅匂ふ 桃の花 下照る道に 出で立つ乙女って万葉集にあったでしょ?」
僕「うん」
花丸「もしもその乙女がシオンちゃんの幼馴染のトワちゃんだったらどう思う?」
ちなみにトワちゃんが男の娘だってことはもう公表済みである。
僕「トワちゃん…想像するだけでうっとりしそう!!」
花丸「でしょ?そういう恋心があれば結婚できないなんてないずらよ♪」
しずく「私もシオンさんとの恋は実らないってわかっていたし、純粋な異性愛は心から応援しています。だけど下手に女の子のアニメキャラや鉄道みたいな無機物にベッタリになることだけは…今後も取り締まってイクカラネ♥」
僕「はい…」
全員「あははははは…!!」
抜かりないなしずく。
そろそろ日が暮れてきた。
花丸「さあ、夜も遅いしそろそろ駅に戻るずら!!」
というわけで氷見線にまた乗って高岡駅に戻ろう。
〜※〜
高岡駅着。その後、城端線に乗って新高岡まで行く。ここで解散…、
のはずだった。ここでまともに終わらないのがここ最近の作者(くどい)。
??「あれ?花丸ちゃんと善子ちゃんじゃん。由美ちゃんも一緒だね」
3人「ルビィ(ちゃん)!?」
ルビィ「ちょっと今日は朝から曜ちゃんに会いに行ってたんだ。すごく元気そうだったよ」
由美「それは良かった」
渡辺曜ちゃんは今富山に住んでいる。大学も富山だから通うのはかなり楽しているとのこと。
ルビィ「ところで由美ちゃん」
由美「ん?」
ルビィ「ルビィの知らないところでどうして花丸ちゃんや善子ちゃんと楽しく写真を撮っていたのかな?」
由美「観光なんだから許してよ」
花丸「今回は誰にも罪はないずら!!」
善子「そうよそうよ!!」
ルビィ「ふーん、まだ無実を訴えるんだぁ…」ハイライト消し
嫌な雰囲気しかしない。
ルビィ「じゃあ今日は3人まとめて、名古屋でオシオキダネ♪今回の観光について、たくさんオハナシしようね♪」
3人「嫌だあああああ!!」
そう言って4人は金沢行きはくたか号に乗って去っていった。
しずく「じゃあそろそろ解散にしましょう」
僕「そうだね」
その時だった。
??「シオンちゃんまた見つけた!!」
誰?
しずく「今日はかのんさんにはシオンさんは渡しません!!」
かのん「何を言っているの?今日は私も高岡城と新湊の方に行ってきたんだよ?だからシオンちゃんを渡してよ!!」
僕「どうしよう…今のうちに金沢方面の切符を買って…」
そう言って逃げようと…、
できなかった。
当然、手錠を2人からかけられる。
2人「カエサナイ(カエシマセン)ヨ?」黒笑い
僕「…はい」
こうして今日は名古屋に帰れず、東京に連れて行かれることに。僕が帰れたのは、次の日の朝だった。
次回こそ近鉄祭りを予定。