『植物図鑑』片手に過ごす辺境伯生活※現在十六話まで改訂済 キャラ挿絵追加   作:とおりすがりのふに族団長

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第十三話 一難去ってまた一難 決闘とか出来ませんが何か?

結論から言えば、リスティの『呪い』とやらはあっさりと解呪された。俺は経過報告と確認の為に殿下の天幕に戻って来た。

何をやったかと言われると、説明に困るけど・・・ただ抱きしめて口説いてキスしたら『加護』の対象にリスティが入った感じがしたのと同時に、彼女を取り巻いてた黒いモヤが消えるのが見えた。

「これで『呪い』は消えたと考えて良いんですかね?殿下」

「『加護』を自覚した事で対象がちゃんと分かるようになったんですね。もちろん恭介さんがそう感じたのならその感覚は正しいと思いますよ。一瞬で消えたのは、相手の『神格』が既に無い証拠ですね」

『神格』

神様が神様として信仰させることで世界じゃら与えられる格付けだそうで、現代では『大国を護る守護神』が神として認識されている。

古代だとそれぞれの細かい土地の高位精霊等を神として崇めていたらしい。しかし村が町に、町が街に、そしてそれを束ねる英雄により、国家が形成される中で神様の数は『一国一神』という流れがスタンダードになったそうだ。

ちなみに『神格』を失うと紙だろうが石碑だろうが人の記憶に至るまで「名前」が失われるらしい

「どうせ消えるなら『呪い』も自動的に消えれば良いのに」

「『呪い』というのは厄介なんですよ。もちろん『神格』と一緒に消える事例もあります。嫉妬深い神様だったんでしょうね」

肩を竦めて予想を述べる殿下。あれ?そもそも・・・

「リスティのご先祖様の誰か一人が誰かの『加護』の庇護下に入れば済んだんじゃ?もしくは教会とかで解呪してもらうとか」

「その意見は最もですが・・・ハードルが高いと思いますね。『加護』は戦闘技術をほしがる人が多いですから。『呪い』の解呪は高等技術の上に『神』からとなると聖女でも難しいかと」

「何故!?」

『加護』にしろ『転生特典』にしろ、世界は違っても人が求めるものは似通ってくるらしい。それは兎も角として、教会がそもそも対応不可能とは驚きだ。

「教会の人間が使う『神聖魔法』は神とは言いつつ、『天使』の力を借りる魔法だからです。だから、呪文唱えて簡単に解呪とは行かないんです」

あ、そうか。神の力借りてたら『神威魔法』になっちまう。

「じゃあ教会が祈り捧げる『神様』ってどちら様?」

「所謂この世界の頂点に座する『主神』と呼ばれる神様ですね。名前が無いのは『恐れ多い』からと言われていますね」

ふーむ、成程成程、これで大体疑問は解決したかな。リスティもここの引継ぎ終わったら俺の『護衛』として館に来る事を約束してくれたので一件落着といえるだろう。

「という事で、滅茶苦茶顔面殴られたから回復して貰って良い?」

「宿屋街行くまで持たずに、公園の中で堂々とキスしてたらそりゃ殴られるでしょう」

それまで黙ってたアイリーンが呆れた顔と目で追撃してるのが非常に痛い。はい、前回の終わりから天幕戻って来るまで10分とかかっておりません。

~ 10分後 ~

治療を受けながらアイリーンのお小言を喰らいまくって10分程経過した所で天幕の外が騒がしくなってることに気付く。

いや、元々騒がしかったけど・・・これは何と言うか『トラブル』の気配がする。

「やれやれ、幾ら無礼講とは言え王族の天幕近くで騒ぐとは・・・アイリーンさん、ウチの腑抜け連中で対処出来なかったら『パウンド地獄』お願いして良いですか?」

おいおい、人のメイド勝手に使わないで・・・っておまゆうの視線&ノリノリのアイリーンに黙殺される俺。

3人で外に出ると、殿下の近衛兵3名が必死で押さえつけようとしてるのを一人で突き進もうとする騎士さんが居た。

「我は王国軍第三軍歩兵軍団長『アルベルト・モロー』辺境伯に決闘を申しこーむ!!」

「「「おやめください!モローどのぉぉ」」」

殿下の近衛は細身の人間が多いから、アメフトのラインマンみてーなあの騎士さんを止めるのはちょっと無理かな。

「所であの人は何をしたいんだ?」

「残念ながら万能説明係になってる僕でも、酔っ払いの胸中は説明出来ないんですよ」

頭抱えて明後日の方向見てそんな事を言う殿下。

しかし何でまた俺と決闘?俺戦闘力あんまり無いけど?

首を捻ってると吹っ飛ばされた近衛一人が詳細な情報を教えてくれた

「ど、どうやら『ヴァネッサ・メルバーン』嬢が辺境伯に輿入れするという噂が広まってまして・・・『厄介なファン筆頭』の彼が酒もあってあの有様でして」

(。´・ω・)ん?ヴァネッサちゃんってそんなに人気者なの?

「はい、母親は南国で有名な踊り子でして、その娘さんであるヴァネッサ嬢も容姿端麗の上で舞も美しいので、人気者で引く手数多らしいですよ。本人と子爵のガードが硬くて殆ど面会もかなわないと聞いてます」

はー、やっぱりあの子は特別だったんだ~アイリーンでも普通に足長いと思うのに、それを軽々こえてたもんな~。

「殿下殿下、ちなみにウチのアイリーンさんは館のメイド達に『足を長くする方法』を相談した結果、バケツ持って廊下に立たされるという面白エピソードがって痛い痛い痛い!!」

すげぇローキックが右足を襲うが、面白い話を続ける為に構わず続ける。

「しかも、何やってるのか聞いたら『こんな事して足長くなるんでしょうか』って怒られてることに気付いてないというってマジで痛いから止めて~!!」

とうとう耐え切れずに屈する俺とめっちゃ笑ってる殿下。

そして顔を真っ赤にしたアイリーンの怒りの矛先は『アルベルト・モロー』さんへ

「き・さ・ま・のせいかー-!!」

「いや、どうせそのうち披露されてたと思いますけど」

「流石は殿下、俺って人間の事分かってるじゃないですか(キリッ」

「褒めてませんよ。そういうエピソードは許可を取ってからにして下さいね」

強烈なタックルから氷魔法で体を固めてからの鬼パウンドの音と悲鳴をBGMにそんな呑気なやり取りをしてる俺達だった・・・ってまた輿入れ!?

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