『植物図鑑』片手に過ごす辺境伯生活※現在十六話まで改訂済 キャラ挿絵追加   作:とおりすがりのふに族団長

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第五話 『図鑑』色々実験中、セーブ機能のお披露目

農家に次回作る為の種を配ったり、じーさんが減税の約束する書状を街町の長に送った影響か街中の混乱は収まりつつあるようだ。

例の補給部隊は徐々に国境沿いの街に集結しつつあるそうだ。それはまだ領内で山賊行為行ってる連中が居るという事に他ならないが、一旦連中の行為はスルーするというのがじーさんの意思だ。

「というわけで、今日は『図鑑』を使ってる間に気付いた新技を諸君に見せてやろう!!」

「諸君って・・・私しか居ませんけど?」

朝食後の食堂で宣言する俺にジト目でツッコむアイリーンはさておき、ボウルの中に大量のイチゴを作成する。

「アイリーン君、イチゴは好きかね?」

「ハイ!大好きです!!」

普段のクールさは何処へやら。ピョンピョン跳ねながら手を挙げて答えてくる。

「では、この中に違和感ある物が有るのに気付いたかな?」

「?どれも同じに見えますけど・・・あ!?これ、凄い大きい粒のイチゴがあります!」

「見つけたな。それを食べてみるがいい」

おれの言葉に従って大粒のイチゴを食べるアイリーン。数秒間フリーズしたかと思えばいきなり襟掴んでガクガク揺さぶられる。

「何ですかこのイチゴじゃないイチゴは!!普段出してる物と違い過ぎませんか?」

植物の種と実の現物を出してくれる『図鑑』だが、それはあくまで園芸店で買えるレベルの物まで。品種改良が行われた品は基本的に対象外である。

しかし、強くイメージすると偶に有名銘柄と思われるものが出現することに気付いた。

「でも、狙って出せないとなると困りものですね。果物だから冷凍すると味が落ちますし・・・」

ちょっとションボリしているアイリーン。だが、こんな事態を想定してなのか、図鑑の末尾に新しいページが生まれた。

縦横に線が引かれていて50個のマスに果物が表示されている。これに裏があるので最大100個の出力結果を『キープ』出来るのだ。具体的は主力時にレアが出るとキープか出力か図鑑に選択ボタン出るので押すか脳内で答えると選択した方をやってくれる。(ちなみに放置すると10秒で自動出力される)

「ちょいとアイリーンさんや?何故に裏のページを開こうとしているんでしょうか?」

「どうせ恭介様の事だから裏には女の子口説く時用の花をキープしてるんじゃないかと予測したので確かめようと・・・」

ヤメテ!俺の心を読まないで!!ぶっちゃけ予想通りなので賄賂(この世界では珍しい桃)を姫に献上することで許しを請う。(桃は栽培が難しいからか結構コスト高いが仕方ない)

桃を美味しそうに食べてるアイリーンを眺めてると、匂いに釣られたのか、食堂の入り口に目を閉じて鼻を嗅いで歩いてるリスティが通りかかる。

「あー!アイリーンさんズルいっスよ!一人だけ若旦那から桃貰うなんて!」

馬鹿デカい声で叫ぶものだから、あっという間に食堂が人だらけになって、桃祭りを強要される羽目になった。ちなみにダメ元で高級品種イメージしたら、1つだけ修験したので小さく切って主要メンバーで食べたら最初のアイリーンと同じ反応のリピートになった。

ちなみに、残念なことに種の場合は高級品種は出て来ないようだ。ロイヤリティを払わないとダメなのかも分からんね。

 

そんな平和な一時が、慌てて入って来た赤髪ツインテメイドのヴァネッサちゃんによって破られる。

「大変!大変!!ウチの実家が大変なの!恭介様助けて」

ダッシュで俺に接近して手紙を見せて来る。どれどれ、差出人は彼女の実家の「メルバーン子爵」から。

「どうせ作物を補給部隊に取られたんだろ?俺が補填支援すれば・・・ってサイロの干草丸ごと取られた!?」

いやいやいや、サイロってあのレンガ造りのドでかいやつでしょ?

どう考えても馬車の部隊で持って行ける量ではない。じーさんと話し合って、俺とアイリーンとヴァネッサで現場に赴く事になった。

リスティは、補給部隊が集結してる国境近くの街に一足先に連中の様子を探りに出る事になった。

じーさんに確認したが、牧場から草を大量に持って行くなんて事案は確認されていない。どうなってるんだ?

 

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