『植物図鑑』片手に過ごす辺境伯生活※現在十六話まで改訂済 キャラ挿絵追加   作:とおりすがりのふに族団長

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第十一話 王の凱旋

講和条約結んだら、国境の街で凱旋と俺の就任式(仮)を行うとの事で一月ぶりに国境の街を訪れる俺達。

ふだんはガラの悪い兵士や傭兵達があちこちで喧嘩OR女遊びOR酒の三択で所せましと暴れてる街なのだが、今回ば王の凱旋とあって皆、殆ど着た事が無いと思われる国境警備兵の標準服の姿で出歩いている。

「すっげ、別の街に来たみてぇ」と俺もアイリーンもビックリの変わり様である。

どの建物も国旗を掲揚して、いつも以上に露店が一杯出ててお祭りみたいな状態になってる。

多分、街の食堂のキッチンだけでは王国軍含めた人間の腹を満たせる料理を作り切れないから、簡単に作れる串焼き等の料理を屋台任せにしていると思われる。

「近衛でも行軍中の食事はストレス溜まる出来らしいですよ」とは殿下からの入れ知恵。

中央公園の広場に到着して馬車から降りて目に入った物は騎士!騎士!騎士!ベイリー殿下の近衛とはランクが明らかに違う強者の一団が三つに分かれて整列していた。

おそらく中央が国王直属、右が第一王子、左は騎士というには軽装な鎧の一団だけどなんの部隊だろ?指揮官の顔を見ようと列の先頭をみるとすっげーイケメンな男装の麗人が立っていた。

まぁ、服装が男性用なだけで髪もメイクも普通にしてるからベ●薔薇的な人では無さそう。

「はいはい、恭介さんの女性好きは良く分かりましたから、今は父、国王陛下との演説に集中してください!」

唐突に放たれた肘をモロに喰らってダウンしそうになる俺だが、小中学生の肘で倒れるわけには行かないと、何とか踏ん張る。頑張って殿下に着いて行くと最前列付近で殿下が足を止めた。

「第三王子ベイリー殿下、並びに新ヴァ―デン辺境伯『キョースケ・カタヤマ』様が到着なされた!これより陛下が皆に伝えたい言葉があると仰せだ。姿勢を正して拝聴せよ!!」

『ハハァッ!!』

陛下の傍にいる騎士(多分騎士団長)の言葉にピッタリと大きな声で返答する騎士達。

そして騎士達の声に呼応するように玉座(仮)から立ち上がる国王陛下こと「オンディーヌ14世」。御年55と聞いているけど、それを感じさせない精悍な顔立ちをしている。

ちなみにこの世界の王は即位と同時に「国名+XX世」という呼称になるそうで、即位前の元の名前は身内か即位前から親しい人間との間位でしか使われなくなるそうだ。

「まずは我が王家に使える勇敢な騎士団諸君、並びにこの街に生きる全ての戦士諸君に感謝を伝えたい」

離れてるはずの王の声が、近くから聞こえる・・・ってこれは『加護』を応用してるのか!?つーか言葉通りに捉えると、この街に居る人間全部に語り掛けてるのか!?

そこからは王に呼ばれて先日の一件を褒め殺して、王都に戻ってから正式に行われる叙勲式と一緒に俺の辺境伯への就任式が執り行われることが宣言された・・・までは規定ルートだったが、王様はここでとんでもない事を言いやがった。

「これはまだワシの思い付きの段階だが、既に嫁ぎ先が決まってる第一皇女以外から一名をヴァ―デン辺境伯と婚約させようと思っている」

え!?何それ聞いて無いんですけど~( ゚Д゚)。しかし、騎士や街の皆さんは完全に祝福ムードなので異論をはさむ等不可能な空気。あわてて殿下の方見ても『今は諦めて下さい』とばかりに首を横に振られた。

言いたい事言った後は街全体を会場にした慰労パーティが開かれ、騎士の皆様や街のお偉方・兵士に散々玩具にされ続けて、宴の始まりは正午位くらいだった筈が、解放されたのは日が落ち始めた頃。実に約6時間拘束されてた事になる。

~ 王族用の天幕の中 ~

「つ~か~れ~た~」

解放された所で、殿下の騎士に救出されて天幕内に案内される俺。

「お疲れ様です。・・・と言いたい所ですが戻って速攻アイリーンさんの膝枕とは良い身分ですね。」

メイド姿のアイリーンの膝の上でグッタリしてる俺に呆れた様子のベイリー殿下。

ちなみに、婚約決まってしばらくは普通の服着てメイド軍団から『若奥様』扱いされてたアイリーンだが、三日目位で『飽きた&若奥様扱いがうるさい&メイド長候補が居ない』という事でまだしばらくはメイドという立場を続けるらしい。

「王家のお姫様来るとか聞いて無いんですがががが」

「安心して下さい。父は王にして珍しく政略結婚せずに恋愛のみですから、綺麗な姫ばっかりですよ」

「そんな事は聞いてねぇぇぇ!!」

「はいはい、聞きたいのは理由ですよね。父の行動の理由は簡単ですよ。『未来の為』です。父と前辺境伯は個人的に親しく『戦友』と呼ぶべき関係でしたが、兄上と恭介さんは違いますから」

「そんなもんかねぇ?」

「そんなものです。それに皇女を輿入れということは恭介さんの評価が高いという事です。もっとも、父は政略結婚が嫌いなので、少し付き合って恋愛関係に発展しなかったらこの話は立ち消えになることでしょう」

お、今回はちゃんと回避ルートがある。つまりはそれとなく「結婚相手としてこれは無いな」と思わせれば良いのか!

「じゃあお見合いの席で『や●ないか?』を熱唱すれば完璧?」

「完璧ですけど・・・実行したらその日を命日にしてあげますね♪」

「殿下のお手を煩わす前に私がそのお役目実行します」

宴会芸でやったネタで嫌われる作戦は実行前に中止せざるを得なくなった。アイリーンのパウンドラッシュはUF●ファイター並みの威力を誇るのだ。(U●Cファイターのパウンド喰らったこと無いけど)

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