よし、タイタン到着!大気圧及び大気性質は人間が問題なく呼吸可能である事を確認した。でも所々で重力異常が起きている。かつて住んでいたタイタン人が築き上げた廃墟や残骸があちらこちらに散乱している。廃墟マニアはさぞ喜ぶだろうな。
「ネビュラ!」
「ガモーラ…」
タイタンの地表で2人の姉妹は無事に再開を果たした。良きかな良きかな。
「怪我はそこまで酷くないみたいだけど、かなり酷い拷問を受けていたみたいだな」
「大丈夫…痛いのは慣れてるから。それにこれくらいで休むのは性に合わない。私も戦うわ」
「ありがとうネビュラ…それにしてもサノスめ、絶対に許さない。頭に脱毛剤かけてやる」
「ぶっ!」
どうやらネビュラは俺のハゲ発言がツボっているらしい。どう見てもハゲだけど周りの連中にとってサノスは上司だから言えないんだろうな。でもサノスがフサフサになったらそれはそれで面白そう。ロキみたいなサラサラヘアーのサノス…あかん、視界に入っただけで腹筋崩壊する。昔海外のシャンプーのCMでおっさんが女性みたいなサラサラヘアーになってたやつを思い出したわ。
それはさておきサノスが来る前に準備をしておかないとね。まずガーディアンズが入手したリアリティ・ストーンの海賊版を作成。本物は5分で地球に戻りワカンダに置いてきた。ヴィジョンのマインド・ストーンは時間がかかるけど取り外し可能だそうな。良かった良かった。
タイタンに戻ってから海賊版ストーン4つを収めた箱を開けた場所にセット。蓋を開ければストーンが綺麗に並んでいるのが見える。金ピカ手袋に装着するまでは本物と同じように振る舞うけど、そのパワーを使おうとした瞬間に破壊するようになっている。その時の表情はカメラで見るとしよう。ついでにロングヘアーのウィッグも入れておいてやろう。
次。タイタン軌道上に機雷を大量に設置した。アメリカ海軍が運用しているMk60キャプター機雷のように、目標を探知すると発射管に装填されたミサイルが発射される。これは有り余っているポイントで購入しました。ミサイルの種類は7割がイオン・ミサイル、2割がデコイ、そして残りの1割が光子魚雷。軌道上で確実にサンクチュアリⅡを破壊する為だ。
だがあのデカブツをサノスごと吹っ飛ばす訳にはいかない。あいつの手にはパワー・ストーンが残っているからな。船の中枢、具体的に言うとサノスがいる艦橋部分以外を破壊するようミサイルにプログラムしておいた。そうすれば間違いなくサノスはストーンの力を使ってこちらの攻撃を防ぎながらタイタンの地表に降下するだろう。
念の為メンバー全員に個人用シールド発生装置とコムバッジを渡してあるからやばくなったら転送で逃げる事ができる。敵がどれだけタイタン地表に降りてくるかはわからないけど、明らかに数で押されてまずい状況になったらディスカバリーの格納庫から
「…という感じの作戦だけど何か質問は?」
みんなの前で説明を終えるとナターシャが手を挙げる。
「まずい状況になったら使用すると言ったあるものって具体的にどんなものなの?」
「2つある。1つは極めて特殊な戦闘用サイボーグ。もう1つは、その…これ」
「何それ?」
俺は足元に置いたリュックサックから緑色の物体が入った小さなアンプルを取り出した。
「連邦内での呼称は多用途広域制圧兵器となっているが、ずばり言ってしまうとこいつの正体は生物兵器だ。正式名称はマンティコア」
そう言うと全員が一斉に後ずさる。マンティコアはCall of Duty:Advanced Warfareでおなじみの最終兵器。アトラスはとんでもないものを作ってしまいました。ちなみにこれもポイントで購入した。てか生物兵器なのに意外と安くて驚いた。もっと高くてもいいと思うだが。
「ジム、流石にそれは駄目だろ。いくらなんでも大量破壊兵器を使うのは…」
顔を青くしたピーターがそう言うけどこれは大丈夫なやつだぞ。
「これはただの生物兵器じゃない。DNA爆弾とも呼ばれるこのマンティコアは使う前にDNA登録が必要になる。登録されたDNAの生物には一切の効果を及ぼさないんだ。だから生物兵器の使用条件の厳しさや味方への懸念が殆ど存在しない。僅かな胞子だろうと吸引すると即死する致死量だから、防護服程度では意味を成さない感染力を持つぞ。核兵器よりピンポイントで、化学兵器よりパワフル、そして既存の生物兵器より使いやすいという正に画期的な戦略兵器!ちなみにコストも安いから政治家も納税者もニッコリだ。それに当然だけど使った後に中和剤をまけば兵器は死滅するから安心してくれ」
ブルースが恐る恐る聞いてくる。
「まさか…既に実戦で使った事があるのか?」
「もちろんある。とある惑星で大規模なテロが発生して、その惑星の大統領や側近達が人質に取られた事件があった。その時戦争していた国に唆されたテロリストの仕業でな、要求に応じなければ人質全員を殺すと言ってきた。だがテロリストとは交渉しないのが連邦のルール。それに戦時だからとっとと事件を片付けないといけなかった。連邦所属の民間人・政治家・軍人は全員DNA登録をされている。あとはシンプルだ。犯人のDNA登録を無効化した上で、人質がいる建物に特殊部隊がマンティコアを流し込んでテロリストは全員死亡、事件は解決って話だ」
「テロリスト相手に生物兵器使うのかよ…」
全部ウソだけどね。
「最初は連邦も生物兵器の研究、製造、保有を禁じていた。だが敵が遠慮なく使ってきて複数の惑星が壊滅した事をきっかけに連邦も持つようになったんだ」
「今までの常識が通用しない敵って訳か」
「そうだ。30世紀に入ってから開発されたのがこのマンティコア。使い勝手が良くて敵以外は殺さずコストも安い。だからテロ等の凶悪犯罪には使用が許可されている。とは言ってもサノスにはパワー・ストーンはあるからこいつも無力化されるかもしれない。だが奴の部下は減らせるだろう。サノスが強くても部下を守りながら戦えるとは思えないからな」
サノスの待ち伏せ準備が整ったので後は待つだけ。俺はその間にポイントで幾つかアイテムを追加で購入した。まず船体表面の装甲を全て量子クリスタル装甲に換装した。スター・ウォーズに出てくる超兵器、サン・クラッシャーの装甲と同じものだ。惑星を木端微塵にするデス・スターのスーパーレーザーを無効化できるから、パワー・ストーンの攻撃にも耐えられるだろう。
それとSCARチーム宇宙服を1セット購入してナターシャにプレゼント。ブーストリグの使い方を教えた後に好きな武器もあげた。彼女が手に取ったのは使いやすいNV4とブルパップ方式のサブマシンガン、RPR Evoだった。どちらも拡張マガジンとフォアグリップを取り付けた。ショックグレネードやフォームウォールも渡したから問題ないね。
俺の武装はフェイザーで統一する事にした。ライフル型のタイプ3・フェイザーと拳銃型のタイプ2・フェイザー。タイプ3・フェイザーはスタートレック:ピカードで登場していたやつだ。エネルギー切れにならないように増設パワー・セルを取り付けてあるし、予備のパワー・セルをチェストリグに入れてある。雑魚なら一撃で蒸発させれるがサノスや直属の部下は難しいかもしれない。
『艦長、サンクチュアリⅡがタイタン軌道上に出現。攻撃を開始します』
軌道上に展開したディスカバリーから全員に連絡が連絡が入った。思ったより早かったな。映像を見る限り吹き飛ばした右の翼は置いてきたみたいだな。
「了解、作戦開始だ。今度こそあのデカブツを宇宙の藻屑にしてやれ」
サンクチュアリⅡがワープ直後に見たのはサノスの故郷であるタイタン。そして離れた場所にいるディスカバリーだった。インフィニティ・ストーンの反応はタイタンの地表にある。サノスは船が破壊されても構わないから地表に向かうよう指示を出した。例え船が壊れてもストーンが手に入れば問題ない、と考えたからだ。
「至近距離に多数の物体有り!恐らく機雷かと…まずい!機雷からミサイル発射!」
しかしカークが設置した大量の機雷からミサイルが飛んできた事でパニックになる。回避をせずにタイタン地表へ向かうサンクチュアリⅡにミサイルが次々と命中する。多くは先の戦いで使用されたイオン・ミサイルだったので、復旧したばかりの電子機器等がダウンする程度で済んだ。しかし極稀に実弾が装填されたミサイルが混ざっており、それらは船体に大きなダメージを与えた。艦橋へ損害報告が雪崩のように押し寄せる。
「第4、第10、第15ブロックで火災発生!」
「艦底部格納庫からの通信が途絶した!誰か急いで見てこい!」
「左主翼に直撃弾!損害不明です!」
「損害箇所が多すぎる!ダメコンが追いつかないぞ!」
サノスはパワー・ストーンを使い周辺の機雷とミサイルを破壊するも、続いてディスカバリーから飛んできたフェイザーを無効化する事は出来なかった。それどころか短距離ワープを繰り返しながら、常にサンクチュアリⅡの周りを飛んで攻撃してくる。あの船には性根の腐った野郎が乗っているに違いない、とサノスは思いながら反撃を指示した。
「第4、第8ミサイル発射管に被弾!残弾を強制射出して回路をカットしろ!」
「第7から第11砲台応答なし!本艦の戦闘能力は現在19%!」
「敵艦に直撃弾多数!しかし効果は認められない!ビクともしないぞ!」
「リアクター出力が不安定だ!補助機関を今すぐ動かせ!」
「補助機関は右主翼のは吹っ飛んでるし左主翼のは起動しない!何とか安定させろ!」
「ミサイル残弾数に注意!あと4斉射分しかありません!」
しかし先の戦いで数を減らされた砲やミサイルでの攻撃ではディスカバリーのシールドを貫く事は出来なかった。パワー・ストーンでディスカバリーを捕まえて粉砕しようとしたが、ランダムな場所にワープし続けているので不可能。そこでサノスは強力な衝撃波を全方位に連続で発射する事に。この攻撃でディスカバリーは明後日の方向に弾き飛ばされた。それを見たサノス達は歓声を上げた。
だがサノスはある事を完全に忘れていた。度重なる損害のせいでサンクチュアリⅡの船体の耐久力が致命的なまでに落ちていた事に。そこにパワー・ストーンから発せられた強力な衝撃波が何度も加わった結果、遂にサンクチュアリⅡを構成する船体が崩れ始めた。慌てたサノスは自身がいる船体中央部をストーンの力で守ろうとした。サノスにとって残念な事に船体の崩壊スピードが想定より早く、またタイタンの重力圏に捕まり大気圏への突入コースに入った事もあり、サンクチュアリⅡはあちこちから火を吹きながら壊れていく。
そこに追い打ちをかけるかのようにディスカバリーが猛攻撃を仕掛ける。大気圏突入時の熱、そしてディスカバリーからの攻撃で船体は完全に崩壊した。船体中央部はかろうじて原型をとどめていたものの、残りの部分は細かい破片となって地上に落ちていく。不思議な事にディスカバリーは壊れた船体の残骸も攻撃していたが、現在進行系でフリーフォール中のサノス達はそんな事を気にする暇はなかった。
最終的にサンクチュアリⅡの成れの果てが墜落したのは、4つのインフィニティ・ストーンの反応が確認された場所から僅か5キロメートル程離れた場所だった。パワー・ストーンを全力で使ったが船体は中央部を残して他は崩壊。その中央部ですら崩れかけのモニュメントと化していた。内部は更に凄惨な状態になっており、サノスと直属の部下4人は生きていたが、アウトライダーやチタウリは墜落の衝撃でほとんどが死亡。残存兵力は僅か600程であった。
その様子を姿を隠しながら静かに偵察するディスカバリー。情報はデータを経由してヒーロー達に送られた。
『作戦の第1段階を完了しました。敵艦は完全に無力化。600程の生命反応を検出、サノスも生きています』
「よくやったデータ。引き続き偵察を続行。念の為マンティコアの投下準備を。それと…あのサイボーグもな」
『了解しました、艦長』