結とかのんの始まり物語   作:cinnamon

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みなさんこんばんは。作者のシナモンです。
活動報告を見てくださった方なら分かるのですが15日はワクチンの副反応で体調が優れなかったのでお休みさせていただいてました。
ですので今回は前回の続きの分です。
お楽しみください。

それと、この作品のタイトルの変更を考えています。
もともと、「考えるのめんどくさいからそのまま出すか」とかなったものです。10話ぐらいには記念にかえるかもしれません。
なにか候補とかあったら感想にどうぞ。

長くなりましたが、本編をどうぞ。


第八話 僕と千紗都と夏樹

「こんばんは〜」

 

かのんの家でこれからの相談をしたその帰り道、僕は一緒に帰った千紗都さんに一言残した。

 

「夜、たこ焼き屋いくよ」

「あれ?何かお話し?」

「いや、普通に千砂都さん見たら食べたくなった」

 

「あっはは!なにそれ!」と上機嫌に笑う千紗都さんと別れ、今に至る。

 

 

 

「千砂都さんいますか」

「うぃ〜す!」

 

初めて会った時のように屋台の車からひょこっと顔を出す千砂都さん。

 

「うぃーす。たこ焼き2つ」

「は〜い!」

 

屋台に戻って支度をする音が聞こえる。

すると屋台の奥から

 

「僕も一つ、く〜ださいっ!」

 

と聞きなれた声がする。

この声……!

 

「お前もいんのか」

「あれぇ、この声……結ち〜ん!」

 

今度屋台から顔を出したのは僕の友達、鬱陶しいチビでお馴染み、時雨夏樹だ。

 

「夏樹、お前もたこ焼き?」

「まぁね〜♪僕ここの常連なんだ〜♪」

「え、ホントに?」

「ホントだよ!ね、ちさとん!」

 

ちさとん?????????

 

「もう、その呼び方やめてって言ってるでしょ!」

「えぇ〜、いいじゃ〜ん!」

「常連さんってこんな仲良くなるものなんだね」

「夏樹と私は同じダンス教室にいたの」

「え、夏樹おまえ踊れんの!?」

「いえ〜い!!バク宙出来るぞぉ!ロンダート出来るぞぉ!」

 

両手でピースサインをしてドヤ顔をする夏樹。

 

「でもリズム感が壊滅的で踊れないんだよね」

「ちょっとぉ!?ちさとんいまカッコつけてるからそれ秘密!」

 

あ、踊れないんだ。

僕のお株が奪われそうで一瞬焦った。

 

「先生には運動神経だけいいサルとか、すばしっこい才能無しって言われてたよね」

「そうそう。あの時は僕も傷ついたね〜!」

「いや大爆笑してたじゃん。「言い得て妙ww」とか言ってゲラゲラ笑いながら地面転がってたじゃん」

 

うわ〜……簡単に想像できる。

超ポジティブシンキングなんだコイツは。

 

「で、1ヶ月ぐらいで辞めちゃったんだよね」

「中1ぐらいの時だったっけ?懐かしいな〜」

 

千砂都さんと夏樹に面識があったとは。これはまた意外な組み合わせだ。

世間というのは案外狭く、意外なところで繋がっているらしい。

 

「そういう夏樹と結はどういう関係?」

「同クラ」「親友」

「温度感の違い……」

 

ほとほと呆れたように呟く千砂都さんに

親友って言うほどじゃない?学校始まってまだ1週間経ってないよ?そういうのってもっと時を経へてからだな……

 

「親友だよ!僕がそう思ってるから親友!」

「そうなの?」

「そうです……!」

 

僕の負けです……。

なんか……アイツの屈託のない笑顔見て……俺情けない……。

 

露骨に凹んでる僕の前にたこ焼きが2つはいったビニール袋が置かれる。

 

「はいこれ。150円ね」

「安っ」

「サービスだよっ」

 

助かる。友情価格というのはお財布に優しい。

今度から積極的に媚を売っていこう。

 

「ん?同じダンス教室……ってことは千砂都さんも踊れるの?」

「うん。結ヶ丘もダンス推薦だしね。腕には自信あるよ〜」

 

へぇ〜。やっぱり結ヶ丘って音楽進学校なんだな。

 

「ちさとんのダンスは東京イチだよね!」

「へぇ〜。大きくでるね」

「あ、いや結、これは大口叩いてるわけじゃなくて。ホントに東京の大会ぐらいなら優勝できる実力ある。ちさとんスゴイ」

「…………マジ?」

「マジ」

 

え、えぇ〜?県トップってことは単純な話、全国ベスト47位、それも競争率が高い東京だからその上位って事でしょ?

この人実は凄い人なんじゃ……。

 

「それほどでもないよ」

「いや謙遜にも度合いがあるって。ってことはそうか、かのんはまだ頼んでないんだな」

「え、いまかのんちゃんのこと呼び捨てに」

「その件この前やったから。でもそっか。ねぇ千紗都さん、多分明日か明後日入りにかのんがダンス頼み込んで来ると思うけど大丈夫?」

「かのんちゃんが?なんで?」

「ほら、スクールアイドル。ダンス担当いないから」

 

あぁ〜!と納得した声をあげる千砂都さん。

 

一方、

 

「ちょっとぉ〜!僕蚊帳の外なんですけどぉ〜!スクールアイドルぅ?」

 

と猛抗議する1人。

 

「なに?お前関係ないだろ夏樹」

「ないから嫌なの〜っ!僕泣いちゃうよ!」

 

そんなこと言われても。

 

「あ!僕も何か手伝おうか!?」

「お前踊れないじゃん」

「夏樹歌えるの?」

「グッ……結だって踊れないじゃん!」

「いや僕は踊れるって」

「らしいけど」

「よーし僕泣いちゃうもんね!探さないでください!」

 

バン!とたこ焼き代の150円を叩きつけて席を立つ夏樹。

やべ、ちょっとやり過ぎたか。

 

「あ、夏樹。50円足りない」

「なんで僕には友情価格適応されないんだよチキショ〜!」

 

こっち向けて50円を投げながら悪態をつく夏樹。

いや千砂都さん容赦ねぇ〜……。

絶対敵に回さないようにしよう。

 

夏樹には明日あたりになにか奢ってやろう……。

 

「まぁ……そんなわけで。頼むよ千砂都さん」

「うん、かのんちゃんたちは任せて」

 

ダンス東京1なら彼女たちの実力でもなんとかなるだろう。

本当は千砂都さん自身がスクールアイドルになってくれたら手っ取り早いんだけど。

 

「千砂都さんはスクールアイドルしないの?」

「いまの私にそこまでの余裕はないかな。ダンスで手一杯」

 

なるほど。実力には練習が伴うわけだ。

 

「ま、無理強いはしないけどさ。したくなったら声かけてよ」

「したくなったら……うん」

 

ん?なんだ今の反応?

なんか納得いかないような……。

 

「それよりさ、昔のかのんちゃんのこと知ってる?」

「え?あぁいや……」

「かのんちゃんね、昔は……」

 

 

 

 

 

 

そこから先はかのんの昔話を永遠とさせられた。

結局あの反応の正体はわからないままだったが、幸せそうにかのんを語る千紗都さんの邪魔なんて出来るわけもなく……。

かなりプライベートなお話まで……。

 

……聞いちゃいけないことは忘れよう。

かのん、次会った時僕顔見れるかなぁ……?

 




毎週月水金19時更新です。
次回は4/20水曜日です
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