ディスカバリーで殴り込む   作:ホワイト・フェザー

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※お知らせ
作者はインフィニティ・ウォーを見ていないので、セリフや設定、キャラの話し方等が間違っている部分があるかもしれません。あらかじめご了承下さい。


アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
1:俺らこんな世界嫌だ~♪


「困った…」

 

「困ったな…」

 

 2人の男は窓の外に広がる広大な宇宙を眺めながら心底困っていた。短い髪に髭が似合う男の名はソー・オーディンソン。アスガルドの第1王子、そして今のアスガルド王であり、稲妻を召喚・蓄積・放出する特殊能力を持つスーパーヒーローでもある。隣りにいるロン毛の長身イケメンはロキ・ラウフェイソン。ソーの義弟であり、アスガルドの第2王子だが実はアスガルド人ではなかったりする。

 

 そんな2人が困っている理由だが、1時間程前に故郷のアスガルドで姉のヘラと盛大な戦いを繰り広げた。自力では倒せなかったのでちょっと前に倒した炎の巨人スルトを復活させてラグナロク、アスガルドの滅亡を故意に引き起こした。その結果スルトはヘラもろともアスガルドを滅亡させた。

 

 ここまでは良かったのだが問題はその後。木端微塵になったアスガルドの破片やらがソー達アスガルドの民が乗る避難船『ステイツマン』にぶつかったのだ。船体のあちこちに破片がぶつかり、主にエンジン周辺の被害が深刻だった。機関そのものは無事だったが、船体後部と底部のエンジンノズルが完全に崩壊し、推進力がほぼゼロになってしまった。

 

 修理のしようがないレベルまで壊れてしまったので、ソーは地球方面に救難信号を発信する事にした。地球にはアベンジャーズの仲間がいるから、時間はかかるが気付いてくれるはず。船内にはそれなりに食料品・医療品が保管されていた。

 

「いつ地球の連中は来るんだ?」

 

「それ5回目だぞ、ロキ」

 

「他にやる事といったら酒を飲むぐらいしかないからな」

 

「それはそうだが…」

 

ロキはウイスキーを一気に飲むと、言いにくそうにソーを見た。

 

「実はちょっと言わなきゃいけない事があって…」

 

だが窓の外に見慣れない宇宙船が突然現れ、ロキの言葉は途中で止まった。

 

「あれは地球の船…なのか?」

 

「わからん。艦橋に行くぞ。話はその後だ」

 

 

 

 艦橋に行くとハルクことロバート・ブルース・バナー博士とソーの親友でもあるヘイムダルが待っていた。2人とも嬉しそうな表情だ。

 

「バナー、あの船は?」

 

「これを聞けば分かるさ」

 

バナーがコンソールを操作すると男の声が聞こえた。

 

『こちらはUSSディスカバリー。前方を漂流中の大型船に告げる。貴船より発信された救難信号を受信した。もしこの通信が受信できているなら、船名、責任者の氏名、乗船人数、船の状態を教えて欲しい。本艦には食料品・医療品の提供を行う準備がある。また船の曳航設備も備えている。繰り返す、こちらは…』

 

「救難信号が届いたのか!あれは地球の船なのか?」

 

「それは分からない。船名の頭にあるUSSってのは、アメリカ海軍艦の艦船接頭辞であるUnited States Shipの略だと思うんだが、海軍があんな宇宙船を持っているなんて話を聞いた事が無い。そもそも地球の技術力であんな船を造るのは難しいと思う」

 

「確かに…とりあえず返信はしないとな」

 

ソーはマイクを手に取り返事をすることに。

 

「こちらアスガルド所属ステイツマン。責任者のソーだ。本艦は現在推進力を喪失し漂流中。機関は無事で生命維持装置は稼働している。乗船人数は…民間人が大勢いる。食料や医療品も少しは余裕がある。可能であれば曳航を要請したい」

 

『アスガルド…了解した。怪我人はいるか?』

 

「怪我人は少しいるがどれも命に別条はない」

 

『わかった。映像通信は可能だろうか?』

 

「少し待ってくれ…これか?よし」

 

 ボタンを押すと男の姿がモニターに表示された。よく鍛えている、とソーは感じた。見慣れない制服の上からでもその鍛えられた肉体がわかる。

 

『私がUSSディスカバリーの艦長、ジェームズ・T・カークだ。あなたがミスター・ソー?』

 

「ソーでいい。カーク艦長、救助に感謝する」

 

『カークで大丈夫。救助を求める船がいたら助ける。船乗りの常識だよ。とりあえず生命維持装置が無事で良かった。空気が漏れている場所はないか?』

 

「漏れていた場所は既に閉鎖した。怪我人も応急手当を終えている」

 

『それはなによりだ。今軽く船体をスキャンをしたがかなりやられているみたいだな…岩みたいなのが底部にいっぱい突き刺さっている。小惑星でも飛んできたのか?』

 

「…まあそんなところだ」

 

故郷の惑星を姉と一緒にふっ飛ばして、その破片でやられましたとは言えないソーであった。

 

『なるほど…ってソーも目を怪我しているじゃないか』

 

「これか?ちょっと取れてな。ウイスキーで消毒したから大丈夫だ」

 

『いやいやきちんと治療しないと駄目だろ!転んで膝擦りむくのとは訳が違う。ちょっとそっちに行くからエアロックの場所を教えてくれ』

 

「あー…わかった。ここがエアロックだ」

 

『了解、すぐに行く。到着まで5分。カーク、アウト』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おいおいおい。ソーにステイツマンって事はこの世界はインフィニティ・ウォーかよ!やべえじゃん!サノスのハゲに指パッチンされたらおしまいだからなんとしても阻止しないとな。てかもうすぐ来るんじゃね?ここに来る時には既にパワー・ストーン持ってたはずだし、あのクソデカなサンクチュアリⅡも来るし!急がないと死ぬ!

 

「データ、スキャナーを最大出力で稼働させろ。所属不明艦が近付いてきたらすぐに連絡を頼む」

 

キャプテン・マーベルが体当たりで壊せるぐらいだから、この船の武装なら勝てるでしょ多分。

 

「了解しました、艦長。幸運を」

 

「そっちもな」

 

 そう言って俺はレイブンの格納庫から宇宙空間に飛び出した。着ているのはSCAR宇宙服。やっぱ宇宙遊泳って楽しいな。レイブンは自動操縦でディスカバリーに戻るようにしておいた。ブーストリグでエアロックまで飛ぶとドアが空いたので入る。さあ正念場だぞ。

 

『気圧調整完了。ドアを開けます』

 

 丸い大きなドアが開くとそこにはソーにロキ、ヘイムダル、バナー達がいた。ソーは筋肉やべえ。まさに漢ってやつだな。ロキはめっちゃイケメンやん。ヘイムダル俺好きなんだよな。バナー博士もかっこいい。スルトに飛びかかるシーンは笑ったけど。

 

「はじめまして。カークだ」

 

「ソーだ。こいつは弟のロキ、こっちは俺の親友ヘイムダル、そしてバナー博士」

 

「よろしく」

 

全員と握手。これだけでMCUファンは小便漏らすレベルで嬉しいだろ。

 

「早速だがソーの目を治療をしよう。一体何をしたんだ?」

 

「ちょっと姉と喧嘩してな」

 

「アスガルド流の喧嘩は物騒だな…」

 

 鞄から医療用トリコーダーを取り出してソーの目をチェック。やっぱ目ん玉がないから修復は不可能だな。小型のレプリケーターを用意しながらソーに尋ねる。

 

「損傷が酷くて自然修復は不可能だ。そこで義眼を用意しようと思う。何か要望はあるか?目の色とか特別な機能とか…」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ。この場で義眼を作れるのか?その小さな機械で?」

 

バナーがレプリケーターをまじまじと見つめている。そりゃ地球の技術じゃ無理だもんな。

 

「うちじゃこれが普通なんだ。あとで機能を説明するよ。で、どんな機能を付ける?おすすめは高度な動体視力付きのとか、目からレーザービームが出るやつとか…」

 

「ビームとか物騒だな!とりあえずどんな雷にも耐えられるようにしてくれ。俺雷使えるから。目の色は今と同じで頼む」

 

「わかった…これでよしと」

 

 必要なデータを入力するとレプリケーターが作動し、10秒もしないうちに義眼が完成した。バナーはもちろん、他の3人も口が開きっぱなし。

 

「えっ…もう出来たのか?」

 

「はい完成。付ける前に軽く消毒するから痛むぞ。あと義眼と神経が接続すると凄まじい痛みがくるから覚悟しといて」

 

「そ、そんなに痛いのか?」

 

「俺はやったことないけど…聞く所によると金床の上に置いた金玉をスレッジハンマーで殴った程度の痛さ、らしいよ?」

 

 心なしかソーの顔が真っ青になっているみたいだが気にしない気にしない。まずはガーゼを取ってマ○ロンをバシャー。

 

「痛ってえ!」

 

 血は止まっているみたいだから目の周りの血を拭いてから、消毒した義眼をソーの眼窩にシュゥゥゥーッ!!

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

 

 釣りたての魚みたいにのた打ち回っている…エキサイティンじゃないな。はいロキ君、そのイケメンフェイスでニヤリとしない。

 

「本当に大丈夫なのか?」

 

「あと5秒もすれば復活するはずだ」

 

「うおっ!?」

 

するとソーが口を閉じて跳ね起きた。周りを見ながら義眼に雷を当てている。痛くないのかあれ。

 

「見えるぞ!よく見える!」

 

「よし!じゃあ次は曳航の準備をしよう。元々どこに行く予定だったんだ?」

 

「地球に行く予定だった。あそこには仲間がいるからな」

 

「わかった、では…」

 

その時、コムバッジが作動してデータから通信が入った。

 

『艦長!9時方向よりアンノウン接近中!極めて巨大な戦艦です!』

 

「わかった。ソー、ここで誰かと合流する予定は?」

 

「もちろんない。艦橋へ行こう」

 

艦橋に着くのと同時にサンクチュアリⅡを目視で確認した。ロキはやべえって顔している。

 

「データ、不明艦の詳細を」

 

『全長19000メートル、全幅14000メートル、全高7800メートルの超巨大宇宙戦艦です。たった今、一部データのハッキングに成功。船名はサンクチュアリⅡ、ブラック・オーダーなる組織の所有物です』

 

「どでかい聖域だな…そのブラック・オーダーって組織のリーダーは?」

 

『サノスとかいう()()()()()()()()()()()()()()()()()()です』

 

データの言い方に艦橋にいた全員が拭いた。ロキは腹を抱えて爆笑している。

 

「ハゲは失礼だろハゲは…データ、何時でも動けるようにしておけ。シールド出力最大、全兵装オンライン」

 

『了解です』

 

「誰かサノスを知っている人はいるか?」

 

 4人に聞くとバナー以外は頷いた。曰く、全宇宙の最大の脅威。行く先々で破壊と虐殺を繰り返し、6つのインフィニティ・ストーンを探しているそうな。6つが揃うと宇宙を支配する力が手に入るらしい。しかもロキは以前サノスと同盟を結んでいたとか。

 

「でもここにストーンはない。アスガルドと一緒にテッセラクトは吹き飛んだ」

 

「あー…実はそれ間違ってる」

 

 ロキは気まずそうに言うと手のひらを上に向ける。するとそこに青いキューブが出現した。映画でも思ったけどめっちゃ綺麗やん。お洒落なバーとかで間接照明として置いてあっても不思議じゃないね。

 

「お前また盗んだのか!」

 

「いや、気が付いたらポケットに入っていて…」

 

「それはいいとして、その石をあいつに渡しちゃ駄目なんだろ?なら急いで逃げないとな」

 

「でもどうやって?」

 

ヘイムダルの言葉に返事をしようとしたが、その前にデータが大声を上げた。

 

『艦長、敵艦より発砲!目標はステイツマン!』

 

民間人が大勢乗っている船に問答無用で攻撃してくるとか、やっぱサノスはイカレハゲだな。

 

「直ちに応戦!ディスカバリーを射線に割り込ませろ!あとフックでステイツマンを掴んで胞子ドライブでジャンプだ!」

 

『目標は?』

 

「ちょっと待て」

 

 俺はソーの横にあるコンソールを操作して星系図を表示させた。うわ、地球までめっちゃ距離あるじゃん。どこに行こうかな。

 

「今星系図を送った。とにかく太陽系方向へランダムジャンプ!ブラックホールや恒星は避けろ!」

 

『了解!』

 

 ディスカバリーから送られてくるデータを見る限り、サンクチュアリⅡの攻撃は全てディスカバリーのシールドで防げている。仕返しにフェイザーと光子魚雷をお見舞いしたら、いい感じの被害が出ているようだ。あのクソダサいドーナツみたいな船が吹き飛ぶのも見えた。しかも艦橋をズームしたらサノスがガントレットで何か叩いてるし。怒ってんのか?

 

そうこうしているうちにディスカバリーがフックでステイツマンを掴んだ。

 

『固定完了!いつでも飛べます!』

 

「ジャンプ開始!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディスカバリーとステイツマンが回りながら消失するのを、サノスはサンクチュアリⅡの艦橋から見ていた。全てが予定と異なりストレスが溜まっていた。ステイツマンに乗り込んでスペース・ストーンを強奪するはずだった。到着すると見慣れない船がいたが気にせず攻撃。しかしその船が凄く強い船で、こちらの攻撃が通らず、向こうの攻撃でかなりの被害を受けた。そのせいでしばらくこの場から動けなくなってしまった。

 

「おのれ…」

 

「修理完了まで時間がかかります。次はどうします?」

 

副官のコーヴァス・グレイヴからそう聞かれると、サノスは唸りながら椅子に座った。

 

「動けるようになったらノーウェアへ向かう。リアリティ・ストーンを奪うぞ」

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